| 【発明の名称】 |
長尺多方向X形配筋組立鉄筋の製造方法および二重鉄筋籠の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】福嶋 孝之
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| 【要約】 |
【課題】平行配筋組立鉄筋を製造の対象とする既存の鉄筋籠編成機を用いて長尺の多方向X形配筋組立鉄筋を製造できるようにする。
【解決手段】回転軸1に対して拡張状態と縮小状態に切り換え可能な支持杆3を備えた鉄筋籠編成機Aを用いて長尺多方向X形配筋組立鉄筋Bを製造するにあたり、要素鉄筋固定リング13と要素鉄筋位置決めリング14とを互いに近接させて支持する第1のリング支持装置12と、要素鉄筋固定リングだけを支持する第2のリング支持装置12と、リング15a外周面から放射状に鉄筋支持腕15bを突出させてなる要素鉄筋中央固定枠15と、要素鉄筋固定リングだけを支持する第3のリング支持装置12と、要素鉄筋固定リングと要素鉄筋位置決めリングとを互いに近接させて支持する第4のリング支持装置12とを支持杆3の所定位置に固定し、要素鉄筋11の撓みを防止しつつ長尺多方向X形配筋組立鉄筋を製造する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 両端支持の状態と片持ち支持の状態とに切り換え可能に構成された略水平な回転軸と、その周囲に等間隔に配置され且つ前記回転軸に多数の平行リンクを介して互いに平行に支持され、前記平行リンクを前記回転軸に対して揺動させることにより拡張状態と縮小状態とに切り換え可能に構成された複数本の支持杆とを備えた鉄筋籠編成機を用いて長尺の多方向X形配筋組立鉄筋を製造する方法であって、要素鉄筋固定リングと、外径が要素鉄筋固定リングと同じか又は若干小さいリングの外周面に多数の鉄筋位置決めピースが突設されてなる要素鉄筋位置決めリングとを互いに近接させて着脱自在に支持する第1のリング支持装置と、要素鉄筋固定リングだけを着脱自在に支持する第2のリング支持装置と、リングとその外周面から放射状に突出させた複数本の鉄筋支持腕とからなる要素鉄筋中央固定枠と、要素鉄筋固定リングだけを着脱自在に支持する第3のリング支持装置と、要素鉄筋固定リングと、外径が要素鉄筋固定リングと同じか又は若干小さいリングの外周面に多数の鉄筋位置決めピースが突設されてなる要素鉄筋位置決めリングとを互いに近接させて着脱自在に支持する第4のリング支持装置とを、縮小状態にした支持杆の一端からこの順に套嵌し、前記支持杆を拡張状態に切り換えることにより、支持杆の両端側の所定位置に、第1,第2のリング支持装置と第3,第4のリング支持装置とを固定すると共に、支持杆の中央部の所定位置に前記要素鉄筋中央固定枠を、当該要素鉄筋中央固定枠に固定され且つ支持杆に対して軸芯方向スライド自在に嵌合する滑り止め金具を介して固定して、これら支持装置と固定枠が回転軸と一体に回転するようにし、両端部が互いに平行で中央部が両端部に対して所定角度で傾斜した斜め筋となる状態に折り曲げ加工した所要本数の要素鉄筋の両端部を、前記要素鉄筋位置決めリングの鉄筋位置決めピースで位置決めした状態で、前記要素鉄筋固定リングの外側面に回転方向所定間隔おきに固定し、且つ、当該要素鉄筋の斜め筋を前記要素鉄筋中央固定枠の各鉄筋支持腕の一側面に固定して内側鉄筋群を組み立てた後、前記要素鉄筋固定リングの外側面に、斜め筋の傾斜方向を逆にした同一本数の要素鉄筋の両端部を、前記要素鉄筋位置決めリングの鉄筋位置決めピースで位置決めした状態で、それらの斜め筋が内側鉄筋群の対応する斜め筋とX形に交差する状態に固定し、且つ、当該要素鉄筋の斜め筋を前記要素鉄筋中央固定枠の各鉄筋支持腕の前記一側面に固定して外側鉄筋群を組み立て、内側鉄筋群と外側鉄筋群とによって長尺の多方向X形配筋組立鉄筋を構成することを特徴とする長尺多方向X形配筋組立鉄筋の製造方法。 【請求項2】 請求項1の方法により製造された長尺多方向X形配筋組立鉄筋の周囲に、長尺多方向X形配筋組立鉄筋よりも大径の平行筋取付け用リングを複数個適当間隔おきに套嵌し、要素鉄筋固定リングには、要素鉄筋固定リングの外周面と平行筋取付け用リングの内周面との間に形成される間隔に対応する複数個のスペーサを溶接し、これらのスペーサ群の外周に平行筋取付け用リングを溶接する一方、残りの平行筋取付けリングには支持鉄筋を井桁状に溶接して、当該平行筋取付け用リングを前記支持杆に長尺多方向X形配筋組立鉄筋と同芯状に支持させ、しかる後、全部の平行筋取付けリングの外周面にわたって複数本の平行配筋用鉄筋を溶接し、これらの平行配筋用鉄筋群の周囲にフープ筋を巻付け固定して、平行配筋された外部鉄筋籠と長尺多方向X形配筋組立鉄筋とからなる二重鉄筋籠を製造することを特徴とする請求項1に記載の長尺多方向X形配筋組立鉄筋を用いた二重鉄筋籠の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、場所打ちコンクリート杭や橋脚などに埋設される長尺多方向X形配筋組立鉄筋の製造方法とその方法により製造された長尺多方向X形配筋組立鉄筋を用いた二重鉄筋籠の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】本発明者は、両端支持の状態と片持ち支持の状態とに切り換え可能に構成された略水平な回転軸と、その周囲に等間隔に配置され且つ前記回転軸に多数の平行リンクを介して互いに平行に支持され、前記平行リンクを前記回転軸に対して揺動させることにより拡張状態と縮小状態とに切り換え可能に構成された複数本の支持杆とを備えた鉄筋籠編成機を用いて長尺の多方向X形配筋組立鉄筋を製造する方法を、特願平9−273740号として、既に提案している。 【0003】この製造方法は、両端支持の状態と片持ち支持の状態とに切り換え可能に構成された略水平な回転軸と、その周囲に等間隔に配置され且つ前記回転軸に多数の平行リンクを介して互いに平行に支持され、前記平行リンクを前記回転軸に対して揺動させることにより拡張状態と縮小状態とに切り換え可能に構成された複数本の支持杆とを備えた鉄筋籠編成機を用いて長尺の多方向X形配筋組立鉄筋を製造する方法であって、【0004】要素鉄筋固定リングと、外径が要素鉄筋固定リングと同じか又は若干小さいリングの外周面に多数の鉄筋位置決めピースが突設されてなる要素鉄筋位置決めリングとを互いに近接させて着脱自在に支持する第1のリング支持装置と、要素鉄筋固定リングだけを着脱自在に支持する第2のリング支持装置と、同一平面内で同心円状に位置する内リングおよび外リングと内,外リングを円周方向の一部において連結する連結杆とを備えた要素鉄筋中央固定枠と、要素鉄筋固定リングだけを着脱自在に支持する第3のリング支持装置と、要素鉄筋固定リングと、外径が要素鉄筋固定リングと同じか又は若干小さいリングの外周面に多数の鉄筋位置決めピースが突設されてなる要素鉄筋位置決めリングとを互いに近接させて着脱自在に支持する第4のリング支持装置とを、縮小状態にした支持杆の一端からこの順に套嵌し、【0005】前記支持杆を拡張状態に切り換えることにより、支持杆の両端側の所定位置に、第1,第2のリング支持装置と第3,第4のリング支持装置とを固定すると共に、支持杆の中央部の所定位置に前記要素鉄筋中央固定枠を固定して、これら支持装置と固定枠が回転軸と一体に回転するようにし、両端部が互いに平行で中央部が両端部に対して所定角度で傾斜した斜め筋となる状態に折り曲げ加工した所要本数の要素鉄筋の両端部を、前記要素鉄筋位置決めリングの鉄筋位置決めピースで位置決めした状態で、前記要素鉄筋固定リングの外側面に回転方向所定間隔おきに固定し、且つ、当該要素鉄筋の斜め筋を前記要素鉄筋中央固定枠の内リングの外側面に固定して内側鉄筋群を組み立てた後、前記要素鉄筋固定リングの外側面に、斜め筋の傾斜方向を逆にした同一本数の要素鉄筋の両端部を、前記要素鉄筋位置決めリングの鉄筋位置決めピースで位置決めした状態で、それらの斜め筋が内側鉄筋群の対応する斜め筋とX形に交差する状態に固定し、且つ、当該要素鉄筋の斜め筋を前記要素鉄筋中央固定枠の外リングの外側面に固定して外側鉄筋群を組み立て、内側鉄筋群と外側鉄筋群とによって長尺の多方向X形配筋組立鉄筋を構成することを特徴としている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】特願平9−273740号で提案された上記の製造方法によれば、内側鉄筋群を構成する要素鉄筋は、両端部が各々二箇所ずつ配置された要素鉄筋固定リングで支持され、斜め筋の中央部が要素鉄筋中央固定枠の内リングで支持されるから、要素鉄筋が長尺であっても、撓みが防止される。外側鉄筋群を構成する要素鉄筋も、両端部が各々二箇所ずつ配置された前記の要素鉄筋固定リングで支持され、斜め筋の中央部が要素鉄筋中央固定枠の外リングで支持されるから、要素鉄筋が長尺であっても、撓みが防止される。 【0007】従って、要素鉄筋の配筋が正確に行われ、場所打ちコンクリート杭や橋脚などに埋設される長尺(例えば、6〜14m程度)の多方向X形配筋組立鉄筋を製造できることになる。そして、製造後は、回転軸を片持ち支持の状態に切り換え、且つ、支持杆を縮小状態に切り換えて、製品(長尺多方向X形配筋組立鉄筋)を回転軸の自由端側へ抜き取り、機外へ取り出すことになる。 【0008】しかしながら、特願平9−273740号で提案された製造方法においては、要素鉄筋中央固定枠が、同一平面内で同心円状に位置する内リングおよび外リングと内,外リングを円周方向の一部において連結する連結杆とで構成されていたので、内側鉄筋群を組み立てる際、長尺の要素鉄筋を要素鉄筋中央固定枠の内,外リング間に軸芯方向から挿入するという煩わしい作業が必要とされ、これが長尺多方向X形配筋組立鉄筋の製造能率を低下させる要因となっていた。 【0009】本発明は、この点を改良し、内,外側鉄筋群の何れを組み立てる際にも、長尺の要素鉄筋の取付けをサイドから行えて、長尺多方向X形配筋組立鉄筋を能率良く製造できるようにすることを第1の目的としている。 【0010】本発明の第2の目的は、上記の方法により製造された長尺多方向X形配筋組立鉄筋と平行配筋された外部鉄筋籠とからなる二重鉄筋籠を製造する方法を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明が講じた技術的手段は、次のとおりである。即ち、第1の発明は、両端支持の状態と片持ち支持の状態とに切り換え可能に構成された略水平な回転軸と、その周囲に等間隔に配置され且つ前記回転軸に多数の平行リンクを介して互いに平行に支持され、前記平行リンクを前記回転軸に対して揺動させることにより拡張状態と縮小状態とに切り換え可能に構成された複数本の支持杆とを備えた鉄筋籠編成機を用いて長尺の多方向X形配筋組立鉄筋を製造する方法であって、【0012】要素鉄筋固定リングと、外径が要素鉄筋固定リングと同じか又は若干小さいリングの外周面に多数の鉄筋位置決めピースが突設されてなる要素鉄筋位置決めリングとを互いに近接させて着脱自在に支持する第1のリング支持装置と、要素鉄筋固定リングだけを着脱自在に支持する第2のリング支持装置と、リングとその外周面から放射状に突出させた複数本の鉄筋支持腕とからなる要素鉄筋中央固定枠と、要素鉄筋固定リングだけを着脱自在に支持する第3のリング支持装置と、要素鉄筋固定リングと、外径が要素鉄筋固定リングと同じか又は若干小さいリングの外周面に多数の鉄筋位置決めピースが突設されてなる要素鉄筋位置決めリングとを互いに近接させて着脱自在に支持する第4のリング支持装置とを、縮小状態にした支持杆の一端からこの順に套嵌し、【0013】前記支持杆を拡張状態に切り換えることにより、支持杆の両端側の所定位置に、第1,第2のリング支持装置と第3,第4のリング支持装置とを固定すると共に、支持杆の中央部の所定位置に前記要素鉄筋中央固定枠を、当該要素鉄筋中央固定枠に固定され且つ支持杆に対して軸芯方向スライド自在に嵌合する滑り止め金具を介して固定して、これら支持装置と固定枠が回転軸と一体に回転するようにし、両端部が互いに平行で中央部が両端部に対して所定角度で傾斜した斜め筋となる状態に折り曲げ加工した所要本数の要素鉄筋の両端部を、前記要素鉄筋位置決めリングの鉄筋位置決めピースで位置決めした状態で、前記要素鉄筋固定リングの外側面に回転方向所定間隔おきに固定し、且つ、当該要素鉄筋の斜め筋を前記要素鉄筋中央固定枠の各鉄筋支持腕の一側面に固定して内側鉄筋群を組み立てた後、前記要素鉄筋固定リングの外側面に、斜め筋の傾斜方向を逆にした同一本数の要素鉄筋の両端部を、前記要素鉄筋位置決めリングの鉄筋位置決めピースで位置決めした状態で、それらの斜め筋が内側鉄筋群の対応する斜め筋とX形に交差する状態に固定し、且つ、当該要素鉄筋の斜め筋を前記要素鉄筋中央固定枠の各鉄筋支持腕の前記一側面に固定して外側鉄筋群を組み立て、内側鉄筋群と外側鉄筋群とによって長尺の多方向X形配筋組立鉄筋を構成することを特徴としている。 【0014】尚、要素鉄筋固定リング、要素鉄筋中央固定枠の鉄筋支持腕の一側面に対する要素鉄筋の固定手段としては、溶接が一般的であるが、結束、接着等の手段を採用してもよい。 【0015】上記の構成によれば、要素鉄筋中央固定枠を、リングとその外周面から放射状に突出させた複数本の鉄筋支持腕とから構成したので、内側鉄筋群を組み立てる際、長尺の要素鉄筋を、回転軸のサイドから供給して、当該要素鉄筋の斜め筋を要素鉄筋中央固定枠の鉄筋支持腕の一側面に当て付けることができる。 【0016】従って、長尺の要素鉄筋を要素鉄筋中央固定枠に対して回転軸の軸芯方向から挿入するという煩わしい作業が無くなり、内,外側鉄筋群の何れを組み立てる際にも、長尺の要素鉄筋の取付けをサイドから行え、長尺多方向X形配筋組立鉄筋を能率良く製造できるのである。 【0017】第2の発明は、請求項1の方法により製造された長尺多方向X形配筋組立鉄筋の周囲に、長尺多方向X形配筋組立鉄筋よりも大径の平行筋取付け用リングを複数個適当間隔おきに套嵌し、要素鉄筋固定リングに、要素鉄筋固定リングの外周面と平行筋取付け用リングの内周面との間に形成される間隔に対応する複数個のスペーサを溶接し、これらのスペーサ群の外周に平行筋取付け用リングを溶接する一方、残りの平行筋取付けリングには支持鉄筋を井桁状に溶接して、当該平行筋取付け用リングを前記支持杆に長尺多方向X形配筋組立鉄筋と同芯状に支持させ、しかる後、全部の平行筋取付けリングの外周面にわたって複数本の平行配筋用鉄筋を溶接し、これらの平行配筋用鉄筋群の周囲にフープ筋を巻付け固定して、平行配筋された外部鉄筋籠と長尺多方向X形配筋組立鉄筋とからなる二重鉄筋籠を製造することを特徴としている。 【0018】上記の構成によれば、平行配筋用鉄筋が長尺であっても、平行配筋用鉄筋群の周囲にフープ筋を巻付け固定する際に、平行配筋用鉄筋に撓みが生ぜず、平行配筋用鉄筋の配筋が正確に行われることになり、同一の鉄筋籠編成機を用いて、長尺多方向X形配筋組立鉄筋と平行配筋された外部鉄筋籠とからなる二重鉄筋籠を製造できるのである。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜図4において、Aは、場所打ちコンクリート杭や橋脚などに埋設される長尺の平行配筋組立鉄筋を製造する装置として知られている鉄筋籠編成機を示す。鉄筋籠編成機Aは、両端支持の状態と片持ち支持の状態とに切り換え可能に構成された略水平な回転軸1と、その周囲に等間隔に配置され且つ前記回転軸1に多数の平行リンク2を介して互いに平行に支持された4本の支持杆3とを備えている。 【0020】回転軸1と平行リンク2と支持杆3とで平行四連リンク機構が構成され、油圧シリンダー装置4によって平行リンク2を回転軸1に対して枢支点周りに揺動させることにより、支持杆3が、あたかも傘骨を開いたり閉じたりするように、拡張状態と縮小状態とに切り換えられるように構成されている。 【0021】5は回転軸1を任意方向に所望角度(例えば、45度)ずつ間欠的に回転駆動することが可能な駆動部、6は回転軸1の駆動部5とは反対側の軸端を支持する状態と、当該軸端の支持を解除した状態とに切り換え可能な軸受け部である。7は回転軸1の上部に沿って設けられたレール上を走行する走行クレーン、8は回転軸1の下部に沿って設けられたレール上を走行する台車であり、昇降可能な受け台8aを備えている。9は、コイル状に巻かれたフープ筋用の鉄筋10を搭載した走行台車であり、鉄筋10を繰り出しつつ走行台車9を回転軸1の軸芯方向へ移動させることにより、平行配筋された主筋群の外周にフープ筋をスパイラル状に巻き付けるように構成されている。 【0022】この実施の形態では、上記の鉄筋籠編成機Aを用いて、場所打ちコンクリート杭や橋脚などに埋設される長尺(例えば、6〜14m程度)の多方向X形配筋組立鉄筋Bを製造できるようにしたものである。 【0023】長尺多方向X形配筋組立鉄筋Bの主筋となる要素鉄筋11は、図3、図12、図13等に示すように、両端部aが互いに平行で中央部が両端部aに対して所定角度で傾斜した斜め筋bとなる状態に折り曲げ加工したものであり、一つの長尺多方向X形配筋組立鉄筋Bを製造するために、斜め筋bの傾斜方向を互いに逆にした内側鉄筋群用の要素鉄筋11と外側鉄筋群用の要素鉄筋11の2種類が同一本数ずつ(例えば、8本ずつ、合計16本)用意される。 【0024】上記の鉄筋籠編成機Aを用いて、長尺多方向X形配筋組立鉄筋Bを製造するにあたっては、鉄筋籠編成機Aのアタッチメントとして製作された少なくとも4個(第1〜第4)のリング支持装置12が使用される。また、要素鉄筋11の撓みを防止し且つ要素鉄筋11の作る平面を正確に維持するために、要素鉄筋11の両端部aの二箇所ずつを固定する少なくとも4個の要素鉄筋固定リング13と、要素鉄筋固定リング13に対して要素鉄筋11の両端部aを正確に配置するための2個の要素鉄筋位置決めリング14と、斜め筋bの中央部を固定する1個の要素鉄筋中央固定枠15とが使用される。 【0025】要素鉄筋固定リング13は、図7に示すように、鉄筋をリング状に加工したものであり、その直径は、製造される長尺多方向X形配筋組立鉄筋Bの太さに対応している。要素鉄筋位置決めリング14は、図7、図9(B)、図10、図11等に示すように、外径が要素鉄筋固定リング13よりも若干小さい(要素鉄筋固定リング13の外径と同じでもよい。)リング16の外周面に多数の鉄筋位置決めピース17を突設して構成したものである。リング16の外径を要素鉄筋固定リング13の外径以下とするのは、要素鉄筋11の位置決めを行った状態において、要素鉄筋11の両端部aを要素鉄筋固定リング13に当接させるためである。 【0026】リング16は、鉄筋製であってもよいが、この実施の形態では、リング16をフラットバー製としてある。そして、フラットバー製リング16の外周面に、台形状に折り曲げ加工され、一側面S1 で内側鉄筋用の要素鉄筋11を位置決めし、反対側の側面S2 で外側鉄筋用の要素鉄筋11を位置決めするように構成された複数個(図示の例では、8個)の鋼板製の鉄筋位置決めピース17を溶接して、前記要素鉄筋位置決めリング14を構成している。この鉄筋位置決めピース17は、鉄筋位置決めピース17がフラットバー製リング16で円周方向の二箇所を支持されているので、非常に堅牢であり、何回もの転用が可能である。 【0027】要素鉄筋中央固定枠15は、鉄筋を加工して製作したもので、図5、図6に示すように、鉄筋を曲げ加工してなるリング15aとその外周面から放射状に突出させた複数本(8本)の鉄筋支持腕15bとから構成されており、リング15aの外径は、製造される長尺多方向X形配筋組立鉄筋Bにおける内側鉄筋群の最小径部(長手方向中央部)に内接する外径に設定されている。リング15aには、円周方向の一部に目印が記されており、この目印が真上に来るように支持杆3に套嵌される。そして、支持杆3の中央部の所定位置に前記要素鉄筋中央固定枠15を配置した状態で、支持杆3に対して軸芯方向スライド自在に嵌合する滑り止め金具15cを要素鉄筋中央固定枠15に溶接し、要素鉄筋中央固定枠15が滑り止め金具15cを介して回転軸1と一体に回転するように固定される。図示の滑り止め金具15cは、線材を曲げ加工して作製したもので、リング15aを挟持した状態に溶接される屈曲部分と、支持杆3に対して軸芯方向スライド自在に嵌合する屈曲部分とで形成されている。 【0028】第1〜第4のリング支持装置12は、図7、図8に示すように、リング状部材18と、リング状部材18から放射状に突出し、外端に要素鉄筋固定リング13を着脱自在に支持することが可能な支持部21が形成された複数本(支持杆3の本数と一致させる必要があるので、この実施の形態では、4本に設定してある。)のアーム22と、各アーム22の内端に設けられた係合部20とを備えている。アーム22に対応する4個の係合部20のうち、相対向する一対の係合部20は、支持杆3が嵌まり込む溝を有しているが、他の一対の係合部20は、溝の片側が略45度に切除された形状に形成されている。これは、リング支持装置12の重量を支持杆3にあずけた状態で、支持杆3を縮小状態から拡張状態に切り換えることにより、4本の支持杆3が各々の係合部20と係合するように、つまり、図8に仮想線で示すように、縮小状態にある支持杆3にリング支持装置12を套嵌し、真上に来る支持杆3に係合部20の溝を嵌合させて、リング支持装置12の重量を支持杆3に支持させておき、この状態で、支持杆3を拡張状態に切り換えることによって、左右の支持杆3が左右の係合部20に係合するように配慮したものである。 【0029】アーム22の外端に形成した支持部21は、ねじ機構によりアーム22に対してアーム長手方向に位置調節可能ならびに着脱交換可能に構成されている。支持部21としては、断面形状が上向きコ字状で、横幅が異なる二種類のものが用意されており、図9の(A)に示すように、幅狭な支持部21により要素鉄筋固定リング13だけを着脱自在に支持する状態と、図9の(B)に示すように、幅広の支持部21により要素鉄筋固定リング13と要素鉄筋位置決めリング14とを互いに近接させて着脱自在に支持する状態とを選択できるようにしてある。 【0030】次に、長尺多方向X形配筋組立鉄筋Bの製造方法について説明する。先ず、図2に示すように、支持杆3を縮小状態にし、回転軸1を片持ち支持の状態にしておき、要素鉄筋固定リング13と要素鉄筋位置決めリング14とを互いに近接させて着脱自在に支持する第1のリング支持装置12と、要素鉄筋固定リング13だけを着脱自在に支持する第2のリング支持装置12と、要素鉄筋中央固定枠15と、要素鉄筋固定リング13だけを着脱自在に支持する第3のリング支持装置12と、要素鉄筋固定リング13と要素鉄筋位置決めリング14とを互いに近接させて着脱自在に支持する第4のリング支持装置12とを、支持杆3の一端からこの順に套嵌し、回転軸1の軸芯方向所定位置に配置し、回転軸1を両端支持の状態に切り換える。台車8は、受け台8aを下降させた状態で、回転軸1の下方に配置しておく。 【0031】この状態で前記支持杆3を拡張状態に切り換えることにより、支持杆3の両端側の所定位置に、第1,第2のリング支持装置12と第3,第4のリング支持装置12とが固定され、回転軸1と一体に回転するようになる。尚、両側の要素鉄筋位置決めリング14は、当該要素鉄筋位置決めリング14とリング支持装置12に予め設けた位相合わせ用の目印(図示せず)に合わせることにより、所定の位相に設定される。また、支持杆3を拡張状態に切り換えて、支持杆3の中央部の所定位置に前記要素鉄筋中央固定枠15を所定位相に仮固定した状態で、支持杆3に嵌合させた滑り止め金具15cを要素鉄筋中央固定枠15に溶接することにより、要素鉄筋中央固定枠15が固定され、回転軸1と一体に回転するようになる。 【0032】しかる後、図3に示すように、回転軸1のサイドから内側鉄筋用の要素鉄筋11を鉄筋籠編成機Aに供給し、図12に示すように、要素鉄筋11の両端部を両側の要素鉄筋位置決めリング14における所定の鉄筋位置決めピース17の一側面に当て付けて、要素鉄筋11の位置決めを行い、要素鉄筋11の斜め筋部分を、図6、図12に示すように、要素鉄筋中央固定枠15の鉄筋支持腕15bの一側面Sに載置する。 【0033】この状態では、要素鉄筋11は、要素鉄筋11の両端部及び斜め筋部分を含む平面をAin、要素鉄筋11の中心線(両端部と平行な中心線)をCとしたとき、要素鉄筋11のつくる平面Ainが回転軸1の回転軸芯を含む任意の仮想平面に対して垂直で且つ前記中心線Cが仮想平面内に位置するような姿勢に位置決めされることになる。また、この位置決めされた状態では、要素鉄筋11の両端部は、図9の(A),(B)に示すように、要素鉄筋固定リング13の外側面に当接しており、要素鉄筋11の斜め筋部分は、図6に示すように、要素鉄筋中央固定枠15のリング15aの外側面にも当接している。 【0034】要素鉄筋11が位置決めされたら、要素鉄筋11の両端部と要素鉄筋固定リング13との当接部を固定し、当該要素鉄筋11の斜め筋と要素鉄筋中央固定枠15の鉄筋支持腕15bとの当接部を固定する。これらの固定手段としては、溶接、接着、結束等を任意に採用できるが、この実施の形態では、溶接を採用している。以下も同じである。 【0035】要素鉄筋固定リング13および要素鉄筋中央固定枠15に対して1本目の要素鉄筋11を固定したら、回転軸1を45度回転させた後、同じ方法で、2本目の要素鉄筋11の供給、位置決め、固定を行い、以下、回転軸1を一方向に45度回転させる都度、同じ手順を繰り返して、8本全ての要素鉄筋11を要素鉄筋固定リング13および要素鉄筋中央固定枠15に固定し、図13に示すような内側鉄筋群35を組み立てる。 【0036】しかる後、図3、図13に示すように、斜め筋bの傾斜方向を逆にした外側鉄筋用の要素鉄筋11を回転軸1のサイドから供給する。そして、要素鉄筋11の両端部を両側の要素鉄筋位置決めリング14における所定の鉄筋位置決めピース17の他側面に当て付けて、要素鉄筋11の位置決めを行い、要素鉄筋11の斜め筋部分を、図6に示すように、要素鉄筋中央固定枠15の鉄筋支持腕15bの前記一側面(内側鉄筋用の要素鉄筋の斜め筋が当接する側面と同一の側面)Sに載置する。 【0037】この状態では、要素鉄筋11は、要素鉄筋11の両端部及び斜め筋部分を含む平面をAout 、要素鉄筋11の中心線(両端部と平行な中心線)をCとしたとき、要素鉄筋のつくる平面Aout が回転軸1の回転軸芯を含む任意の仮想平面に対して垂直で且つ前記中心線Cが仮想平面内に位置するような姿勢に位置決めされることになる。また、この位置決めされた状態では、要素鉄筋11の両端部は、内側鉄筋用の要素鉄筋の両端部と同一円周上にあり、要素鉄筋固定リング13の外側面に当接しているが、要素鉄筋11の斜め筋は、図6に示すように、内側鉄筋用の要素鉄筋の斜め筋よりも外側に位置している。 【0038】外側鉄筋用の要素鉄筋11が位置決めされたら、要素鉄筋11の両端部と要素鉄筋固定リング13との当接部を固定し、当該要素鉄筋11の斜め筋と要素鉄筋中央固定枠15の鉄筋支持腕15bとの当接部を固定する。 【0039】要素鉄筋固定リング13および要素鉄筋中央固定枠15に対して1本目の要素鉄筋11を固定したら、回転軸1を45度回転させた後、同じ方法で、2本目の要素鉄筋11の供給、位置決め、固定を行い、以下、回転軸1を一方向に45度回転させる都度、同じ手順を繰り返して、8本全ての要素鉄筋11を要素鉄筋固定リング13および要素鉄筋中央固定枠15に固定し、外側鉄筋群を組み立てる。外側鉄筋群における要素鉄筋11の斜め筋bは、内側鉄筋群における対応する要素鉄筋11の斜め筋bとX形に交差し、内側鉄筋群と外側鉄筋群とで長尺多方向X形配筋組立鉄筋Bが構成されることになる。 【0040】図14は、両側の要素鉄筋位置決めリング14と、要素鉄筋11の両端部との位置関係を示しており、白丸の■〜■は、内側鉄筋用の要素鉄筋11の両端部とその配筋順を表し、黒丸の■〜■は、外側鉄筋用の要素鉄筋11の両端部とその配筋順を表している。 【0041】長尺多方向X形配筋組立鉄筋Bの製造が完了したら、受け台8aを上昇させて、長尺多方向X形配筋組立鉄筋Bの重量を受け台8aに預けた後、軸受け部6を開いて、回転軸1を片持ち支持の状態に切り換え、且つ、支持杆3を縮小状態に切り換えて、図4に示すように、台車8を外側に走行させ、製品(長尺多方向X形配筋組立鉄筋B)を機外に搬出する。 【0042】また、第1〜第4のリング支持装置12と要素鉄筋位置決めリング14は、製品に付いたまま製品と一緒に機外に取り出されるので、図4に示すように、周囲に障害物がない広いスペースで、アーム22先端の支持部21を位置調節して、アーム22の実質的な長さを縮小し、リング支持装置12や要素鉄筋位置決めリング14を製品から分離して回収することになる。 【0043】以上の方法によって製造された長尺多方向X形配筋組立鉄筋Bは、例えば現場作業により、杭の鉄筋籠に挿入して、使用されるものであるが、前記長尺多方向X形配筋組立鉄筋Bを鉄筋籠編成機Aから搬出する前に、次の工程を付加することにより、直線状の主筋群とフープ筋とで構成される平行配筋の外部鉄筋籠と長尺多方向X形配筋組立鉄筋Bとからなる二重鉄筋籠を製造することができる。 【0044】二重鉄筋籠の製造方法を、図15〜図21に基づいて説明すると、次のとおりである。即ち、先ず、受け台8aを若干上昇させて、長尺多方向X形配筋組立鉄筋Bの重量を台車8に預けた状態で、支持杆3を縮小させ、軸受け部6を開いて、回転軸1を片持ち状態にする。 【0045】この状態で、長尺多方向X形配筋組立鉄筋Bよりも大径の平行筋取付け用リング(例えば、鉄筋を円形に加工して製作される。)36を7〜9個(例えば8個)走行クレーン7のフックに吊り下げて、機内に搬入し、図15に示すように、軸受け部6を閉じて、回転軸1を両持ち状態に復帰させる。 【0046】しかる後、支持杆3を拡張させると共に、受け台8aを下降した状態で、平行筋取付け用リング36を所定の位置に配置し、長尺多方向X形配筋組立鉄筋Bの周囲に適当間隔おきに套嵌する。 【0047】次いで、第1〜第4のリング支持装置12で支持されている要素鉄筋固定リング13に、図18に示すように、要素鉄筋固定リング13の外周面と平行筋取付け用リング36の内周面との間に形成される間隔Lに対応する8個のスペーサ37を溶接し、これらのスペーサ群の外周に夫々平行筋取付け用リング36を溶接する一方、残りの平行筋取付けリング36には、各々4本の支持鉄筋36bを、拡張状態にある支持杆3に四隅部を合わせて井桁状に溶接することにより、当該平行筋取付け用リング36を前記支持杆3に長尺多方向X形配筋組立鉄筋Bと同芯状に支持させる。 【0048】しかる後、図16、図19に示すように、全部の平行筋取付けリング36の外周面にわたって複数本の平行配筋用鉄筋38を溶接により固定し、走行台車9からコイル状に巻かれたフープ筋用の鉄筋10を繰り出し、図20に示すように、これらの平行配筋用鉄筋38群の周囲にフープ筋10aをスパイラル状に巻付け固定して、図21に示すように、平行配筋された外部鉄筋籠(平行配筋された主筋とフープ筋とで構成された鉄筋籠)と長尺多方向X形配筋組立鉄筋Bとからなる二重鉄筋籠B2 を製造するのである。 【0049】二重鉄筋籠B2 の製造が完了したら、受け台8aを上昇させて、当該二重鉄筋籠B2 の重量を受け台8aに預けた後、軸受け部6を開いて、回転軸1を片持ち支持の状態に切り換え、且つ、支持杆3を縮小状態に切り換えて、図17に示すように、台車8を外側に走行させ、製品(二重鉄筋籠B2 )を機外に搬出する。そして、周囲に障害物がない広いスペースで、第1〜第4のリング支持装置12と2個の要素鉄筋位置決めリング14を製品から分離して回収するのである。 【0050】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、既存の鉄筋籠編成機を用いて長尺の多方向X形配筋組立鉄筋を製造でき、さらに、平行配筋された外部鉄筋籠と長尺多方向X形配筋組立鉄筋とからなる二重鉄筋籠を製造できるのである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591239977 【氏名又は名称】ヨーコン株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年2月3日(1999.2.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074273 【弁理士】 【氏名又は名称】藤本 英夫
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| 【公開番号】 |
特開2000−225433(P2000−225433A) |
| 【公開日】 |
平成12年8月15日(2000.8.15) |
| 【出願番号】 |
特願平11−25953 |
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