| 【発明の名称】 |
車椅子用固定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】高山 弥一郎
【氏名】寺尾 健
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| 【要約】 |
【課題】車椅子を確実に固定することができる車椅子用固定装置を提供する。
【解決手段】ガイドレール25の右作動ベース27にリードスクリュー30を支持した支持部材31及びモータ32を設け、リードスクリュー30に螺合する被駆動ナット33を左作動ベース26に設ける。左右固定ブロック42,43に左右ガイドアーム44,45を回動可能に支持し、各ガイドアーム44,45に左右フック48,49を回動可能に支持する。各フック48,49の基端に、左右作動ベース26,27のブラケット28,29に支持された左右作動伝達アーム50,51を連結する。左右作動ベース25,26を近接方向へ移動した際に左右ガイドアーム44,45の下端部に当接する左右プッシュバー35,36を左右作動ベース25,26より延出させる。フック48,49と作動伝達アーム50,51は互いに当接し、フック48,49の傾倒方向への回動を規制する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フロアに固定される装置本体と、該装置本体のケーシングに設けられた固定ブロックと、該固定ブロックに回動自在に支持されたガイドアームと、該ガイドアームの上端部に回動自在に支持され、一方の自由端部に鉤状のフック部を有するフックと、該フックの他方の自由端部を、先端部にて回動自在に支持する作動伝達アームと、該作動伝達アームの基端部を回動自在に支持する作動ベースと、該作動ベースを、前記装置本体のケーシングの左右方向に沿って前記固定ブロックへ近づく方向及び離れる方向へ移動する移動手段と、前記作動ベースより延出され、該作動ベースが前記近づく方向へ移動された際に前記ガイドアームの下端部を押圧するプッシュバーと、により構成し、前記移動手段により前記作動ベースを前記離れる方向へ移動した際に、前記作動伝達アームを介して前記フックを起立方向へ回動させ、該フックが、前記装置本体上に位置決めされた車椅子のフレームに当接される当接状態と、前記フックの回動が前記当接により阻止され、前記フックを支持した前記ガイドアームの倒れる方向への回動が開始され、前記フックが前記フレームを摺動しつつ、下方へ移動される下方移動状態と、前記フックの下方への移動に伴い、該フックの前記フック部を、前記フレームに掛止させ、かつ下方へ付勢する下方付勢状態と、を形成可能に構成する一方、前記移動手段により前記作動ベースを前記近づく方向へ移動した際に、前記作動伝達アームを介して前記フックを倒れる方向へ回動させ、かつ前記作動ベースより延出した前記プッシュバーにより、前記ガイドアームの下端部を押圧して、該ガイドアームの上端部を下方へ回動させるとともに、前記作動伝達アームと、該作動伝達アームにより回動される前記フックとに、互いに当接して当該フックの倒れる方向への回動を規制する傾倒規制当接部を設定したことを特徴とする車椅子用固定装置。 【請求項2】 前記ガイドアームに対する前記フックの回動軸と、前記作動ベースに対する前記作動伝達アームの回動軸とを結ぶ仮想線を想定するとともに、該仮想線を境とした一方側に、前記作動伝達アームに対する前記フックの回動点の移動領域を設定する一方、前記下方付勢状態を形成する際に、前記仮想線より他方側への前記回動点の移動を規制する規制構造を、前記作動伝達アーム及び前記フックに設定された互いに当接する移動規制当接部により構成したことを特徴とする請求項1記載の車椅子用固定装置。 【請求項3】 フロアに固定される装置本体と、該装置本体のケーシングに左右方向に沿って延設されたガイドレールと、該ガイドレールの左側及び右側の部位に設けられた一対の左右固定ブロックと、各固定ブロックのそれぞれに回動自在に支持された左右ガイドアームと、各ガイドアームの上端部にそれぞれ回動自在に支持され、一方の自由端部に鉤状のフック部を有する左右フックと、各フックのそれぞれの他方の自由端部を、先端部にて回動自在に支持する左右作動伝達アームと、各作動伝達アームの基端部をそれぞれ回動自在に支持するとともに、前記ガイドレールに沿って各々移動自在に設けられた左右作動ベースと、両作動ベースの一方に設けられ、他方の作動ベース側へ延出するリードスクリューを回転可能に支持した支持部材と、該支持部材に支持された前記リードスクリューを回転させる回転手段と、前記他方の作動ベースに設けられ、前記リードスクリューに螺合して、該リードスクリューの回転に伴い、前記左右作動ベースを互いに近接する近接方向及び離間する離間方向へ移動する螺合部材と、前記左右作動ベースの各々より延出され、両作動ベースが前記離間方向へ移動された際に前記左右ガイドアームの下端部をそれぞれ押圧する左右プッシュバーと、により構成し、前記リードスクリューを回転させ、前記左右作動ベースを前記近接方向へ移動した際に、前記左作動伝達アームにより起立方向へ回動される前記左フックが、前記装置本体上に位置決めされた車椅子の左フレーム構成部材に当接され、その回動が阻止された時点より前記左フックを支持する左ガイドアームが倒れる方向へ回動され、前記左フックが前記左フレーム構成部材を摺動しつつ下方へ移動され、前記左フックが前記左フレーム構成部材に掛止され、かつ下方へ付勢された状態で前記左作動ベースの移動が停止される左フレーム固定行程と、前記右作動伝達アームにより起立方向へ回動される前記右フックが、前記装置本体上に位置決めされた車椅子の右フレーム構成部材に当接され、その回動が阻止された時点より前記右フックを支持する右ガイドアームが倒れる方向へ回動され、前記右フックが前記右フレーム構成部材を摺動しつつ下方へ移動され、前記右フックが前記右フレーム構成部材に掛止され、かつ下方へ付勢された状態で前記右作動ベースの移動が停止される右フレーム固定行程と、を形成可能に構成するとともに、前記左フレーム固定行程及び前記右フレーム固定行程のいずれか一方の行程が先行して終了した場合であっても他方の行程を継続させる一方、前記リードスクリューを回転させ、前記左右作動ベースを前記離間方向へ移動した際に、前記左右作動伝達アームを介して前記左右フックのそれぞれを内側へ倒れる方向に回動させ、かつ前記左右作動ベースより延出した前記左右プッシュバーにより、前記左右ガイドアームの下端部を押圧して、両ガイドアームの上端部を下方へ回動させるとともに、前記左右作動伝達アームと、各作動伝達アームにより回動される左右フックとに、互いに当接してそれぞれのフックの倒れる方向への回動を規制する傾倒規制当接部を設定したことを特徴とする車椅子用固定装置。 【請求項4】 前記各ガイドアームに対するそれぞれのフックの回動軸と、前記各作動ベースに対するそれぞれの作動伝達アームの回動軸とを結ぶ左右の仮想線を想定するとともに、各々の仮想線を境とした一方側に、前記各作動伝達アームに対するそれぞれのフックの回動点の移動領域を設定する一方、前記各フックが、対応するフレーム構成部材を下方へ付勢した下方付勢状態を形成する際に、各々の仮想線における他方側へのそれぞれの回動点の移動を規制する規制構造を、前記各作動伝達アーム及び前記各フックに設定された互いに当接する移動規制当接部により構成したことを特徴とする請求項3記載の車椅子用固定装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、装置本体上に配置された車椅子のフレームを掛止して固定する車椅子用固定装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、車椅子利用者が遠方へ移動する際には、図14に示すようなマイクロバスやワンボックスカーなどの車両201が使用されている(実開昭62−1620号公報参照)。この車両201には、後部に乗員室202が設けられており、該乗員室202のフロア203には、車椅子204を固定する車椅子用固定装置が複数カ所に設けられている。 【0003】前記車椅子204は、図15に示すように、パイプ材が矩形状に形成されてなるフレーム205及び該フレーム205を左右に架橋したシート材206により形成された椅子本体207と、該椅子本体207より前方へ延出した足掛け部208と、前記椅子本体207の前部及び後部に設けられた自在輪209及び駆動輪210とにより構成されており、前記車椅子用固定装置は、前記足掛け部208に襷掛けされる前部用帯体211と、前記駆動輪210に襷掛けされる側部帯体212とを備えている。両帯体211,212は、その一端が前記フロア203に固定されており、他端には、フロア203に設けられた取り付け部213に係止されるバックル214が設けられている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記車椅子用固定装置にあっては、車椅子204をフロア203に固定する際に、各帯体211,212を、足掛け部208あるいは駆動輪210に襷掛けするとともに、その先端に設けられたバックル214を、フロア203に設けられた取り付け部213に係止しなければならず、固定作業が面倒で、介護者の負担が大きかった。 【0005】これを解決するために、モータ駆動により車椅子204を固定する装置も考案されているが、車椅子204を所定の固定位置に正確に位置決めしなければならず、車椅子204の操作が大変であった。さらに、車椅子204のサイズやメーカーによる差違に合わせて装置の一部を変更する必要があり、コスト高となってしまう。 【0006】本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、装置の変更を伴うことなく、車椅子を確実に固定することができる車椅子用固定装置を提供することを目的とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために本発明の請求項1の車椅子用固定装置にあっては、フロアに固定される装置本体と、該装置本体のケーシングに設けられた固定ブロックと、該固定ブロックに回動自在に支持されたガイドアームと、該ガイドアームの上端部に回動自在に支持され、一方の自由端部に鉤状のフック部を有するフックと、該フックの他方の自由端部を、先端部にて回動自在に支持する作動伝達アームと、該作動伝達アームの基端部を回動自在に支持する作動ベースと、該作動ベースを、前記装置本体のケーシングの左右方向に沿って前記固定ブロックへ近づく方向及び離れる方向へ移動する移動手段と、前記作動ベースより延出され、該作動ベースが前記近づく方向へ移動された際に前記ガイドアームの下端部を押圧するプッシュバーと、により構成し、前記移動手段により前記作動ベースを前記離れる方向へ移動した際に、前記作動伝達アームを介して前記フックを起立方向へ回動させ、該フックが、前記装置本体上に位置決めされた車椅子のフレームに当接される当接状態と、前記フックの回動が前記当接により阻止され、前記フックを支持した前記ガイドアームの倒れる方向への回動が開始され、前記フックが前記フレームを摺動しつつ、下方へ移動される下方移動状態と、前記フックの下方への移動に伴い、該フックの前記フック部を、前記フレームに掛止させ、かつ下方へ付勢する下方付勢状態と、を形成可能に構成する一方、前記移動手段により前記作動ベースを前記近づく方向へ移動した際に、前記作動伝達アームを介して前記フックを倒れる方向へ回動させ、かつ前記作動ベースより延出した前記プッシュバーにより、前記ガイドアームの下端部を押圧して、該ガイドアームの上端部を下方へ回動させるとともに、前記作動伝達アームと、該作動伝達アームにより回動される前記フックとに、互いに当接して当該フックの倒れる方向への回動を規制する傾倒規制当接部を設定した。 【0008】すなわち、前記車椅子用固定装置にて車椅子を固定する場合には、移動手段により作動ベースを前記離れる方向へ移動して、装置本体のケーシングに倒伏された状態で維持されたフックを車椅子のフレームに当接するまで回動させる。すると、前記フックは、前記フレームに当接されたことよりそれ以上の回動が阻止されるとともに、フックを支持するガイドアームの回動が開始される。このとき、フレームに当接した前記フックは、フレームを摺動しつつ下方へ移動され、やがて、前記フレームに掛止されるとともに、下方へ付勢される。これにより、装置本体上に位置決めされた車椅子は、そのフレームが、前記フックによって、フロアに固定された装置本体に掛止された状態で付勢される。したがって、鉤状のフック部の回動軌跡内にある車椅子のフレームは掛止でき、車椅子のフレームが種々あっても本装置1つで対応できる。 【0009】一方、車椅子のフレームを掛止した前記フックを格納する際には、前記移動手段により前記作動ベースを前記近づく方向へ移動し、前記フックを、前記作動伝達アームを介して倒れる方向へ回動させる。このとき、前記フックを先端部にて支持するガイドアームは、その下端部が前記作動ベースより延出したプッシュバーにより押圧され、前記フックを支持する上端部が下方へ回動されるので、この上端部に設定された前記フックの支持点は下方へ移動される。また、前記作動伝達アームと、該作動伝達アームにより回動される前記フックとには、互いに当接する傾倒規制当接部が設定されており、前記作動伝達アームと前記フックとが前記傾倒規制当接部にて当接した時点で、前記フックの倒れる方向への回動が規制される。 【0010】また、請求項2の車椅子用固定装置においては、前記ガイドアームに対する前記フックの回動軸と、前記作動ベースに対する前記作動伝達アームの回動軸とを結ぶ仮想線を想定するとともに、該仮想線を境とした一方側に、前記作動伝達アームに対する前記フックの回動点の移動領域を設定する一方、前記下方付勢状態を形成する際に、前記仮想線より他方側への前記回動点の移動を規制する規制構造を、前記作動伝達アーム及び前記フックに設定された互いに当接する移動規制当接部により構成した。 【0011】すなわち、前記ガイドアームに対する前記フックの回動軸と、前記作動ベースに対する前記作動伝達アームの回動軸とを結ぶ仮想線を境とした一方側に、前記作動伝達アームに対する前記フックの回動点の移動領域が設定される一方、車椅子のフレームを掛止して下方へ付勢する際には、前記作動伝達アームと前記フックとが、移動規制当接部にて当接することにより、前記作動伝達アームに対する前記フックの回動点の前記仮想線を越えた他方側への移動が規制される。 【0012】そして、請求項3の車椅子用固定装置にあっては、フロアに固定される装置本体と、該装置本体のケーシングに左右方向に沿って延設されたガイドレールと、該ガイドレールの左側及び右側の部位に設けられた一対の左右固定ブロックと、各固定ブロックのそれぞれに回動自在に支持された左右ガイドアームと、各ガイドアームの上端部にそれぞれ回動自在に支持され、一方の自由端部に鉤状のフック部を有する左右フックと、各フックのそれぞれの他方の自由端部を、先端部にて回動自在に支持する左右作動伝達アームと、各作動伝達アームの基端部をそれぞれ回動自在に支持するとともに、前記ガイドレールに沿って各々移動自在に設けられた左右作動ベースと、両作動ベースの一方に設けられ、他方の作動ベース側へ延出するリードスクリューを回転可能に支持した支持部材と、該支持部材に支持された前記リードスクリューを回転させる回転手段と、前記他方の作動ベースに設けられ、前記リードスクリューに螺合して、該リードスクリューの回転に伴い、前記左右作動ベースを互いに近接する近接方向及び離間する離間方向へ移動する螺合部材と、前記左右作動ベースの各々より延出され、両作動ベースが前記離間方向へ移動された際に前記左右ガイドアームの下端部をそれぞれ押圧する左右プッシュバーと、により構成し、前記リードスクリューを回転させ、前記左右作動ベースを前記近接方向へ移動した際に、前記左作動伝達アームにより起立方向へ回動される前記左フックが、前記装置本体上に位置決めされた車椅子の左フレーム構成部材に当接され、その回動が阻止された時点より前記左フックを支持する左ガイドアームが倒れる方向へ回動され、前記左フックが前記左フレーム構成部材を摺動しつつ下方へ移動され、前記左フックが前記左フレーム構成部材に掛止され、かつ下方へ付勢された状態で前記左作動ベースの移動が停止される左フレーム固定行程と、前記右作動伝達アームにより起立方向へ回動される前記右フックが、前記装置本体上に位置決めされた車椅子の右フレーム構成部材に当接され、その回動が阻止された時点より前記右フックを支持する右ガイドアームが倒れる方向へ回動され、前記右フックが前記右フレーム構成部材を摺動しつつ下方へ移動され、前記右フックが前記右フレーム構成部材に掛止され、かつ下方へ付勢された状態で前記右作動ベースの移動が停止される右フレーム固定行程と、を形成可能に構成するとともに、前記左フレーム固定行程及び前記右フレーム固定行程のいずれか一方の行程が先行して終了した場合であっても他方の行程を継続させる一方、前記リードスクリューを回転させ、前記左右作動ベースを前記離間方向へ移動した際に、前記左右作動伝達アームを介して前記左右フックのそれぞれを内側へ倒れる方向に回動させ、かつ前記左右作動ベースより延出した前記左右プッシュバーにより、前記左右ガイドアームの下端部を押圧して、両ガイドアームの上端部を下方へ回動させるとともに、前記左右作動伝達アームと、各作動伝達アームにより回動される左右フックとに、互いに当接してそれぞれのフックの倒れる方向への回動を規制する傾倒規制当接部を設定した。 【0013】すなわち、前記車椅子用固定装置にて車椅子を固定する場合には、回転手段を作動してリードスクリューを回転させるとともに、左右作動ベースを互いに近接する近接方向へ移動する。すると、左右作動ベースに支持された左右作動伝達アームを介して、左右フックがそれぞれ起立方向へ回動される。このとき、左右フックのいずれか一方、仮に左フックが先行して、装置本体上に位置決めされた車椅子の左フレーム構成部材に当接され、その回動が阻止されたとして、その際には、この時点より前記左フックを支持する左ガイドアームが倒れる方向へ回動され、前記左フックが前記左フレーム構成部材を摺動しつつ下方へ移動される。すると、左フックの下方への移動に伴い、該左フックは、前記左フレーム構成部材を掛止するとともに下方へ付勢される。これにより、装置本体上に位置決めされた車椅子は、そのフレームを形成する左フレーム構成部材が、前記左フックによって、フロアに固定された装置本体に下方へ付勢された状態で掛止される。 【0014】このとき、前記左フックを作動させる前記左作動ベースは停止するが、右フックを作動させる右作動ベースの移動は継続され、右フックの作動は継続されるので、前述と同様に、前記右フックが装置本体上に位置決めされた車椅子の右フレーム構成部材に当接されるまで回動されるとともに、右フレーム構成部材を摺動しつつ下方へ移動され、前記右フレーム構成部材は、前記右フックによって掛止された状態で下方へ付勢される。このように、装置本体上に位置決め配置された車椅子の中心が装置本体の中心位置からずれていて、車椅子のフレームを形成する左右フレーム構成部材が、前記中心位置よりずれていた場合であっても、前記左右フックを左右フレーム構成部材に確実に掛止させることができる。 【0015】一方、車椅子の左右フレーム構成部材を掛止した左右フックを格納する際には、回転手段を作動してリードスクリューを回転させて左右作動ベースを互いに離間する離間方向へ移動し、前記左右フックのそれぞれを、前記左右作動伝達アームにより内側へ倒れる方向に回動される。このとき、前記左右フックを先端部にて支持する左右ガイドアームの各々は、その下端部が前記左右作動ベースより延出した左右プッシュバーによりそれぞれ押圧され、前記左右フックを支持する上端部が下方へ回動されるので、各ガイドアームの上端部に設定された前記左右フックの支持点は下方へ移動される。 【0016】また、前記左右作動伝達アームと、各作動伝達アームにより回動される左右フックとには、互いに当接する傾倒規制当接部が設定されており、前記左右作動伝達アームと前記左右フックとが前記傾倒規制当接部にて当接した時点で、各フックの倒れる方向への回動が規制される。 【0017】さらに、請求項4の車椅子用固定装置においては、前記各ガイドアームに対するそれぞれのフックの回動軸と、前記各作動ベースに対するそれぞれの作動伝達アームの回動軸とを結ぶ左右の仮想線を想定するとともに、各仮想線を境とした一方側に、前記各作動伝達アームに対するそれぞれのフックの回動点の移動領域を設定する一方、前記各フックが、対応するフレーム構成部材を下方へ付勢した下方付勢状態を形成する際に、各々の仮想線における他方側へのそれぞれの回動点の移動を規制する規制構造を、前記各作動伝達アーム及び前記各フックに設定された互いに当接する移動規制当接部により構成した。 【0018】すなわち、前記左右ガイドアームに対する前記左右フックの回動軸と、前記左右作動ベースに対する前記左右作動伝達アームの回動軸とを結ぶ左右の仮想線を境とした一方側に、前記左右作動伝達アームに対する前記左右フックの回動点の移動領域が設定される一方、車椅子の左右フレーム構成部材を掛止して下方へ付勢する際には、前記左右作動伝達アームと前記各フックとのそれぞれが、移動規制当接部にて当接することにより、前記各作動伝達アームに対する前記各フックの回動点の前記各仮想線を越えた他方側への移動が規制される。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1及び図2は、本発明の車椅子用固定装置1を示すものであり、該車椅子用固定装置1は、車両のフロア2、あるいは、車椅子を車両に収容する際に用いられるリフトのフロア2に取り付けられるものである。 【0020】この車椅子用固定装置1は、前記フロア2に開設された開口部よりフロア2内に収容される装置本体5と、車椅子のフレームを固定するフッキング機構6とにより構成されており、前記装置本体5は、図3〜図5にも示すように、前記フッキング機構6を収容する上面開放状のケーシング7と、該ケーシング7の上部開口部を閉鎖する車輪位置決め付カバー8とにより構成されている。この車輪位置決め付カバー8の左右の部位には、図6にも示すように、車椅子9の左右駆動輪10,11が収容される円弧状の凹部となった左右車輪載置部12,13が形成されている。この左右車輪載置部12,13は、車椅子9のサイズの大小に対して、すなわち、車椅子9の左右駆動輪10,11間の間隔の大のものから小のものまで収容可能な幅寸法(左右方向)を有し、かつ、左右駆動輪10,11の径の大のものも収容可能な径の円弧の凹部に形成されている。これにより、両駆動輪10,11の前後の移動を規制するとともに、装置本体5に対する車椅子9の前後位置を位置決めできるように構成されている。また、前記車輪位置決め付カバー8の中央部前方には、左右方向に延在するフックアーム出没スリット14が開設されている。 【0021】前記フッキング機構6は、図5及び図6に示すように、前記装置本体5上に位置決めされた車椅子9のフレーム21を掛止する掛止機構部22と、該掛止機構部22を駆動する駆動部23とからなり、該駆動部23は、図3〜図5に示すように、前記ケーシング7の底面24に左右方向に沿って延設されるガイドレール25と、該ガイドレール25上に各々スライド自在に設けられたボールベアリングを有する左右作動ベース26,27と、両作動ベース26,27に各々ネジ止めされた左右ブラケット28,29と、右ブラケット29に設けられ、左ブラケット28側へ延出するリードスクリュー30を回転可能に支持した支持部材31と、該支持部材31に支持された前記リードスクリュー30を回転させる回転手段としてのモータ32と、前記左ブラケット28に設けられ、前記リードスクリュー30に螺合して該リードスクリュー30の回転に伴い、前記左右作動ベース26,27を互いに近接する近接方向及び離間する離間方向に(これは、後述の左右固定ブロック42,43から離れる方向、左右固定ブロック42,43へ近づく方向である。)へ移動する螺合部材としての被駆動ナット33とにより構成されている。 【0022】前記左作動ベース25には、左方へ突出する左プッシュバー35が、前記左ブラケット28を介して設けられており、前記右作動ベース27には、右方へ突出する右プッシュバー36が、前記右ブラケット29を介して設けられている。そして、前記左右作動ベース26,27は、前記離間方向へ移動された際に、前記ケーシング7に設けられた左右スライドストッパー37,38に当接するように構成されており、両作動ベース26,27の前記離間方向への移動が規制され、前記ガイドレール25からの不用意な抜けが防止されるように構成されている。 【0023】前記掛止機構部22は、前記ガイドレール25の左側及び右側であって、かつ前記ケーシング7の前方側の部位に立設される一対の立設片41,41からなる左右固定ブロック42,43と、各固定ブロック42,43のそれぞれに回動自在に支持された左右ガイドアーム44,45と、各ガイドアーム44,45をそれぞれ起立する方向へ付勢した左右スプリング46(右スプリング46のみ図5にて図示)と、前記各ガイドアーム44,45の上端部にそれぞれ回動自在に支持された左右フック48,49と、各フック48,49のそれぞれの他方の自由端部を、先端部にて回動自在に支持するとともに、基端部のそれぞれが前記左右ブラケット28,29に回動自在に支持された左右作動伝達アーム50,51とにより構成されている。前記左右フック48,49のそれぞれは、前記各ガイドアーム44,45に支持された左右フックアーム52,53と、該左右フックアーム52,53の先端に、基端がネジ止めされるとともに、先端にフック部54,55が形成されたフックバー56,57とにより構成されており、前記左右フックアーム52,53からの前記フックバー56,57の突出量が調整可能に構成されている。 【0024】前記左右フック48,49は、図7〜図9(左フック48のみ図示)に示すように、前記左右ガイドアーム44,45先端に設定された第1の回動点aにて回動自在に軸支されており、前記左右フック48,49は、その下端部に設定された第2の回動点bにて前記各左右作動伝達アーム50,51に回動自在に軸支されている。この左右作動伝達アーム50,51は、その基端部に設定された第3の回動点cにて前記左右ブラケット28,29に回動自在に軸支されており、前記左右ガイドアーム44,45は、基端部に設定された第4の回動点dにて前記左右固定ブロック42,43に軸支されている。そして、前記第1の回動点aと第3の回動点cとを結ぶ仮想線Lを想定した際に、該仮想線Lを境とした下方側に、前記第2の回動点bの移動領域が設定されている。 【0025】前記左右フック48,49の前記左右フックアーム52,53における基端部には、図10(左フックアーム52のみ図示)に示すように、前記左右作動伝達アーム50、51が挿入される溝部61,61が形成されており、該溝部61,61の端部には、一方の移動規制当接部である第1の平坦面62,62が形成されている。また、前記左右作動伝達アーム50,51の先端にも、他方の移動規制当接部としての第2の平坦面63,63が形成されており、この第2の平坦面63,63と前記第1の平坦面62,62とは、図11に示すように、互いに当接することによって、前記第2の回動点bの前記仮想線Lを越えた上方側への移動を規制する規制構造を構成している。また、前記左右フックアーム52,53の前記溝部61,61に形成された前記第1の平坦面62,62の角部は、図12(左フックアーム52のみ図示)に示すように、両フック48,49がケーシング7内に格納された状態で、前記左右作動伝達アーム50,51の上面の部位に当接するように構成されており、両作動伝達アーム50,51の上面と前記第1の平坦面62,62の角部には、互いに当接してそれぞれのフック48,49の倒れる方向への必要以上の回動を規制する第1及び第2の傾倒規制当接部65、65、66,66が設定されている。 【0026】そして、この車椅子用固定装置1は、図5に示したように、固定スイッチ71と格納スイッチ72とを有するコントロールパネル73と、該コントロールパネル73の下部に設けられたコントロールボックス74とを備えており、前記固定スイッチ71又は前記格納スイッチ72が操作された際に、前記コントロールボックス74内に設けられた制御装置が、前記フッキング機構6のモータ32を正転あるいは逆転させるように構成されている。 【0027】すなわち、前記固定スイッチ71が操作された際には、前記モータ32により前記リードスクリュー30を回転させ、前記左右作動ベース26,27を前記近接方向(これは、左右固定ブロック42,43から離れる方向である。)へ移動して、前記左作動伝達アーム50を介して前記左フック48を起立方向へ回動し、左フック48が、前記装置本体5上に位置決めされた車椅子9のフレーム21における左フレーム構成部材75に当接された当接状態と、前記左フック48の回動が前記当接により阻止され、前記左フック48を支持する左ガイドアーム44が倒れる方向へ回動され、前記左フック48が前記左フレーム構成部材75に摺動されつつ下方へ移動される下方移動状態と、前記左フック48が前記左フレーム構成部材75に掛止されかつ下方へ付勢された状態で前記左作動ベース26の移動が停止される下方付勢状態とからなる左フレーム固定行程を形成可能に構成されている。また、前記左右作動ベース26,27の前記近接方向への移動に伴い、前記右作動伝達アーム51を介して、前記右フック49を起立方向へ回動し、右フック49が、前記装置本体5上に位置決めされた車椅子9のフレーム21における右フレーム構成部材76に当接された当接状態と、前記右フック49の回動が前記当接により阻止され、前記右フック49を支持する右ガイドアーム45が倒れる方向へ回動され、前記右フック49が前記右フレーム構成部材76に摺動されつつ下方へ移動される下方移動状態と、前記右フック49が前記右フレーム構成部材76に掛止されかつ下方へ付勢された状態で前記右作動ベース27の移動が停止される下方付勢状態とからなる右フレーム固定行程を形成可能に構成されている。そして、前記左フレーム固定行程及び前記右フレーム固定行程のいずれか一方の行程が先行して終了し、前記左作動ベース26又は右作動ベース27のいずれか一方の作動ベースの移動が停止された場合であっても、他方の作動ベースが移動することによって、他方の行程を継続させるように構成されている。 【0028】一方、前記格納スイッチ72が操作された際には、前記モータ32により前記リードスクリュー30を回転させて、前記左右作動ベース26,27を前記離間方向(これは、左右固定ブロック42,43へ近づく方向である。)へ移動し、図7に示すように、前記左右作動伝達アーム50,51を介して前記左右フック48,49のそれぞれを内側へ倒れる方向に回動させるとともに、装置本体5内に格納できるように構成されている。また、図8及び図9に示すように、前記左右作動ベース26,27より延出した前記左右プッシュバー35,36の先端を、前記左右ガイドアーム44,45の下端部に形成された凹部81,81に当接させるとともに、左右ガイドアーム44,45の下端部を、前記両プッシュバー35,36によって押圧して、両ガイドアーム44,45の上端部を下方へ回動させることができるように構成されている。 【0029】そして、前記コントロールボックス74内に設けられた制御装置は、前記フッキング機構6の左右作動ベース26,27を移動するモータ32への電流を検出する検出回路を有しており、前記左フレーム固定行程と前記右フレーム固定行程との両者が終了し、前記左作動ベース26と右作動ベース27との両者が停止されることによって前記検出回路にて過電流が検出された際、及び、左右フック48,49が格納されるとともに、ケーシング7に設けられた左右スライドストッパー37,38に前記左右作動ベース26,27当接されて停止されることにより、前記検出回路にて過電流が検出された際に、前記モータ32への電力の供給を遮断する遮断回路を備えている。尚、過電流を検出する代わりに、モータ32を速度センサー付モーターとして、リードスクリュー30の回転が停止した時、電力供給を遮断する様にしても良い。 【0030】以上の構成にかかる本実施例において、前記車椅子用固定装置1が設けられたフロア2に車椅子9を固定する際には、先ず、車椅子9の両駆動輪10,11を、車椅子用固定装置1の左右車輪載置部12,13に落とし込み、両駆動輪10,11の前後の移動を規制するとともに、装置本体5に対する車椅子9の前後位置を位置決めした後、車椅子9に設けられたブレーキをかける。そして、コントロールパネル73に設けられた固定スイッチ71を操作して、車椅子用固定装置1に設けられたモータ32を作動させるとともに、該モータ32に設けられた歯車と共にリードスクリュー30を回転させ、前記左右作動ベース26,27を互いに近接する近接方向へ移動する。すると、前記左右作動伝達アーム50,51を介して、左右フック48,49のそれぞれが起立方向へ回動される。 【0031】このとき、後述する条件により左右フック48,49のいずれか一方、仮に前記左フック48が右フック49に先行して、前記装置本体5上に位置決めされた車椅子9のフレーム21の左フレーム構成部材75に当接されたと仮定して、その後の作動を説明すると、その当接により左フック48の回動が阻止された際には、この時点より前記左フック48を支持する左ガイドアーム44が倒れる方向へ回動され、前記左フック48が前記フレーム21の左フレーム構成部材75に摺動されつつ下方へ移動される。すると、左フック48の下方への移動に伴い、該左フック48は、前記左フレーム構成部材75に掛止されるとともに下方へ付勢され、装置本体5上に配置された車椅子9は、そのフレーム21を形成する左フレーム構成部材75が、前記左フック48によってフロア2に固定される。このとき、前記左フック48を作動させる前記左作動ベース26は作動抵抗が大きくなって停止するが、この左作動ベース26の停止により回転を続けるリードスクリュー30の回転が支持部材31を介してモータ32とともに右作動ベース27を移動させる。これにより、右フック49を作動させる右作動ベース27の移動は継続されるので、前述と同様に、前記右フック49が、右固定ブロック43の上方に配置された車椅子9の右フレーム構成部材76に当接されるまで回動されるとともに、前記右フレーム構成部材76は、前記右フック49によって掛止された状態で下方へ付勢され、前記車椅子9は、そのフレーム21を形成する右フレーム構成部材76が、前記右フック49によってフロア2に固定される。また、このとき、左右フック48,49が左右フレーム構成部材75,76に掛止されることで、車椅子9からの反力が左右フック48,49から左右作動ベース26,27に掛り作動抵抗大となり、前記左右作動ベース26,27を移動するモータ32へ流れる電流が増大され、前記コントロールボックス74の制御装置に設けられた検出回路が過電流を検出するので、遮断回路が前記モータ32への電力の供給を遮断した時点で、前記モータ32による前記左右作動ベース26,27の駆動が停止される。 【0032】ここで、左右フック48,49のいずれか一方のフックが先に車椅子9のフレーム21のフレーム構成部材に当接されるのは、次のようないくつかの条件が、単独あるいは複合して作用することにより発生するものである。 【0033】(1)車椅子9のサイズ、具体的には、フレーム21の幅寸法に対応して変わる左右フレーム構成部材75,76の高さ位置の差異。 【0034】(2)車椅子9の製造上の左右フレーム構成部材75,76の高さや、車椅子9の中心から左右フレーム構成部材75,76までの寸法のばらつき。 【0035】(3)装置本体5に対する車椅子9の停止位置(位置決め)が左右のいずれかに片寄って置かれたことによる配置位置の差異。 【0036】(4)モータ32の有無等による左右作動ベース26,27に加わっている重量の差や、ガイドレール25の左右での抵抗差等による左右作動ベース26,27に加わる機械的な抵抗による左右作動ベース26,27の移動抵抗の差。 【0037】そして、これらの(1)〜(4)の条件によって左右フック48,49のいずれか一方のフックが先に車椅子9のフレーム21のフレーム構成部材に当接しても左右フック48,49を、左右フレーム構成部材75,76に確実に掛止させることができる。 【0038】前記状態において、前記装置本体5上に位置決めされた車椅子9は、そのフレーム21を形成する左右フレーム構成部材75,76が、フロア2に設けられた装置本体5の左右フック48,49により下方へ付勢された状態で固定されるので、固定用の帯体をフレーム21や左右駆動輪10,11に襷掛けして固定する必要が無くなる。したがって、前記帯体を、常時フロアに固定しておく必要も無く、これにより未使用時における前記フロアからの前記帯体の不用意な延出を防止することができる。また、帯体を駆動輪10,11に襷掛けするとともに、この帯体の端部に設けられたバックルをフロアに設けられた取り付け部に掛止しなければならなかった従来と比較して、付添人の手を借りなくても車椅子9を固定することができる。 【0039】また、前記左右フック48,49は、前記左右フレーム構成部材75,76に当接するまで円弧を描くように回動されるとともに、左右フレーム構成部材75,76に当接された後に下方向に移動され、前記両フレーム構成部材75,76を下方へ付勢した状態で固定するため、両フック48,49による掛止範囲を広げることができ、前記各フレーム構成部材75,76の配置のばらつきを吸収して固定することができる。 【0040】さらに、左右フック48,49のいずれか一方のフックが先行して一方のフレーム構成部材を掛止した場合であっても、他方のフックが他方のフレーム構成部材を掛止するまで作動が継続されるので、装置本体5上に配置される車椅子9の中心が装置本体5の中心位置からずれていて、車椅子9のフレーム21を形成する左右フレーム構成部材75,76が、前記中心位置よりずれていた場合であっても、前記左右フック48,49を左右フレーム構成部材75,76に確実に掛止させ、固定することができる。 【0041】したがって、車椅子9のサイズ、具体的には、フレーム21の幅寸法に対応して変化する左右フレーム構成部材75,76の間隔や、フレーム21の高さ寸法に対応して変化する左右フレーム構成部材75,76の高さ位置が異なる場合であっても、また、装置本体5に対する車椅子9の停止位置が左右のいずれかに片寄っている場合であっても、確実に掛止固定することができる。 【0042】そして、前記車椅子用固定装置1上に車椅子9が配置されない状態において、前記コントロールパネル73の固定スイッチ71が操作され、前記両フック48,49が作動された場合にあっては、図11(左フックのみ図示)に示したように、前記左右フック48,49の前記左右フックアーム52,53に形成された第1の平坦面62,62が、前記左右作動伝達アーム50,51の先端に形成された第2の平坦面63,63に当接する。これにより、前記左右作動伝達アーム50,51に対する前記左右フック48,49の第2の回動点bが、前記左右ガイドアーム44,45に対する左右フック48,49の第1の回動点aと、前記左右ブラケット28,29に対する前記左右作動伝達アーム50,51の第3の回動点cとを結ぶ各仮想線Lを越えて上方側へ移動し、該仮想線Lの下方側に設定された移動領域から離脱することを防止できる。 【0043】このため、前記各フック48,49の前記第2の回動点bが前記各仮想線Lを越えて前記上方側へ移動されてしまい、前記両フック48,49を傾倒させて装置本体5内に格納する際に、それぞれのフック48,49が格納方向と逆側に傾倒されてしまうといった不具合を確実に防止することができる。これにより、前記第2の回動点bが前記仮想線Lを越えないように、前記左右ガイドアーム44,45の回動を規制する回動ストッパーを設ける場合と比較して、構成する部品点数を削減することができ、低コスト化を図ることができる。 【0044】一方、車椅子9の左右フレーム構成部材75,76を掛止した左右フック48,49を解除して装置本体5内へ格納する際には、コントロールパネル73に設けられた格納スイッチ72を操作して前記モータ32を作動させるとともに、該モータ32に設けられた歯車と共にリードスクリュー30を回転させ、前記左右作動ベース26,27を互いに離間する離間方向へ移動する。すると、図7に示すように、前記左右作動伝達アーム50,51を介して、左右フック48,49のそれぞれが内側へ倒れる方向に回動される。 【0045】このとき、前記左右フック48,49を先端部にて支持する左右ガイドアーム44,45の各々は、図8に示したように、その下端部が前記左右作動ベース26,27に設けられた左右プッシュバー35,36によりそれぞれ押圧移動され(左方のみ図示)、前記左右フック48,49を支持する上端部が下方へ回動される。こにれにより、図9に示すように、各ガイドアーム44,45の上端部に設定された前記左右フック48,49の第1の回動点aを、左右ガイドアーム44,45の第4回動軸点dを中心に、下方へ移動することができるので、前記両フック48,49による掛止範囲を狭くすることなく、倒された格納状態における各フック48,49の高さ位置を低くすることができ、フロア2に固定される装置本体5の薄型化を図ることができる。 【0046】また、このとき左右作動伝達アーム50,51の上面に設定された第1の傾倒規制当接部65、65が、図12(左フックアーム52のみ図示)に示したように、前記左右フックアーム52,53の第1の平坦面62,62の角部に設定された第2の傾倒規制当接部66,66に当接することにより、両フック48,49の倒れる方向への回動が、この時点で規制されるので、ケーシング7の底面への当接を防止することができる。よって、左右フック48,49の傾倒を規制するために、両フック48,49のそれぞれにストッパーラバーを突設しなければならない場合と比較して、構成する部品点数を削減することができ、低コスト化を図ることができる。 【0047】なお、図13(左フック48側のみ図示)は、左フック48が車椅子9の左フレーム構成部材75に掛止される範囲を示す図であり、左フックアーム52からのフック部54の突出量が未調整状態において掛止可能な通常範囲NAが示されている。そして、該通常範囲NAの上部には、左フックアーム52からのフック部54の突出量を大きく設定した際の高位置範囲HAが、また、前記通常範囲NAの下部には、左フックアーム52からのフック部54の突出量を小さく設定した際の低位置範囲LAが示されている。このように、前記左フックアーム52からの前記フック部54の突出量を調整することによって、フック48による掛止可能範囲を容易に拡大することができる。 【0048】 【発明の効果】以上説明したように請求項1の車椅子用固定装置にあっては、装置本体上に配置された車椅子のフレームを、前記装置本体及び該装置本体に設けられたフックを介してフロアに固定することができるので、固定用の帯体を車椅子のフレームに襷掛けして固定する必要が無くなる。したがって、前記帯体を、常時フロアに固定しておく必要も無く、これにより未使用時における前記フロアからの前記帯体の不用意な延出を防止することができる。また、前記フックは、フレームに当接するまで円弧を描くように回動された後、フレームに当接された後に下方向へ移動され、前記フレームを下方へ付勢した状態で固定するため、鉤状のフック部の回動軌跡内にある車椅子のフレームを掛止することができるとともに、前記フレームの配置のばらつきを吸収して固定することができる。したがって、車椅子のフレームが種々あっても本装置1つで対応できる。 【0049】一方、車椅子のフレームを掛止した前記フックを格納する際には、作動ベースを固定ブロックに近づく方向へ移動することにより、前記フックを倒した状態で格納することができる。このとき、前記フックが支持されたガイドアームの下端部を、前記作動ベースより延出したプッシュバーにより押圧することによって、その上端部を下方へ回動させることができ、これにより、前記ガイドアームの上端部に設定された前記フックの支持点を下方へ移動することができる。したがって、前記フックによる掛止範囲を狭くすることなく、倒された格納状態における前記フックの高さ位置を低くすることができ、フロアに固定される装置本体の薄型化を図ることができる。 【0050】また、このとき前記作動伝達アームと、該作動伝達アームにより回動される前記フックとには、互いに当接する傾倒規制当接部が設定されており、前記作動伝達アームと前記フックとが前記傾倒規制当接部にて当接することにより、前記フックの倒れる方向への回動が規制される。このため、前記フックの必要以上の傾倒を規制するために、該フックにストッパーラバーを突設しなければならない場合と比較して、構成する部品点数を削減することができ、低コスト化を図ることができる。 【0051】また、請求項2の車椅子用固定装置においては、前記ガイドアームに対する前記フックの回動軸と、前記作動ベースに対する前記作動伝達アームの回動軸とを結ぶ仮想線を境とした一方側に、前記作動伝達アームに対する前記フックの回動点の移動領域を設定する一方、車椅子のフレームを掛止して下方へ付勢する際に、前記作動伝達アームと前記フックとが、移動規制当接部にて当接することによって、前記作動伝達アームに対する前記フックの回動点の前記仮想線を越えた他方側への移動を規制することができる。これにより、前記回動点が前記仮想線を越えて前記他方側へ移動されてしまい、前記フックを傾倒させる際に、該フックが格納方向と逆側に傾倒されてしまうといった不具合を防止することができる。したがって、前記回動点が前記仮想線を越えないように、前記ガイドアームの回動を規制する回動ストッパーを設けなければならない場合と比較して、構成する部品点数を削減することができ、低コスト化を図ることができる。 【0052】そして、請求項3の車椅子用固定装置にあっても、請求項1の場合と同様に、装置本体上に配置された車椅子のフレームを形成する左右フレーム構成部材を、前記装置本体及び該装置本体に設けられた左右フックを介してフロアに固定することができるので、固定用の帯体を車椅子のフレームに襷掛けして固定する必要が無くなる。したがって、前記帯体を、常時フロアに固定しておく必要も無く、これにより未使用時における前記フロアからの前記帯体の不用意な延出を防止することができる。さらに、前記左右フックは、前記左右フレーム構成部材に当接するまで円弧を描くように回動されるとともに、左右フレーム構成部材に当接された後に下方向に移動され、前記両フレーム構成部材を下方へ付勢した状態で固定するため、両フックによる掛止範囲を広げることができ、前記各フレーム構成部材の配置のばらつきを吸収して固定することができる。 【0053】加えて、左右フックのいずれか一方のフックが先行して一方のフレーム構成部材を掛止した場合であっても、他方のフックが他方のフレーム構成部材を掛止するまで作動が継続されるので、装置本体上に配置される車椅子の中心が装置本体の中心位置からずれていて、車椅子のフレームを形成する左右フレーム構成部材が、前記中心位置よりずれていた場合であっても、前記左右フックを左右フレーム構成部材に確実に掛止させ、固定することができる。これにより、車椅子のサイズ、具体的には、フレームの幅寸法に対応して変化する左右フレーム構成部材の間隔や、フレームの高さ寸法に対応して変化する左右フレーム構成部材の高さ位置が異なる場合であっても、また、装置本体に対する車椅子の停止位置が左右のいずれかに片寄っている場合であっても、確実に掛止固定することができる。 【0054】一方、車椅子の左右フレーム構成部材を掛止した左右フックを格納する際には、回転手段を作動してリードスクリューを回転させて左右作動ベースを互いに離間する離間方向へ移動することにより、前記左右フックのそれぞれを内側へ倒した状態で格納することができる。このとき、前記左右フックが支持された左右ガイドアームの下端部を、前記左右作動ベースより延出した左右プッシュバーにより押圧することによって、その上端部を下方へ回動させることができ、これにより、各ガイドアームの上端部に設定された前記左右フックの支持点を下方へ移動することができる。したがって、前記両フックによる掛止範囲を狭くすることなく、倒された格納状態における各フックの高さ位置を低くすることができ、フロアに固定される装置本体の薄型化を図ることができる。 【0055】また、このとき前記左右作動伝達アームと、各作動伝達アームにより回動される左右フックとには、互いに当接する傾倒規制当接部が設定されており、前記左右作動伝達アームと前記左右フックとが前記傾倒規制当接部にて当接することにより、前記各フックの倒れる方向への回動が規制される。このため、左右フックの必要以上の傾倒を規制するために、両フックのそれぞれにストッパーラバーを突設しなければならない場合と比較して、構成する部品点数を削減することができ、低コスト化を図ることができる。 【0056】さらに、請求項4の車椅子用固定装置においては、前記左右ガイドアームに対する前記左右フックの回動軸と、前記左右作動ベースに対する前記左右作動伝達アームの回動軸とを結ぶ左右の仮想線を境とした一方側に、前記左右作動伝達アームに対する前記左右フックの回動点の移動領域を設定する一方、車椅子の左右フレーム構成部材を掛止して下方へ付勢する際に、前記左右作動伝達アームと前記各フックとのそれぞれが、移動規制当接部にて当接することによって、前記各作動伝達アームに対する前記各フックの回動点の前記各仮想線を越えた他方側への移動を規制することができる。 【0057】このため、前記各フックの前記回動点が前記各仮想線を越えて前記他方側へ移動されてしまい、前記両フックを傾倒させる際に、該それぞれのフックが格納方向と逆側に傾倒されてしまうといった不具合を確実に防止することができる。これにより、前記各回動点が前記各仮想線を越えないように、前記左右ガイドアームの回動を規制する回動ストッパーを設けた場合と比較して、構成する部品点数を削減することができ、低コスト化を図ることができる。 【0058】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000226611 【氏名又は名称】日産車体株式会社 【識別番号】391039737 【氏名又は名称】オリオンテクノ株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年7月24日(1998.7.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088100 【弁理士】 【氏名又は名称】三好 千明
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| 【公開番号】 |
特開2000−37418(P2000−37418A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月8日(2000.2.8) |
| 【出願番号】 |
特願平10−225397 |
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