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【発明の名称】 コーター装置及びストライプ状塗膜の製造方法
【発明者】 【氏名】小沢 和弘

【氏名】見上 宏二

【要約】 【課題】乾燥前の塗料層を容易に除去することができること。

【解決手段】基材フィルム22の表面へ塗液を塗布して塗料層23を形成するコーター装置において、前記基材フィルム22の走行方向Aに対して逆方向Bの円周回転をするロール21と、該ロール21に接しかつ前記表面に形成するストライプ状塗膜25以外の不要となる前記塗料層23を掻き取る手段とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基材フィルムの表面へ塗液を塗布して塗料層を形成するコーター装置において、前記基材フィルムの走行方向に対して逆方向の円周回転をするロールと、該ロールに接しかつ前記表面に形成するストライプ状塗膜以外の不要となる前記塗料層を掻き取る手段とを有することを特徴とするコーター装置。
【請求項2】 請求項1記載のコーター装置において、前記塗液を掻き取る手段がドクター刃であることを特徴とするコーター装置。
【請求項3】 請求項1記載のコーター装置において、前記ロールが円筒状又は円柱状を呈していることを特徴とするコーター装置。
【請求項4】 請求項1記載のコーター装置において、前記ロールの表面には、乾燥前の前記塗料層の塗膜厚さよりも深く且つ所望の形状をした溝が設けられていることを特徴とするコーター装置。
【請求項5】 請求項1記載のコーター装置において、前記塗液を掻き取る手段は乾燥前の前記塗膜厚さよりも長く、且つ所望の幅を有するに所望の間隔に並べた短冊状部を有していることを特徴とするコーター装置。
【請求項6】 請求項1記載のコーター装置において、前記塗液を掻き取る手段は乾燥前の前記塗膜厚さよりも深く且つ所望の形状をした切り欠き部を有していることを特徴とするコーター装置。
【請求項7】 基材フィルムの表面へ塗液を塗布して塗料層を形成するコーター装置によるストライプ状塗膜の製造方法において、前記基材フィルムの走行方向に対して逆方向の円周回転をするロールを有し、該ロールに接するように前記塗液を掻き取る手段を配置し、前記基材フィルムの前記表面へ全面塗布方法により塗布し、前記基材フィルムの前記表面上に形成するストライプ状塗膜以外の不要となる前記塗料層を前記塗液を掻き取る手段により除去することを特徴とするコーター装置によるストライプ状塗膜の製造方法。
【請求項8】 請求項7記載のコーター装置によるストライプ状塗膜の製造方法において、前記ロールの表面には、乾燥前の前記塗料層の塗膜厚さよりも深く且つ所望の形状をした溝が設けられており、該溝によって形成される前記ストライプ状塗膜以外の不要となる前記塗料層を前記塗液を掻き取る手段を前記ロールに接して除去することを特徴とするコーター装置によるストライプ状塗膜の製造方法。
【請求項9】 請求項7記載のコーター装置によるストライプ状塗膜の製造方法において、前記塗液を掻き取る手段が、ドクター刃であることを特徴とするコーター装置によるストライプ状塗膜の製造方法。
【請求項10】 請求項7記載のコーター装置によるストライプ状塗膜の製造方法において、前記ロールが円筒状又は円柱状を呈していることを特徴とするコーター装置によるストライプ状塗膜の製造方法。。
【請求項11】 請求項7記載のコーター装置によるストライプ状塗膜の製造方法において、前記ロールの表面には、乾燥前の前記塗料層の塗膜厚さよりも深く且つ所望の形状をした溝を設けたことを特徴とするコーター装置によるストライプ状塗膜の製造方法。
【請求項12】 請求項7記載のコーター装置によるストライプ状塗膜の製造方法において、前記塗液を掻き取る手段は乾燥前の前記塗膜厚さよりも長く、且つ所望の幅を有するに所望の間隔に並べた短冊状部を有していることを特徴とするコーター装置によるストライプ状塗膜の製造方法。
【請求項13】 請求項7記載のコーター装置によるストライプ状塗膜の製造方法において、前記塗液を掻き取る手段は乾燥前の前記塗膜厚さよりも深く且つ所望の形状をした切り欠き部を有していることを特徴とするコーター装置によるストライプ状塗膜の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気カードや磁気テープ等の製造に用いられる基材フィルムの表面へ磁気塗料や穏蔽塗料を塗布して塗膜を形成するコーター装置に係り、例えばストライプ状の塗膜を形成する部分と形成しない部分が同一面上に混在する製品を製造するコーター装置、及びストライプ状塗膜の製造方法に属する。
【0002】
【従来の技術】従来のコーター装置では、塗工対象物の全面にコーティングする方法が比較的容易に行われている。一般的な方式として以下のようなものがあり、塗料の性状や厚み、要求特性等によって適宜選択されている。
【0003】(1)グラビアロールコート方式:表面に細かな溝を彫刻したロール(グラビアロール)に塗料を付け、塗布対象物へ転写させる。但し、転写後の塗料にも溝パターンが残る場合があるため、彫刻柄の選定や塗布条件の調整(塗布速度、液粘度、スムージング処理等)が重要である。特に対象製品が磁気カードの等の場合、表面性は電磁変換特性に大きく影響するため、薄板や丸棒、ロール等を接触させることにより塗膜表面の凹凸を平滑化するスムージング処理が行われる。
【0004】(2)リバースロールコート方式:回転するコーティングロールに塗料を付け、当該ロールに対向して逆回転するリバースロールの間隔と回転速度比によってコーティングロール上の塗料厚みを規定した後、塗布対象物に転写させる。
【0005】(3)ダイコート方式:スリット状の吐出口を有するノズルを、一定の間隔で塗布対象物に対向させ、塗料を吐出する。
【0006】(4)ワイヤーバー方式:金属細線を巻き付けた棒の表面にできる凹凸で、塗膜厚みを規定する。
【0007】(5)その他:スプレーコート方式等。
【0008】磁気カード等においては、変造、改ざんを防止するために磁気記録層を磁気トラック部分に限定したストライプ状のコーティングを求められる場合がある。
【0009】従来、ストライプ状のコーティングを行う場合は、ダイコート方式か、部分的な溝加工を施したロールを使うグラビアロールコート方式が用いられていた。
【0010】図4は、従来のコーター装置の一部で用いられていたリバース回転ロール式スムーサ機構による塗膜スムージング処理の原理を示している。
【0011】図4において、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の材質が用いられる基材フィルム112に、グラビアロールコート方式、リバースロールコート方式等の従来型塗工手段を用いて基材幅全面に塗料層113が塗布され、未乾燥状態にてA方向に走行しているとする。
【0012】その走行速度に対して周速がほぼ等しく回転方向Bが逆のリバース回転ロール111が基材フィルム112と接することにより、塗料層113がリバース回転ロール111に転写される。リバース回転ロール111がほぼ一周すると再び基材フィルム112と接し、塗料層113は基材フィルム112に再転写されて乾燥機(図示せず)に送られる。この間の転写〜再転写工程で塗料層にかかるずり応力、遠心力、表面張力の作用で塗膜表面が平滑化される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来、ダイコート方式では形成されるストライプ幅及厚みの変動が大きく、且つ制御が難しいという問題があった。ストライプ幅及厚みの変動要因としては、塗布スピード、ポンプ吐出量、塗料粘度、基材とノズルの間隔(実際には基材フィルムの厚みばらつき)等があり、それら各要因の僅かな変動に起因して形成されるストライプの均一性が損なわれていた。
【0014】また、部分的な溝加工を施したロールを使うグラビアロールコート方式では、上記要因による変動は小さいが、転写後の塗膜表面に溝パターンが残る場合があり、ストライプ幅が狭くなる程これを消すことが困難で塗布条件の自由度が小さくなるという問題がある。
【0015】更にスムージング処理により、ストライプ幅の拡大とストライプ境界端部形状の変形が生じ、コーティングの幅精度を損なうという問題がある。
【0016】それ故に本発明に課題は、基材フィルムに塗布後の乾燥前塗料層を容易に除去することができるコーター装置及びストライプ状塗膜の製造方法を提供することにある。
【0017】また、本発明に他の課題は、ロール表面に、乾燥前の塗膜厚さよりも深く且つ所望の形状をした溝を設け、このロールに接するように塗液を掻き取るドクター刃を配置することにより、所望の幅でロール上から塗料層を容易に除去できるコーター装置及びストライプ状塗膜の製造方法を提供することにある。
【0018】更に、上記構成のコーター装置を用いて、全面塗布方法により塗布した基材フィルム上の塗料層を、不要部分のみ帯状に除去することでストライプ状塗膜が容易に製造できるストライプ状塗膜の製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、基材フィルムの表面へ塗液を塗布して塗料層を形成するコーター装置において、前記基材フィルムの走行方向に対して逆方向の円周回転をするロールと、該ロールに接しかつ前記表面に形成するストライプ状塗膜以外の不要となる前記塗料層を掻き取る手段とを有することを特徴とするコーター装置が得られる。
【0020】また、本発明によれば、基材フィルムの表面へ塗液を塗布して塗料層を形成するコーター装置によるストライプ状塗膜の製造方法において、前記基材フィルムの走行方向に対して逆方向の円周回転をするロールを有し、該ロールに接するように前記塗液を掻き取る手段を配置し、前記基材フィルムの前記表面へ全面塗布方法により塗布し、前記基材フィルムの前記表面上に形成するストライプ状塗膜以外の不要となる前記塗料層を前記塗液を掻き取る手段により除去することを特徴とするコーター装置によるストライプ状塗膜の製造方法が得られる。
【0021】
【作用】本発明によると、基材フィルムの全面に塗布を行う各種コーター装置において、基材フィルムの全面に塗布した塗料層の塗膜を、所望の寸法、形状を有するリバース回転ロールに転写させてから掻き取る手段を設けている。そして、掻き取る手段によって基材フィルムの表面上での塗膜の不要な部分の塗料層を除去することにより、ストライプ状の塗膜形成を行うことができる。
【0022】また、本発明によると、基材フィルム全面に塗布を行う従来の各種コーター装置において、基材フィルム全面に塗布した塗膜を一旦ロールに転写させてから部分的に掻き取り再度基材フィルムへ転写させる手段を設けることとしている。そして、このような手段によって基材フィルム上での塗膜不要な部分への塗液転写がおこなわれず、ストライブ状の塗膜形成を行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。図1は本発明の塗膜を形成するコーター装置、及びそのストライプ状塗膜の製造方法の第1の実施の形態例を示している。
【0024】図1を参照して、コーター装置は基材フィルム22の走行方向Aに対して逆方向の円周回転(回転方向B)をする円筒状又は円柱状のリバース回転ロール21(以下、ロールと呼ぶ)を有している。このコーター装置では、ロール21に接するように塗液を掻き取る手段としての薄板としてドクター刃24が配置されている。
【0025】ロール21の表面には、乾燥前の塗膜厚さよりも深く且つ所望の形状をした溝21aが設けられている。この実施の形態例における溝21aは、ロール21の周面にかつロール21の軸方向の中央部分に形成されている。溝21aは乾燥前の塗膜厚さよりも深く且つ所望の形状をしたものであり、ロール21自体に所望寸法の溝21aを彫ったものである。ロール21の表面にドクター刃24をあてるようにしたものである。
【0026】このコーター装置によるストライプ状塗膜の製造方法では、公知の全面塗布方法により塗布した基材フィルム22上の塗料層23を、コーター装置により不要部分の塗料層23のみ帯状に除去する。
【0027】まず、基材フィルム22に塗布された塗料層23は、未乾燥状態で溝21aを設けたロール21に接する。そして、ロール21の溝21a部分にあたる塗料層23はそのまま通過し、塗料ストライプ形成部25になる。ロール21の溝21aを切っていない(陸)部分にあたる塗料層23は、ロール21の表面に転写される。このロール21の表面には塗料層23が転写される。その塗料層23を、所望の寸法に配置したドクター刃24によって掻き取ると、基材フィルム22に再転写する部分がなくなるために、基板フィルム22上に塗料ストライプ形成部25と転写塗料除去部26が形成され、塗料ストライプ形成部25が得られる。
【0028】なお、ロール21の溝21aの深さは、転写させない塗料層23の表面に触れないように乾燥前塗料層23の厚み以上である必要がある。また、このような構成では、ドクター刃24に特別な加工が不要で、ストライブの精度もロールの加工精度によって決まるので、量産が容易である利点がある。
【0029】図2は、本発明のコーター装置、及びそのストライプ状塗膜の製造方法の第2の実施の形態例を示している。
【0030】図2を参照して、ロール21に接するように塗液を掻き取るドクター刃34を配置している。ドクター刃34には、乾燥前の塗膜厚さよりも長く、且つ所望の幅を有する短冊状部34aが形成されている。
【0031】基材フイルム22に塗布された塗料層23は、未乾燥状態でロール21に接し、ロール21の表面に転写される。その塗料層23を所望の寸法に配置した短冊状部34aをもつドクター刃34によって掻き取ると、塗料ストライブ形成部25と転写塗料除去部26とが形成される。なお、ドクター刃34の短冊状部34aの長さは、掻き取らない塗料部分の表面に触れないように乾燥前の塗料の厚さ以上である必要がある。このような方法はストライブパターンの変更が容易である利点がある。
【0032】図3は本発明の塗膜を形成するコーター装置、及びそのストライプ状塗膜の製造方法の第3の実施の形態例を示している。図3を参照して、ドクター刃44には、乾燥前の塗膜厚さよりも深く且つ所望の形状をした切り欠き部44aが設けられている。
【0033】ロール21の表面に転写された塗料層23を、所望の寸法に加工した切り欠き部44a付きドクター刃44によって掻き取ると、塗料ストライプ形成部25と転写塗料除去部26が形成され、ストライプ状の塗膜が得られる。
【0034】なお、切り欠き部44aの深さは、掻き取らない塗料部分の表面に触れないよう、乾燥前塗料の厚さ以上である必要がある。
【0035】ドクター刃44の切り欠き部44a形状については特に規定しないが、三角形や半円形、楕円形等であれば、塗料ストライプ形成部25の塗膜断面形状が台形に近くなるため、塗膜端部の盛り上がりによる厚み不良を軽減することができる。
【0036】切り欠き部44a付きドクター刃44の加工は、所望形状の打ち抜き金型を備えたパンチングプレス等の加工機を用意すると、迅速且つ高精度の作業ができる。
【0037】
【発明の効果】以上、実施の形態例によって説明したように、本発明のコーター装置によれば、基材フィルムの走行方向に対して逆方向の円周回転をする円筒状又は円柱状のロールを有し、ロールに接するように塗液を掻き取る手段を配置することにより、基材フィルムに塗布後の乾燥前の塗料層を容易に除去することができる。
【0038】また、ロール表面に、乾燥前の塗膜厚さよりも深く且つ所望の形状をした溝を設け、このロールに接するように塗液を掻き取る手段を配置することにより、所望の幅でロール上から塗料層を容易に除去できる。
【0039】更に、上記構成のコーター装置を用いて、全面塗布方法により塗布した基材フィルム上の塗料層を、不要部分のみ帯状に除去することでストライプ状塗膜を容易に製造できる。
【出願人】 【識別番号】000134257
【氏名又は名称】株式会社トーキン
【出願日】 平成10年9月29日(1998.9.29)
【代理人】 【識別番号】100071272
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 洋介 (外2名)
【公開番号】 特開2000−102757(P2000−102757A)
【公開日】 平成12年4月11日(2000.4.11)
【出願番号】 特願平10−275057