| 【発明の名称】 |
病害虫並びに木材腐朽菌の防除方法及び防除材 |
| 【発明者】 |
【氏名】天岸 純子
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 白蟻や木材腐朽菌が加害する建築物の各部位或いは床下部位において、珪藻土を単体若しくは主成分として塗布または散布可能、或いは敷設可能な如く加工した防除材を塗布または散布、或いは敷設して白蟻や木材腐朽菌の発生や侵入を防止ならしむ予防的処置による病害虫並びに木材腐朽菌の防除方法。 【請求項2】 白蟻や木材腐朽菌が加害してなる建築物や樹木の食害部分若しくは腐朽部分を全て削り取り、侵入している白蟻を全て掻き出して駆除した後、削り取った部分に珪藻土を単体若しくは主成分として塗布または散布可能な如く加工した防除材を適宜厚み塗布または散布してなる駆除的処理による病害虫並びに木材腐朽菌の防除方法。 【請求項3】 各種植物を植えている容器内土壌表面又は栽培地の土壌表面に珪藻土を単体若しくは主成分として塗布または散布可能、或いは敷設可能な如く加工した防除材を塗布または散布、或いは敷設して各種病害虫の発生や侵入を防止ならしむ予防的処置による病害虫の防除方法。 【請求項4】 珪藻土を単体若しくは主成分として塗布または散布可能な如く加工した塗布系防除材と、建築物の床下面や植物の栽培土壌表面に敷設可能な如く加工した成型品系防除材であって、各部位への塗布または散布、或いは敷設によって高温多湿を抑制し、病害虫や木材腐朽菌の生活環境抵抗を高め得る病害虫並びに木材腐朽菌の防除材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、建築用材や樹木を食害する白蟻等の害虫や木材を腐朽する木材腐朽菌、更には油虫等々の植物の病害虫に対しても有効に作用して予防乃至駆除し得る防除方法及びその防除材に関するものである。 【0002】 【従来の技術】白蟻は雑食性昆虫であるが、主食物は木材その他の繊維類であって、その成分中セルロース、ヘミセルロースを消化し(リグニンは排出)、栄養としており、建築物においては木造部分をはじめ木柱、枕木等々、木材であればどんな種類でも加害してしまうものであり、木材だけでなく生きた樹木をも加害している。白蟻による被害は、火災や地震のように瞬時に大きく現れる被害でなく、一般には軽視されがちであるが、実際に木造建築物における被害量は火災による被害量に匹敵する程であり、被害が表面化したときには食害が相当に進行していると言われている。具体的な白蟻被害は、当該白蟻が温暖多湿なところを好んで加害する習性があるため(家白蟻の生活適温は30〜35℃、大和白蟻は28℃前後で、25℃以下では活動力が弱まる。飽和状態に近い湿度を好み、85%以下で活動が弱まっていき、40%になると著しく活動が弱まっていき、特に多湿を好む白蟻は暖かくても乾燥したところは避ける傾向が強い。)、束石や基礎の低いじめじめした場所、給排水管の周囲、水をよく使う台所・風呂場・洗面所・便所、基礎工事の粗末な物置等々が発生し易い場所であって、特に台所・風呂場等が最も被害を受けている所である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来の白蟻防除方法としては、白蟻の生態を考慮したり、或いは物理(機械)的作用によって白蟻の発生を抑制し、侵入、加害を防止する生態的物理的防除法と薬剤使用による化学的防除法に大きく分けられるが、前者の防除法は建築基礎を高くして通風採光を図ったり、基礎と土台や柱との間に金属板を挟んでその周縁を基礎面より突出させて侵入を防ぐ防蟻板(蟻返し)を設けるなど、大半は建築施工段階で考慮されるべきものあって既存の建築物では不可能な方法と言わざるを得ず、後者の防除法は単純に加害している白蟻を駆除する点において効果的ではあるが、薬剤使用によるものであるから専門家に頼らざるを得ず、且つ費用も多く係ってしまい、毒性の強い場合は薬害が生じたり、人畜に対して中毒を起こさせる危険性を含んだものである。リグニン酵素やセルロース酵素を持っている木材腐朽菌は、木材の成分を酵素によって分解して組織を破壊し、腐朽させるものであるが、当該木材腐朽菌による被害は白蟻被害と同じ場所で起こっていることが多々あり、この点から前述した腐朽菌の活動も白蟻の活動と同様の条件下で活発に行われていると考察出来る。尚、建築物において高温多湿によって生じる他の現象や被害としては、結露やカビの発生等が挙げられるが、これらについての事前の対策は実行されていないのが実状である。又、油虫やハダニ等といった植物の病害虫については、現状は殺菌剤や殺虫剤の薬剤散布によって処理しており、所謂薬漬けによってまやかしの栽培育成が行われているに過ぎず、植物本来の元気な育成がなされていない。 【0004】本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、建築用材や樹木を加害する白蟻、木材を腐朽する木材腐朽菌、植物に付く油虫等々の病害虫に対し、各種病害虫が活動し難い環境を作り出す生態的防除法によって該病害虫の飛来や侵入を防止する害虫並びに腐朽菌の防除方法及び防除材を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明の害虫並びに腐朽菌の防除方法は、白蟻や木材腐朽菌が加害する建築物の各部位及び侵入経路となる床下部位において珪藻土を単体若しくは主成分として塗布または散布可能、敷設可能な如く加工した防除材を塗布または散布、敷設して白蟻や木材腐朽菌の発生や侵入を防止する予防的処置によるものと、既に加害されている場合に、建築物の食害部分若しくは腐朽部分を全て削り取り、侵入している白蟻は全て掻き出して駆除し、削り取った部分に珪藻土からなる防除材を適宜厚み塗付しておく駆除処理によるものがある。尚、植物に対する病害虫についての防除方法は、植物を植えている容器内の土壌表面又は栽培地の土壌表面に珪藻土を単体若しくは主成分として塗布または散布可能、敷設可能な如く加工した防除材を塗布または散布、敷設して各種病害虫の発生や侵入を防止する予防的処置によるものである。又、本発明において使用される防除材は、珪藻土を単体若しくは主成分として塗布や散布が可能な如く加工した塗布系防除材と、床下面や土壌表面に敷設可能な如く加工した成型品系防除材のものとがある。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明する。 【0007】本発明の白蟻、油虫、木材腐朽菌等々の防除方法及びその防除材は、これらの病害虫が活動し難い環境を作り出し、第一にその予防を目的とし、第二に被害を受けた時には、これを駆除して以後の侵入防止を目的とするものであり、薬剤使用に頼らずに極めて健全で自然破壊を起こさない病害虫防除を達成出来たものと言え、出願人は、長年に渡って珪藻土を利用した製品に携わっており、珪藻土の持つ特性、特質を熟知し、これを生かす方法を試行錯誤しながら熟考し、長期の実験を経て完成するに至った次第である。 【0008】予防的処置による病害虫並びに木材腐朽菌の防除方法を、建築物における白蟻について記述する。白蟻が加害する危険性のある建築物の各部位(土台、根太、大引、柱等々)或いは侵入経路ともなる床下地面部位において、珪藻土を単体若しくは主成分として塗布または散布可能、或いは敷設可能な如く加工した防除材を建築物の各部位に塗布または散布し、或いは床下地面上に敷設して白蟻の侵入を防止ならしむものである。次に、既に加害された場合の駆除的処理による防除方法を、同様に建築物の白蟻について記述する。建築物の食害部分を全て削り取り、侵入している白蟻を全て掻き出して駆除した後、削り取った部分に珪藻土を単体若しくは主成分として塗布または散布可能な如く加工した防除材を適宜厚み塗布または散布して白蟻の完全なる駆除を行うものである。尚、この時に食害されていない他の各部位において前記の予備的処理による防除方法を併せて施すようにすればより効果的である。 【0009】珪藻土は、多孔質で軽く、耐火断熱性が高く、防火塗料や保温材等といった建築部材としても利用されており、又、珪藻土は多孔質であって、吸着性に優れているところから消臭剤としても一部利用されている。本発明では、吸湿性に富み除湿的効果もあることから、白蟻が好む高温多湿を抑制する点を見い出して防除方法及び防除材を案出したものであり、その効果は絶大で、実験においてもそれは証明された。尚、前述した如く、白蟻だけでなく木材腐朽菌、或いはカビや結露現象においても同様に高温多湿を好み、これに反する環境を作り出すことで、白蟻と同様に各種病害虫を防除し得るものであり、他の病害虫についての防除方法は省略する。 【0010】本発明の防除材は、珪藻土の単体若しくは珪藻土を主成分とするものであって、建築物の木材や樹木、建物の床下面や栽培土壌表面に塗布または散布可能な如く加工した塗布系防除材が考えられ、例えば珪藻土に若干の水を加えて塗り付け可能にしても、他の無害な塗布材料や硬化性材料を混入して塗り付け可能にしても良く、或いは珪藻土をそのまま床下地面や栽培土壌表面に敷き詰める手段を講じても良く、一方、床下面や栽培土壌表面に敷設可能な如く加工した成型品系防除材も考えられ、例えば珪藻土をボード状に成型したものを敷設すれば良く、何れにしても本防除材の加工手段は特定すべきものではなく、各部位への塗布または散布、或いは敷設によって高温多湿を抑制し、病害虫や木材腐朽菌の生活環境抵抗を高め得るものであれば本発明の目的を達成することが出来る。 【0011】次に、白蟻及び木材腐朽菌に対して本発明が有効に作用した実験結果を記述する。実験期間は平成10年4月〜同年11月の期間であってこれらが十分に活動し得る環境下において実施したものである。実験には自然に腐敗した3本(A、B、C)の樹木の根(直径約50cm)が地中に3分の2程度埋もれており、且つ白蟻の幼虫・成虫共に数百匹が生息しているものを利用し、各樹木の根はそれぞれ3m程度離した状態にある。Aの樹木の根は、そのまま状態とする。Bの樹木の根は、侵入している白蟻の幼虫・成虫を全部掻き落とし、更に腐敗している部位を削り取り、珪藻土を約2mmの厚みに塗布し、若干(5mm程度)上方へ引き上げる。Cの樹木の根は、侵入している白蟻の幼虫・成虫を全部駆除し(掻き落とし)、更に腐敗している部位を削り取り、若干(5mm程度)上方へ引き上げる。これによる結果は、Bについては、18時間後には数百匹の白蟻は全て離散していった。Cについては、18時間後も白蟻は離散することなくその場所で迷走していた。Aについては、離散したBの白蟻が混じることなく実験前の数のままであった。この事から、珪藻土が白蟻が好む条件の温度及び湿度の両方を下げ、又は湿度を下げたことによって当該白蟻が他の場所に散っていったものと考察出来る。 【0012】本発明の防除方法は、各種植物の病害虫に対しても予防的処置が施されるものであって、各種植物を植えている容器内土壌表面又は栽培地の土壌表面に珪藻土を単体若しくは主成分として塗布または散布可能、或いは敷設可能な如く加工した防除材を塗布または散布、或いは敷設することで各種病害虫の発生や侵入を防止することを可能としたものと言える。具体的な方法を大輪菊の栽培について、実験結果と併せて記述する。直径25cmの菊鉢3個(A、B、C)に一般的な腐葉土を入れて、それぞれ3本立ちの大輪菊を植え込み、それぞれ3mずつ離しておき、周囲の条件を同一とした。左右の菊鉢(A、C)の土壌表面には珪藻土を敷設し、Bの菊鉢はそのままの状態とし、菊作りを開始した。但し、全ての菊において無農薬(殺菌剤と殺虫剤を不使用)とした。この結果、菊鉢A、Cの大輪菊が、油虫・ハダニ等の害虫が全く見受けられず、且つ病害にも侵されず、見事な開花を見せたのに対し、菊鉢Bの大輪菊は病害と害虫に侵されて悲惨な状態で開花してしまった。これは、通常は油虫等が侵入した時に該油虫が甘露を排出し、蟻が油虫を媒介として共生する状況となってしまうのを、珪藻土を敷設したことによって温度乃至湿度の低下及び土壌表面の乾燥化が図られ、防虫作用、防菌作用が呈されたものと推察される。 【0013】 【発明の効果】以上説明した如く本発明によれば、従来では全く考えられなかった画期的な病害虫防除が可能となり、薬剤に頼らなくても十分な成果が挙げられるものであって、薬害の危険性も皆無で且つ低価での予防駆除を提供し得るものであり、高温多湿を低減させる方法によるから、多くの病害虫に適応することが出来、白蟻や木材腐朽菌の如く建築物の被害だけでなく、植物栽培業者が病害虫による被害の処理に窮していたものを一挙に解決し得ることも可能となり、環境保全の面からも安心した利用が促進出来、既存のものでは得られない多大な効果を奏するものであって、本発明による貢献度は極めて高いと言える。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599009282 【氏名又は名称】天岸 純子
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| 【出願日】 |
平成10年12月30日(1998.12.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082038 【弁理士】 【氏名又は名称】谷口 正信
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| 【公開番号】 |
特開2000−190305(P2000−190305A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月11日(2000.7.11) |
| 【出願番号】 |
特願平10−377062 |
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