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【発明の名称】 生ゴミ処理機
【発明者】 【氏名】岡本 知

【要約】 【課題】タンクの外側からでも安定的且つ高精度にタンク内の被処理物の水分量を検出し得るようにした生ゴミ処理機を提供すること。

【解決手段】タンク15内の被処理物25との間に非導電性隔壁(基材2またはタンク壁15aなど)を隔てて配設された検出電極3と第二電極4、及び前記検出電極3に対し適当距離を隔てて配設された接地電極24を備え、前記検出電極3に抵抗を介して矩形波電圧を印荷したときの、前記抵抗、被処理物25、及び接地電極24を経由するRC回路による前記検出電極3での矩形波電圧の立ち上がり立ち下がりの時間的遅れに基づいて水分検出信号を出力し、前記第二電極4は、前記検出電極3に印荷される矩形波電圧と同位相且つ同周波数の矩形波電圧を印荷されるもので、この第二電極4の電位により、前記隔壁(タンク壁15aなど)に沿って層状に存在する水などの誘電体層26を経由するRC回路を遮断する構成。
【特許請求の範囲】
【請求項1】タンク内で菌床に生ゴミを加えた被処理物を攪拌する方式の生ゴミ処理機であって、水分検出装置を備え、当該水分検出装置は、タンク内の被処理物との間に非導電性隔壁を隔てて配設された検出電極と第二電極、及び前記検出電極に対し適当距離を隔てて配設された接地電極を備え、前記検出電極に抵抗を介して矩形波電圧を印荷したときの、前記抵抗、被処理物、及び接地電極を経由するRC回路による前記検出電極での矩形波電圧の立ち上がり立ち下がりの時間的遅れに基づいて水分検出信号を出力し、前記第二電極は、前記検出電極に印荷される矩形波電圧と同位相且つ同周波数の矩形波電圧を印荷されるもので、この第二電極の電位により、前記隔壁に沿って層状に存在する水などの誘電体を経由するRC回路を遮断するようにした、生ゴミ処理機。
【請求項2】前記タンクの壁が非導電性材料から構成され、当該タンクの外側に前記検出電極及び第二電極が密接して配設されている、請求項1に記載の生ゴミ処理機。
【請求項3】前記接地電極が、タンク内の被処理物を攪拌する金属製攪拌手段で兼用されている、請求項1または2に記載の水分検出装置。
【請求項4】前記水分検出装置が、前記矩形波電圧の立ち上がり立ち下がりの時間的遅れを判定するための比較回路に抵抗器を介して基準矩形波電圧を供給するようにしたもので、前記抵抗器を経由した後の矩形波電圧を利用して前記第二電極に印荷する矩形波電圧を得るようにした、請求項1〜3の何れかに記載の生ゴミ処理機。
【請求項5】前記タンク内の温度、風量を制御する手段を備え、当該手段を前記水分検出装置により出力される水分検出信号に基づいて制御することにより、タンク内の被処理物の含水率を略一定に保つようにした、請求項1〜4の何れかに記載の生ゴミ処理機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タンク内で菌床に生ゴミを加えた被処理物を攪拌する方式の生ゴミ処理機に関する。さらに詳しくは、前記タンク内の被処理物の水分量を検出する装置を備えた、一般に微生物分解型や発酵分解型と称される生ゴミ処理機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題から一般家庭や食堂、レストラン、食品加工工場などから廃出される生ゴミを焼却処分や埋め立て処分にすることに制限が加えられつつある。一方、生ゴミを発生源で処分する方式が種々検討され、実用化されつつある。
【0003】それらの一つに発酵菌を利用して生ゴミを炭酸ガスと水分などに分解する方式が知られている。この方式は一般に、内部に被処理物の攪拌機を備え、空気の吸入口と排出口を備えた温度制御が可能なタンク内に、菌床と称される木粉、ポーラスセラミック粉、籾殻などを投入し、これに生ゴミを加えて攪拌することにより、生ゴミを炭酸ガスと水分などに分解しようとするものである。しかして、この方式による生ゴミの分解性能は、タンク内の温度及び水分、即ち、菌床に生ゴミが加えられた被処理物の温度の含水量、さらにタンク内に送り込まれる外気の風量などの条件に依存するが、特に、発酵菌を活発に機能させるために、タンク内の温度と風量(酸素量)及び被処理物の含水量の制御が極めて重要である。このバランスが崩れると、生ゴミは分解されずに腐敗して悪臭を放ったり、乾燥し過ぎて菌床が粉砕されるようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のタンク内の温度と風量(酸素量)及び被処理物の含水量の制御の内、温度と風量の制御は比較的容易であるが、被処理物の含水量を的確に制御することは、被処理物の含水量を高精度に検出することが困難であるところから、非常に難しい。
【0005】即ち、生ゴミ処理機のタンクに収容される被処理物(菌床に生ゴミを加えたもの)の含水量を計測する方法としては、加熱手段によりタンク内を加熱した際の温度上昇が被処理物の含水量に関係することを応用したセンサーを使用する方法(特開平8−178879号)や、一対の電極を利用して当該電極間に存在する被処理物の電気抵抗を計測する方法(特開平8−57460号)などが知られているが、何れもタンク内にセンサーなどの計測手段が装備されるタイプである。従って、生ゴミが発酵分解する際に発生する微量のアンモニア、亜硫酸ガス、各種有機酸の影響により、センサー機能が低下する問題点があった。このような問題点を解消するために、タンクの外側から静電容量的にタンク内の被処理物の含水量を計測する方法の採用も考えられるが、タンク壁内面の結露や汚れなどの水分により、被処理物の含水量を精度良く安定的に検出することができないという問題点がある。
【0006】換言すれば、生ゴミの発酵分解時にタンク内部で発生する微量生成物の影響を受けることなく、そしてまた、タンク壁内面の結露や汚れなどの水分による影響を受けることなく、被処理物の含水量を高精度に検出することができ、この水分検出信号に基づいてタンク内の被処理物の含水量をコントロールすることにより、生ゴミの発酵分解を良好に行わせることのできる生ゴミ処理機の開発は、市場の要請である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような市場の要請に鑑み、生ゴミ処理機のタンク外部からタンク内の被処理物の水分を安定的に且つ高精度に検出し得る水分検出装置を備えた生ゴミ処理機を開発提供するものであって、その手段を後述する実施形態の参照符号を付して示すと、タンク15内で菌床に生ゴミを加えた被処理物25を攪拌する方式の生ゴミ処理機であって、水分検出装置を備え、当該水分検出装置は、タンク15内の被処理物25との間に非導電性隔壁(タンク壁15aなど)を隔てて配設された検出電極3と第二電極4、及び前記検出電極3に対し適当距離を隔てて配設された接地電極24を備え、前記検出電極3に抵抗7を介して矩形波電圧を印荷したときの、前記抵抗7、被処理物25、及び接地電極24を経由するRC回路による前記検出電極3での矩形波電圧の立ち上がり立ち下がりの時間的遅れに基づいて水分検出信号を出力し、前記第二電極4は、前記検出電極3に印荷される矩形波電圧と同位相且つ同周波数の矩形波電圧を印荷されるもので、この第二電極4の電位により、前記隔壁(タンク壁15aなど)に沿って層状に存在する水などの誘電体を経由するRC回路を遮断する構成となっている。
【0008】上記構成の本発明装置を実施するについて、前記タンク15の壁15aが非導電性材料から構成されている場合、当該タンク15の壁15aを前記検出電極3及び第二電極4とタンク15内の被処理物25との間の非導電性隔壁とするように、前記検出電極3及び第二電極4をタンク壁15aの外側に密接して配設することができる。
【0009】また、タンク15内の被処理物25を攪拌する攪拌手段(攪拌翼16)が金属製である場合、この金属製攪拌手段(攪拌翼16)を前記接地電極24に兼用させることができる。
【0010】さらに、前記検出電極3における矩形波電圧の立ち上がり立ち下がりの時間的遅れを判定するための比較回路11に抵抗器(可変抵抗器10)を介して基準矩形波電圧を供給するようにし、前記抵抗器(可変抵抗器10)を経由した後の矩形波電圧を利用して前記第二電極4に印荷する矩形波電圧を得るように構成することができる。
【0011】また、前記タンク15内の温度、風量を制御する手段(ヒーター20、送気フアン19、排気フアン21)を設け、当該手段を前記水分検出装置により出力される水分検出信号に基づいて制御することにより、タンク15内の被処理物25の含水率を略一定に保つように構成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適実施形態を添付図に基づいて説明すると、図1及び図4において、1は検出器であって、非導電性材料から成る基材2の片面に検出電極3と第二電極4とが、検出電極3を中央にしてその外周を無端リング状の第二電極4が取り囲むように、例えばプリント配線方法などにより形成されている。
【0013】図1に示すように、前記検出器1の検出電極3は、矩形波電圧発生回路6の互いに逆位相の矩形波電圧を出力する2つの出力端子の内の一方の出力端子6aに抵抗器7を介して接続されるとともに、位相反転/波形整形回路8の入力端子8aに接続されている。前記矩形波電圧発生回路6の他方の出力端子6bは、位相反転/波形整形回路9の入力端子9aに可変抵抗器10を介して接続され、当該位相反転/波形整形回路9の出力端子9bは、比較回路11の3つの入力端子11a〜11cの内、入力端子11aに接続されて、当該比較回路11に基準矩形波電圧を印荷する。
【0014】比較回路11は、3つの入力端子11a〜11cの電位が全てLレベルになっている間のみ、出力端子11dの電位がHレベルからLレベルに切り替わるように、ダイオードマトリックス回路で構成されたもので、その入力端子11bにおいて前記位相反転/波形整形回路8の出力端子8bと接続されるとともに、入力端子11cにおいて前記矩形波電圧発生回路6の出力端子6aに接続され、位相反転/波形整形回路9から与えられる基準矩形波電圧と位相反転/波形整形回路8から与えられる矩形波電圧とを比較して、前記検出電極3における矩形波電圧の立ち上がり立ち下がりの時間遅れを検出し、その出力端子11dに時間遅れ検出信号を出力する。12は、前記比較回路11の出力端子11dに接続される入力端子12aと、次段の出力回路13の入力端子13aに接続される出力端子12bとを備えたオンオフ信号発生回路であって、前記比較回路11からの時間遅れ検出信号に基づいてオンオフ信号を次段の出力回路13に供給する。出力回路13は、前記オンオフ信号発生回路12からのオンオフ信号に基づいて外部出力端子13bの電位を切り換えるもので、接地端子13cとの間に所定の直流電圧が印荷される電源端子13dを備えている。
【0015】第二電極4には、位相反転/波形整形回路14の出力端子14bが接続され、この位相反転/波形整形回路14の入力端子14aは、前記位相反転/波形整形回路9の入力端子9aに接続され、可変抵抗器10の影響を受けた矩形波電圧が印荷されるようになっている。
【0016】図2は、生ゴミ処理機の構成を模式的に示すもので、適当な菌床に生ゴミを加えた被処理物を収容するタンク15は、合成樹脂などの非導電性材料から構成されたもので、内部に被処理物攪拌用の金属製攪拌翼16が金属製の回転駆動軸16aを介して支承され、開閉自在な蓋17と水分調整手段18とを備えている。この水分調整手段18としては、タンク15内へ外気を送入する送気フアン19、タンク15内へ送入される外気を加熱するヒーター20、タンク15内から排気する排気フアン21などが設けられるが、必要に応じてタンク15内を加湿する加湿器22を併用することもできる。また、図示していないが、タンク15の外側に加熱用ヒーターを配設し、このヒーターのオンオフ制御により、タンク15内の被処理物の温度を制御することにより、当該被処理物の水分量を調整することも可能である。
【0017】23は、前記のような各種の水分調整手段18を制御するコントローラーであって、水分過多の信号が入力されることにより、例えば排気フアン21、送気フアン19、ヒーター20などを作動させ、水分不足の信号が入力されることにより、例えば排気フアン21、送気フアン19、ヒーター20などを停止させることになる。
【0018】上記構成の生ゴミ処理機に対し、図2及び図4に示すように、検出器1を前記タンク15の壁15aの外面に基材2を貼付するなどの適当な方法で装着する。勿論、タンク壁15aが非導電性材料から構成されているので、このタンク壁15aを基材2に兼用させるように、各電極3,4をタンク壁15aの外面に直接貼付して、検出器1をタンク壁15aと一体化することも可能である。一方、金属製攪拌翼16を金属製回転駆動軸16aを介して接地し、接地電極24とする。また、図3に示すように、生ゴミ処理機が金属製攪拌翼16を備えていない場合には、図3に仮想線で示すように、タンク15内に専用の接地電極24を設けることもできるが、前記検出器1との間でタンク内の被処理物(菌床に生ゴミが加えられたもの、以下同じ)25を隔てて対向し得る位置のタンク壁(被処理物収容空間を形成する囲壁)の一部を金属板で構成し、この金属製タンク壁部分を前記接地電極24に兼用させることも可能であるし、さらに、図3に実線で示すように、前記検出器1との間でタンク内の被処理物25を隔てて対向し得る位置のタンク壁(被処理物収容空間を形成する囲壁)の外側に接地電極24を装着することもできる。
【0019】図5及び図6は、上記使用状態での各回路の出力乃至は入力の電圧波形を示すもので、図5−列(1) は、タンク15内で検出電極3と接地電極24との間に存在する被処理物(被検出誘電体)25の水分量が設定値より少ない場合、図5−列(2) は、前記被処理物25の水分量が設定値より多い場合、図6は、前記被処理物25の水分量が設定値より少なく且つ図4に示すように検出電極3に隣接するタンク壁15aの内面に水垢や生ゴミなどの付着汚れや結露、氷結などによる誘電体層26が形成されている場合を示している。
【0020】しかして検出電極3には、矩形波電圧発生回路6の出力端子6aから、図5−行Aに示す矩形波電圧が抵抗器7を介して印荷される。一方、矩形波電圧発生回路6の出力端子6bから、図5−行Bに示すように前記検出電極3に印荷される矩形波電圧(図5−行A)に対し180度位相が異なった同周波数の矩形波電圧が出力され、これが可変抵抗器10を経由することにより、図5−行Dに示すように立ち上がり立ち下がりに若干の時間を要した状態で、位相反転/波形整形回路9の入力端子9aに供給される。従って、当該位相反転/波形整形回路9の出力端子9b(比較回路11の入力端子11a)での矩形波電圧の波形は、図5−行Fに示すように、位相が180度反転されて、図5−行Aに示す矩形波電圧発生回路6の出力端子6aの出力波形(検出電極3に印荷される矩形波電圧の波形)と同位相になるが、当該図5−行Aに示す矩形波電圧よりも立ち上がり立ち下がりが時間tだけ遅れた矩形波となる。
【0021】可変抵抗器10を経由した矩形波電圧は、前記位相反転/波形整形回路9と同一の働きをする位相反転/波形整形回路14にも供給されるので、第二電極4に印荷される矩形波電圧、即ち、位相反転/波形整形回路14の出力端子14bでの矩形波電圧の波形は、比較回路11の入力端子11aに入力される矩形波電圧(図5−行F)と同一の波形になる。このことから明らかなように、位相反転/波形整形回路9の出力端子9bと第二電極4とを接続して、前記位相反転/波形整形回路14を省くことも可能である。
【0022】以上の回路構成から明らかなように、検出電極3に印荷される矩形波電圧に対して、周囲の第二電極4には同位相で同周波数の矩形波電圧が印荷されている。このとき、タンク15内に被処理物25が収容されていない場合は、検出電極3と接地電極24とが高周波回路的に閉成されないので、検出電極3に印荷される矩形波電圧により接地電極24との間に高周波電流が流れることはない。即ち、図5−列(1) 行Eに示すように、比較回路11の入力端子11bには、単に、矩形波電圧発生回路6の出力端子6aにおける矩形波電圧(図3−列(1) 行C)の逆位相の矩形波電圧が供給されることになり、その立ち上がり立ち下がりに時間的遅れは生じていない。従って、比較回路11の入力端子11cに供給される矩形波電圧(図5−列(1) 行B)に基づいて、入力端子11aに供給される矩形波電圧(図5−列(1) 行F)と入力端子11bに供給される矩形波電圧(図5−列(1) 行E)とを比較回路11において比較した結果、3入力の全ての矩形波電圧が何れもLレベルになることはないので、その出力端子11dの電位は、図5−列(1) 行Iに示すようにHレベルのままであり、出力回路13の入力端子13a(オンオフ信号発生回路12の出力端子12b)及び外部出力端子13bの電位は、図5−列(1) 行J,行Kに示すようにHレベルのままである。
【0023】これに対して、タンク15内に被処理物25が、検出電極3と接地電極24との間の検出レベルを越えるレベルまで収容されているときは、第二電極4の有無に関係なく、検出電極3に印荷される矩形波電圧により、抵抗器7、検出電極3、被処理物25、及び接地電極24を経由して高周波電流が流れるので、図5−列(2) 行Cに示すように、位相反転/波形整形回路8の入力端子8aにおける矩形波電圧(検出電極3における矩形波電圧)は、その立ち上がり立ち下がり時に時間Tの遅れが発生する。
【0024】従って、比較回路11の入力端子11bには、時間Tだけ立ち上がり立ち下がりが遅れた矩形波電圧(図5−列(2) 行E)が供給されるので、この時間遅れTが、先に説明した可変抵抗器10による遅れ時間tよりも大きい場合、図5−列(2) 行A,行E,行Fの矩形波電圧波形から明らかなように、比較回路11の入力端子11aの矩形波電圧の立ち下がりから入力端子11bの矩形波電圧の立ち上がりまでの間、比較回路11の3入力の全ての矩形波電圧が何れもLレベルになり、その間だけ出力端子11dの電位は、図5−列(2) 行Iに示すようにLレベルとなり、パルス信号が出力される。この結果、オンオフ信号発生回路12の出力端子12b(出力回路13の入力端子13a)及び外部出力端子13bの電位は、図5−列(2) 行J,行Kに示すように、前記パルス信号の立ち上がり時点でHレベルからLレベルに切り換えられる。
【0025】換言すれば、図2または図3に示す生ゴミ処理機において、収容される被処理物25の水分量が、腐敗などさせないで所期通りに発酵させるために必要な水分量よりも多い水分過剰な状態にあるとき、前記比較回路11の出力端子11dにパルス信号が出力されて外部出力端子13bの電位が切り換えられるように、可変抵抗器10の抵抗値を調整設定して、位相反転/波形整形回路9の出力端子9b(比較回路11の入力端子11a)の矩形波電圧の立ち上がり立ち下がりの遅れ時間tを調整しておけば、タンク15内に収容されて処理される被処理物25の水分量が設定値以下であるときには、図5−列(1) に示すように外部出力端子13bの電位は変化せず、タンク15内に収容されて処理される被処理物25の水分量が設定値を越えたときのみ、図5−列(2) に示すように、これを検出して外部出力端子13bの電位を切り換えることができる。
【0026】次に、図4に示すように、タンク壁15aの内面に水垢などの汚れや結露、氷結などによる誘電体層26が形成され且つ当該誘電体層26が高周波回路的に接地されている場合を説明すると、この誘電体層26は厚さが最大数ミリメートルと薄いので、第二電極4の電位の影響を確実に受けることになり、検出電極3の周囲に、当該検出電極3と同位相の電位に付勢された領域を形成して、検出電極が前記誘電体層26を介して対地間で高周波回路的につながるのを抑制する。
【0027】即ち、図6−行Cに示すように、前記誘電体層26を通じて検出電極3が対地間で高周波回路的に接続されるので、抵抗器7、検出電極3、及び誘電体層26を通じて高周波電流が流れて、検出電極3に印荷される矩形波電圧(位相反転/波形整形回路8の入力端子8aの矩形波電圧)には、その立ち上がり立ち下がりに時間遅れが発生するが、第二電極4に印荷される同位相の矩形波電圧(図6−行G)の電位で誘電体層26が付勢される結果、検出電極3における矩形波電圧(図6−行C)の立ち上がり立ち下がりの時間遅れが、第二電極4に印荷される同位相の矩形波電圧(図6−行G)の立ち上がり立ち下がり時点で強制的に解消され、同時点で検出電極3における矩形波電圧(図6−行C)の立ち上がり立ち下がりが完了する。
【0028】従って、比較回路11の入力端子11bに供給される矩形波電圧(図6−行E)には、その立ち上がり立ち下がりに若干の時間遅れが生じるが、この遅れ時間は、第二電極4に印荷される矩形波電圧(図6−行G)の立ち上がり立ち下がりに生じている遅れ時間、即ち、比較回路11の入力端子11aに供給される矩形波電圧(図6−行F)の立ち上がり立ち下がりに生じる、可変抵抗器10による遅れ時間tと等しいため、結果的には、図6−行A,行E,行Fに示すように、比較回路11における3入力の全てがLレベルになることはなく、検出電極3の検出レベルに被処理物25が存在しないかまたは、当該被処理物25の水分量が設定値以下であるときと同様に、出力回路13の外部出力端子13bの電位が切り換えられることはない。即ち、誘電体層26の存在により、被処理物25の水分量が設定値以上であると誤認して検出信号が出力されることはない。
【0029】出力回路13の外部出力端子13bの電位の変化は、制御出力として図1及び図2に示すコントローラー23に与えられ、当該コントローラー23を介して水分調整手段18が自動制御される。即ち、被処理物25の水分過多が検出されて出力回路13の外部出力端子13bから制御出力が生じると、水分調整手段18がタンク15内の水分を減少させるように作動する。例えば、送気フアン19、ヒーター20、排気フアン21などが設けられているときはこれらを作動させ、加湿器22が設けられているときはこれを停止させる。そして、被処理物25の水分量が設定値以下になって、出力回路13の外部出力端子13bからの制御出力がなくなると、作動させていた送気フアン19、ヒーター20、排気フアン21などが停止され、加湿器22が設けられているときは、必要に応じてこれを作動させることができる。
【0030】なお、被検出物が収容されるタンク15が金属などの導電性材料から構成される場合には、例えば、図7及び図8に示すような差し込み型の検出器29を使用することができる。この検出器29は、合成樹脂やガラスなどの非導電性材料から成る円柱体30(電極に対する配線空間を提供する中空状のものが好ましい)の先端に前記検出電極3と第二電極4とを形成し、これら電極3,4の外側を合成樹脂やガラスなどの非導電性材料から成る被覆層31で被覆し、円柱体30の基部には、タンク壁15aに設けられた貫通ねじ孔32に螺嵌する螺軸部33と、タンク壁15aの外側に突出する頭部34とを形成したものである。前記電極3,4は円柱体30の周面に形成することもできる。各電極3,4に対する配線は、円柱体30の内部を経由して頭部34から外に導き出される。また、この頭部34に、各回路部品が内装されるケーシング35を連設して、検出器29を一体に備えた検出装置とすることもできる。
【0031】なお、第二電極4は、検出電極3の周囲を取り囲む環状のものである必要はあるが、完全に閉じた環状である必要はなく、一部分が分断されたCの字形のものであっても良い。また、被処理物の発酵条件などからタンク内の水分量の上限が決まる場合には、前記可変抵抗器10に代えて、固定抵抗器を使用することもできる。
【0032】また、上記実施形態では、被処理物の水分量が設定値より多いか少ないかを検出して出力回路13の外部出力端子13bの電位を切り換え、制御対象の水分調整手段18をオンオフ制御しているが、例えば比較回路11の出力端子11dに生じるパルス信号の時間長さ(図5−列(2) 行I)に基づいて被処理物の水分量そのものを検出することも可能である。この場合、検出した被処理物の水分量が設定値より多いか少ないかを比較させ、この比較結果に応じて水分調整手段18をオンオフ制御することができるが、検出した被処理物の水分量そのものに応じて水分調整手段18の送気フアン19や排気フアン21の風量を制御したり、ヒーター20の熱量を制御したり、加湿器22の加湿強さを制御することも可能である。
【0033】
【発明の効果】以上のように実施し得る本発明の水分検出装置を備えた生ゴミ処理機によれば、抵抗と検出電極とタンク内の被処理物(適当な菌床に生ゴミを加えたもの)を経由するRC回路を流れる高周波電流を利用して前記被処理物の水分を検出することができるのであるが、前記検出電極に印荷される矩形波電圧と同位相且つ同周波数の矩形波電圧を印荷される第二電極の電位により、前記被処理物と検出電極とを区画する非導電性隔壁の内面の汚れなどの誘電体層を経由するRC回路を遮断することができるので、前記非導電性隔壁内面に形成される汚れなどの誘電体層を検出電極により検出してしまうことがない。
【0034】即ち、本発明の生ゴミ処理機によれば、タンク内の被処理物と検出電極とを区画する非導電性隔壁の外側から内部の被検出物の水分を検出することができるので、水分検出用の検出電極の耐久性が被処理物の性状や雰囲気ガスによって劣化する恐れは皆無であり、しかも、前記非導電性隔壁内面の汚れや結露、氷結などにより誤動作することなく、タンク内の被処理物の水分を精度良く検出することができる。従って、その検出結果に基づいてタンク内の被処理物の水分量を的確に調整して、所期の発酵分解作用を良好に行わせることができる。
【0035】なお、請求項2に記載の構成によれば、タンク内の被処理物と検出電極とを区画するのに必要な非導電性隔壁をタンク壁で兼用させることができ、当該タンク壁の外側に検出電極及び第二電極を貼付するなどの簡単な方法で本発明を実施することができる。また、請求項3に記載の構成によれば、水分検出専用の特別な接地電極を配設しなければならない場合と比較して、安価に実施し得る。
【0036】さらに、請求項4に記載の構成によれば、検出電極における矩形波電圧の立ち上がり立ち下がりの時間的遅れを判定するための比較回路に抵抗器、例えば可変抵抗器を介して基準矩形波電圧を供給するのであるから、被処理物の検出すべき水分量の上限値を調整するために前記抵抗器の抵抗値が調整されても、第二電極に印荷される矩形波電圧の立ち上がり立ち下がりのタイミングを、検出電極における矩形波電圧の立ち上がり立ち下がりの時間的遅れを判定するタイミングに同期させることができるので、汚れなどの誘電体層を検出させないという第二電極の所期の機能を常に精度良く発揮させることができる。
【0037】また、請求項5に記載の構成によれば、検出された被処理物の水分量に応じて前記タンク内の温度、風量を制御する手段を自動制御し、タンク内の被処理物の含水率を自動的に略一定に保って所期の発酵分解作用を良好に遂行させることができる。
【出願人】 【識別番号】391008401
【氏名又は名称】株式会社三ツ星
【識別番号】598097208
【氏名又は名称】ジェイ・エス・ケー株式会社
【出願日】 平成10年9月29日(1998.9.29)
【代理人】 【識別番号】100069578
【弁理士】
【氏名又は名称】藤川 忠司
【公開番号】 特開2000−102780(P2000−102780A)
【公開日】 平成12年4月11日(2000.4.11)
【出願番号】 特願平10−274862