トップ :: A 生活必需品 :: A63 スポ−ツ;ゲ−ム;娯楽



【発明の名称】 景品交換チケット発券用紙及び偽造チケット判別方法
【発明者】 【氏名】阿部 恭久

【要約】 【課題】大幅な設備コスト上昇を来すことなく、店外で景品交換チケットを偽造することによる不正行為を有効に防止する。

【解決手段】感熱記録紙からなる発券用ロール紙1の表面1aに、特定のキャラクタ11及びロゴタイプ12がそれぞれ発券長さよりも狭い所定のピッチで印刷されている。キャラクタ11は淡い色彩の塗料で印刷されており、ロゴタイプ12は、波長が300nm以上の紫外線の照射によって蛍光が励起される蛍光物質を含んだ白色又は半透明の合成樹脂系塗料で印刷されている。この発券用ロール紙1を用いて発券された正規の景品交換チケットであるか、店外で偽造されたものであるかは、波長が300nm以上の紫外線を照射することによって判断できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 遊戯媒体の計数データを印刷した景品交換チケットを発券するプリンタにセットされる用紙であって、予め適当な文字又は図形が特定の波長域の電磁波によって蛍光を励起する蛍光物質を含有する塗料によって印刷されたことを特徴とする景品交換チケット発券用紙。
【請求項2】 請求項1の記載において、特定の波長域の電磁波は、波長が300nm以上の紫外線であることを特徴とする景品交換チケット発券用紙。
【請求項3】 景品交換チケットを、請求項1に記載された景品交換チケット発券用紙に遊戯媒体の計数データを印刷することにより発券し、店頭に提示された景品交換チケットに特定の波長域の電磁波を照射することを特徴とする偽造チケット判別方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ遊戯等で遊戯者が獲得したパチンコ玉等の遊戯媒体を計数する計数機において、計数データを印字した景品交換チケットを発行するための発券用紙に関するものであって、更には、前記景品交換チケットの改ざんによる不正を防止するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パチンコ遊戯店においては、遊戯者がパチンコ遊戯機で多数のパチンコ玉を獲得した場合、これを店に用意してある所定の箱に収容して、店内に設置されているパチンコ玉計数機まで運び、この計数機のホッパに投入する。投入されたパチンコ玉は、計数機内部を順次転動することによってセンサにより計数され、その計数データは計数機の液晶ディスプレイ等に表示される。計数が終わったら、遊戯者が前記計数機の発券プリンタの押しボタンを押せば、総獲得玉数のデータが店コード等のデータと共にバーコード化されて感熱印字されたロール紙が発券口から送出されることにより、景品交換チケットの発券が行われる。
【0003】図4は従来の景品交換チケットの一例を示すものである。このチケット100は、感熱記録紙からなるものであって、パチンコ玉計数機の発券プリンタにより、日時データ101、数字表記された玉数102、玉数データが店コード等と共に符号化されたバーコード103、及び「当日限り有効 毎度ありがとうございます」といったメッセージ104等が感熱印字された状態で発券される。そして、この景品交換チケット100を店内の景品交換所に持参すれば、店員が、カウンタに設置したPOSシステムに具備されたバーコードリーダで前記バーコード103を読み取り、その玉数データに応じて、遊戯者は希望の景品を受け取ることができる。
【0004】ところで近年、景品交換チケット100におけるバーコード103を改ざんして、実際に獲得した玉数よりも遥かに多い玉数のデータを印字し、不正に景品を獲得する行為が横行している。その手口は、不正行為者は、予めパソコン等を用いたバーコード解読手段や、玉数計数機の発券プリンタと同様の印字機構を備えたプリンタを用意しており、パチンコ遊戯店で僅かなパチンコ玉をパチンコ玉計数機で計数してそのチケットを入手し、これを店外に持ち出して、前記データ解読手段でバーコード103の店コード等を解読し、それに基づいて、前記プリンタに玉数データのみを改ざんした印字データを入力し、景品交換チケット発券用ロール紙と同様の感熱記録用ロール紙に前記データを印字して景品交換チケットを偽造する。そして、これを店内の景品交換所に持ち込んで、不正な景品交換を行うものである。
【0005】従来、景品交換チケット発券用ロール紙には予め適当なキャラクタデザインやロゴタイプ等の図柄(図示省略)が淡い色彩で印刷され、これらの図柄を定期的に変更することによって、上述のような不正の防止を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、景品交換チケットに印刷された図柄は、カラー複写機等を用いれば複写可能であるため、発券用紙を容易に偽造することができ、不正防止の確実な決め手にはならなかった。また、玉数計数機と景品交換所のPOSシステムとを直結して、遊戯者の獲得玉数データをリアルタイムで管理することによって不正防止を図ることも考えられるが、このような設備を導入することは、遊戯店の設備コストの大幅な負担増を来すといった問題があった。
【0007】本発明は、上記のような事情のもとになされたもので、その技術的課題とするところは、大幅な設備コストの上昇を来すことなく、景品交換チケットの偽造による不正行為を有効に防止することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題は、本発明によって有効に解決することができる。すなわち本発明に係る景品交換チケット発券用紙は、予め適当な文字又は図形が特定の波長域の電磁波、好ましくは波長が300nm以上の紫外線によって蛍光を励起する蛍光物質を含有する塗料によって印刷されたものである。
【0009】また、本発明に係る偽造チケット判別方法は、景品交換チケットを、上記構成の景品交換チケット発券用紙に遊戯媒体の計数データを印刷することにより発券し、店頭に提示された景品交換チケットに特定の波長域の電磁波を照射することによって行う。したがって、計数機にセットした前記発券用紙を用いて発券された正規の景品交換チケットであるか、外部で偽造された景品交換チケットであるかは、前記特定の波長の電磁波を照射することによって、このチケットに印刷された文字又は図形が蛍光を発するかどうかで容易に判定することができ、偽造チケットによる不正行為を防止する目的で既存のPOSシステム等の設備を変更する必要がない。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る景品交換チケット発券用紙の好ましい一実施形態としてのロール紙1を示すものである。この発券用ロール紙1は幅が58mm程度の帯状に連続した白い感熱記録紙からなり、感熱剤をコーティングしたその表面1aには特定のキャラクタ11と、特定のロゴタイプ12が、それぞれチケット発券時の切断間隔よりも狭い所定のピッチで印刷されている。
【0011】キャラクタ11は、薄いピンク等の淡い色彩の塗料で印刷されており、ロゴタイプ12は、紫外線の照射によって蛍光が励起される蛍光物質を含んだ白色又は半透明の合成樹脂系塗料で印刷されている。更に詳しくは、前記蛍光物質としては、可視域に近い波長域(300〜400nm)の紫外線(UV−A)の照射によって蛍光を発するものが選択される。
【0012】また、この発券用ロール紙1の裏面1bには、表面1aと同一意匠のキャラクタ13及びロゴタイプ14が、水色等の淡い色彩の塗料によって、チケット発券時の切断間隔よりも狭い所定のピッチで印刷されている。
【0013】次に図2は、上述の構成を有する発券用ロール紙1を用いて発券された景品交換チケット10を示すものである。この景品交換チケット10は、前記発券用ロール紙1の表面1aに、パチンコ玉計数機の発券プリンタ(図示省略)により、日時データ15、数字表記された玉数16、他店での景品交換を無効とするための店コード等と共に玉数データが符号化されたバーコード17、及び「当日限り有効 毎度ありがとうございます」といったメッセージ18等が感熱印字され、所定の長さだけ前記プリンタの発券口から送出された後で切断したものである。また、先に説明したように、前記発券用ロール紙1の表面1aには、キャラクタ11及びロゴタイプ12がチケット発券長さLよりも短いピッチで印刷されているため、発券された景品交換チケット10の表面10aには、一乃至複数のキャラクタ11及びロゴタイプ12が必ず存在することになる。
【0014】すなわちパチンコ遊戯店において、パチンコ遊戯機で多数のパチンコ玉を獲得した遊戯者は、獲得したパチンコ玉を所定の箱に入れて店内のパチンコ玉計数機へ運び、そのホッパに投入することによって獲得玉数を計数し、計数終了後に前記計数機の発券プリンタの押しボタンを押すことによって、図2に示されるような景品交換チケット10を発券させ、この景品交換チケット10を景品交換所に持参して、その玉数データに応じた希望の景品と交換する。
【0015】図3は、パチンコ遊戯店における景品交換所の概略的な斜視図である。すなわちカウンタテーブル2があり、その上には、遊戯者が持ち込む景品交換チケット10に印字されたバーコード17から玉数データ等を読み取って、その玉数データと景品の種類毎の交換玉数との照合・計算や、景品の在庫等をリアルタイムで管理するためのPOSシステムの端末機3が設置されている。この端末機3は、景品交換チケット10のバーコード17を読み取るためのハンディタイプのバーコードリーダ31と、各種キー32と、前記バーコード17から読み取った玉数データや、景品の種類や個数等をディジタル表示するディスプレイ33等を備えている。
【0016】カウンタテーブル2上における端末機3の隣接位置には、前記カウンタテーブル2の内側(店員側)へ向けて開口した遮光ボックス4が設置されており、この遮光ボックス4の天板の下面には、蛍光ランプの一種であって波長が300〜400nmの紫外線(UV−A)を放射するブラックライト放電管5が設置されている。遮光ボックス4は外部からの店内の照明光を遮断するものであり、その内側に設置したブラックライト放電管5は開店中は常時点灯させているが、その照射光は可視光ではなく紫外線であるため、前記遮光ボックス4の内部は暗くなっている。
【0017】すなわちこの景品交換所では、遊戯者が提示する景品交換チケット10を店員が受け取り、これを遮光ボックス4の開口4aに入れる。この時、前記景品交換チケット10が、店内の玉数計数機で発券された正規のものである場合は、その表面10aに印刷されたロゴタイプ12がブラックライト放電管5からの紫外線により蛍光を励起し、遮光ボックス4による暗所で鮮やかに有色発光するのに対し、カラー複写機等を用いて複製した用紙に、玉数を改ざんしたデータを印字することによって偽造したものである場合は、このような発光がないので、偽造を容易に見破ることができる。
【0018】また、キャラクタ11の図柄や色彩を定期的に変更することも、チケット発券用紙の偽造防止には有効であるが、上述のように紫外線照射による偽造判別方法を採用することによって、一層確実に不正行為を防止することができる。
【0019】なお、紫外線は波長が短いほどエネルギが大きくなり、波長が300nm以下になると生体に対する有害性が増大するが、ブラックライト放電管5から放射される紫外線はそれよりも長い波長域であるため、生体への悪影響を与えない。したがって、店員が前記ブラックライト放電管5からの紫外線に被曝されることによって皮膚の色素沈着といった健康上の悪影響を受けることはない。
【0020】景品交換チケット10が正規のものであることが確認されたら、その後は従来どおりの手順で、店員が、この景品交換チケット10に感熱印字されたバーコード17をバーコードリーダ31で読み取り、その玉数データに応じて、遊戯者に希望の景品を払い出す。
【0021】なお、本発明は、図示の実施形態によって限定的に解釈されるものではない。例えば、蛍光物質を含んだ合成樹脂系塗料としては、母材となる合成樹脂(例えばポリウレタン等)と、蛍光物質と、顔料と、TiO等の組み合わせによって、上述の実施形態のように、通常は白色又は半透明で紫外線により有色の蛍光を発するもののほか、通常は有色で、紫外線によりこれと同色の蛍光を発するもの、あるいは異なる色の蛍光を発するもの等、種々の塗料が使用可能である。
【0022】また、図示の実施形態では、キャラクタ11が有色の塗料で印刷され、ロゴタイプ12が、蛍光物質を含んだ合成樹脂系塗料で印刷されているが、逆であっても良く、あるいは双方とも蛍光物質を含んだ合成樹脂系塗料で印刷された構成としても良い。
【0023】また、上記実施形態においては、パチンコ遊戯での獲得玉数の計数機で発券される景品交換チケット用として説明したが、スロットマシンでの獲得コイン数等を計数して発券されるチケット等にも同様に適用することができる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、景品交換チケット発券用紙に、予め適当な文字又は図形が、300nm以上の波長域の紫外線等、特定の波長域の電磁波の照射によって蛍光を励起する蛍光物質を含有する塗料によって印刷されているため、この用紙をセットした店内計数機で発券された正規のチケットであるか、外部で偽造されたチケットであるかを、前記特定波長域の電磁波の照射によって容易に判定することができ、遊戯店の設備コストの大幅な負担増を来すことなく、偽造チケットでの不正行為による損害を有効に防止することができる。
【出願人】 【識別番号】599077524
【氏名又は名称】サンキョー株式会社
【出願日】 平成11年6月4日(1999.6.4)
【代理人】 【識別番号】100071205
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 陽一
【公開番号】 特開2000−342838(P2000−342838A)
【公開日】 平成12年12月12日(2000.12.12)
【出願番号】 特願平11−157547