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【発明の名称】 補強繊維吹き付け装置
【発明者】 【氏名】能登 健治

【要約】 【課題】補強繊維の毛羽立ちによる補強繊維の支持部材への付着を防止するこができる補強繊維の吹き付け装置を提供することにある。

【解決手段】FRP成形品の製造に用いられるスプレーアップ装置の補強繊維吹き付け装置Aであって、支持体1と腕部2とからなり、腕部2には支持棒5とエアー吹き付け装置6と補強繊維供給装置7とスプレーガン8とが設けられ、エアー吹き付け装置6はシリンダー61と吹き付けガン62とからなり、腕部2は支持体1の取付部を軸に左右上下自在に動かすことができ、エアー吹き付け装置6で、支持棒5にエアーを吹き付け、支持棒5に付着した補強繊維を取り除くものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 FRP成形品の製造に用いられるスプレーアップ装置の補強繊維吹き付け装置であって、前記補強繊維吹き付け装置は、支持体と、この支持体の上端部より横方向に突き出された腕部とからなり、この腕部の上面には、ほぼ垂直に上方に向けられた補強繊維の支持棒とエアー吹き付け装置とが設けられ、この腕部の先端部には、補強繊維供給装置とその先にスプレーガンとが設けられ、前記エアー吹き付け装置は、シリンダーと、このシリンダーの先端部に設けられた吹き付けガンとからなり、この腕部は、支持体の上端部の取付部を軸に左右上下自在に動かすことができ、常時、エアー吹き付け装置で、補強繊維の支持棒にエアーを吹き付け、支持棒に付着した補強繊維を取り除くことを特徴とする補強繊維吹き付け装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、FRP成形品の製造に用いられる補強繊維吹き付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、FRP成形品の製造には、成形用樹脂に補強繊維を短く切断したチョップ(短繊維)と硬化剤を同時に供給混入して成形型に吹き付ける補強繊維吹き付け装置が使用されている。
【0003】この補強繊維吹き付け装置としては、例えば、特開平2−190313号公報記載のものが知られている。この補強繊維吹き付け装置は、支持体と、この支持体の上端部より横方向に突き出された腕部とからなり、この腕部の上面には、ほぼ垂直に上方に向けられた補強繊維の支持棒が設けられ、この腕部の先端部には、補強繊維供給装置とその先にスプレーガンとが設けられ、この補強繊維吹き付け装置とは別にシリンダーと吹き付けガンからなるエアー吹き付け装置が壁面に取り付けられ、腕部は支持体の上端部の取付部を軸に左右上下自在に動かすことができ、スプレーアップ後、腕部を動かして、腕部の先端部のスプレーガンを吹き付けガンに近づけて、吹き付けガンで、エアーを一定時間吹き付け、スプレーガンの出口に付着した補強繊維を取り除き、次に、腕部を成形位置に復帰させるものであり、上記の工程を自動操作により順次行うことができ、便利なものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この補強繊維吹き付け装置では、スプレーアップ後、腕部を動かして、腕部の先端部のスプレーガンを吹き付けガンに近づけて、腕部の先端部のスプレーガンの出口にエアーを吹き付け、この出口に堆積した補強繊維を除去することができるが、補強繊維の毛羽立ちによって、補強繊維を供給する通路の支持棒に堆積した補強繊維は取り除くことができず、堆積した補強繊維が支持棒から抜け、樹脂とともに成形型の吹き付けられることがある。このように、樹脂とともに成形型の吹き付けられると、吹き付けられた部分は補強繊維リッチ状態となり、樹脂との含浸不良になるという問題がある。そこで、本発明の目的は、補強繊維の毛羽立ちによる補強繊維の支持棒への付着を防止することができる補強繊維の吹き付け装置を提供することにある。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明は上記の目的を達成するためになされたもので、FRP成形品の製造に用いられるスプレーアップ装置の補強繊維吹き付け装置であって、補強繊維吹き付け装置は、支持体と、この支持体の上端部より横方向に突き出された腕部とからなり、この腕部の上面には、ほぼ垂直に上方に向けられた補強繊維の支持棒とエアー吹き付け装置と、この腕部の先端部には、補強繊維供給装置とその先にスプレーガンとが設けられ、エアー吹き付け装置は、シリンダーと、このシリンダーの先端部に設けられた吹き付けガンとからなり、この腕部は、支持体の上端部の取付部を軸に左右上下自在に動かすことができ、常時、エアー吹き付け装置で、補強繊維の支持棒にエアーを吹き付け、支持棒に付着した補強繊維を取り除くものである。
【0006】本発明におけるスプレーアップ装置とは、FRP成形品の製造に用いられる成形用樹脂と、補強のための補強繊維をカットし、カットされた補強繊維と、硬化剤とを同時に供給混入して成形型に吹き付けることができれば、適宜な装置でよい。
【0007】本発明における補強繊維供給装置とは、補強長繊維をカットし、補強短繊維とし、シュートを経由してスプレーガンで成形型に吹き付けることができれば、適宜な装置でよく、例えば、供給された補強長繊維をピンチロールで挟持し、一定の速度で送り込み、一定間隔にカット刃の植え付けられたロータリーカッターでカットし、補強短繊維とし、シュートを経由して樹脂ノズルの吹出口へ供給された成形用樹脂に混入して、スプレーガンで成形型に吹き付けることができるものであると、構造が簡単で、装置自体がコンパクトであり、好ましい。
【0008】本発明におけるエアー吹き付け装置は、補強繊維吹き付け装置の腕部に取り付けられている補強繊維の支持棒にエアーを吹き付け、支持棒に付着した補強繊維を取り除くことができれば、適宜な装置でよく、例えば、シリンダーと、このシリンダーの先端部に設けられた吹き付けガンとからなり、このシリンダーが補強繊維吹き付け装置の腕部の支持棒の近傍に取り付けられ、吹き付けガンの先端部が支持棒方に向けられていると、支持棒にエアーを吹き付け、付着した補強繊維を取り除くことができるので、好ましい。
【0009】本発明における補強繊維には、ガラスロービングの他、例えば、芳香族ポリアミド繊維や炭素繊維、更にはビニロン繊維等の合成繊維が上げられ、好適に用いられるものである。
【0010】本発明における成形用樹脂には、不飽和ポリエステル樹脂の他、例えば、ビニルエステル樹脂等の合成樹脂が上げられ、好適に用いられるものである。
【0011】(作用)本発明においては、FRP成形品の製造に用いられるスプレーアップ装置の補強繊維吹き付け装置であって、エアー吹き付け装置は、シリンダーと、このシリンダーの先端部に設けられた吹き付けガンとからなり、この腕部は、支持体の上端部の取付部を軸に左右上下自在に動かすことができ、常時、エアー吹き付け装置で、補強繊維の支持棒にエアーを吹き付け、支持棒に付着した補強繊維を取り除くことができるので、支持棒に補強繊維が付着せず、成形型の表面で補強繊維リッチ状態とはならず、樹脂との含浸不良にならない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下,本発明の一実施例を図1に基づいて詳述する。図1は補強繊維吹き付け装置の概略説明図である。
【0013】図1において、Aは補強ガラス繊維吹き付け装置であり、この補強ガラス繊維吹き付け装置Aは、支持体1と、この支持体1の上端部より横方向に突き出された腕部2とからなっている。この腕部2の一方の端部は、支持体1の上端部との取付部3を軸に左右上下自在に動かすことができるようになされている。
【0014】この腕部2の上面には、間隔をおいて、補強ガラス繊維4を供給する通路に、ほぼ垂直に上方に向けられた2個の支持棒5と、補強ガラス繊維4を供給する通路を除いた支持棒5の近傍で、2個のエアー吹き付け装置6とが設けられている。この2個の支持棒5の上端部はリング状になされ、リング状の孔51に補強ガラス繊維4が通されている。又、この腕部2の他方の先端部には、補強ガラス繊維供給装置7とその先にスプレーガン8とが設けられている。
【0015】この補強ガラス繊維供給装置7は、ピンチロール71と、一定間隔にカット刃の植え付けられたロータリーカッター72とシュート73とからなっている。このシュート73はスプレーガン8に繋がれている。
【0016】エアー吹き付け装置6は、シリンダー61と、このシリンダー61の先端部に設けられた吹き付けガン62とからなっている。この吹き付けガン62の出口は、支持棒5に方に向けられ、常時、エアー吹き付け装置6で、補強ガラス繊維4の支持棒5にエアーを吹き付けることができるようになされている。
【0017】本発明の補強ガラス繊維吹き付け装置Aの使用方法を説明しながら、作用を説明する。先ず、支持体1の腕部2の上面に、間隔をおいて、設けられている2個の支持棒5の上端部のリング状の孔51に補強ガラス繊維4を通し、補強ガラス繊維4の供給する通路に補強ガラス繊維4を置く。次に、支持体1の上端部に取り付けられた腕部2を左右上下自在に動かして、腕部2の先端部に設けられているスプレーガン8を近づけ、スプレーガン8の出口を成形型9に向ける。
【0018】次に、エアー吹き付け装置6の吹き付けガン62で、補強ガラス繊維4の支持棒5の上端部のリング状の孔51と、孔51に通っている補強ガラス繊維4とにエアーを吹き付ける。常時、エアーを吹き付けながら、補強ガラス繊維供給装置7のピンチロール71で供給された長い補強ガラス繊維4を挟持し、一定の速度で送り込み、一定間隔にカット刃の植え付けられたロータリーカッター72でカットし、短い補強ガラス繊維4とし、シュート73を経由させて、樹脂ノズル(図示省略)の吹出口方に送り込み、不飽和ポリエステル樹脂に短い補強ガラス繊維4を混入して、スプレーガン8で成形型9に吹き付ける【0019】このようにすると、エアー吹き付け装置6は、シリンダー61と、このシリンダー61の先端部に設けられた吹き付けガン62とからなり、この腕部2は、支持体1の上端部の取付部3を軸に左右上下自在に動かすことができ、常時、エアー吹き付け装置6で、補強ガラス繊維4の支持棒6にエアーを吹き付け、支持棒6に付着した補強ガラス繊維を取り除くことができるので、支持棒6に補強ガラス繊維4が付着せず、成形型9の表面で補強ガラス繊維4リッチ状態とはならず、不飽和ポリエステル樹脂との含浸不良にならない。
【0020】次に、本発明の特徴を説明するために、実験データーを表1に示す。即ち、表1の中で、実施例1及び2と比較例1は下記の通りである。
(実施例1)4000台の補強ガラス繊維吹き付け装置の中で、本発明品であるエアー吹き付け装置6を支持体1の腕部2の上面に取り付けた補強ガラス繊維吹き付け装置Aについて実施し、成形型9の表面での不飽和ポリエステル樹脂の含浸状況を目視で観察し、補強ガラス繊維が成形型9の表面上の他の部分より多くあると見受けられるものを含浸不良とし、この台数を調べたものである。
【0021】(実施例2)4000台の補強ガラス繊維吹き付け装置の中で、本発明品であるエアー吹き付け装置6を支持体1の腕部2の上面に取り付けた補強ガラス繊維吹き付け装置Aと、従来技術の中で説明した補強繊維吹き付け装置(特開平2−190313号公報記載のもの)とを併用したときのもので、成形型9の表面での不飽和ポリエステル樹脂の含浸状況を目視で観察し、補強ガラス繊維が成形型9の表面上の他の部分より多くあると見受けられるものを含浸不良とし、この台数を調べたものである。
【0022】(比較例1)4000台の補強ガラス繊維吹き付け装置の中で、従来技術の補強繊維吹き付け装置(特開平2−190313号公報記載のもの)のみを用いたときのもので、成形型9の表面での不飽和ポリエステル樹脂の含浸状況を目視で観察し、補強ガラス繊維が成形型9の表面上の他の部分より多くあると見受けられるものを含浸不良とし、この台数を調べたものである。
【0023】
【表1】

【0024】表1に示されたように、実施例1及び2では、成形型9の表面での不飽和ポリエステル樹脂の含浸不良率は極めて低いが、比較例1では、一桁違う含浸不良率のものとなった。
【0025】以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0026】
【発明の効果】以上説明してきたように,本発明においては、FRP成形品の製造に用いられるスプレーアップ装置の補強繊維吹き付け装置であって、エアー吹き付け装置は、シリンダーと、このシリンダーの先端部に設けられた吹き付けガンとからなり、この腕部は、支持体の上端部の取付部を軸に左右上下自在に動かすことができ、常時、エアー吹き付け装置で、補強繊維の支持棒にエアーを吹き付け、支持棒に付着した補強繊維を取り除くことができるので、支持棒に補強繊維が付着せず、成形型の表面で補強繊維リッチ状態とはならず、樹脂との含浸不良にならない。
【出願人】 【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
【出願日】 平成10年8月26日(1998.8.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−71342(P2000−71342A)
【公開日】 平成12年3月7日(2000.3.7)
【出願番号】 特願平10−240282