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【発明の名称】 芳香療法用温熱貼着体
【発明者】 【氏名】王 曼

【要約】 【課題】香りの効果、香りを発生させる物質の皮膚への浸透効果、更に温熱の効果及び人体のツボを利用する効果を複合的、相乗的に発揮し得る芳香療法用温熱貼着体を提供する。

【解決手段】発熱体と治療用香り発生物質とを有し、前記発熱体の熱によって、前記治療用香り発生物質から発生した香りを周囲に放出し得るようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】発熱体と治療用香り発生物質とを有し、前記発熱体の熱によって、前記治療用香り発生物質から発生した香りを周囲に放出し得るようにしたことを特徴とする芳香療法用温熱貼着体。
【請求項2】人体に貼るように構成した請求項1に記載の芳香療法用温熱貼着体。
【請求項3】前記香り発生物質を含む層を皮膚に接触する下層とし、前記発熱体を含む層を上層とする請求項2に記載の芳香療法用温熱貼着体。
【請求項4】前記発熱体と前記治療用香り発生物質とを混合してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の芳香療法用温熱貼着体。
【請求項5】前記発熱体が、空気の存在下で発熱する発熱組成物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の芳香療法用温熱貼着体。
【請求項6】前記発熱組成物が、多孔質天然鉱物を含む請求項5に記載の芳香療法用温熱貼着体。
【請求項7】前記発熱体が、水と反応して発熱する発熱組成物である請求項2〜4のいずれか1項に記載の芳香療法用温熱貼着体。
【請求項8】前記温熱貼着体の皮膚に接触する底面に、凹状の空気室を形成し、該凹状の空気室の上壁に、前記治療用香り発生物質を含む層を設け、該治療用香り発生物質を含む層をその上面又は上面及び側面の発熱体を含む層によって加熱するようにし、加熱により発生した香りを放出するように構成してなる請求項2〜7のいずれか1項に記載の芳香療法用温熱貼着体。
【請求項9】前記発熱体が、40〜80℃に発熱する請求項1〜8のいずれか1項に記載の芳香療法用温熱貼着体。
【請求項10】人体のツボに貼着させる請求項1〜9のいずれか1項に記載の芳香療法用温熱貼着体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、芳香療法用温熱貼着体に係り、詳記すれば、香りを嗅ぐことによる治療効果と、温熱を加えて香り成分を更に皮膚の深部に浸透させる効果と、使用の目的に応じて、ツボ用パターンを利用すれば、その温熱刺激が針灸と同じ、或いはそれ以上の効果を付与させた芳香療法用温熱貼着体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】天然ヒノキを例に挙げれば、その芳香には、抗菌効果やリラクゼーション効果があることが、古くから経験的に知られている。このヒノキの香りの物質は、室内芳香剤、入浴剤、肌マッサージ用、蒸気吸入用、内服(お茶や料理)用等、多岐にわたって利用され、最近も普及しつつある。
【0003】香りが人の心理面と生理面に影響を与えることが証明されている。同じヒノキを例に挙げると、ヒノキの芳香を吸入すると、森林浴を強く感じさせ、血圧を下げると共に作業能力を上昇させると言われている。また、心理面では、「緊張」や「疲労」を減少させる働きがあり、更に脳波を調べてもリラクゼーション効果があることが実証されている。
【0004】このように芳香療法は、素材が天然の物質なので、西洋医学や合成薬品と比べて、副作用や毒性が極めて少なく、安全性が高い。
【0005】しかしながら、香りを発生させる場所や設備が必要であること、或いは治療として即席の効果が期待できない等の問題点があるので、上記の利点があるにもかかわらず、その応用範囲が制限されているのが実状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】この発明は、このような点に着目してなされたものであり、香りの効果、香りを発生させる物質の皮膚への浸透効果、更に温熱の効果及び人体のツボを利用する効果を複合的、相乗的に発揮し得る芳香療法用温熱貼着体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究の結果、発熱体によって、香りを発散させる効果と香りを発生させる物質を皮膚深部に浸透させる効果とを付与させることができるほか、発熱体で皮膚(経絡のツボ)に熱刺激を加えれば、充分に病気の予防や治療などの即効が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0009】即ち、本発明は、発熱体と治療用香り発生物質とを有し、前記発熱体の熱によって、前記治療用香り発生物質から発生した香りを周囲に放出し得るようにしたことを特徴とする。
【0010】本発明の温熱貼着体は、これを人体に貼着させて、香り発生物質からの成分を皮膚に浸透し得るようにすると効果的である。
【0011】しかしながら、衣服に貼着させたり、使い捨てカイロのように身に付けても香りの効果は十分発揮する。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】本発明に使用する香り発生物質は、固体でも良いが、液体の精油(香油)を使用するのが好ましい。
【0014】このようなものとしては、例えば、ヒノキの精油が挙げられる。ヒノキの精油は、喘息やアトピー性皮膚炎など、アレルギー疾患の原因となるダニの繁殖を抑える効果があるほか、その抗菌作用によって、アトピーを悪化させる黄色ブドウ球菌の育成を抑える効果もあるので、本発明に使用するのに好適である。
【0015】また、ユーカリ、タイム、ラベンダー、ミント等の精油も強力な防腐剤兼抗菌物質となっている。これらは、インフルエンザに悩まされる時期に、予防と治療の目的で本発明に使用すると良い。
【0016】その他、例えば、心配性にはバジル、不眠症にはカミミール、憂鬱症にはアンゼリカ等を効果的に使用することができる。
【0017】図1は、本発明の実施例を示すものであり、香油(精油)を含む層1を皮膚に接触する下層とし、発熱体を含む層2を上層とした例を示す。香油を含む層1及び発熱体を含む層2は、通気性の袋状体に内装し、両者を貼着により一体化させている。
【0018】上記実施例では、香油を含む層1と発熱体を含む層2との二層に形成しているが、図2に示すようにこれらを混合して一層としても良い。
【0019】本発明に使用する発熱体としては、空気の存在下で発熱する発熱組成物を使用するのが好ましい。
【0020】このような発熱組成物としては、例えば鉄粉、無機塩(例えば食塩)、木炭(又は活性炭)及び水との混合物からなる公知の使い捨てカイロを使用すれば良い。
【0021】上記組成物に、バーミキュライト、焼成バーミキュライト、麦飯石等の多孔質天然鉱物を含有させると、熱によって遠赤外線が発生するため更に効果的である。
【0022】上記したように、空気の存在下で発熱する発熱組成物を使用する場合は、発熱組成物は、使い捨てカイロのように、空気が流通し得る発熱保温袋に内装すると良い。
【0023】発熱組成物は、40〜80℃程度に発熱し、熱の持続時間が、30分~12時間で、平均温度50〜60℃となるように、成分調整すると良い。
【0024】発熱温度及び熱の持続時間は、使用(治療)目的に応じて、適宜選択すれば良い。
【0025】また発熱体としては、水と反応して発熱するものを使用することもできる。このようなものとしては、例えば生石灰が挙げられる。
【0026】水と反応して発熱する発熱体を使用する場合は、例えば、生石灰に、使用時水と治療用香油とを噴霧すると良い。
【0027】図1及び図2に示す温熱貼着体3は、図3(皮膚に直接貼るタイプ)に示すように、皮膚(経絡のツボ)4に粘着剤を介して貼着させると良い。粘着剤は、例えば温熱貼着体3底面の外周に塗布し、その上に剥離紙を貼り付けておくと良い。
【0028】図4(皮膚から一部離れて貼るタイプ)は、本発明の他の実施例を示すもので、発熱体を含む層2は、皮膚(経絡のツボ)4に接触する底面の中央部に凹状の空気室5を形成した形状に形成し、該空気室5の上壁に治療用香油を含む層1を貼着させた例を示す。
【0029】空気室5が発熱体を含む層2によって加熱されると、空気の対流作用が起こり、治療用香油を含む層1から発散した香油の成分が、皮膚から吸収され易くなる。
【0030】発熱体を含む層2は、皮膚(経絡のツボ)4に粘着剤6を介して貼りつけられている。この部分から、伝導によって、発熱体を含む層2からの熱が皮膚の下へ伝わり、皮膚に熱の刺激を加え、体の組織を活性化させ、血液の循環を高め身体内に潜在する自然治癒力を引き出す。
【0031】発熱体を含む層2に、焼成バーミキュライト等の天然鉱物を混合しておくと、9ミクロンの熱線、即ち遠赤外線が放出されて、放射により、熱が体の深部まで浸透する。
【0032】上記実施例においては、発熱体を含む層2は、空気が十分流通し得る保温袋に内装されているので、香油が加熱されて発生した香りは、支障なく周囲に発散される。
【0033】しかしながら、十分発散し難い場合には、図5の実施例に示すように、発熱体を含む層2の上端には、香り出口となる開口7を形成し、治療用香り油が加熱されて発生した香りは、この出口から放出され、人間がその臭いを嗅ぐことができるようにすると良い。
【0034】本発明の温熱貼着体は、治療用香油の種類に応じて、広範囲の病気の治療に使用することができる。
【0035】また、本発明の温熱貼着体は、従来の温熱貼着体と同様に、健康の増進、免疫機能の増強、自然治癒力の向上、病気の予防及び各種症状の治療にも有効である。
【0036】また、本発明に使用する精油には、一般に抗菌作用がある。本発明は、この精油に熱を加えて、更に抗菌作用を高め、殺菌作用を付与する効果を与える。
【0037】本発明は、長時間経絡のツボを熱刺激することができるので、温刺激が経絡を通し、呼吸や血液循環、体液など生体の基本的な働きを維持する血液の流れをスムーズにして、治療効果を著しく高める。
【0038】また、温熱により、筋肉の凝りをほぐす効果があるが、更に、そこにヒノキやベランダーのような芳香を加え、リラックスさせて、自律神経の緊張を取ることによって、末梢の血管が開き、筋肉の疲労物質がより早く運び出される効果が得られる。
【0039】精油には、一度表皮を透過し、皮膚の深部にまで浸透すれば、それからさまざまな臓器、腺などの組織に移動する力があるので、真皮の毛細血管に入り、血液及びリンパ液に乗って身体の各部に行き渡り、精油の治療効果を効果的に発揮する。
【0040】本発明によれば、温熱を加えているので、精油の有効成分を皮膚の深部に浸透させる浸透効果を著しく高めることができる。
【0041】本発明の温熱貼着体は、四角形、丸等その形状は特に限定されない。また、大きさも使用目的に応じて適宜選択すれば良い。
【0042】
【発明の効果】以上のべた如く、本発明によれば、芳香療法を非常に便利で、安価な温熱貼着体で行うことができるほか、病気の治療とともにリラクゼーションを感じさせるから心身両面に効果的であり、しかも温熱によって精油の芳香分子の皮膚からの浸透と臭覚器官(鼻)の神経の刺激を増進させ、治療効果を著しく高めることができる。
【0043】また、本発明は、自分で皮膚に貼り付けることができ、しかも、仕事をしながら行うことができるし、病院やホームで使用しても周囲の人に悪い影響(お灸のように煙やイヤな臭いなどに悩まされない)を与えなくてもおこなうことができるほか、やけどの恐れが無く、長時間貼りつけたまま行動できる等多くの利点を併有する。
【0044】上記のような利点があるので、本発明の温熱貼着体は、住宅ケア、老人福祉施設、病院等種々の分野での活用が期待できる。
【出願人】 【識別番号】598071404
【氏名又は名称】王 曼
【出願日】 平成11年3月8日(1999.3.8)
【代理人】 【識別番号】100080274
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 仁義
【公開番号】 特開2000−254204(P2000−254204A)
【公開日】 平成12年9月19日(2000.9.19)
【出願番号】 特願平11−60520