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【発明の名称】 |
耐滑り性に優れたステンレスエンボス鋼板 |
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【氏名】平松 直人 【氏名】鈴木 聡 【氏名】中村 定幸 【氏名】前川 友春 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 凹凸の高低差が50μm以上,凸部頂面の面積が0.5cm2 /個以下,凸部頂面の肩角度が135度以下で、鋼板表面に対する凸部の総面積の占有面積率が10〜50%の範囲にある凸部を形成した耐滑り性に優れたステンレスエンボス鋼板。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、耐滑り性が要求される床材や手摺等に使用されるステンレスエンボス鋼板に関する。 【0002】 【従来技術】SUS430,SUS304に代表されるステンレス鋼板は、酸洗仕上げ、光輝焼鈍仕上げ,研磨仕上げ等で製品化されている。各種仕上げが施されたステンレス鋼板は、平滑で美麗な表面を活用して各種外装材,内装材,表層材等に使用されているが、床材等の用途では滑りの原因となる平滑な表面が却って嫌われる。滑りは、ステンレス鋼板の表面に凹凸を付けることにより抑制される。しかし、従来の凹凸ロールを用いたエンボス加工は、意匠性を付与することを主たる目的としており、柄高さは20〜30μmに止まり、滑り止めの効果が期待できない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】耐滑り性に優れた鋼板として、1.5mm程度の凹凸を付けた縞鋼板が生産されている。しかし、ステンレス鋼等を含む鉄系の鋼板を製造する場合、冷間圧延では圧延荷重が設備能力を超えるため製造できず、熱間圧延により製造されているのが現状である。しかも、製造可能な縞鋼板の板厚範囲は製造方法による制約から4mm以上であり、薄鋼板には適用できない。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、ステンレス薄鋼板に付ける凹凸を形状制御することにより、冷間加工によっても製造可能で、耐滑り性に優れたステンレスエンボス鋼板を提供することを目的とする。本発明のステンレスエンボス鋼板は、その目的を達成するため、凹凸の高低差が50μm以上,凸部頂面の面積が0.5cm2 /個以下,凸部頂面の肩角度が135度以下で、鋼板表面に対する凸部の総面積の占有面積率が10〜50%の範囲にある凸部を形成したことを特徴とする。 【0005】 【作用】本発明者等は、エンボス模様を付けたステンレス鋼板の表面状態が滑りに及ぼす影響を調査・研究した。その結果、滑り易さは鋼板上を歩く歩行者の靴底がどのように鋼板表面に接触するかによって変わり、エンボス模様における凸部1個の大きさ,靴底等が接触する凸部の面積,凸部頂面の肩角度,凹凸高さ等を適正にすることによって耐滑り性が改善されることを見出した。エンボス加工されたステンレス鋼板には、図1に示すように凸部1及び凹部2が形成されている。凸部1の大きさは凸部頂面3の面積si ,肩角度αは凸部頂面3と凸部側面4との間の角度,凹凸の高低差Hは凹部2の底から凸部1の頂面までの側面4の高さで表わされる。 【0006】本発明者等による調査結果から、一般的な靴底応力(約0.5〜1kg/cm2 )及び靴底部材の弾性係数(約15〜100kg/cm2 )においては、凹凸高さHが50μm以下になると、靴底部材が凸部1以外の凹部2にも接触し摩擦力が低下する。摩擦力は、Σsi として表わされる凸部総面積Sの鋼板表面積に対する比で表わされる凸部1の占有面積率Rs にも影響を受け、凸部占有面積率Rs が10%以下になると同様な現象によって摩擦力が低下する。しかし、凸部占有面積率Rs が50%を超えると、靴底に接触する凸部1の総面積Sが増加するため摩擦力が低下する。摩擦力は、柄面積にも影響され、0.5cm2 を超える凸部頂面の面積si では摩擦力が著しく低下する。 【0007】耐滑り性は、凸部1の肩部に対する靴底の接触状態によっても影響される。すなわち、凸部頂面3の肩角度αが狭くなると、靴底に対して肩部のエッジ効果が働き、摩擦力を増加させる。エッジ効果を接触部の摩擦力と合せて測定したところ、凹凸の高低差Hが50μm以上で凸部占有面積率Rs が10〜50%の範囲にあっても、肩角度αが135度を超えるとエッジ効果が失われ、全体の摩擦力としての値が低下することが判った。以上の結果から、滑り止めに有効な摩擦力を得る上では、50μm以上の高低差H,10〜50%の凸部占有面積率Rs ,135度以下の肩角度αが必要である。このようにして摩擦力が改善されたステンレスエンボス鋼板は、床材を始めとして滑り止めが要求される手摺,壁材等にも使用できる。 【0008】 【実施例】板厚1.5mmのSUS304ステンレス鋼板をエンボス加工し、凸部頂面の面積si =0.02〜1.00cm2 ,凸部占有面積率Rs =5〜70%,肩角度α=95〜150度の凸部1を鋼板表面に多数形成した。エンボス加工には、柄形状が丸型及び正方形の二種類のエンボスロールを使用し、凹凸の高低差Hが20〜150μmとなるようにゼンジミアミルの差圧が10〜50kgf/cm2 の範囲でステンレス鋼板を冷間圧延した。エンボス加工されたステンレス鋼板の表面に水を散布し、5cm×5cmの大きさで厚さ1cmのゴムブロックを載置し、ゴムブロック上に20kgの荷重を加えた。この状態でゴムブロックを水平方向に引っ張り、ゴムブロックが移動開始するときの引張り力を荷重計で測定し、得られた測定値によって耐滑り性を評価した。 【0009】測定結果を示す表1にみられるように、凹凸の高低差H,凸部頂面3の面積si ,凸部の占有面積率Rs ,凸部頂面3の肩角度αを本発明で規定した範囲に維持するとき、最低でも6.9kgの摩擦力が得られ、耐滑り性が良好な表面をもつステンレスエンボス鋼板であった。これに対し、凹凸の高低差Hが不足する比較例1,凸部占有面積率Rs が小さすぎる比較例2,凸部占有面積率Rs が大きすぎる比較例3,凸部頂面の面積si が大きすぎる比較例4,肩角度αが広すぎる比較例5等では、摩擦力が6kgを下回り、滑り易い表面であった。 【0010】
【0011】 【発明の効果】以上に説明したように、本発明のステンレスエンボス鋼板は、凹凸の高低差,凸部頂面の面積,凸部頂面の肩角度,鋼板表面に対する凸部占有面積率を規制して靴底に対する摩擦力を高めた表面にしている。そのため、耐滑り性が改善され、ステンレス鋼特有の美麗な表面を活用した床材,手摺等として使用される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004581 【氏名又は名称】日新製鋼株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年10月29日(1998.10.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092392 【弁理士】 【氏名又は名称】小倉 亘
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| 【公開番号】 |
特開2000−135537(P2000−135537A) |
| 【公開日】 |
平成12年5月16日(2000.5.16) |
| 【出願番号】 |
特願平10−308150 |
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