| 【発明の名称】 |
肥満防止乃至予防用組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤田 忠
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| 【要約】 |
【課題】酸性領域に等電点を有する蛋白質と、水溶性食物繊維とを含有する食品用組成物をより実用的に改良し、広く各種の蛋白質を利用でき、しかもゲル強度を更に向上せしめ得る肥満防止又は予防用組成物とすること。
【解決手段】(イ)蛋白質、(ロ)水溶性食物繊維及び水溶性ゼラチンの少なくとも1種、及び(ハ)塩基性アミノ酸又は(及び)塩基性ペプチドを主成分としてなる組成物を使用すること。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】(イ)蛋白質(ロ)水溶性食物繊維及び水溶性ゼラチンの少なくとも1種、及び(ハ)塩基性アミノ酸又は(及び)塩基性ペプチドを主成分として成る肥満防止乃至予防用組成物。 【請求項2】ゲル強度調整剤を更に使用する請求項1〜3のいずれかに記載の肥満防止乃至予防用組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は肥満防止乃至予防用組成物に関する。更に詳しくは、肥満防止又はその予防用組成物に関し、特に食品用組成物そして利用できる組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】肥満防止ないしその予防用の組成物就中食品用として使用可能な組成物は従来数多く開発されており、その中の一つに特開昭63−185339号や特開平1−91759号の組成物がある。 【0003】上記公報に開示された組成物は、水溶性食物繊維と酸性領域に等電点を有する蛋白質とを含有する組成物からなり、該水溶性食物繊維と該蛋白質の含有量が該組成物の水溶液が胃液と接触した際にゲル状となるものであり、胃内滞留時間が長く、栄養価の高い蛋白質を含有するため、肥満治療又は予防に有効と記載されている。 【0004】そしてこの組成物は胃内でゲル化し、満腹感をもたらすものであり、このゲル化は、pHの低下によって生じる。しかし、摂取する前の状態では、ゲル化や沈殿物を形成しないことが好ましいが、この組成物を、例えば水に添加した場合、ゲル化したり、沈殿物を生じたりして、安定な溶液状態を維持することが困難な場合があった。 【0005】このため、これ等難点を解決しうる組成物、更に詳しくは、水に添加し、分散させたときに、ゲル化せずまた沈殿物を生じない状態で安定な溶液状態を維持することができる組成物が、特開平4−262762号として開発された。 【0006】このものは、酸性領域に等電点を有する蛋白質と、水溶性食物繊維とを含有する食品用組成物であり、前記蛋白質の等電点付近又はそれ以下のpH状態の酸性水溶液中ではゲル状となり、前記蛋白質の等電点より高いpH状態の水溶液中では液状となり、かつ、水100〜300mlに前記食品用組成物10gを添加したときの水のpHが6.8〜8.5となることを特徴とする食品用組成物である。 【0007】この組成物を構成する成分は以下の通りである。 ■酸性領域に等電点を有する蛋白質(例えば、カゼインナトリウム) ■水溶性食物繊維(例えば、カラギーナン等) ■アルカリ作用物質(例えば、重曹等)、及び■ゲル強度調整剤(例えば、CaCO3、KCl等) そして、この特開平4−262762号の組成物は、水中(摂取前は)で液状、胃内でゲル状態、腸内で液状となることを特徴とするものである。本発明者は従来から肥満防止又は予防用組成物について、研究を続けてきたが、この研究に於いて上記特開平4−26276号の組成物に於いて、上記体内におけるメカニズムは必ずしも実用的ではなく、特に、胃内のゲル状態のゲル強度が不充分で、充分に上記メカニズム通りに進行し難いことを見出し、しかも夫々の蛋白質のもつ固有の等電点よりも酸性領域では、全ての蛋白質は正に荷電されるために、蛋白質として酸性領域に等電点を有する蛋白質以外の蛋白質でも使用できる可能性があることを見出した。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明が解決しようとする課題は、上記従来の組成物の難点を解決することであり、更に詳しくは、この組成物をより実用的に改良し、広く各種の蛋白質を利用でき、しかもゲル強度を更に向上せしめ得る肥満防止又は予防用組成物就中食品用組成物を開発することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】この課題は、(イ)蛋白質、(ロ)水溶性食物繊維及び水溶性ゼラチンの少なくとも1種、及び(ハ)塩基性アミノ酸又は(及び)塩基性ペプチドを主成分としてなる組成物を使用することにより解決される。また、更に(ニ)ゲル強度調整剤を更に併用することにより解決される。 【0010】本発明者の研究によれば、上記(イ)及び(ロ)の成分に、更に(ハ)の塩基性アミノ酸又はペプチドを配合するときには、ゲル強度を著しく向上せしめうることが見出された。また水溶性ゼラチンを用いる場合には、加熱することなく、ただ単に冷却するだけでカスタードプリン様の質の良いゲルが形成されることが見出された。そしてこの際、更にゲル強度調整剤を用いてゲルの強度を調整することができ、結果的には従来の上記難点をことごとく解消することができる。 【0011】また、蛋白質として酸性領域に等電点を有する蛋白質ばかりでなく、それ以外の蛋白質即ち酸性領域に等電点を有しない蛋白質も使用することができ、蛋白質としての利用分野が著しく広がるという効果が期待できる。 【0012】 【発明の作用】本発明の基本組成は(イ)蛋白質、(ロ)水溶性食物繊維、及び(ハ)塩基性アミノ酸又は(及び)塩基性ペプチドの3成分を含有するものである。 【0013】そして、蛋白質と水溶性食物繊維とからなる組成物は従来公知の組成物であり、本発明に於いては、この組成物に塩基性アミノ酸又は(及び)塩基性ペプチドを配合することを大きな特徴としている。尚、この塩基性アミノ酸又は(及び)塩基性ペプチドは従来蛋白質や水溶性食物繊維と共に肥満防止ないしは予防の目的で使用されたことのないものである。 【0014】そして、このような特定の塩基性物質を使用することにより、ゲルの強度が著しく向上するという全く予想すらできない特異な作用を発揮するものである。このゲル強度の向上は、胃内で長期に亘り、安定して、ゲル状態を維持することになり、惹いては消化を抑制し、肥満防止に役立つものである。 【0015】また本発明に於いては、水溶性ゼラチンを使用する場合には、pHに殆ど影響されない極めて安定なゲルを形成するという作用を発揮する。 【0016】このように本発明では、ゲルの強度を増強するため、場合によってはゲルの強度を調整する必要が生じる場合がある。例えば、ゲルの強度が小さ過ぎて胃内に於ける消化が比較的速やかであったり、胃内での滞留時間が短かったりするような場合には、ゲルの強度を調整することが望ましい。このような場合に対処するために本発明に於いては、ゲル強度調整剤を併用することができる。 【0017】本発明に於いて使用する蛋白質としては、従来から知られている各種の蛋白質が広く使用でき、特に大きな特徴として酸性領域に等電点を有する蛋白質ばかりでなく、それ以外の酸性領域に等電点を有しない蛋白質も使用することができる。これ等本発明に於いて使用される蛋白質としては、例えばカゼイン又はその塩、乳蛋白質、コラーゲン、コラーゲン水解物、大豆蛋白、ホエーが例示でき、更に詳しくはカゼインナトリウム、カゼインカルシウム、脱脂大豆蛋白等である。 【0018】本発明において使用される水溶性食物繊維としても、広くこの種組成物に従来から使用されてきたものがいずれも使用でき、例えばその代表例として、カラギーナン、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム等が例示できる。 【0019】本発明において使用される塩基性アミノ酸としては、各種のアミノ酸の中から塩基性のものが使用され、例えばリジン、アルギニン、オルニチン、シトルリン、ヒドロキシリジン、カナバニン等であり、好ましくはリジン、アルギニン、オルニチン等である。また、塩基性ペプチドとしても従来から知られているものが使用でき、例えば分子量500〜4000程度の塩基性のものが使用できる。 【0020】本発明の組成物において上記(イ)、(ロ)及び(ハ)の各成分の配合割合は、夫々(イ)5〜80%、(ロ)1〜50%、(ハ)1〜30%であり、好ましくは(イ)20〜50%、(ロ)1〜15%、(ハ)3〜15%である。但し、%は重量%を示す。 【0021】特に本発明においては、従来公知の上記組成物に於いて使用されているアルカリ作用物質、例えば重曹等は全く使用せず、これに代えて、塩基性アミノ酸又は塩基性ペプチドを使用するものであり、その作用もただ単にゲルの強度を大きくするという従来のアルカリ作用物質とは全く異なり、消化管内での滞留時間を調節するという新たな作用を発揮するものである。 【0022】本発明においては、水溶性ゼラチンを用いる場合、特に水溶性食物繊維と併用する場合は、上記(ハ)の塩基性アミノ酸や塩基性ペプチドと相俟ってゲルの強度を更に一段と増強することができるものである。 【0023】本発明においては、ゲル強度調整剤を使用することができる。このゲル強度調整剤としては、従来使用されてきたものがそのまま本発明においても使用でき、具体例としては、炭酸カルシウムや塩化カルシウムの如きカルシウム塩、硫酸マグネシウム等のマグネシウム塩を挙げることができる。 【0024】本発明に於いては、ゲル強度調整剤は蛋白質100重量部に対して0.1〜10、好ましくは0.5〜5重量部で使用される。 【0025】本発明においては、従来からこの種組成物に使用されてきたその他の各種副成分を併用することができる。その好ましい副成分としては、各種ビタミン類、ミネラル類をはじめ、その他甘味料、各種フレーバー、調味料、香辛料等を例示することができる。 【0026】本発明組成物は各種の形態をとることができ、例えば粒状、粉末状、固形状等であり、更には水等に溶解乃至分散させて液状にすることもできる。また、ペースト状にしても構わない。 【0027】本発明組成物は極めて優れた肥満防止又は予防効果を有し、このままでも或いは各種の食品に添加して摂取しても構わない。 【0028】 【実験例1】(1)実験方法100mlの水に大豆から得た平均分子量50000の蛋白質30gを分散させ、市販品カラギーナンパウダー5gを加えて均質混合した溶液を(B)とし、上記にリジン3gを加え同様に製した溶液を(A)として、夫々に6N塩酸を添加して、液性をpH2に調整した検体(サンプル)の経時的粘度変化を測定する。この際の測定は、BH型粘度計を用いて、25℃で20rpmで行った。 【0029】(2)使用したサンプル(A)本発明サンプル:蛋白質+水溶性ファイバー+リジン(B)比較例サンプル:蛋白質+水溶性ファイバー【0030】(3)結果図1:但し図1においては実線は本発明サンプルを、また点線は比較例サンプルを示す。 【0031】(4)考察図1から明らかな通り、時間の経過に従ってゲルの粘度は上昇するが、その粘度の上昇は本発明サンプルは比較例サンプルに比し著しく大きい。従って、本発明サンプルのゲル強度は比較例サンプルのゲル強度に比し、著しく大きなことが明らかである。 【0032】 【実験例2】(1)実験方法100mlの水に牛の結合組織から得たコラーゲン蛋白(平均分子量20000)25gを分散させた溶液を(B)とし、これに更に塩基性ペプチド(平均分子量1800)10gを添加混合したものを(A)とし、夫々の溶液に市販の水溶性ゼラチンが1〜5%となるように添加混合後、30分経過時の粘度を測定する。この際の測定も図1と同じ条件で行った。 【0033】(2)使用したサンプル(A)本発明サンプル:蛋白質+ゼラチン+塩基性ペプチド(B)比較例サンプル:蛋白質+ゼラチン【0034】(3)結果図2:但し図2においては実線は本発明サンプルを、また点線が比較例サンプルを示す。 【0035】(4)考察ゼラチンの濃度が大きくなるにつれてゲルの粘度が上昇しているがその上昇カーブは本発明サンプルの場合、著しく大きくなっている。従って、本発明のサンプルは比較例サンプルに比し、ゲル強度が著しく大きなことがはっきると判る。 【0036】 【実験例3】生後8週令の雄SDラットを5匹ずつA、B2群に分け、夫々に蛋白質、水溶性ファイバー、アルギニンから成る本発明組成物を含有する飼料■及び蛋白質、水溶性ファイバーのみを付加配合した飼料■を、自由に摂取させて2週間飼育し、夫々の群の平均体重増減値及びその間の平均飼料摂取量を測定した後、飼料■、■を交替し、前記と同様に2週間後の平均体重増減値及び平均飼料摂取総量を集計し、表1の結果を得た。 【0037】飼料■市販飼料(船橋農協製MB−2) 90%大豆蛋白(平均分子量50000) 7.5%カラギーナン末(伊那食品工業製) 1.5%アルギニン 1%【0038】飼料■市販飼料(船橋農協製MB−2) 90%大豆蛋白(平均分子量50000) 7.5%カラギーナン末(伊那食品工業製) 1.5%トウモロコシデンプン 1%【0039】 【表1】
【0040】表1より明らかな通り、A、B両群とも本発明組成物を含有する飼料■にて飼育した場合は、飼料■にて飼育した場合に比べ、飼料摂取総量が夫々9.2%、9.1%減少している。このことは本発明組成品を飼料に含有させることにより、充分な満腹感が得られることを示している。また、更に本発明組成物を含有する飼料により著しい体重減少効果が得られることも表1より明らかである。 【0041】 【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。但し、%とあるは重量%を示す。 【0042】 【実施例1】 大豆蛋白 75%カラギーナン末 15%リジン 10%以上を混合し、噴霧造粒して本発明組成物とした。 【0043】 【実施例2】 コラーゲン加水分解物 80%水溶性ゼラチン 10%塩基性ペプチド(平均分子量1800) 7%塩化カリウム 3%以上を均質混合して本発明組成物とした。 【0044】 【実施例3】 乳蛋白 75%アスコルビン酸 1%寒天粉末 10%アルギニン 5%キサンタンガム 9%以上を混合し、不定型造粒して本発明組成物とした。
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| 【出願人】 |
【識別番号】391034879 【氏名又は名称】日成興産株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年6月15日(1998.6.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086416 【弁理士】 【氏名又は名称】尾関 弘
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| 【公開番号】 |
特開2000−1440(P2000−1440A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月7日(2000.1.7) |
| 【出願番号】 |
特願平10−185565 |
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