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湾曲面を有する中密度繊維板の成型品及びその加工方法 - 特開2000−158421 | j-tokkyo
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【発明の名称】 湾曲面を有する中密度繊維板の成型品及びその加工方法
【発明者】 【氏名】米山 庸二

【要約】 【課題】湾曲面を有する中密度繊維板の成型品及びその加工方法【解決手段】 適宜の形状に裁断した中密度繊維板を、110℃〜120℃の過熱蒸気で10〜30分間加熱処理を施した後、直ちに曲率半径が板の厚さの50〜15倍の湾曲面を備えたホットプレス用型に入れ、圧力10〜40kg/cm2、温度120℃〜250℃の条件下、所定圧力に達するまで初期は緩徐に、漸時加速して昇圧し乍ら圧締して成型し、ホットプレスより解放するや直ちに5℃乃至それ以下の冷風に曝露し、急冷して仕上げる。

【解決手段】適宜の形状に裁断した中密度繊維板を、110℃〜120℃の過熱蒸気で10〜30分間加熱処理を施した後、直ちに曲率半径が板の厚さの50〜15倍の湾曲面を備えたホットプレス用型に入れ、圧力10〜40kg/cm2、温度120℃〜250℃の条件下、所定圧力に達するまで初期は緩徐に、漸時加速して昇圧し乍ら圧締して成型し、ホットプレスより解放するや直ちに5℃乃至それ以下の冷風に曝露し、急冷して仕上げる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 曲率半径が板の厚さの50〜15倍の湾曲面を有することを特徴とする、湾曲面を有する中密度繊維板の成型品。
【請求項2】 前記中密度繊維板は中密度繊維板単体又は化粧単板貼り、又は紙貼り、或いは布帛貼り等の繊維板で形成したことを特徴とする湾曲面を有する中密度繊維板の成型品。
【請求項3】 前記中密度繊維板は適宜の塗装、若しくは着色を施した繊維板にて形成したことを特徴とする請求項1〜2記載の湾曲面を有する中密度繊維板の成型品。
【請求項4】 前記中密度繊維板は、適宜の模様を印捺若しくは転写してなる繊維板にて形成したことを特徴とする請求項1〜3記載の湾曲面を有する中密度繊維板の成型品。
【請求項5】 適宜の形状に裁断した中密度繊維板を、110℃〜120℃の過熱蒸気で10〜30分間加熱処理を施した後、直ちに所期の湾曲面を備えたホットプレス用型に入れ、圧力10〜40kg/cm2、温度120℃〜250℃の条件下、所定圧力に達するまで初期は緩徐に、漸時加速して昇圧し乍ら圧締して成型し、ホットプレスより解放するや直ちに5℃乃至それ以下の冷風に曝露し、急冷して仕上げたことを特徴とする請求項1〜4記載の湾曲面を有する中密度繊維板の成型品の加工方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は漆器素地、家具、土木建築、自動車内装具、その他木製品の分野で供用する曲率半径が板の厚さの50〜15倍の湾曲面を有する中密度繊維板(以下MDFと略称する)の成型品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、屈曲性を有する硬質繊維板(ハードボード)に関しては、湿式製法に係る実開平55−10500号及び乾式製法に係る特公平6−79807号(特開昭62−20764号)公報等にそれぞれ技術が開示され、また中質繊維板(MDFと同義)又はパーティクルボードを芯材とした曲面成型木質板に関しては、特開平9−104008号公報に開示されている。
【0003】周知のとおり、木質系繊維板は密度によって区分され、0.35g/cm3未満のものはインシュレーションボード(IB)と称し、0.35g/cm3〜0.8g/cm3のものをMDF、0.8g/cm3以上のものをハードボード(HB)と言い、本発明は特にMDFの曲率半径が板の厚さの50〜15倍の湾曲面付与成型品及びその加工方法に関するものである。
【0004】前記特開平9−104008号公報記載の「曲面形成木質板」の発明は、曲面を有するMDFにて形成された芯材と、該芯材の内側面及び外側面に沿って貼着されたガラスクロス層よりなる添芯材と、該添芯材のそれぞれの表面に沿って貼着された化粧部材からなる曲面成型木質板であって、更に該芯材がその曲面部分の内周面に相当する部分に、主としてV字型断面を有する溝部を設けた単板を用いて得られた積層体であることを特徴としている。
【0005】そして前記積層体は、各層間に熱硬化性のフェノール樹脂、尿素、メラミン樹脂等の接着剤を適宜介在させた上、ホットプレス用の型に入れ、加熱圧締して成型品としたものである。
【0006】前記特公平6−79807号公報記載の乾式製法に係る「屈曲性を有する木質繊維板」は、蒸煮した木材チップの解繊中に熱可塑性の合成ゴムラテックスを木質繊維に対し、固形分重量比3〜10%を添加し、気流乾燥して得た水分6〜10%を含む木質繊維をマット状に集積し、平板プレス圧50〜80kg/cm2、加熱温度120℃〜180℃で4分間熱圧締して製造した厚さ3.5mmの乾式繊維板で、実施例によれば該製品の最大曲率半径は、板の厚さの25.7〜21.4倍の屈曲性があり、比較例としてフェノール樹脂とワックスを添加して前記実施例に準じて加工して得られた繊維板の最大曲率半径は、板の厚さの60倍と記載されている。(同公報第1表参照)
【0007】一方、湿式製法に係る実開平5−10500号公報記載の「屈曲性を有する硬質繊維板」によれば、柔軟性を有する合成樹脂例えば前記合成ゴムラテックスのような熱可塑性樹脂を使用せずに、木質繊維の全重量に対し1.5%のフェノール樹脂と0.6%重量部のパラフィンワックス等の撥水剤を添加し、金網上でマット状に集積し、3段階(温度約200℃で、例えば圧力40kg/cm2で1分間、圧力8kg/cm2で1分30秒、圧力20kg/cm2で1分30秒の都合4分間)の熱圧方式で圧締して繊維板を造り上げるのであるが、その際使用する金網を従来型の線径0.3〜0.5mm、目開き0.6〜1.2mmの単線平織の方式を改良して、線径0.6〜1.0mmで目開きが1.5〜4.5mmの平織型金網を使用することとした。そして200℃で最大圧力40kg/cm2の前記3段階熱圧方式で成型すると、たわみ量が従来の硬質繊維板に比較して1.555〜5倍程度改良されたと記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は通常市販されているMDF素単板、或いはツキ板貼り板、その他紙貼り、布貼り、研磨、着色、塗装、印捺等適宜の表面加工を施した厚さ2.5〜30mmのMDFに対し、曲率半径が板の厚さの50〜15倍の湾曲面を形成させた漆器素地、家具、土木建築用、自動車内装用等に供する材料を提供することを目的とする。
【0009】漆器素地、家具等の用材には現在プラスチック製品が多用されているが、これ等の製品は所謂「あたたかみ」や「ぬくもり」等我々の触感に潤いを与えるとは言い難い。換言すれば本来の木製品の代替として化学的に合成又は再生して生産されたものを当てるのは、我々の生活に馴染みにくいのである。プラスチックよりは本発明の対称である木質繊維板の方が遥かに好適であり、また限りある地球上の資源を可及的有効に活用するためにも、また廃木材を焼却処分することは、地球環境を汚染する大きな原因となることに於いても、廃木材を木質板に再生させて利用する意義は極めて大きい。更に前記従来技術によって生産されたMDFは、それぞれ屈曲性にすぐれながらも反り、捩れ等の変形、凹凸、接着不良等の生じないMDF平板として、現今広く市場に提供されている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前記厚さ2.5〜30mmのMDF素単板、或いはツキ板貼り等の加工板を所期の形状に裁断し、一旦110℃〜120℃の過熱蒸気にて蒸熱を行った後、所期の湾曲面(曲率半径が板の厚さの50〜15倍)を有するプレス機にて圧力10〜40kg/cm2、温度120℃250℃の条件にて、緩徐に加熱圧締する。圧締終了後は直ちにプレス機から解放し、凡そ5℃乃至それ以下の冷風に曝露して可及的速やかに冷却して仕上げる。
【0011】本発明によるMDF湾曲成型品は、湾曲率が可成り大きく、しかも長期間その形態を維持しつつ変形や亀裂破損等を生じさせてはならない。MDFの構造上方向性には左右されないが、製造時に使用された樹脂剤が熱可塑性の例えば合成ゴムラテックスのようなものか、熱硬化性のフェノール、尿素、メラミン樹脂等であるかによって、加熱温度、時間等の加工条件を若干選択するを要す。更に加熱圧締終了後、少なくとも5℃乃至それ以下の冷風に曝露して急冷することにより、形状は確実に固定し、実用時の反り、捩れ、凹凸その他の変形を生じる懸念を無くすることに成功した。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明の湾曲面を有するMDF成型品及びその加工方法を図面に基づいて説明する。
【0013】図1は本発明の湾曲面を有するMDFを蒸熱処理後に熱圧締する状態を示した説明図であり、図2は本発明による成型品を例示したもので(a)は家具材、(b)は菓子盆、(c)は食品皿で何れも斜視図である。
【0014】本発明に於いては、前に従来技術で例示した特開平9−104008号公報のように、その芯材(本発明のMDF素単板相当)の曲面部内周面に、V字型断面を有する溝部を設けていないため、曲面形成には適正な加熱圧締条件として、湿度の少ない透過性にすぐれた過熱蒸気を使用し、材料素単板の内部まで急速かつ均等に昇温させて可塑性を高める。
【0015】曲面形成に汎用されるMDF素材としては、一般に2.5〜4mm厚の板材が用いられているが、この程度の厚さのもの乃至はツキ板貼り、研磨、塗装、着色等の表面加工されたものであれば、110℃の過熱蒸気を使用すれば、凡そ10分程度で所期の温度に到達できる。また素材原料を構成する樹脂剤によって、例えば熱可塑性のものであれば、熱硬化性の樹脂を用いたものより幾分低い温度で、かつ短い時間であっても目的を達成することができる。
【0016】何れにしても、適宜の形状に裁断した対称とするMDFを蒸熱室に適宜の間隔を設けて載置し、110℃〜120℃の過熱蒸気を加えて10〜30分間蒸熱処理を施した後、直ちに所定の湾曲面を備えたホットプレスに挟装し圧力10〜40kg/cm2、温度120℃〜250℃の条件下、所定圧力に達するまで、初期は緩徐に漸時加速して昇圧しながら圧締して成型し、ホットプレスより解放するや直ちに冷却室に移送し、5℃乃至はそれ以下の冷風に曝露し、急冷して仕上げる。前記過熱蒸気による蒸熱処理は、MDFの素材中に残留するフォルマリンの排出に役立つとともに、成型品の表面に色彩を除いて変化を与えないと云う秀れた効果が得られる。
【0017】本発明が適用する過熱蒸気による蒸熱処理後の圧締処理に引き続き、冷風による急速冷却処理を施して仕上げる加工方法は、本発明の最も特徴とするところであり、かくして生産された成型品は、特別の処置が無い限り、変形の恐れは皆無である。但し着色、印捺等により色彩が施されたものは、使用染顔料の性質により、変褪色の恐れがあるため、予め調査して対策を講じておく必要がある。
【0018】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。前記のとおり、図1は蒸熱処理後の熱圧締の状態を示す説明図であり、図2は本発明に係る成型品を例示したもので、(a)は家財具、(b)は菓子盆、(c)は食品皿のそれぞれ斜視図である。なお、図1のプレス用型は、曲率半径が板厚12mmの約25倍の湾曲面を有する例示である。
【0019】所定の形状に裁断したMDF材料(1)を、適宜の隔壁若しくは網棚等を設けて所定温度にセットした蒸熱室に載置した後、過熱蒸気を導入して蒸熱処理を行う。蒸熱温度は110℃〜120℃が適当で、MDFの板厚及び着色料等を考慮して5〜10分加熱した後、直ちに120℃〜250℃にセットしたホットプレス用の雄型(2)と雌型(3)に挟装し、加圧板(4)、(4a)を介して最初は緩徐に漸時昇圧して所望の10〜40kg/cm2の圧力に達せしめ、10〜20分間更に圧締した後冷却室に導入し、5℃乃至それ以下の冷風を噴射して急冷することにより、所望の湾曲面を備えた成型品ができ上がる。以上の加工条件がともに適用できれば、従来装置を利用すれば良いので、経済性に於いて従来と殆ど変わらない。
【0020】
【発明の効果】本発明により、従来の純木材製品に替わる木質木製品としてのすぐれた表面性を備えたMDFが、曲率半径が板の厚さの50〜15倍の湾曲面を有する形状に仕上げることができるようになり、美術的効果はもとより、日常用品としての経済効果も多大である。
【出願人】 【識別番号】391050891
【氏名又は名称】米山 庸二
【出願日】 平成10年11月30日(1998.11.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−158421(P2000−158421A)
【公開日】 平成12年6月13日(2000.6.13)
【出願番号】 特願平10−356946