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【発明の名称】 人工砂浴装置およびその洗浄方法
【発明者】 【氏名】駒崎 喜三郎

【氏名】荻沼 国明

【要約】 【課題】汚れによる臭気の発生を防止すると共に稼働率を向上する。

【解決手段】砂層4の深さ40cmよりも下の所に木炭9を埋設して臭気を吸着させると共に、排気管7を設けて加熱消毒後に排気冷却する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入浴者が埋まる砂層と、その砂層の砂を加熱する加熱手段とを備えた人工砂浴装置において、前記砂層の深さ40cmよりも下の所に木炭および活性炭の少なくとも一方を埋設したことを特徴とする人工砂浴装置。
【請求項2】 請求項1に記載の人工砂浴装置において、前記砂層から排水するための排水手段と、前記砂層から排気するための排気手段とを具備したことを特徴とする人工砂浴装置。
【請求項3】 請求項2に記載の人工砂浴装置の洗浄方法であって、(1)前記砂層に洗浄水を散布し、前記排水手段により洗浄水を排水する洗浄工程と、(2)前記加熱手段で加熱して前記砂層を消毒する加熱消毒工程と、(3)前記排気手段により排気して前記砂層の温度を下げる冷却工程とを有することを特徴とする人工砂浴装置の洗浄方法。
【請求項4】 請求項3に記載の人工砂浴装置の洗浄方法において、前記洗浄水として、次亜塩素酸ソーダ水溶液を用いることを特徴とする人工砂浴装置の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工砂浴装置およびその洗浄方法に関し、更に詳しくは、汚れによる臭気の発生を防止できると共に稼働率を向上することができる人工砂浴装置およびその洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】日本温泉管理士会誌No.13(1994)第15頁〜第27頁には、コンクリート箱枠の底に割栗層を設け、その上に玉砂利層を設け、その上に入浴者が埋まる砂層を設け、さらにその砂層を加熱するスチームパイプを前記玉砂利層に埋設した構造の人工砂浴装置が開示されている。また、汗等による砂の汚れ対策として、加熱蒸気により滅菌し、散水により冷却することが開示されている。
【0003】関連する従来技術は、例えば実開昭61−139228号公報、実開平1−69535号公報、実開平3−104344号公報等に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の人工砂浴装置では、散水と加熱蒸気滅菌を頻繁に繰り返さないと、汗等による砂の汚れで、臭気が発生する問題点がある。一方、散水と加熱蒸気滅菌をしている間は入浴できないため、散水と加熱蒸気滅菌を頻繁に繰り返すと、人工砂浴装置の稼働率が低下してしまう問題点がある。そこで、本発明の目的は、汚れによる臭気の発生を防止できると共に稼働率を向上することができる人工砂浴装置およびその洗浄方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の観点では、本発明は、入浴者が埋まる砂層と、その砂層の砂を加熱する加熱手段とを備えた人工砂浴装置において、前記砂層の深さ40cmよりも下の所に木炭および粒状活性炭の少なくとも一方を埋設したことを特徴とする人工砂浴装置を提供する。上記第1の観点による人工砂浴装置では、埋設した木炭および/または粒状活性炭が臭気を吸着するため、臭気の発生を防止できる。また、臭気の発生を防止できるため、砂層の洗浄の回数を減らすことができ、稼働率を向上することができる。
【0006】第2の観点では、本発明は、上記第1の観点の人工砂浴装置において、前記砂層から排水するための排水手段と、前記砂層から排気するための排気手段とを具備したことを特徴とする人工砂浴装置を提供する。上記第2の観点による人工砂浴装置では、砂層に洗浄水を散布し、排水手段により排水し、加熱手段で加熱することにより、砂層を加熱消毒することができる。さらに、加熱後、排気して砂層の温度を下げるため、短時間で入浴できるようになり、稼働率を向上することができる。
【0007】第3の観点では、本発明は、上記第2の観点の人工砂浴装置の洗浄方法であって、(1)前記砂層に洗浄水を散布し、前記排水手段により洗浄水を排水する洗浄工程と、(2)前記加熱手段で加熱して前記砂層を消毒する加熱消毒工程と、(3)前記排気手段により排気して前記砂層の温度を下げる冷却工程とを有することを特徴とする人工砂浴装置の洗浄方法を提供する。上記第3の観点による人工砂浴装置の洗浄方法では、洗浄水の散布、排水および加熱により、砂層を加熱消毒することができる。さらに、加熱後、排気により砂層の温度を下げるため、短時間で入浴できるようになり、稼働率を向上することができる。
【0008】第4の観点では、本発明は、上記第3の観点の人工砂浴装置の洗浄方法において、前記洗浄水として、次亜塩素酸ソーダ水溶液を用いることを特徴とする人工砂浴装置の洗浄方法を提供する。上記第4の観点による人工砂浴装置の洗浄方法では、次亜塩素酸ソーダ水溶液により砂層を塩素消毒できる。さらに、排気により、塩素臭も除去できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図に示す発明の実施の形態により本発明をさらに詳しく説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。図1は、本発明の一実施形態にかかる人工砂浴装置の模式図である。この人工砂浴装置100は、コンクリート箱枠1と、そのコンクリート箱枠1の底に設けた厚さ350〜400mmの割栗層2と、その割栗層2上に設けた厚さ300〜350mmの砂利層3と、その砂利層3上に設けた厚さ600〜1000mmの砂層4とを具備している。
【0010】前記コンクリート箱枠1の壁体の芯部には、熱を外部へ逃がさないようにし熱エネルギーの損失を防止するための断熱材5が挿設されている。また、前記コンクリート箱枠1の底には、排水管6と排気管7とが連設されている。また、前記排水管6には、バルブ6aが設置されている。さらに、前記排気管7には、ブロア7aが設置されている。
【0011】前記砂利層3には、蒸気管8が埋設されている。この蒸気管8の蒸気吹出口は、砂で詰らないように、下向きに開口している。また、前記蒸気管8は、バルブ8aを介して、図示せぬ蒸気供給装置に連結されている。
【0012】前記砂層4には、多数の木炭9が埋設されている。一つの木炭9は、直径50〜100mm,長さ300〜500mmである。堀り返しにより露呈しないように、また、入浴者に接触しないように、木炭9は、砂層4の深さ40cmよりも深い所に埋設されている。また、蒸気加熱により木炭9の脱臭作用を再生するため、木炭9は、前記蒸気管8の近傍に埋設されている。さらに、図2に示すように、多数の木炭9は、千鳥格子状に配置されている。このように配置することにより、浴槽面積に対して20〜50%の面積になるように木炭9を敷設できる。
【0013】なお、木炭9を敷設する代りに、砂層4の最下部の厚さ50mm位の部分に粒状活性炭を20〜50重量%混合してもよい。
【0014】前記砂層4の上方には、散水管10が設置されている。この散水管10は、散水管バルブ10aおよび散水用ポンプ10bを介して、洗浄水タンク11に連結されている。また、前記散水管バルブ10aと前記散水用ポンプ10bの間に、次亜塩素酸ソーダ水溶液注入用ポンプ10cを介して、次亜塩素酸ソーダ水タンク12が連結されている。この次亜塩素酸ソーダ水タンク12には、5〜10ppm次亜塩素酸ソーダ水溶液が貯溜されている。そして、前記次亜塩素酸ソーダ水溶液注入用ポンプ10cにより、洗浄水に次亜塩素酸ソーダ水溶液を流量可変注入することが出来る。
【0015】さらに、前記排水管バルブ6a,前記排気用ブロア7a,前記蒸気管バルブ8a,前記散水管バルブ10a,前記散水用ポンプ10bおよび前記次亜塩素酸ソーダ水溶液注入用ポンプ10cを制御する運転制御部20が設けられている。
【0016】図3は、人工砂浴装置100の運転のフロー図である。初期状態では、前記排水管バルブ6a,前記蒸気管バルブ8aおよび前記散水管バルブ10aは閉状態にあり、前記排気用ブロア7a,前記散水用ポンプ10bおよび前記次亜塩素酸ソーダ水溶液注入用ポンプ10cは停止状態にある。
【0017】ステップST1では、運転制御部20は、砂層4中に埋設した図示せぬ温度センサにより検出した砂層4の温度が約45℃未満であると、前記蒸気管バルブ8aを開いて圧力1.5kg/cm2〜5kg/cm2の加熱水蒸気(120℃以上)を前記蒸気管8から噴射し、砂層4を加熱する。そして、砂層4の温度が約50℃になると、前記蒸気管バルブ8aを閉じる。これを繰り返し、砂層4の温度を適温に維持し、入浴させる。ステップST2では、洗浄する指示を管理者が入力したか否かを判定し、洗浄する指示がなければ前記ステップST1に戻り、洗浄する指示があればステップST3へ進む。
【0018】ステップST3では、運転制御部20は、前記蒸気管バルブ8aを閉じ、前記散水管バルブ10aを開くと共に前記散水用ポンプ10bおよび前記次亜塩素酸ソーダ水溶液注入用ポンプ10cを作動させ、前記散水管10から次亜塩素酸ソーダ水溶液を混合した洗浄水を散布する。洗浄水は次亜塩素酸ソーダ水溶液を含むため、砂層4は塩素消毒される。また、運転制御部20は、適当に前記排水管バルブ6aを開閉し、洗浄水が溜まりすぎないように調整する。
【0019】ステップST4では、運転制御部20は、前記散水管バルブ10aを閉じると共に前記散水用ポンプ10bおよび前記次亜塩素酸ソーダ水溶液注入用ポンプ10cを停止させ、前記排水管バルブ6aを開いて、洗浄水を排水する。排水後、前記排水管バルブ6aを閉る。
【0020】ステップST5では、運転制御部20は、前記蒸気管バルブ8aを開いて加熱水蒸気を前記蒸気管8から約10分間噴射し、砂層4を加熱消毒する。
【0021】ステップST6では、運転制御部20は、前記蒸気管バルブ8aを閉じ、前記排気用ブロア7aを作動させ、約100℃となっている砂層4の温度を約50℃まで下げ、前記排気用ブロア7aを止める。そして、前記ステップST1に戻る。
【0022】以上の人工砂浴装置100によれば、次の効果が得られる。
(1) 入浴者から砂層4に浸出した汗などは、洗浄水と共に流下し、大部分は排水管6から排出されるが、一部はコンクリート箱枠1の底部や割栗層2や砂利層3に付着残留し、臭気源となり、臭気が上昇してくる。しかし、上昇してきた臭気は、木炭9に吸着されるため、入浴者まで上がってくることはない。よって、臭気の発生を防止することが出来る。
(2) 加熱消毒後、排気により冷却するので、入浴できるまでの待ち時間を短縮できる。よって、稼働率を向上できる。
(3) 洗浄水として次亜塩素酸ソーダを用いているため、塩素消毒できる。
【0023】
【発明の効果】本発明の人工砂浴装置およびその洗浄方法によれば、木炭および/または活性炭により臭気の発生を防止できるので、快適に入浴できる。また、加熱蒸気滅菌の回数も減らすことが出来るので、稼働率を向上することが出来る。さらに、加熱消毒後、排気冷却するので、入浴できるまでの待ち時間を短縮できる。よって、稼働率を向上できる。
【出願人】 【識別番号】000193508
【氏名又は名称】水道機工株式会社
【出願日】 平成10年9月1日(1998.9.1)
【代理人】 【識別番号】100095511
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 紳志郎
【公開番号】 特開2000−70324(P2000−70324A)
【公開日】 平成12年3月7日(2000.3.7)
【出願番号】 特願平10−247297