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【発明の名称】 医療用容器
【発明者】 【氏名】松澤 豊

【氏名】森村 孝史

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 粉末または固形の薬剤と溶解液等の液剤を用事溶解し、使用する医療用容器において、粉末または固形の薬剤が収納可能であり、薬剤収納部薄膜(5)によって密閉された開口部を有し、かつ外部からの押圧によって変形可能な帽子状成形体(2)からなる薬剤収納容部(1)と、一端に、液容器部薄膜(7)によって密閉された連結口部(8A)を有する連結部材(8)が接着固定され、他端にゴム栓などで密閉された輸液取出し口(9)が接着固定され、溶解液などの液剤が収納可能な可撓性の液容器部(6)と、上記薬剤収納部(1)に収納され、薬剤収納部薄膜(5)に接する側に鋭利部を有する破断部材(4)とを備え、上記薬剤収納部(1)の薬剤収納部薄膜(5)と上記液容器部(6)の連結部材(8)の液容器部薄膜(7)を相対する位置に配置し、薬剤収納部薄膜(5)と連結口部(8A)の周囲を気密にシールすることによって、上記薬剤収納部(1)と上記液容器部(6)を連結し、外部から上記薬剤収納部内の破断部材(4)を押圧することにより、上記薬剤収納部薄膜(5)、液容器部薄膜(7)を破断し、上記薬剤を上記液剤に溶解可能にすることを特徴とする医療用容器。
【請求項2】 粉末または固形の薬剤と溶解液等の液剤を用事溶解し、使用する医療用容器において、粉末または固形の薬剤が収納可能であり、薬剤収納部薄膜(5)によって密閉された開口部を有し、かつ外部からの押圧によって変形可能な帽子状成形体(2)からなる薬剤収納容部(1)と、一端に、液容器部薄膜(7)によって密閉された連結口部(8A)を有する連結部材(8)が接着固定され、他端にゴム栓などで密閉された輸液取出し口(9)が接着固定され、溶解液などの液剤が収納可能な可撓性の液容器部(6)と、上記薬剤収納部(1)に収納され、薬剤収納部薄膜(5)に接する側に鋭利部を有する破断部材(4)と、上記連結口部(8A)を取り囲むとともに、上記薬剤収納部(1)を内蔵可能な保護室(11)を備え、上記薬剤収納部(1)の薬剤収納部薄膜(5)と上記液容器部(6)の連結部材(8)の液容器部薄膜(7)を相対する位置に配置し、薬剤収納部薄膜(5)と連結口部(8A)の周囲を気密にシールすることによって、上記薬剤収納部(1)と上記液容器部(6)を連結し、用事保護室蓋部(12)を開放し、外部から上記薬剤収納部内の破断部材(4)を押圧することにより、上記薬剤収納部薄膜(5)、液容器部薄膜(7)を破断し、上記薬剤を上記液剤に溶解可能にすることを特徴とする医療用容器。
【請求項3】 上記破断部材は、薬剤収納部薄膜(5)に接する側に部分的な非鋭利部(15)を有することを特徴とする請求項1または2記載の医療用容器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用容器に関し、特に、粉末または固形の薬剤を収納可能にした薬剤収納部と、溶解液等の液剤を収納可能にした液容器部とからなり、使用時に、薬剤収納部と液容器部とを連通させて、薬剤収納部に収納した粉末または固形の薬剤を液容器部に収納した溶解液などの液剤に溶解させ、それによって輸液を1つの密閉容器内で準備できるように構成した医療用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】この種の医療用容器としては、粉末または固形の薬剤を収納したガラスバイアルと、溶解液を収納した可撓性の溶解液容器と、上記ガラスバイアルを支持し、溶解液容器の開口部に連結した連結部と、上記溶解液容器内に位置すべく上記連結部に付設した穿刺針とを備え、この穿刺針を溶解液容器の外部から操作することによって、ガラスバイアルと溶解液容器とを連通させるものが知られている(例えば、特開平5−212090号公報、特開平6−254136号公報)。
【0003】しかしながら、この医療用容器は、ガラスバイアルと溶解液容器とを連通させたのち、溶解液容器を外部から押圧して内部の溶解液をガラスバイアル内に送り込んで、粉末または固形の薬剤を溶解させ、得られた溶解液(粉末または固形の薬剤が溶解した)を再び溶解液容器にもどす操作が必要である。このため、構成が複雑になり、しかも、操作が面倒であるという問題があった。また、この医療用容器には、ガラスバイアルが含まれているため、少なくとも、このガラスバイアルを、合成樹脂製の溶解液容器や連結部から分別して廃棄する必要があるという問題があった。更に、穿刺針がガラスバイアルと溶解液容器の中間にあり、全体的に大きく病院での収納に比較的大きなスペースを必要としていた。
【0004】一方、粉末薬剤、固形薬剤もしくは液剤を収納するための複数の収納室が連通可能な仕切り手段でシールされた可撓性の複室容器が提案されている(特開平6−254136号公報)。この複室容器は、薬剤収納室と、この薬剤収納室を覆うように設けられ、脱酸素剤や乾燥剤を収納する収納室と、薬液収納室とから構成され、上記薬剤収納室と上記薬液収納室とが弱シール部を介して連接されている。使用時には、外圧を上記薬液収納室に加えることにより、上記弱シール部を剥離させて、薬剤収納室と薬液収納室とを連通させ、輸液(粉末または固形の薬剤が溶解した)を得るものである。
【0005】しかしながら、この複室容器では、一度別の容器で凍結乾燥させた薬剤を最終容器の薬剤収納部に移し替える操作が必要であり、これを無菌的に行おうとすれば、薬剤を凍結乾燥する工程と薬剤、薬液収納の工程を連続的に行う必要があり、設備が大がかりで、高価になるという問題があった。
【0006】そこで本発明のうち請求項1の発明は、液容器部と薬剤収納部を別工程で製造することが出来、連結する際にも、連結後使用する際においても、薬剤及び薬液が汚染されることがなく、取り扱いが簡便な医療用容器の提供を目的としている。請求項2記載の発明は、請求項1の発明に加えて、薬剤収納部を外力から保護することができる医療用容器の提供を目的としている。請求項3記載の発明は、請求項1または2の発明に加えて、連通操作時に、破断した薄膜が液容器内に脱落することを防止することができる医療用容器の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】粉末または固形の薬剤と溶解液等の液剤を用事溶解し、使用する医療用容器において、(a)粉末または固形の薬剤が収納可能であり、薬剤収納部薄膜によって密閉された開口部を有し、かつ外部からの押圧によって変形可能な帽子状成形体からなる薬剤収納容部と、(b)一端に、液容器部薄膜によって密閉された連結口部を有する連結部材が接着固定され、他端にゴム栓などで密閉された輸液取出し口が接着固定され、溶解液などの液剤が収納可能な可撓性の液容器部と、(c)上記薬剤収納部に収納され、薬剤収納部薄膜に接する側に鋭利部を有する破断部材とを備え、上記薬剤収納部の薬剤収納部薄膜と上記液容器部の連結部材の液容器部薄膜を相対する位置に配置し、開口部および連結口部を気密にシールすることによって、上記薬剤収納部と上記液容器部を連結し、外部から上記薬剤収納部内の破断部材を押圧することにより、上記薬剤収納部薄膜、液容器部薄膜を破断し、上記薬剤を上記液剤に溶解可能にするものである。
【0008】さらに請求項2の発明は、請求項1記載の発明の構成に、連結口部を取り囲むとともに、上記薬剤収納部を内蔵可能な保護室を加えたものである。さらに請求項3の発明は、請求項1または2記載の発明の構成における破断部材の鋭利部について、少なくとも1カ所の非鋭利部を有することを特徴とすることとしたものである。
【0009】本発明において、用事とは、病院などにおいて、医者、看護婦らが本発明に係る製品を用いて、薬剤と溶解液などを混合し、溶解して輸液を用意する操作をいう。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る医療用容器の一実施例を示す部分破断正面図であり、図2は図1の要部を拡大した断面図であり、図3は、連結部位の詳細断面図である。図4(A)は破断部材の側面図、図4(B)は、図4(A)における矢視A図である。これらの図において、1は薬剤収納部であり、帽子状成形体2(図2、図3参照)の凹部に固形の薬剤3(図2、図3参照)、カップ状で鋭利部を有する破断部材4(図2、図3、図4参照)を収納し、開口部1A(図2、図3参照)を薬剤収納部薄膜5(図3参照)によって溶着シールされ、密閉されている。6は可撓性の液容器であり、この液容器部6は、その一端に液容器部薄膜7(図3参照)によって密閉された連結口部8A(図2、図3参照)を有する連結部材8が溶着固定され、他端にゴム栓(図示せず)などで密閉された輸液取出し口9が溶着固定され、溶解液などの液剤10を収納可能にする。上記薬剤収納部1の薬剤収納部薄膜5と上記液容器部6の連結部材8の液容器部薄膜7は相対する位置に配置され、開口部1Aおよび連結口部8Aを上記2枚の薄膜越しに連結するとともに、開口部1Aおよび連結口部8Aの周囲を気密に溶着することによって、上記薬剤収納部1と上記液容器部6を一体としている。その際、上記薬剤収納部1の薬剤収納部薄膜5と上記液容器部6の連結部材8の液容器部薄膜7はその膜の内外を無菌状態を保ちつつ、気密に溶着されているので、薬剤収納部1の内部、気密に溶着された薬剤収納部薄膜5と液容器部薄膜7間、液容器部6内部まで連続して無菌状態が保たれる。
【0011】11は連結口部8Aと一体に設けられた保護室であり、この保護室11は、保存、あるいは輸送時において、何等かの偶然の押圧から上記薬剤収納部1の変形を保護する。そして、この保護室11は、図1および図2に示すように、上記薬剤収納部1を内蔵するとともに、解放可能な保護カバー蓋部12(図2参照)を有する構造としてあり、用事においては、この保護カバー蓋部12を解放することにより薬剤収納部1を押圧可能にする。また、この保護室11を解放端部13(図2参照)について、パッキンを設ける、あるいは、用事破断可能な弱シール構造として、気密性を有する構造とし、薬剤収納部1との隙間に薬剤の変質を防止する脱酸素剤や吸湿剤を入れても良い。
【0012】さらに、上記破断部材4は、薬剤収納部薄膜5に接する端部に鋭利部14(図4参照)および部分非鋭利部15を備えたものである。この鋭利部14は、帽子状成形体2越しに外部からの受けた押圧によって、薬剤収納部薄膜5、次いで液容器部薄膜7に当接して、この各膜を破るものである。なお、上記破断部材4は、上記非鋭利部15(図4参照)を備えるので、上記の各膜を破断する際に、各膜の一部分は元の膜につながったままであり、膜片が脱落せず、液容器部6内に混入されることがない。
【0013】なお、上記カップ形の破断部材4は、例えば合成樹脂で形成するが薬剤と直接接するため、薬剤を変質させたりしない透明なオレフィン樹脂例えばポリプロピレン樹脂、シクロオレフィン樹脂またはシクロオレフィン共重合体樹脂が用いられる。破断部材4の内部に、この固形の薬剤3が収納されている。固形の薬剤3は、例えば、速溶解性の固形の薬剤(凍結乾燥製剤、特に、抗ウイルス化学療方剤)である。また、上記薬剤収納部1の帽子状成形体2は、薬剤を変質させない目的で、酸素と湿度を実質上透過しない多層ラミネートシート製が望ましい。例えば、湿度を透過し難いシクロオレフィン共重合体樹脂と酸素を透過し難いエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂および薬剤収納部薄膜5とのシール層にポリエチレン樹脂等が積層された多層ラミネートシートの成型体が用いられる。また、液容器部6は、例えばポリエチレン樹脂が用いられる。また、上記薬剤収納部薄膜5および液容器部薄膜7は、上記樹脂等からなる破断部材4により、所定の押圧にて破断可能な材質である。本実施例における薬剤収納部薄膜5は、第1膜16と第2膜17をラミネート成形したものであり、第1膜16は例えばアルミニウム箔であり、第2膜17は例えばポリエチレン樹脂膜である。そして、液容器部薄膜7は、例えばポリエチレン樹脂膜である。
【0014】また、上記連結部材8には、落下阻止部8B(図2参照)が形成しており、この落下阻止部8Bは、使用時、上記破断部材4が上記液容器部6の内部に落下するのを阻止するものである。
【0015】次に、上記構成の医療用容器の製造工程について説明する。まず、帽子状成形体2の凹部に固形の薬剤3および破断部材4を収納する。そして、開口部1Aを、下面にアルミニウム箔が接着されたポリエチレン樹脂膜よりなる薬剤収納部薄膜5によって気密にシールする。一方、可撓性の液容器部6の一端に連結部材8を接着固定すると共に、他端に輸液取出し口9を接着固定する。そして、この液容器部6に溶解液などの液剤10を充填したのち、ポリエチレン樹脂膜よりなる液容器部薄膜7を図示せぬ液容器部薄膜7用溶着基部に溶着し、連結口部8Aを液密にシールする。そして、薬剤収納部1の帽子状成形体2の鍔部下面の薬剤収納部薄膜5と、液容器部6の連結部材8の連結口部8Aの周囲に設けた溶着基部18(図2、図3参照)について溶着し、気密にシールすることにより、上記薬剤収納部1と液容器部6とを一体に連結することができる。なお、本実施例においては、上記溶着基部18を設けたが、溶着強度および気密性が確保できれば、溶着基部を設けず、直接溶着しても良い。また、溶着に際して、液容器部薄膜7をはさんで溶着しても良い。また、一般に、溶着シールに際しては、被溶着部材の同一素材面を向かい合わせて溶着すると互いに溶融し易く、溶着強度、シール性とも確保しやすいので、帽子状成形体2と薬剤収納部薄膜5、液容器部薄膜7と溶着基部18のシールに際し、ポリエチレン樹脂層同士を向かい合わせて溶着させることが望ましい。
【0016】次に、上記構成の医療用容器の使用時の操作について図5を参照して説明する。まず、保護カバー蓋部12を外したのち、薬剤収納部1の上面を図5に示すように押圧する。この押圧によって、上記薬剤収納部1の帽子状成形体2が変形するので、破断部材4が下方に移動する。そして、この破断部材4の移動によって薬剤収納部薄膜5および液容器部薄膜7が破断される。このため、薬剤収納部1と上記液容器4とは連結部材8を介して連通し、薬剤収納部1に収納されている固形の薬剤3が液容器部6内に落下する。そして、この固形の薬剤3は液剤10により溶解する。したがって、得られた輸液を1つの密閉された液容器部6内に準備することができる。なお、このとき、破断部材4は連結部材8の落下阻止部8Bによって液容器部6の内部への落下を阻止することができる。
【0017】上記実施例において、帽子状形成体2は、多層ラミネートを用い、シクロオレフィン共重合体−エチレンビニルアルコール共重合体−ポリエチレン樹脂層を用いたが、押圧で変形しやすく、しかも、酸素、湿度を実質的に透過せず、薬剤収納部薄膜5との溶着が可能な組み合わせであればこれに限定するものではない。また、上記破断部材4の形状をカップ形状としたが、これに限定せず、C字形、O字形などとしても良いことはもちろんである。また、この破断部材4の鋭利部の形状としては、歯状、薄板状など種々の形状を採ることができる。また、上記液容器部6は、ポリエチレン樹脂を用いたが、これに限定せず、ポリプロピレン樹脂を用いてもよいことはもちろんである。また、薬剤収納部薄膜5と液容器部薄膜7に用いる膜は、上記実施例に限定されるものではなく、例えば、両方とも、ポリエチレン樹脂の薄膜とアルミニウム箔をラミネート成形されたものとしても良い。さらに、一方をポリエチレン樹脂膜とし、他方をアルミニウム箔のみとしてもよい。
【0018】また、連結口部8Aのシールについては、液容器部薄膜7と連結部材8とを溶着シールする代わりに、連結口部8Aを封止する膜部として、あらかじめ、連結部材8を製造する段階で一体に成形しておくこともできる。また、この薬剤収納部1の開口部1Aの下面にアルミニウム箔を液密にシールする技術は、固形薬剤の包装形態として周知のPTP包装(プレススルーパック式包装)を利用することができる。また、薬剤収納部1に固形の薬剤を収納した場合について説明したが、これに限定せず、粉末の薬剤を収納しても同様にできることはもちろんである。また、上記膜材としてアルミニウムのほかポリエチレン樹脂を用いたが、これに限定せず、ポリプロピレン樹脂を用いてもよいことはもちろんである。また、破断部材4は薬剤収納部薄膜5および液容器部薄膜7を破断する手段として説明したが、これに限定せず、薬剤を保護する手段として機能させることもできる。
【0019】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係る医療用容器によれば、薬剤収納部の開口部と液容器の連結部材の連結口部とを特定の薄膜で液密にシールし、外部からの押圧によって破断可能に構成することによって、きわめて簡単な構成で、コンパクトにでき、しかも、操作も簡便にできる。さらに、薬剤収納部を内蔵可能で、用事解放可能な保護室を設けることにより、あやまって、連通してしまうことがない。そして、用事においては、簡便、かつ、確実に連通操作を行うことができる。さらに、ガラスバイアルを用いていないので、ガラスバイアルを中心とした複雑な機構がなくなり、使用者、例えば患者や看護婦の取扱いが容易になり、使用時の威圧感を少なくすることができる。また、鋭利なガラス、金属などの部品を用いていないので、取扱いや廃棄の際に、きわめて安全であり、廃棄に際しては分別する必要がないので手間がはぶけるなどの効果がある。
【出願人】 【識別番号】000136354
【氏名又は名称】株式会社フコク
【出願日】 平成11年1月28日(1999.1.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−217885(P2000−217885A)
【公開日】 平成12年8月8日(2000.8.8)
【出願番号】 特願平11−59182