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【発明の名称】 粉末化粧料
【発明者】 【氏名】岡 隆史

【氏名】矢島 勲

【氏名】古賀 信義

【氏名】高須 恵美子

【氏名】西山 聖二

【氏名】梁木 利男

【要約】 【課題】使用時に塗擦すると液化して乳液様の特性が生じる粉末化粧料であって、きしみ感がなく、きわめて良好な使用感および仕上がりを得ることができるとともに、長期保存安定性に優れ、さらに、水存在下不安定成分を配合した場合でもこれら成分を安定に配合し、それらの機能を十分に発揮し得る粉末化粧料を提供する。

【解決手段】(a)表面積60m2/g以上の疎水化無水ケイ酸、(b)シリコーン系化合物、無水ケイ酸、多糖類系高分子、セルロース系高分子の中から選ばれる1種または2種以上、および(c)水を含有する、塗擦により液化する粉末化粧料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)表面積60m2/g以上の疎水化無水ケイ酸、(b)(b−1)シリコーン系化合物、(b−2)無水ケイ酸、(b−3)多糖類系高分子、(b−4)セルロース系高分子の中から選ばれる1種または2種以上、および(c)水を含有する、塗擦により液化する粉末化粧料。
【請求項2】 (a)成分を0.1〜20重量%含有する、請求項1記載の粉末化粧料。
【請求項3】 (b)成分を0.001〜20重量%含有する、請求項1または2記載の粉末化粧料。
【請求項4】 さらに(d)水存在下不安定成分を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉末化粧料。
【請求項5】 (d)成分が、美白剤、抗炎症剤、抗菌剤、ホルモン剤、ビタミン類、酵素、包接化合物、抗酸化剤、植物抽出液の中から選ばれる1種または2種以上である、請求項4記載の粉末化粧料。
【請求項6】 (d)成分が、ハイドロキノン誘導体、コウジ酸、L−アスコルビン酸およびその誘導体、パントテニールエチルエーテル、トラネキサム酸およびその誘導体、グリチルリチン酸塩、レゾルシン、イオウ、サリチル酸、ビタミンB6およびその誘導体、ニコチン酸およびその誘導体、トリプシン、ヒアルロニダーゼ、シクロデキストリンおよびその誘導体、チオタウリン、グルタチオン、茶エキス、イザヨイバラエキスの中から選ばれる1種または2種以上である、請求項4または5記載の粉末化粧料。
【請求項7】 (d)成分を0.001〜10重量%含有する、請求項4〜6のいずれか1項に記載の粉末化粧料。
【請求項8】 さらにラメ剤、パール剤の中から選ばれる1種または2種以上を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の粉末化粧料。
【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の粉末化粧料であって、ただし(b)成分として(b−1)シリコーン系化合物、(b−2)無水ケイ酸の中から選ばれる1種または2種以上を用いる、塗擦により液化するTゾーン用粉末化粧料。
【請求項10】 請求項4〜9のいずれか1項に記載の粉末化粧料であって、ただし(d)成分としてビタミンB6およびその誘導体、シクロデキストリンおよびその誘導体の中から選ばれる1種または2種以上を含有する、塗擦により液化するT−ゾーン用粉末化粧料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗擦により液化する粉末化粧料に関する。さらに詳しくは、使用時に塗擦すると液化して乳液様の特性が生じる粉末化粧料であって、きしみ感がなく、きわめて良好な使用感および仕上がりを得ることができるとともに、分散性に優れ、製品の長期保存性にも優れ、さらに、水の存在下で不安定な成分や、水に溶解した状態で製品の物性に悪影響を及ぼしたりする成分(以下、「水存在下不安定成分」と総称)を配合した場合でも、これら成分を安定に配合し、該成分の機能を十分に発揮し得る粉末化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、いわゆるドライウォーターと称される粉末化粧料では、水や、水以外の水性成分を、疎水化処理した粉末等で被覆して粉末化し、使用時に塗擦すると液化するようになされている。これら粉末化粧料は、配合されている粉末特性に起因するきしみ感があるなど、使用性の点において改善が望まれている。
【0003】また、一般に化粧料には、薬剤など種々の有効成分が配合されているが、この薬剤の肌への浸透性促進、保湿性、エモリエント性の付与等を目的として、粉末化粧料を水、油、液状化粧料等と混合して使用する方法も行われているが、使用性等の点で問題があった。さらに、この有効成分が、水の存在下で容易に分解、変質するなど不安定で製品の物性に悪影響を及ぼしたりするような場合、その配合は、化粧料の剤型のみならず、容器形態、保存条件、取り扱い等において種々の制約を受ける。
【0004】このような問題に対処すべく種々の技術が提案されている。例えば、特開平6−211620号公報には、特定の表面積を有する疎水化無水ケイ酸、フッ素化合物被覆処理化粧料粉体、油性成分、水性成分、および不安定有効成分(水存在下不安定成分)を特定量配合することによって、これら水存在下不安定成分の安定な配合を図った粉末化粧料が開示されている。
【0005】しかしながら、上記公報に記載の粉末化粧料においては、配合されている疎水化無水ケイ酸とフッ素化合物被覆処理化粧料粉体との粉末特性に起因するきしみ感が生じ、使用性の点において問題がある。
【0006】さらには、従来、化粧水、美容液等の水系化粧料においては、ラメ剤、パール剤等の粉末(疎水性粉末)を分散性よく均一に配合することができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、粉末形態の化粧料でありながら使用時に塗擦すると液化して化粧水または乳液様の特性が生じる粉末化粧料であって、きしみ感がなく、きわめて良好な使用感および仕上がりを得ることができるとともに、製品の長期保存安定性にも優れ、さらに、水存在下不安定成分を配合した場合でもこれら成分を安定に配合し、それらの機能を十分に発揮し得る塗擦により液化する粉末化粧料を提供することを目的とする。
【0008】さらに本発明は、従来、化粧水、美容液等の水系化粧料系中では沈降、浮揚して均一な分散ができず、その配合が難しかったラメ剤、パール剤等の疎水性の光沢成分を均一に分散させた粉末化粧料を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)表面積60m2/g以上の疎水化無水ケイ酸、(b)(b−1)シリコーン系化合物、(b−2)無水ケイ酸、(b−3)多糖類系高分子、(b−4)セルロース系高分子の中から選ばれる1種または2種以上、および(c)水を含有し、塗擦により液化する粉末化粧料に関する。
【0010】また本発明は、上記粉末化粧料にさらに(d)水存在下不安定成分を含有する、塗擦により液化する粉末化粧料に関する。
【0011】また本発明は、上記粉末化粧料にさらにラメ剤、パール剤の中から選ばれる1種または2種以上を含有する、塗擦により液化する粉末化粧料に関する。
【0012】また本発明は、(a)表面積60m2/g以上の疎水化無水ケイ酸と、(b−1)シリコーン系化合物、(b−2)無水ケイ酸の中から選ばれる1種または2種以上と、(c)水を含有する、塗擦により液化するTゾーン用粉末化粧料に関する。
【0013】また本発明は、上記(a)〜(d)成分を含む粉末化粧料において、(d)成分としてビタミンB6およびその誘導体、シクロデキストリンおよびその誘導体の中から選ばれる1種または2種以上を含有する、塗擦により液化するTゾーン用粉末化粧料に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
【0015】本発明に用いられる(a)成分としての疎水化無水ケイ酸は、微粒子無水ケイ酸表面を疎水化処理したものである。
【0016】疎水化処理の方法としては、無水ケイ酸に撥水性を付与できる方法であればいかなるものでもよく、その方法は問わないが、例えば気相法、液相法、オートクレーブ法、メカノケミカル法等、通常の表面処理方法を用いることができる。
【0017】例えば疎水化処理剤を原料粉末に添加して処理を行う場合、適当な溶媒(ジクロルメタン、クロロホルム、ヘキサン、エタノール、キシレン、揮発性シリコーン等)に希釈して添加してもよく、あるいは直接添加してもよい。粉末と処理剤の混合攪拌には、ボールミル、ホジャーサイトボールミル、振動ボールミル、アトライター、ポットミル、ロッドミル、パンミル、ホモミキサー、ホモディスパー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等も使用することができる。この他にも、粉末表面の活性を利用し、気相反応により100℃以下の低温で環状オルガノシロキサンを粉末表面上で重合させる方法(特公平1−54380号)や、前記方法の後に表面のシリコーンポリマーのSi−H部分にグリセロールモノアリルエーテル等のペンダント基を付加させる方法(特公平1−54381号)等も用いることができる。
【0018】疎水化処理剤としては、特に限定されるものではないが、脂肪酸デキストリン処理粉末、トリメチルシロキシケイ酸処理粉末、フッ素変性トリメチルシロキシケイ酸処理粉末、メチルフェニルシロキシケイ酸処理粉末、フッ素変性メチルフェニルシロキシケイ酸処理粉末、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の低粘度〜高粘度油状ポリシロキサン処理粉末、ガム状ポリシロキサン処理粉末、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理粉末、フッ素変性メチルハイドロジェンポリシロキサン処理粉末、メチルトリクロルシラン、メチルトリアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジアルコキシシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルアルコキシシラン等の有機シリル化合物あるいはそれらのフッ素置換体による処理粉末、エチルトリクロルシラン、エチルトリアルコキシシラン、プロピルトリクロルシラン、プロピルトリアルコキシシラン、ヘキシルトリクロルシラン、ヘキシルトリアルコキシシラン、長鎖アルキルトリクロルシラン、長鎖アルキルトリエトキシシラン等の有機変性シランあるいはそれらのフッ素置換体による処理粉末、アミノ変性ポリシロキサン処理粉末、フッ素変性ポリシロキサン処理粉末、フッ化アルキルリン酸処理粉末等が挙げられる。
【0019】本発明では、例えば微粒子無水ケイ酸の表面をオルガノシラン系化合物、シリコーン化合物等で覆うことにより調製することができる。具体的には、トリメチルシロキシル化無水ケイ酸、ジメチルシロキシル化無水ケイ酸、オクチルシロキシル化無水ケイ酸、シリコーンオイル処理無水ケイ酸、メチルポリシロキサン処理無水ケイ酸等が例示される。
【0020】本発明では、疎水化無水ケイ酸は表面積が60m2/g以上であることが必要であり、表面積がこれより小さいと、疎水化無水ケイ酸の粒径が大きくなり、(c)成分である水の表面に多量に配向することができず、水を安定に粉末化することが難しくなる。
【0021】(a)成分の配合量は0.1〜20重量%が好ましく、特には0.1〜10重量%である。配合量が少なすぎると、(c)成分である水を十分に粉末化できず、意図する粉末形態を得ることができなくなるおそれがあり、一方、配合量が多すぎると、多量の水を粉末化することができるようにはなるが、使用時塗擦しても液化が困難となり、官能上好ましくない。
【0022】(b)成分は、(b−1)シリコーン系化合物、(b−2)無水ケイ酸、(b−3)多糖類系高分子、(b−4)セルロース系高分子の中から選ばれる1種または2種以上の成分である。これらはきしみ感を解消し良好な使用性を発揮させるための成分である。
【0023】(b−1)成分としてのシリコーン系化合物は、化粧品に配合され得るものであれば特に限定されるものでなく、例えばシリコーンレジン、架橋型シリコーン末等を用いることができる。シリコーンレジンとしては、例えばSiO2、RSiO3/2、R2SiO(Rは水素、炭素原子数1〜6の炭化水素基またはフェニル基を表す)なる構造単位の1種または2種以上からなる共重合体、あるいはその末端をR3SiO1/2(Rは上記と同じ)で封鎖した共重合体等が挙げられる。架橋型シリコーン末としては、具体的には例えばジメチルシリコーン架橋弾性体等が挙げられる。中でも、製剤の安定性を良好に保ち、しかも優れた使用性を発揮する等の理由により、架橋型シリコーン末等が好ましく用いられる。
【0024】(b−2)成分としての無水ケイ酸は、(a)成分と異なり、疎水化処理を施さないものを用いる。また(a)成分のような表面積の限定はない。
【0025】(b−3)成分としての多糖類系高分子は、化粧品に配合され得るものであれば特に限定されるものでなく、例えばキサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ヒアルロン酸、グアーガム、ローカストビンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、トラガカントガム、ペクチン、マンナン、デンプン等が挙げられる。
【0026】(b−4)成分としてのセルロース系高分子は、化粧品に配合され得るものであれば特に限定されるものでなく、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、球状セルロース等が挙げられる。
【0027】なお、本発明では多糖類系高分子、セルロース系高分子は、水溶性、水不溶性のいずれのものも用いられ得る。
【0028】(b)成分は(b−1)〜(b−4)成分の中から1種または2種以上を用いることができる。中でも、架橋型シリコーン末(特にジメチルシリコーン架橋弾性体)、キサンタンガム、球状セルロース等が特に好ましく用いられる。
【0029】(b)成分は、後述する(c)成分中に溶解または分散するか、あるいは(a)成分と均一混合して用いる。
【0030】(b)成分の配合量は、その上限が好ましくは20重量%であり、より好ましくは10重量%であり、特には5重量%である。またその下限が好ましくは0.001重量%であり、より好ましくは0.005重量%であり、特には0.01重量%である。配合量が少なすぎると、配合されている(a)成分である疎水化無水ケイ酸特有のきしみ感が生じ、(b)成分を添加した効果が現れず、一方、配合量が多すぎると、使用時塗擦しても液化が困難となり、官能上好ましくない。
【0031】(c)成分としては、通常の化粧料に用いられる水であれば特に限定することなく用いることができる。
【0032】なお、(a)、(c)成分に、(b)成分として特に(b−1)、(b−2)成分の中から選ばれる1種または2種以上を用いた場合、皮脂吸収効果に優れた粉末化粧料となることから、例えばこれをいわゆる「Tゾーン」といわれる額から鼻に連なる顔の部位などに皮脂抑制・吸着効果に優れるTゾーン用粉末化粧料として好適に用いることができる。Tゾーン用粉末化粧料とする場合、(b−1)、(b−2)成分の配合量は、やや多めに配合するのが好ましく、化粧料全量中に1〜20重量%程度、特には10〜20重量%程度配合するのが好ましい。このように(b)成分として特に(b−1)、(b−2)成分、特に好ましくは(b−1)成分を配合することによって、使用性に加えて、優れた皮脂吸収効果を有するとともに、粉末分散性にも優れたTゾーン用粉末化粧料が得られる。
【0033】ここで、本発明において「Tゾーン用粉末化粧料」とは、上述した額から鼻に連なるいわゆるTゾーン部位に専ら適用するものに限定されるものではなく、Tゾーン部位に代表されるような皮脂分泌の高い部位、あるいはさらに広く一般に皮脂分泌性のヒト皮膚に用いられる、皮脂抑制・吸収効果に優れた粉末化粧料を広く意味する。
【0034】なお、(b)成分として特に(b−1)、(b−2)成分を用いない場合であっても、添加成分として、例えば亜鉛華、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、アルギン酸カルシウム等の皮脂吸着性粉末を配合しても、皮脂吸収効果を得ることができる。これら添加成分の好適配合量は0.01〜20重量%程度である。
【0035】(c)成分の配合量は、本発明化粧料に含まれる他の必須成分、任意添加成分の総配合量の残量分配合することができるが、本発明では、その上限が好ましくは98重量%であり、特には90重量%であり、また、その下限が好ましくは30重量%であり、特には60重量%である。配合量が少なすぎると塗擦した時に液化が困難となり、一方、配合量が多すぎると粉末化が難しくなり、官能上好ましくない。
【0036】上記(a)〜(c)成分を必須成分として含有する本発明粉末化粧料は、従来、粉末化粧料に特有の不具合とされていたきしみ感を軽減させ、使用性の点において優れた効果が得られる。また粉末化が良好で、塗擦時に容易に液化し、みずみずしい使用感を与える。また(b)成分として特に(b−1)、(b−2)成分を用いた場合、優れた皮脂吸収効果も得ることができる。
【0037】本発明では、上記(a)〜(c)成分に加えて、さらに(d)成分として水存在下不安定成分を配合してもよい。
【0038】(d)成分としての水存在下不安定成分は、例えば、化粧料、医薬品等に薬剤等として配合され、その機能を発揮するためには水の介在が不可欠である水溶性の成分であるが、水との接触、光、熱等の影響により分解、失活、結晶析出、変退色、異臭を生じる等、水の存在下で不安定で、そのまま水性ないし乳化型化粧料に配合すると分離、凝集、増粘等を生じさせるものをいう。このような成分としては、例えば、美白剤、抗炎症剤、抗菌剤、ホルモン剤、ビタミン類、酵素、包接化合物、抗酸化剤、植物抽出液などの薬剤が挙げられる。
【0039】美白剤としては、アルブチン等のハイドロキノン誘導体、コウジ酸、L−アスコルビン酸およびその誘導体、パントテニールエチルエーテル、トラネキサム酸およびその誘導体などが例示される。
【0040】L−アスコルビン酸は、一般にビタミンCといわれ、その強い還元作用により細胞呼吸作用、酵素賦活作用、膠原形成作用を有し、かつメラニン還元作用を有する。L−アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルなどのL−アスコルビン酸モノエステル類や、L−アスコルビン酸−2−グルコシドなどのL−アスコルビン酸グルコシド類、あるいはこれらの塩などが挙げられる。
【0041】トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸の二量体(例えば、塩酸トランス−4−(トランス−アミノメチルシクロヘキサンカルボニル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、等)、トラネキサム酸とハイドロキノンのエステル体(例えば、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸4’−ヒドロキシフェニルエステル、等)、トラネキサム酸とゲンチシン酸のエステル体(例えば、2−(トランス−4−アミノメチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)−5−ヒドロキシ安息香酸およびその塩、等)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸メチルアミドおよびその塩、トランス−4−(P−メトキシベンゾイル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸およびその塩、トランス−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカルボン酸およびその塩、等)などが挙げられる。
【0042】抗炎症剤としては、例えばグリチルリチン酸塩(例えばグリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、等)、アラントインなどが挙げられる。
【0043】抗菌剤としては、例えばレゾルシン、イオウ、サリチル酸などが挙げられる。
【0044】ホルモン剤としては、例えばオキシトシン、コルチコトロピン、バソプレッシン、セクレチン、ガストリン、カルシトニンなどが挙げられる。
【0045】ビタミン類としては、例えばビタミンB6、ビタミンB6塩酸塩等のビタミンB6誘導体、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等のニコチン酸誘導体などが挙げられる。
【0046】酵素としては、例えばトリプシン、塩化リゾチーム、キモトリプシン、セミアルカリプロテナーゼ、セラペプターゼ、リパーゼ、ヒアルロニダーゼなどが挙げられる。
【0047】包接化合物としては、例えば皮脂等の油分を包接し得るシクロデキストリン(CD)およびその誘導体が例示される。本発明では、水溶解性を増すためにCDの水酸基にヒドロキシアルキル基を導入したヒドロキシアルキル化シクロデキストリン(HACD)を用いるのが好ましい。
【0048】ヒドロキシアルキル基としてはおもにヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ジヒドロキシプロピル等の置換基が使用され、これら置換反応の結果、ヒドロキシメチルシクロデキストリン、ヒドロキシエチルシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリンなどのHACDを得ることができる。
【0049】CDは、グルコースの数の違いによってα、β、γの構造をもつCDが知られているが、本発明はこれらのCDの1種または2種以上をヒドロキシアルキル化として用いる。通常はβ−CDを用いるが、γ−CDを母核としてもかまわない。α、β、γのCDを同時に含有するデンプン分解物も用いることができる。中でもヒドロキシエチル化β−CD、ヒドロキシプロピル化β−CDが好ましいが、これらに限定されるものでない。
【0050】抗酸化剤としては、チオタウリン、グルタチオン、カテキン、アルブミン、フェリチン、メタロチオネインなどが挙げられる。
【0051】植物抽出液としては、茶エキス、イザヨイバラエキス、オウゴンエキス、ドクダミエキス、オウバクエキス、メリロートエキス、オドリコソウエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、キナエキス、ユキノシタエキス、クララエキス、コウホネエキス、ウイキョウエキス、サクラソウエキス、バラエキス、ジオウエキス、レモンエキス、シコンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、スギナエキス、セージエキス、タイムエキス、海藻エキス、キューカンバエキス、チョウジエキス、キイチゴエキス、メリッサエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、モモエキス、桃葉エキス、クワエキス、ヤグルマギクエキス、ハマメリスエキス、カンゾウエキスなどが挙げられる。
【0052】(d)成分の配合量は、その上限が10重量%が好ましく、より好ましくは7重量%であり、特には5重量%である。またその下限が0.001重量%が好ましく、より好ましくは0.005重量%であり、特には0.01重量%である。配合量が少なすぎると、有効成分たる(d)成分の機能を十分に発揮することが難しく、一方、配合量が必要以上に多すぎても、配合量の増加に見合った効果の増強を見込むことが困難となる。本発明粉末化粧料では、(d)成分を配合した場合でも、これら成分の安定化を図ることができ、それらの機能を十分に発揮し得る。
【0053】なお、(d)成分として特にビタミンB6およびその誘導体、ヒドロキシアルキル化シクロデキストリン(HACD)およびその誘導体の中から選ばれる1種以上を用いた場合、皮脂抑制効果に優れた粉末化粧料となることから、これをTゾーン化粧料用粉末として好適に用いることができる。このようにビタミンB6塩やCD、特に好ましくはβ−HACDを配合することによって、優れた皮脂抑制効果を有するとともに、粉末分散性にも優れたTゾーン用粉末化粧料が得られる。
【0054】本発明粉末化粧料には、上記(a)〜(c)成分、さらには(d)成分に加えて、さらに、ラメ剤、パール剤の中から選ばれる1種または2種以上を含有させることができる。ラメ剤、パール剤等の疎水性の光沢成分は、従来、化粧水、美容液等の水系化粧料系中では均一な分散ができずに沈降したり浮揚したりして、その配合が難しかった。本発明のドライウォーター製剤では、特に(a)、(c)成分により、このようなラメ剤、パール剤等の疎水性の粉末成分を配合しても均一に分散させることができる。
【0055】なお、ラメ剤、パール剤としては、通常、化粧料にラメ剤、パール剤として配合される成分であれば任意に用いることができる。具体的には、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート積層フィルム末、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料が例示されるが、これら例示に限定されるものでない。
【0056】ラメ剤、パール剤の配合量は、本発明粉末化粧料中に0.01〜5重量%程度が好ましい。
【0057】本発明の粉末化粧料には、上記成分以外に、通常の化粧料に用いられる各種の任意成分、例えば、グリセリン等の多価アルコール等の保湿剤、香料、pH調整剤、防腐剤、紫外線吸収剤等を、本発明の効果を妨げない範囲で配合することができる。
【0058】本発明化粧料は、粉末形態の化粧料であるが、塗擦により液化するものであり、きしみ感がなく、きわめて良好な使用性を示し、また粉末分散性に優れ、長期安定性にも優れ、かつ水存在下不安定成分を安定に保持することができる。
【0059】本発明の粉末化粧料は、(a)成分が、(b)〜(c)成分、さらには(d)成分の周りに吸着した状態となってこれら(b)〜(c)成分、(d)成分を粉末化したものであり、塗擦により力を加えると、この吸着状態が破壊され、粉末化されていた(b)〜(c)、(d)成分がにじみ出て液化するとともに、(b)成分の使用感触および(d)成分の有効性が発揮されるものである。
【0060】本発明の粉末化粧料は、(a)成分により(b)〜(c)成分、(d)成分を粉末化するものであれば特にその製造方法は限定されるものでない。例えば、(a)成分と(b)成分を攪拌、混合したものと、(c)成分若しくはここに(d)成分を溶解したものとを混ぜ合わせる;(c)成分に(b)成分を分散あるいは溶解したもの、あるいはここにさらに(d)成分を加えて混合したものに(a)成分を添加、混合する;(c)成分中に(d)成分を溶解したものに(b)成分を溶解若しくは分散させ、ここに(a)成分を添加、混合する、等の製造方法が挙げられるが、これらの例示に限定されるものでない。
【0061】なお、Tゾーン用化粧料において、シクロデキストリン等の包接化合物を配合する場合は、これら成分は(c)成分中に溶解させて用いるのが好ましい。
【0062】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、配合量はすべて重量%で示す。
【0063】実施例に先立ち、本発明で用いた試験法および評価法を説明する。
【0064】[使用性(きしみ感)試験]各実施例品、比較例品の使用性(きしみ感)をパネル(50名)の実使用試験によって下記基準により判定、評価した。
(判定基準)
著効: きしまない有効: わずかにきしむが、使用上問題のない程度であるやや有効: きしむ無効: 著しくきしむ(評価)
◎: 著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が80%以上○: 著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が50〜80%未満△: 著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が30〜50%未満×: 著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が30%未満【0065】[薬剤(水存在下不安定成分)安定性試験]各実施例品について、40℃で保存(1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月)したときの水存在下不安定成分の残存量を、HPLCにより測定し、これから残存率を調べた。
【0066】[製品の長期保存安定性試験]各実施例品を、0℃、室温、露光条件(日光照射)下、40℃で6ヵ月間保存したサンプルについて下記基準により評価した。
(評価)
◎: 化粧料は変化しなかった○: 容器に粉末または水滴が若干付着した△: 若干離水を起こした×: 離水が著しく製剤破壊が起こった【0067】(実施例1、比較例1)下記表1に示す組成で粉末化粧料を調製した。上記試験方法により、実施例1、比較例1の使用性(きしみ感)を評価した。なお、表1中、ジメチルシリコーンオイル処理無水ケイ酸(*)は、「アエロジルRY200S」(日本アエロジル社製;表面積80m2/g)を、シリコーン系化合物(**)は「シリコーンパウダーE506−W」(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を用いた。結果を表1に示す。
【0068】
【表1】

【0069】(製法)(1)および(2)を粉砕、混合した(A相)。(3)〜(9)を混合、溶解した(B相)。次いでA相とB相を混合、攪拌し、容器に充填した。
【0070】表1の結果より明らかなように、実施例1の粉末化粧料は、比較例1に比べてきしみ感が現れず、きわめて良好な使用性を示した。また、実施例1の粉末化粧料は、皮脂抑制・吸着効果に優れていた。
【0071】(実施例2、比較例2)下記表2に示す組成で粉末化粧料を調製した。上記試験方法により、実施例2、比較例2の使用性(きしみ感)を評価した。なお、表2中、トリメチルシリル基処理無水ケイ酸(*)は、「アエロジルR812S」(日本アエロジル社製;表面積220m2/g)を用いた。結果を表2に示す。
【0072】
【表2】

【0073】(製法)(1)〜(7)を混合、溶解し、ここに(8)を加え、混合、攪拌し、容器に充填した。
【0074】表2の結果より明らかなように、実施例2の粉末化粧料は、比較例2に比べきしみ感が現れず、きわめて良好な使用性を示した。
【0075】〈薬剤(水存在下不安定成分)の安定性〉実施例1および2で調製した本発明粉末化粧料について、上記した薬剤(水存在下不安定成分)安定性試験方法により、水存在下不安定成分の安定性を評価した。結果を表3に示す。
【0076】
【表3】

【0077】表3から明らかなように、実施例1および2の粉末化粧料においては、40℃で6ヵ月経過後も不安定有効成分がほとんど残存しており、経時の薬剤安定性において問題のないものであった。
【0078】〈製品の長期保存安定性〉実施例1および2で調製した本発明粉末化粧料について、上記した長期保存安定性試験方法により製品の長期保存安定性を評価した。結果を表4に示す。
【0079】
【表4】

【0080】表4から明らかなように、実施例1および2の粉末化粧料においては、各保存条件下で6ヵ月経過後も製剤の形態がほとんど変化なく、経時の製品保存安定性において問題のないものであった。
【0081】(実施例3、比較例3)下記表5に示す組成で粉末化粧料を調製した。上記試験方法により、実施例3、比較例3の使用性(きしみ感)を評価した。なお、表3中ジメチルシリコーンオイル処理無水ケイ酸(*)は、「アエロジルR202」(日本アエロジル社製;表面積100m2/g)を、セルロース系高分子(**)は「セルロフローC25」(チッソ社製)を用いた。結果を表5に示す。
【0082】
【表5】

【0083】(製法)(3)〜(9)を混合、溶解した。これに(2)を分散した後、(1)を混合、攪拌し、容器に充填した。
【0084】表5の結果より明らかなように、実施例3の粉末化粧料は、比較例3に比べきしみ感が現れず、きわめて良好な使用性を示した。
【0085】(実施例4、比較例4)下記表6に示す組成で粉末化粧料を調製した。上記試験方法により、実施例4、比較例4の使用性(きしみ感)を評価した。なお、表6中ジメチルシリコーンオイル処理無水ケイ酸(*)は、「アエロジルRY200」(日本アエロジル社製;表面積100m2/g)を、無水ケイ酸(**)は「シルデックスL−51」(旭硝子社製)を用いた。結果を表6に示す。
【0086】
【表6】

【0087】(製法)(1)および(2)を粉砕、混合した(A相)。(3)〜(9)を混合、溶解した(B相)。次いでA相とB相を混合、攪拌し、容器に充填した。
【0088】表6の結果より明らかなように、実施例4の粉末化粧料は、比較例4に比べてきしみ感が現れず、きわめて良好な使用性を示した。また、実施例4の粉末化粧料は、皮脂抑制・吸着効果に優れていた。
【0089】(実施例5〜10)下記表7に示す組成で粉末化粧料を調製した。上記試験方法により、実施例5〜10の使用性(きしみ感)を評価した。なお、表7中、ジメチルシリコーンオイル処理無水ケイ酸(*)は「アエロジルRY200S」(日本アエロジル社製;表面積80m2/g)を、無水ケイ酸(**)は「シルデックスL−51」(旭硝子社製)を用いた。結果を表7に示す。
【0090】
【表7】

【0091】(製法)(1)および(2)を粉砕、混合した(A相)。(3)〜(9)を混合、溶解した(B相)。次いでA相とB相を混合、攪拌し、容器に充填した。
【0092】表7の結果より明らかなように、実施例5〜10の粉末化粧料は、きしみ感が現れず、きわめて良好な使用性を示した。また、実施例5〜10粉末化粧料は、いずれも皮脂抑制・吸着効果に優れていた。
【0093】(実施例11〜16)下記表8に示す組成で粉末化粧料を調製した。上記試験方法により、実施例11〜16の使用性(きしみ感)を評価した。なお、表8中、ジメチルシリコーンオイル処理無水ケイ酸(*)は「アエロジルR202」(日本アエロジル社製;表面積100m2/g)を、シリコーン系化合物(**)は「シリコーンパウダーE506−W」(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を用いた。結果を表8に示す。
【0094】
【表8】

【0095】(製法)(1)および(2)を粉砕、混合した(A相)。(3)〜(9)を混合、溶解した(B相)。次いでA相とB相を混合、攪拌し、容器に充填した。
【0096】表8の結果より明らかなように、実施例11〜16の粉末化粧料は、きしみ感が現れず、きわめて良好な使用性を示した。また、特に実施例14〜16の粉末化粧料は、皮脂抑制・吸着効果に優れていた。
【0097】なお、上記実施例1〜16の粉末化粧料は、いずれも良好な粉末化が得られ、また塗擦時の液化も良好で、みずみずしい使用性を有するものであった。
【0098】また、実施例3〜16の粉末化粧料については、実施例1、2の場合と同様に、薬剤安定性、製品の長期保存安定性に優れるものであった。
【0099】(実施例17、比較例5)下記表9に示す組成で、油分を吸収する成分であるシリコーン系化合物を配合した粉末化粧料を製造した。上記試験方法により、比較例5を対照として実施例17の使用性(きしみ感)を評価した。結果を表9に示す。
【0100】また、下記に示す皮脂抑制・吸着試験方法により、比較例5を対照として実施例17の皮脂抑制・吸着効果を評価した結果を図1に示す。
【0101】なお、表9中、ジメチルシリコーンオイル処理無水ケイ酸(*)は、「アエロジルRY200S」(日本アエロジル社製;表面積80m2/g)を、シリコーン系化合物(**)は「シリコーンパウダーE506−W」(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を用いた。
【0102】[皮脂抑制・吸着試験]パネル(5名)に恒温恒湿室に入室してもらい、30分後、シーバメーター(Courage and Khazaka electronic社)を用いて額の皮脂量を測定し、通常皮脂量とした。次に、各パネルの額を石鹸洗浄してから10分後、下記表9に示す処方の実施例品、比較例品をそれぞれ0.2gずつ半額に適用した。さらに、経時で試料適用後の皮脂量をシーバメーターにて測定し経時皮脂量とし、皮脂抑制・吸着率を下記数1に示す式により算出して、実施例17と比較例5の皮脂抑制・吸着効果を評価した(図1)。
【0103】
【数1】

【0104】
【表9】

【0105】(製法)(1)および(2)を粉砕し、均一混合した(A相)。(3)〜(9)を混合、溶解した(B相)。次いでA相とB相を混合、攪拌し、容器に充填した。
【0106】表9の結果より明らかなように、実施例17の粉末化粧料は、比較例5に比べてきしみ感が現れず、きわめて良好な使用性を示した。さらに図1の皮脂抑制・吸着試験結果から、比較例5に比べて実施例17は優れた皮脂抑制・吸着効果を示すことがわかる。
【0107】(実施例18、比較例6〜7)下記表10に示す組成で粉末化粧料を製造した。上記試験方法により、比較例6、7を対照として実施例18の使用性(きしみ感)を評価した。また、下記に示す評価方法により粉末分散性を評価した。なお、表10中、ジメチルシリコーンオイル処理無水ケイ酸(*)は、「アエロジルR202」(日本アエロジル社製;表面積100m2/g)を、シリコーン系化合物(**)は「シリコーンパウダーE506−W」(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を用いた。結果を表10に示す。
【0108】[粉末分散性試験]各実施例品、比較例品の上層、中層、下層部分からそれぞれ一定重量とり、電子式水分計(島津製作所社製、EB−340MOC)を用いて、ヒーター温度300℃で20分間加熱し乾燥減量(強熱残分)(%)を測定した。次いで、各処方中の蒸発成分配合比率(%)から粉末分散性比率(%)を下記数2に示す式より算出し、下記基準により粉末分散性を評価した。
【0109】
【数2】

【0110】(評価)
◎: 粉末分散性比率は上層、中層、下層のいずれも±1%以内に収まる○: 粉末分散性比率は上層、中層、下層のうち1層が±1%を超える△: 粉末分散性比率は上層、中層、下層のうち2層が±1%を超える×: 粉末分散性比率は上層、中層、下層の全てが±1%を超える【0111】
【表10】

【0112】(製法)(1)〜(3)を混合し、粉砕した(A相)。(4)〜(10)を混合、溶解した(B相)。次いでA相とB相を混合攪拌し、容器に充填した。
【0113】表10の結果より明らかなように、実施例18の粉末化粧料は、比較例6、7に比べてきしみ感が現れず、きわめて良好な使用性を示すとともに、優れた粉末分散性を示した。また、実施例18の粉末化粧料は、皮脂抑制・吸着効果に優れていた。
【0114】(実施例19、比較例8〜9)下記表11に示す組成で粉末化粧料を製造した。上記試験方法により、比較例8、9を対照として実施例19の使用性(きしみ感)、粉末分散性を評価した。なお、表11中、トリメチルシリル基処理無水ケイ酸(*)は、「アエロジルR812」(日本アエロジル社製;表面積100m2/g)を、無水ケイ酸(**)は「シルデックスL−51」(旭硝子社製)を用いた。結果を表11に示す。
【0115】
【表11】

【0116】(製法)(1)〜(3)を粉砕し、均一混合した(A相)。(4)〜(9)を混合、溶解した(B相)。次いでA相とB相を混合攪拌し、容器に充填した。
【0117】表11の結果より明らかなように、実施例19の粉末化粧料は、比較例8、9に比べてきしみ感が現れず、きわめて良好な使用性を示すとともに、優れた粉末分散性を示した。また、実施例19の粉末化粧料は、皮脂抑制・吸着効果に優れていた。
【0118】(実施例20、比較例10〜11)下記表12に示す組成で粉末化粧料を製造した。上記試験方法により、比較例10、11を対照として実施例20の使用性(きしみ感)、粉末分散性を評価した。なお、表12中、ジメチルシリコーンオイル処理無水ケイ酸(*)は、「アエロジルR202」(日本アエロジル社製;表面積100m2/g)を用いた。結果を表12に示す。
【0119】
【表12】

【0120】(製法)(1)および(2)を混合し粉砕した(A相)。(3)〜(9)を混合、溶解した(B相)。次いでA相とB相を混合攪拌し、容器に充填した。
【0121】表12の結果より明らかなように、実施例20の粉末化粧料は、比較例10、11に比べてきしみ感が現れず、きわめて良好な使用性を示すとともに、優れた粉末分散性を示した。
【0122】(実施例21、比較例12)下記表13に示す組成で、油分を吸収する成分である亜鉛華を配合した粉末化粧料を製造した。上記試験方法により、比較例12を対照として実施例21の使用性(きしみ感)を評価した。結果を表13に示す。
【0123】なお、表13中、ジメチルシリコーンオイル処理無水ケイ酸(*)は「アエロジルR202」(日本アエロジル社製;表面積100m2/g)を、無水ケイ酸(**)は「シルデックスL−51」(旭硝子社製)を用いた。
【0124】
【表13】

【0125】(製法)(1)〜(3)を粉砕し、均一混合した(A相)。(4)〜(10)を混合、溶解した(B相)。次いでA相とB相を混合、攪拌し、容器に充填した。
【0126】表13の結果より明らかなように、実施例21の粉末化粧料は、比較例12に比べてきしみ感が現れず、きわめて良好な使用性を示した。また、実施例21の粉末化粧料は、皮脂抑制・吸着効果に優れていた。
【0127】(実施例22、比較例13)下記表14に示す組成で、油分を吸収する成分であるメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを配合した粉末化粧料を製造した。上記試験方法により、比較例13を対照として実施例22の使用性(きしみ感)を評価した。結果を表14に示す。
【0128】なお、表14中、トリメチルシリル基処理無水ケイ酸(*)は、「アエロジルR812S」(日本アエロジル社製;表面積220m2/g)を、無水ケイ酸(**)は「シルデックスL−51」(旭硝子社製)を用いた。
【0129】
【表14】

【0130】(製法)(1)〜(3)を粉砕し、均一混合した(A相)。(4)〜(10)を混合、溶解した(B相)。次いでA相とB相を混合、攪拌し、容器に充填した。
【0131】表14の結果より明らかなように、実施例22の粉末化粧料は、比較例13に比べてきしみ感が現れず、きわめて良好な使用性を示した。また、実施例22の粉末化粧料は、皮脂抑制・吸着効果に優れていた。
【0132】(実施例23、比較例14)下記表15に示す組成で、油分を吸収する成分であるアルギン酸カルシウムを配合した粉末化粧料を製造した。上記試験方法により、比較例14を対照として実施例23の使用性(きしみ感)を評価した。結果を表15に示す。
【0133】なお、表15中ジメチルシリコーンオイル処理無水ケイ酸(*)は、「アエロジルRY200」(日本アエロジル社製;表面積100m2/g)を、無水ケイ酸(**)は「シルデックスL−51」(旭硝子社製)を用いた。
【0134】
【表15】

【0135】(製法)(1)〜(3)を粉砕し、均一混合した(A相)。(4)〜(10)を混合、溶解した(B相)。次いでA相とB相を混合、攪拌し、容器に充填した。
【0136】表15の結果より明らかなように、実施例23の粉末化粧料は、比較例14に比べてきしみ感が現れず、きわめて良好な使用性を示した。また、実施例23の粉末化粧料は、皮脂抑制・吸着効果に優れていた。
【0137】(実施例24、比較例15)下記表16に示す組成で、油分を包接する成分であるヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを配合した粉末化粧料を製造した。上記試験方法により、比較例15を対照として実施例24の使用性(きしみ感)を評価した。結果を表16に示す。
【0138】なお、表16中トリメチルシリル基処理無水ケイ酸(*)は、「アエロジルRX200」(日本アエロジル社製;表面積140m2/g)を、無水ケイ酸(**)は「シルデックスL−51」(旭硝子社製)を用いた。
【0139】
【表16】

【0140】(製法)(1)〜(3)を粉砕し、均一混合した(A相)。(4)〜(10)を混合、溶解した(B相)。次いでA相とB相を混合、攪拌し、容器に充填した。
【0141】表16の結果より明らかなように、実施例24の粉末化粧料は、比較例15に比べてきしみ感が現れず、きわめて良好な使用性を示した。また、実施例24の粉末化粧料は、皮脂抑制・吸着効果に優れていた。
【0142】(実施例25、比較例16)下記表17に示す組成で、抗酸化剤成分であるチオタウリンを配合した粉末化粧料を製造した。上記試験方法により、比較例16を対照として実施例25の使用性(きしみ感)を評価した。結果を表17に示す。
【0143】なお、表17中トリメチルシリル基処理無水ケイ酸(*)は、「アエロジルRY200S」(日本アエロジル社製;表面積80m2/g)を、シリコーン系化合物(**)は「シリコーンパウダーE506−W」(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を用いた。
【0144】
【表17】

【0145】(製法)(1)〜(2)を粉砕し、均一混合した(A相)。(3)〜(9)を混合、溶解した(B相)。次いでA相とB相を混合、攪拌し、容器に充填した。
【0146】表17の結果より明らかなように、実施例25の粉末化粧料は、比較例16に比べてきしみ感が現れず、きわめて良好な使用性を示した。また、実施例25の粉末化粧料は、皮脂抑制・吸着効果に優れていた。
【0147】(実施例26、比較例17)下記表18に示す組成で、植物エキスであるイザヨイバラエキスを配合した粉末化粧料を製造した。上記試験方法により、比較例17を対照として実施例26の使用性(きしみ感)を評価した。結果を表18に示す。
【0148】なお、表18中ジメチルシリコーンオイル処理無水ケイ酸(*)は、「アエロジルR202」(日本アエロジル社製;表面積100m2/g)を用いた。
【0149】
【表18】

【0150】(製法)(2)〜(10)を混合、溶解し、ここに(1)を加え、混合、攪拌し、容器に充填した。
【0151】表18の結果より明らかなように、実施例26の粉末化粧料は、比較例17に比べてきしみ感が現れず、きわめて良好な使用性を示した。
【0152】
【発明の効果】本発明の粉末化粧料は、粉末でありながら、使用時塗擦によって液化し、使用中に清涼感、しっとり感を与え、しかも肌への親和性に優れ、エモリエント性、水分等を付与することができるとともに、きしみ感の全くないきわめて良好な使用感および仕上がりを得ることができる。また、製品の長期保存安定性にも優れる。さらに、従来化粧品への配合が難しいとされていた水存在下不安定成分を組成中に長期間に亘り安定に保持することができるので、新しいタイプの化粧料として広く利用が可能である。また、従来、分散性の点から、化粧水、美容液液の水系化粧料に配合が難しいとされていたラメ剤、パール剤等の化粧料成分としての疎水性粉末を均一に分散させることができ、この点からも化粧料として広い用途への適用が可能である。
【0153】
【出願人】 【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社資生堂
【出願日】 平成12年2月22日(2000.2.22)
【代理人】 【識別番号】100098800
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 洋子
【公開番号】 特開2000−309506(P2000−309506A)
【公開日】 平成12年11月7日(2000.11.7)
【出願番号】 特願2000−44147(P2000−44147)