| 【発明の名称】 |
補強布入りゴム製品の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】兼田 伸之
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| 【要約】 |
【課題】補強布入りゴムシートでダイヤフラムのように薄いシート成形品を所望の形状に成型する方法を確立する。
【解決手段】補強布の両面に加硫後は形状記憶性を持つ未加硫ゴムを加硫接着させた補強布入り平ゴム加硫シートを作製した後、形状記憶ゴムの変態温度以上に平シートを加熱し、所定形状に加圧、変形させたまま、変態温度以下に冷却した後、脱型することを特徴とする補強布入りゴム製品の製造方法であり、ここで補強布入り平ゴム加硫シートの加圧、変形は、上下金型あるいは真空・圧空成形型で行なう。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 補強布の両面に加硫後は形状記憶性を持つ未加硫ゴムを加硫接着させた補強布入り平ゴム加硫シートを作製した後、形状記憶ゴムの変態温度以上に平シートを加熱し、所定形状に加圧、変形させたまま変態温度以下に冷却した後、脱型することを特徴とする補強布入りゴム製品の製造方法。 【請求項2】 補強布入り平ゴム加硫シートの加圧、変形は、上下金型あるいは真空・圧空成形型で行なう請求項1記載の補強布入りゴム製品の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ダイヤフラム、ベローなどのゴム製品の製造方法に関し、これらは使用時、圧力が負荷される場合、ゴムだけでは弾性率が低く、特に薄い厚みの製品は、大きく膨張し破裂するので、補強布をゴムに挿入し、膨張を防いでいる。本発明は補強布入りゴムシートで自由に所望の形状に成形する新規な製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】凹凸のある補強布入りゴム製品を金型にて、加硫製造する場合、未加硫ゴムシートの間に補強布をサンドイッチにし、低温の金型に充填し加圧し所定の形状に近い形状に予備成型し、不要なゴムを取り除いた後、高温の金型に充填し加圧加硫したり、製品に必要な重量を予め計算し、製品形状に見合った寸法にシートを裁断し、金型に充填し、加圧、加温し加硫する方法によっている。しかしながら、このような方法によると、充填ゴムシートの厚みのバラつきや、金型精度のバラつき、あるいは加圧力の不均衡等により、加硫時、ゴムの流動で補強布も動き、布の粗密ができたり、布が表面近くに出てくることが多く、不良の発生率が高く、ゴムのみの製品に比べ、コスト高の大きな要因となっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】補強布が入ったゴム製品を加硫成型するには、補強布をサンドイッチした未加硫ゴムシートを金型に充填し、加圧、加温し成型するが、その際、凹凸の激しい形状の場合、ゴムの流れにより布が乱れたり、布が表面に出たりし、製品の見栄えが悪い上、使用時の寿命に大きく影響する。これを防ぐには、精密な金型と正確なゴムの予備成型が必要であるが、しかし、ゴムの加硫には本質的に金型のキャビテイの容量よりゴムの容量を大きくする必要があるため、ゴムの流動は避けられず、布をゴム厚の中心に維持するのは、難しい技術である。特に厚みが薄い製品ほど、ゴム中に補強布を挿入加硫し、表面に布が出ないように成型するのは非常に困難である。本発明はこのような課題を解決するためになされたものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、補強布の両面に加硫後は形状記憶性を持つ未加硫ゴムを加硫接着させた補強布入り平ゴム加硫シートを作製した後、形状記憶ゴムの変態温度以上に平シートを加熱し、所定形状に加圧、変形させたまま変態温度以下に冷却した後、脱型することを特徴とする補強布入りゴム製品の製造方法でる。 【0005】ここで、補強布入り平ゴム加硫シートの加圧、変形は、上下金型あるいは一枚の金型ですむ真空・圧空成形型で行なうのである。 【0006】このように、補強布の上下面に、ゴムを加硫接着した加硫ゴムシートを予め製造し、所定の形状に変形できれば、補強布に乱れは少なく布が表面に出ることもない。一般のゴムで上記のことを行えば、変形させてもすぐ、元のシートの形状に戻ってしまう。しかし、本発明の成形方法ではゴムとして形状記憶性のゴムで、その変態温度が製品の使用温度より高い場合、シートを変形させ変態温度以下に冷却すれば、その形状を保持することができ、補強布が表面に出ることもなく、ゴム厚の中心に維持することも可能である。 【0007】加硫シートは未加硫シートとちがって成形時にゴムの移動が少なくゴム層が薄くても補強布の移動が少なく、表面に露出し難い。上下金型でなく、ゴム層の偏りが著しい真空、圧空成形でも、十分な均一性が得られる。 【0008】形状記憶性ゴム組成物は、常温でゴム弾性を有したゴム成形体に熱的変化に対して生じる収縮とか、他の形状への変形を利用するのに種々開発されており、例えば、ガラス転移温度(Tg)が10℃以上で分子量が100万以上のノルボルネン系ポリマー(特開昭59-53528号)とか、ガラス転移温度が室温以上の硬質樹脂状合成付加重合体(特開昭60-28433号)がある。また、Tgが−10℃以下のものでは、結晶化度20%以上のクロロプレンゴムを主原料とした結晶性ポリマー架橋体(特公平6-96642号)などが知られている。そのほか、形状記憶性ポリマーとして、ポリノルボルネン系、スチレン−ブタジエン系、ポリイソプレン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、アクリル系、スチレン−アクリル系、含フッ素系の各種ポリマー、合成ゴム系など広範囲に形状記憶性を付与した組成物が提案されている。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につき説明する。ナイロン織布(正織)に接着処理を施し、加硫後には形状記憶性を持つ2枚の未加硫ゴムシート間に、上記織布をサンドイッチにし、プレスにて高温、高圧をかけ、布とゴムを加硫接着させて加硫平シートを製造すれば、ゴム厚のほぼ中央に布が挿入された加硫平シートが得られる。この平シートを形状に見合った適当な寸法に裁断し、所定の形状が得られる金型に充填し、加硫ゴムの変態温度以上に加熱し、圧力をかけ、所定の形状に変形させ、冷却後取り出せば、製品としての所定の形状を保持した布入りゴムが得られる。この布入りゴムを再度、変態温度以上に加熱すれば、平シートに戻ってしまうので、製品の使用温度は、変態温度以下の必要がある。具体的な形状については以下の実施例で説明する。 【0010】ここで用いる形状記憶ゴムは、一般に知られているエチレンプロピレンポリマー(EPT)、フッ素ゴム、シリコンゴム、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、イソプレンゴム、ノルボルネンゴムなどが利用できる。製品の使用温度を考慮してこれらのゴムの変態温度により選択する。代表的な形状記憶ゴムとその変態温度は表1のとおりである。 【0011】 【表1】
【0012】実施例1形状記憶性ゴムにEPTを用い、図1の断面形状に示すように、外径300φで、山の高さ25mm、厚み3t(3mm)の形状記憶ゴム層1で、糸の太さ840デニールのナイロン正織の織布からなる補強布2が、ゴム組成ゴム厚の中央に挿入接着されたドーナツ状のダイヤフラム3を製造した。加硫ゴムでは、変態温度約170℃を持ち、ゴム硬度Hs70、厚み3tの厚み中央に、ナイロン織布を加硫接着した平シートを作り、そのシートを外径340φ、内径80φの穴を持つ形状に裁断し、上型、下型で図1の形状になる金型を170℃に加熱しておき、上記裁断シートを金型に入れ、加圧した後、金型を加圧したまま冷却し、室温にて取り出し、図1のようなダイヤフラム3の製品を得た。また、室温の金型に上記3tのシートを予め、180℃程度に加熱しておき、すばやく金型に入れ、加圧しても同様な製品が得られた。 【0013】ここで用いた形状記憶性ゴムのEPTゴム組成は表2のとおりである。 【0014】 【表2】
【0015】実施例2実施例1と同じ要領で、表2のEPTゴム組成物を用い、図1と同様な形状で厚みのみ1t(1mm)であるダイヤフラムにおいて、ゴム1t中の厚み中央にナイロン織布を挿入加硫接着した平シートを作成し、実施例1の下型、すなわち突起を持つ側の金型において、突起の付け根に等間隔で、2φ程度の穴をあけ、この穴より空気が抜ける道を作り、真空ポンプに連結し真空ポンプを稼働させておき、オーブン中で約180℃に加熱した上記平シートを金型に押しつければ、シートと金型間が真空となり、大気圧がシートに負荷され、シートは金型形状に変形し、金型により冷却された後、取り外し、製品に不要な部分を裁断にて取り除けば所要の製品となる、いわゆる真空成型にて製造可能であった。 【0016】特に、厚み1tのダイヤフラムは金型精度や、布の乱れによる不良等でコスト高であるが、真空成形では、金型も上下必要でなく、片面でよく、布もゴムの中央からはずれることなく性能よく、かつ経済的に製造できた。 【0017】実施例3実施例1と同じ要領にて未加硫NBRの中央にナイロン織布を挿入し、150℃にて加硫し、厚み3tの平シートを作る。そのシートをダイヤフラムの金型に入れ、100℃にて加圧し冷却後脱型した。NBRゴム組成は、表3に示すとおりである。 【0018】 【表3】
【0019】実施例4実施例1と同じ要領にてフッ素ゴムにつき図1と同様の形状を平シートを170℃に加熱し、圧空成形型により製造した。フッ素ゴム組成物の配合比を表4に示す。 【0020】 【表4】
【0021】 【発明の効果】本発明の補強布入りゴム製品の製造方法によると、次のような効果が得られる。 (1)中央に布が入った加硫シートを用いるので、製品の一部に補強布が露出することなく、寿命が長くなる。 (2)従来方法で起こる製造時のエア入りや、布の繊維の粗密による製品の変形が少なく不良率が低下する。 (3)従来方法の生造り予備成形が不要で経済的である。 (4)従来方法は、上下金型が必要であるが、真空成形を用いれば、片面の型でよく、更に、金型は金属でなくてもよく、型取用のゴムやプラスチック、木材等を使用でき、金属より形状加工性のよい材質が選べ、より色々な形状の製品も容易にしかも安価にて、製造できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000211248 【氏名又は名称】中国ゴム工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月3日(1998.12.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075960 【弁理士】 【氏名又は名称】森 廣三郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−167927(P2000−167927A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月20日(2000.6.20) |
| 【出願番号】 |
特願平10−344304 |
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