| 【発明の名称】 |
軟骨移植片の導入のための装置、装置セット、及び方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】ヘリベルト フライ
【氏名】ダニエル ローダー
【氏名】ローランド ペー. ヤコブ
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| 【要約】 |
【課題】軟骨移植片又はインプラントを、移殖個所において形成された凹部に、移植片又はインプラントにダメージを与えずに、又はそれを変形せずに押し進めることができる装置及び装置セットを提供する。
【解決手段】軟骨移殖片(P)又はインプラントを移殖個所において導入する装置は、通過部(301)とピストン(31)とを有する。通過部(301)において移殖片(P)が受容される。高適合性と弾性を有する緩衝媒質(F)の受容のための空間が、移殖片(P)に面するピストン(31)の端面(311)と、ピストン(31)に面する移殖片(P)の表面との間に提供され、上記空間の寸法は、移殖片(P)の押出しの間、ピストン(31)と、移殖片(P)の間で接触が起らないようなものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 採取個所から取出した軟骨移殖片(P)、又は対応してインビトロで作製されたインプラントを、移殖個所において導入するための装置(2、3)であって、上記装置は通過部(201、301)とピストン(31)を有し、上記通過部(201、301)では移殖片(P)又はインプラントがそれぞれ受容され、ピストン(31)は、移殖個所において形成された凹部内に通過部(201、301)の遠位端から移殖片(P)又はインプラントをそれぞれ押出すためである上記装置(2、3)において、高適合性と弾性を有する緩衝媒質(F)の受容のための空間が、移殖片(P)又はインプラントそれぞれに面するピストン(31)の端面(311)と、ピストン(31)に面する移殖片(P)又はインプラントそれぞれの表面との間に提供され、上記空間の寸法は、移殖片(P)又はインプラントそれぞれの押出しの間、ピストン(31)と、移殖片(P)又はインプラントそれぞれとの間で物理的接触が起らないようなものであることを特徴とする装置(2、3)。 【請求項2】 ピストン(31)には当接手段(310、303)が備わり、当接手段(310、303)により、ピストン(31)の末端位置が定まり、末端位置を超えてピストン(31)が更に押し進められることが防止されることを特徴とする請求項1に記載の装置。 【請求項3】 緩衝媒質は流体、特に液体(F)であり、ピストン(31)には密封手段(312)が備わり、密封手段(312)は通過部(301)を密封し、ピストン(31)を遠位方向に押し進める間、流体が近位方向に逆流するのを防止することを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。 【請求項4】 密封手段はOリング(312)の形状であり、Oリング(312)は、ピストン(31)の遠位端領域に配置され、移殖片(P)に面するピストン(31)の端面(311)に対し近位方向に配置されることを特徴とする請求項3に記載の装置。 【請求項5】 装置はスリーブ(32)を備え、スリーブにはスリーブの遠位端において切断縁(320)が備わり、スリーブ(320)の壁の切断縁(320)の近位端の直前に、通過開口部(321)が備わり、移殖片(P)又はインプラントそれぞれを押し進める間、移殖片(P)又はインプラントそれぞれの近位端が通過開口部(321)を通過すると直ぐに、通過開口部(321)により、流体(F)の出現が可能となることを特徴とする請求項4に記載の装置。 【請求項6】 ピストン(31)はその近位端において駆動装置(A)と連結され、駆動装置(A)はピストン(31)を連続的に前方に押すことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装置。 【請求項7】 緩衝媒質は軟質プラスチック又はスポンジ状プラスチックの形状であり、緩衝媒質の弾性率は、移殖片又はインプラントそれぞれの最軟質部分の弾性率よりも小さく、適宜、プラスチックが液体で充満されることが可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置。 【請求項8】 軟骨移殖片又は対応してインビトロで作製されたインプラントの移殖のための装置セットであって、採取個所において移殖片の取出しのための、又は対応する容器からインビトロで作製されたインプラントの取出しのための装置(1、2)を有し、移殖個所において凹部の形成のための装置を更に有し、移殖個所において取出された移殖片の導入のための装置(2、3)を有する上記装置セットにおいて、装置(2、3)は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のような移殖片又はインプラントそれぞれの導入のための形状であることを特徴とする装置セット。 【請求項9】 移殖片又はインプラントそれぞれの取出しのための装置(1、2)は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のような形状であることを特徴とする請求項8に記載の装置セット。 【請求項10】 軟骨移殖片(P)、又はインビトロで作製された対応するインプラントの移殖方法であって、最初に、凹部が、移殖個所において移殖片(P)又はインプラントそれぞれの受容のために形成され、次いで、移殖片(P)が採取個所において取出され、又はインプラントが対応する容器から取出され、最後に、移殖片(P)又はインプラントがそれぞれ、移殖個所において形成された凹部に導入される上記方法において、移殖の間、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置(2,3)又は請求項8もしくは9に記載の装置セットが用いられることを特徴とする方法。 【請求項11】 装置(2、3)の通過部(201、301)に存在する移殖片(P)又はインプラントそれぞれを凹部に導入する間、最初に、緩衝媒質(F)、次いでピストン(31)を近位端から通過部(201、301)に導入することによって、遠位方向にピストン(31)を押し進める間、囲まれた緩衝媒質(F)は、移殖片(P)又はインプラントそれぞれを装置(2、3)から凹部中に押し進めることを特徴とする請求項10に記載の方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、軟骨移植片、又はインビトロで対応して作製されたインプラントを移殖個所において導入するための装置、装置セット、及び方法に関する。 【0002】 【従来の技術】軟骨移植片の移植による軟骨欠陥の治療は、成功を収めながら最近ますます使用されている治療の1種である。この治療は基本的には、最初に欠陥個所において1個以上の凹部(例えば、行き止まりの孔)を、例えば適切な孔あけ器によって形成することである。次いで、例えば、完全な軟骨層を有する骨ペグなどの移植片を、採取個所で取出す(好ましくは、採取個所はほぼ力を受けていない)。次に、これらの骨ペグは欠陥個所において形成された行き止まりの孔に導入される。時間と共に、ペグは、完全な軟骨と骨と共に成長する。欠陥の大きさにより、欠陥個所において、複数の行き止まりの孔も形成されることができ、従って、複数のペグも使用されることができる。その理由は、移植片の軟骨層と欠陥個所の回りの完全な軟骨との間の側面距離(ギャップ)は、大きすぎてはならないからである。移植片の代わりに、インビトロで培養される軟骨インプラントも、欠陥個所において移植されることができる。回りの完全な軟骨は、インビトロで培養された軟骨と共に成長する。 【0003】以下において、“ペグ”という用語は常に、移植片とインプラントの両方を指すために用いる。ペグの導入は公知のように行う。即ち、対応する装置の通過部に存在するペグは、ピストンにより装置から行き止まりの孔内に押し進められる。このために、ピストンの正面は、ピストンに面するペグの表面に対し押され、ピストンは前方に押される。従って、ピストンは、ペグの軟骨表面と接触し、この方法ではこの軟骨表面に対し力を発揮する。 【0004】軟骨細胞は、過剰の表面圧に感受性であり、あまりに小さい表面に作用する過剰の力に感受性である。軟骨細胞が典型的に許容できる表面圧以上になると、軟骨細胞又は軟骨組織はダメージを受けうる。ダメージを受けた軟骨は殆ど再生しない。更に、軟骨は変形にも感受性である。このことは、力による非均一圧迫において、軟骨変形が起ることを意味する(このために、軟骨は同様にダメージを受けうる)。 【0005】一方、ペグの軟骨表面は通常は凸面であり、めったに凹面ではなく、殆ど平面ではなく、しばしば傾斜している。そのために、軟骨表面及びピストンの通常平面である正面は一致せず、しばしば点又は線接触が生じるために、接触個所において、高表面圧が生じる。更に、欠陥個所における行き止まりの孔は、ペグに対し僅かに小さい寸法を有するので、ペグは、導入後、行き止まりの孔において圧迫されて配置される。行き止まりの孔中へのペグの導入中、ピストンの近位端に穏やかに力を与えることによって、ピストンは前方に押されるので、ペグと、行き止まりの孔の壁の間の静的摩擦に打勝つ必要がある(停止及び前進)。このために、軟骨表面が更に大きく圧迫され、軟骨はダメージを受けうる。 【0006】ピストンと軟骨表面の間の摩擦により、力を与えることの衝撃の結果として圧迫の他に剪断力も生じる。剪断力により、軟骨細胞又は軟骨組織はそれぞれダメージを受けうる。剪断力は同様に、軟骨表面と、ピストンの正面の不一致の結果である。ダメージを受けた軟骨はめったに再生しないので、移植において好結果が生じたり、患者が利益を享受することは、このような場合には希である。ある種の場合には、傾斜表面を有するペグの導入は不可能でさえある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のことに対する救済策を提供する。本発明の目的は、軟骨移植片又は軟骨表面の形とは無関係にインビトロで対応して作製されたインプラントを、欠陥個所において形成された凹部(例えば、前記の行き止まりの孔)に、移植片又はインプラントそれぞれの軟骨表面にダメージを与えずに、又はそれを変形させずに(変形することにより、軟骨は同様にダメージを受けうる)押し進めることができる装置及び装置セットをそれぞれ提案することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】この目的は、特許請求の範囲に記載の方法、及び装置又は装置セットそれぞれによって満たされる。本明細書では“ピストン”という用語は、有形のピストンだけではなく、一般的に、緩衝媒質に対し力又は圧力を発揮する手段をも意味する。このことは、例えば、有形のピストンが緩衝媒質と接触せずに、ポンプによりなされうる。 【0009】本発明によれば、高適合性を有する緩衝媒質の受容のための空間が、移殖片又はインプラント(以下では、簡単のために移殖片とのみいうこともある)それぞれに面するピストンの端面と、ピストンに面する移殖片の表面の間に提供される。該空間が提供されることによって、緩衝媒質は、移殖片の表面との境界面において、移殖片の表面と理想的に適合しうる。更に、移殖片の圧迫の間、ピストンと移殖片の接触が起らないような大きさである弾性を緩衝媒質は有する。移殖片の表面の形への緩衝媒質の理想的適合により、表面の圧迫は可能なかぎり小さくなる(力は、移殖片の表面全体にわたってほぼ均一に伝達される)。一方、ピストンと移殖片の間の機械的接触は、緩衝媒質の弾性により避けられるので、移殖片の表面へのピストンの不適合接触は生じえない。このように、所望の表面を有する移植片は、プロセスにおいて移殖片表面がダメージを受けたり、変形したり(そして、そのことによってダメージを受けうる)せずに、欠陥個所において凹部(例えば、行き止まりの孔)中に押し進められることができる。 【0010】有利である典型的な実施の形態では、ピストンには当接手段が備わる。当接手段によりピストンの末端位置が定まり、末端位置を超えて、ピストンが更に前に押されることが防止される。従って、一方では、移殖片が所望の末端位置を超えて力によって更に圧迫されることが避けられる。移殖片が、例えば、所望の深さまで(必ずしも凹部の底までではない)欠陥個所における凹部内に進められたならば、力の更なる発揮により、凹部に移殖片を更に進めることが可能であるべきではなく、又は過剰の表面圧迫により移殖片の表面にダメージを与えることができるべきではない。例えば、移殖片が凹部の底まで既に進められたが、ピストンを更に前方に押すことにより、それにもかかわらずますます増加する表面圧によって移殖片が圧迫されるときに、過剰の表面圧迫は、起りうる。(好ましくは、調整可能な)当接手段は、ピストンを更に前方に押すことを防止するという点で救済策を提供する。 【0011】更なる有利である典型的な実施の形態において、緩衝媒質は流体、特に液体である。ピストンは密封手段を備える。密封手段は通過部を密封し、ピストンが遠位方向に向けて前方に押される間、流体が近位方向に向けて逆流するのを防止する。液体が特に好ましい。その理由は、一方では、液体はほぼ非圧縮性であり、ピストンと移殖片の表面の間の接触を信頼性をもって防止するが、他方では、移殖片の表面の形に理想的に適合し、最小表面だけを圧迫するからである。例えば、リンゲル液(手術室で通常使用される流動溶液)又は塩化ナトリウム溶液(料理用塩)などの身体適合性液体が液体として使用されるのが好ましい。ピストンを前方に押す間、液体はピストンに先立って駆動され、移殖片の表面の形とは無関係に、移殖片の表面に力を理想的に伝達する。 【0012】この典型的な実施の形態の更なる開発において、密封部材は、ピストンの遠位端領域に、かつ移殖片に面するピストンの端面に対し近位方向に配置されるO−リングの形状である。このために、ピストンの正面全体が、液体への力の伝達のために利用でき、次に、液体が、移殖片表面への力の理想的伝達を行う。 【0013】この典型的な実施の形態の更なる開発において、装置は、その遠位端に備わり、切断縁を有するスリーブを備える。切断縁の近位端の直前のスリーブの壁において、通過開口部が備わる。移殖片を押している間、移殖片の近位端が通過開口部を通過すると直ぐに流体の出現を通過開口部は可能とする。このようにして、移殖片の通過開口部の通過後、移殖片はもはや、又は最小の程度までしか更に駆動されえない。その理由は、液体は通過開口部を通り逃れえ、力はもはや移殖片に伝達されないからである。抵抗の突然の減少により、手術外科医はこのことに気づき、移殖片は所望の深さまで進められたこと、即ち“深さアバットメント”の現象が発生したことを認識する。このようにして、1種の非機械的“深さアバットメント”は実現されることができる。更に、非機械的“深さアバットメント”の到達にも係わらず、ピストンが更に押されるならば、機械的アバットメント(上記参照)も十分に良好に提供され、ピストンと移殖片の間の物理的接触を信頼性をもって避けうる。 【0014】本発明の装置の更に特に有利な典型的な実施の形態において、ピストンは、その近位端において駆動装置と連結されうる。駆動装置は、ピストンを連続的に前方に押す。移殖片が常に推進力により少しだけ進められ、次いで停止し、次なる推進力により更に少しだけ進められる場合には、静的摩擦が克服される必要がある。対照的に、移殖片が連続的に進められる場合には、静的摩擦は一度だけしか(即ち、最初において)克服される必要がなく、滑り摩擦だけが克服される必要がある。滑り摩擦は静的摩擦よりも小さい。このために、移殖片表面に対する力は更に減少する。 【0015】前記の流体、特に液体への代替として、緩衝媒質は、軟質プラスチック又はスポンジ状プラスチックでもありうる。その弾性率は、移殖片の最軟質部分の弾性率よりも小さく、プラスチックが適宜液体によって充満されるのが可能である。より小さい弾性率の結果として、最初に、緩衝媒質は、移殖片の表面の形に理想的に適合しえ、次いで、(緩衝媒質のある一定の圧縮に達した後)移殖片の表面に理想的に力を伝達する。例えば、流体、特に液体で充満されたバルーンも緩衝媒質として考えられる。 【0016】本発明の装置セットは、採取個所において移殖片の取出しのための、又はインビトロで作製されたインプラントの対応する容器からの取出しのための装置を有する。更に、該装置セットは、移殖個所における凹部の形成のための装置、及び移殖個所における取出し移殖片の導入のための装置を有する。移殖片の導入のための装置は、前記の典型的な実施の形態のいずれか一つの形状である。 【0017】装置セットの好適な更なる開発において、移殖片の除去のための装置も、前記の典型的な実施の形態のいずれか一つの形状である。特に、装置、又は少なくともその部品は、移殖片の取出し及び移殖片の導入(移殖)の両方のために使用できる。 【0018】最後に、本発明はまた、軟骨移殖片の移殖、又はインビトロで作製された対応するインプラントの移殖のための方法に関する。該方法において、最初に、移殖片もしくはインプラントそれぞれの受容のために、移殖個所に凹部を形成し、次いで、採取個所から移殖片を取出し、もしくは対応する容器からインプラントを取出し、最後に、移殖片もしくはインプラントそれぞれを、移殖個所において形成された凹部に導入する。この方法において、前記の典型的な実施の形態のいずれかの装置を用いる。 【0019】この方法の有利な実施の形態において、装置の通過部に存在する移殖片もしくはインプラントそれぞれの、装置の近位端から凹部への導入の間、最初に緩衝媒質、次いでピストンが通過部に導入され、ピストンが遠位方向に前方に押されるとき、囲まれた緩衝媒質は、移殖片又はインプラントそれぞれを、装置から凹部に移動させる。手術外科医は最初に、装置と、装置の通過部に存在する移殖片を所望の位置にもってきて、次いで緩衝媒質(例えば、前記リンゲル液)を導入し、最後にピストンを置き、ピストンを前方に押すことによって、緩衝媒質に対し発揮される圧力によって、移殖片は凹部内に押し進められることができる。 【0020】請求項1の発明によれば、採取個所から取出した軟骨移殖片、又は対応してインビトロで作製されたインプラントを、移殖個所において導入するための装置であって、上記装置は通過部とピストンを有し、上記通過部では移殖片又はインプラントがそれぞれ受容され、ピストンは、移殖個所において形成された凹部内に通過部の遠位端から移殖片又はインプラントをそれぞれ押出すためである上記装置において、高適合性と弾性を有する緩衝媒質の受容のための空間が、移殖片又はインプラントそれぞれに面するピストンの端面と、ピストンに面する移殖片又はインプラントそれぞれの表面との間に提供され、上記空間の寸法は、移殖片又はインプラントそれぞれの押出しの間、ピストンと、移殖片又はインプラントそれぞれとの間で物理的接触が起らないようなものである。 【0021】請求項2の発明によれば、ピストンには当接手段が備わり、当接手段により、ピストンの末端位置が定まり、末端位置を超えてピストンが更に押し進められることが防止される。 【0022】請求項3の発明によれば、緩衝媒質は流体、特に液体であり、ピストンには密封手段が備わり、密封手段は通過部を密封し、ピストンを遠位方向に押し進める間、流体が近位方向に逆流するのを防止する。 【0023】請求項4の発明によれば、密封手段はOリングの形状であり、Oリングは、ピストンの遠位端領域に配置され、移殖片に面するピストンの端面に対し近位方向に配置される。 【0024】請求項5の発明によれば、装置はスリーブを備え、スリーブにはスリーブの遠位端において切断縁が備わり、スリーブの壁の切断縁の近位端の直前に、通過開口部が備わり、移殖片又はインプラントそれぞれを押し進める間、移殖片又はインプラントそれぞれの近位端が通過開口部を通過すると直ぐに、通過開口部により、流体の出現が可能となる。 【0025】請求項6の発明によれば、ピストンはその近位端において駆動装置と連結され、駆動装置はピストンを連続的に前方に押す。請求項7の発明によれば、緩衝媒質は軟質プラスチック又はスポンジ状プラスチックの形状であり、緩衝媒質の弾性率は、移殖片又はインプラントそれぞれの最軟質部分の弾性率よりも小さく、適宜、プラスチックが液体で充満されることが可能である。 【0026】請求項8の発明によれば、軟骨移殖片又は対応してインビトロで作製されたインプラントの移殖のための装置セットであって、採取個所において移殖片の取出しのための、又は対応する容器からインビトロで作製されたインプラントの取出しのための装置を有し、移殖個所において凹部の形成のための装置を更に有し、移殖個所において取出された移殖片の導入のための装置を有する上記装置セットにおいて、装置は、前記のような移殖片又はインプラントそれぞれの導入のための形状である。 【0027】請求項9の発明によれば、移殖片又はインプラントそれぞれの取出しのための装置は、前記のような形状である。請求項10の発明によれば、軟骨移殖片、又はインビトロで作製された対応するインプラントの移殖方法であって、最初に、凹部が、移殖個所において移殖片又はインプラントそれぞれの受容のために形成され、次いで、移殖片が採取個所において取出され、又はインプラントが対応する容器から取出され、最後に、移殖片又はインプラントがそれぞれ、移殖個所において形成された凹部に導入される上記方法において、移殖の間、前記の装置又は前記の装置セットが用いられる。 【0028】請求項11の発明によれば、装置の通過部に存在する移殖片又はインプラントそれぞれを凹部に導入する間、最初に、緩衝媒質、次いでピストンを近位端から通過部に導入することによって、遠位方向にピストンを押し進める間、囲まれた緩衝媒質は、移殖片又はインプラントそれぞれを装置から凹部中に押し進める。 【0029】 【発明の実施の形態】図面に基づき本発明を説明する。採取個所における組織ペグの作出のための装置1の典型的な実施の形態において、中空穴あけ部材即ち中空処理部材11の受容のための受容部材10と、スリーブ12が存在する。スリーブ12は、その遠位端に切断縁120を備える。中空処理部材11が受容部材に収容され、受容部材に堅く連結された後、中空処理部材11はスリーブ12内に導入される。受容部材10には当接リング100が備わる。当接リング100は、所望の位置において、例えば固定ネジ(図示せず)によって、受容部材に外向きに固定されることができる。中空処理部材11を備える受容部材10のスリーブ12内への導入において、受容部材10の導入は当接リング100によって制限される。当接リング100がスリーブ12の近位端表面21に当たるからである。 【0030】図2は、中空処理部材11を備える受容部材10を示す。受容部材10は、当接リング100が当接するまでスリーブ12内に完全に入っている。中空処理部材11は受容部材10内に収容され、そこに固定されている。中空処理部材11は、受容部材10内に、例えば、固定ネジ又は別の適切な固定手段によって固定されることができる。スリーブ12の近位端表面121と切断縁120の遠位端との間の距離Lは、切断縁120を含むスリーブ12の長さである。中空処理部材11が常に受容部材10に対し同一位置において受容部材10内に固定されるならば(一般的に、位置は、固定の種類により予め決められる)、受容部材上の当接リング100の位置によって、中空処理部材11が組織(例えば、骨)中に進入できる深さが決まる。従って、当接リング100の位置により、取出される組織ペグの最大長さが決まる。切断縁120の長さも役割をもつ。スリーブ12の遠位端表面122が軟骨と接触するまで、即ち、切断縁120が完全に軟骨に進入するまで、最初にスリーブ12は軟骨に打たれる。次いで、スリーブ12は弾性軟骨上でもはや滑りえず、中空処理部材は理想的に導かれる。 【0031】標識(図示せず)を受容部材10の外壁上に設けることができる。スリーブ12の近位端表面121が当接リング100の当接動作まで進められるならば、標識は手術外科医に当接リング100の位置によりペグの長さを示す。当接リング100がスリーブ12の近位端表面121と接する位置を図2に示す。図3は、図2の円にて包囲された部分の拡大図を示す。 【0032】中空処理部材11による処理の終了後、ペグは採取個所に存在し、ペグはスポンジ状骨とペグの底においてまだ連結されている。健康な軟骨層に覆われたこのペグは取出される必要がある。 【0033】このことは、取出し装置2(図4)によって行う。取出し装置2はスリーブ22を有する。スリーブ22は、中空処理部材によるペグの作出のための前記スリーブ12と同一でありうるし、ほぼ同一である。スリーブ12又は22はそれぞれその場所に留まりえ、受容部材10は、ペグの作出後、スリーブ12から中空処理部材11と一緒に取出される。ペグはまだ、その底でスポンジ状骨と連結されている。 【0034】スリーブ22の他に、取出し装置2はまた、実際の取出し部材20を有する。取出し部材20は同様に、図5の当接リング200を備える。当接リング200がスリーブ22の近位端表面221と接すると直ぐに、当接リング200によって、ペグの回りの加工後の凹部中に取出し部材20が進められるのが制限される。取出し部材20の遠位端の領域において、取出し部材20はひれ状体223を有する。ひれ状体223は、取出し部材の内壁から突出る。これらのひれ状体223は、取出し部材20の進行の間にペグ内に掘って進む。これらのひれ状体223により、取出し部材20の回転運動によって、ペグがペグの底から剥ぎ取られるのが可能となる。ペグが剥ぎ取られた後、ペグは取出し部材20の通過部201中に存在する。 【0035】取出し部材の外壁上の標識は、当接リング200の位置でペグの深さを手術外科医に教えることができる。このために、スリーブ22の遠位端表面220が軟骨と接触するまで、スリーブ22の切断縁は軟骨中に進められたということがまた仮定される。このことにより(前記のように)、スリーブ22の軟骨上の滑りはまた防止され、取出し部材20はスリーブ22内に理想的に導かれる。図6は、図5で円にて包囲した部分、即ち、取出し装置2の遠位端、の拡大図を示す。 【0036】取出されたペグは取出し部材20の通過部201に存在し、移殖個所に輸送される必要がある(図示せず)。移殖個所において、ペグは形成された行き止まりの孔中に入れられる。移殖個所(欠陥個所)における行き止まりの孔の直径は一般的には、採取個所において取出されたペグの直径よりも僅かに小さいので、行き止まりの孔中へペグは圧迫されながら配置される。 【0037】図7は、移殖個所において形成された行き止まりの孔中へのペグの挿入のための典型的な実施の形態の装置3を示す。該装置は、ピストン31、装置30、及びスリーブ32を有する。装置30中にペグが存在し、装置30は前記取出し部材20と同一でありうる。スリーブ32中に、装置30又は取出し部材30はそれぞれ導入されることができる。ピストン31はその近位端に当接部材310を有する。当接部材310は、駆動装置Aと連結され、駆動装置Aによって前方に進められることができる。このことが行われる方法を以下に詳述する。 【0038】図8は、図7の装置が働く方法を明確にする2つの基本的な部分の詳細の断面図である。スリーブ32が存在し、その中で、取出し部材30が完全に前方に押される。ペグPは、取出し部材30の通過部301の遠位端において通過部301中に存在する。緩衝媒質、ここでは、流動溶液として手術室で典型的に使用されるようなリンゲル液Fである緩衝媒質は、ペグPに対し近位方向に存在する。あるいは、塩化ナトリウム溶液(料理用塩)、又は軟質もしくはスポンジ状プラスチックも使用されることができる。プラスチックの弾性率は、軟骨(移殖片の最軟質部分)の弾性率よりも小さい。プラスチックは適宜液体で充満されることができる。図8の典型的な実施の形態のために、液体、即ち、前記のリンゲル液Fは、緩衝媒質として仮定される。 【0039】ピストン31には、その遠位端領域において、即ち、ペグPに面する正面311の近くで、Oリング312が備わる。更に、ペグPの近位端と、取出し部材30の壁中の開口部302との間の空間において、通過部301中に液体Fが充満する。Oリング312が開口部302を超えて遠位方向にスライドするとき、Oリング312は通過部301を密封する。遠位方向に向けてピストン31が前方に押されている間、近位方向にリンゲル液Fが逆流するのがO−リング311により防止される。このようにして、ピストン31が前進する間、ピストンとペグとが接触せずに、移殖個所(図示せず)において、ペグPは、スリーブ32の遠位端から行き止まりの孔中に押し進められる。 【0040】当接部材310は、ピストン31を押し進めるための安全アバットメントを形成できる。このために、前記のような当接リングも提供されることができる。しかし、これらのアバットメントは原則的に“安全アバットメント”である。非機械的“アバットメント”の好適な種類は、図9に基づき以下に更に説明する。 【0041】遠位方向へピストン31を押し進めることに関する限り、ペグPを連続的に押し進めることは利点があるということは前述した(静的摩擦の一度限りの克服、及び後は滑り摩擦の克服だけが必要)。この目的のために、駆動装置Aは当接部材310を連続的に回転させることによってピストンを連続的に回転させることができる。開口部302に対し遠位方向に向けての取出し部材30の内壁において、取出し部材30にネジ303が備わり、ピストン31が同様に、対応する領域においてその外壁に、対応するネジを有するようにして、ピストン31を直接的に押し進めることができる。ピストン31の連続的回転によって、ピストン31は、ネジのピッチに従い、遠位方向に向けて押し進められる。ピストン31の外壁上のネジの遠位端が、取出し部材30の内壁上のネジ303の遠位端に到達するとき、ピストンが更に押し進められることはこのようにも防止される。上記のことはまた、機械的“安全アバットメント”を実現する方法であり、非機械的“アバットメント”の好適な種類は以下に説明する。 【0042】ペグPが所望の程度までスリーブ32から外に出されたことを認識する可能性を手術外科医は有する必要がある。このことが可能となる方法は、例えば図9に示される。図9では、スリーブ32の遠位端がどのような形状であることができるかについての方法が示されている。切断縁320の近位端の直前において、通過開口部321がスリーブ32の壁に備わる。ペグPの近位端が通過開口部321を通過すると直ぐに、これらの通過開口部321からリンゲル液Fが出てくる。しかし、ピストンを更に押し進める間、実際的に力がもはやペグPに発揮されない。その理由は、ピストンを更に押し進める間、リンゲル液Fは通過開口部321を通り押出されるからである(非機械的“アバットメント”)。ペグPへの僅かの力の伝達はまだ可能であり、ペグPを短距離だけまだ進めることができるように、適宜、開口部321は設計されることができる。 【0043】移殖の方法は以下のように進めることができる。第1に、外科医は、移殖片又はインプラントの受容のための移殖個所(欠陥個所)において凹部(例えば、行き止まりの孔)を形成する。このことは、通常の手術用骨ドリルによって行うことができる。手術用骨ドリルは適宜、スリーブによって導かれることができる。この行き止まりの孔の直径は、ペグPの直径よりも僅かに小さいために、ペグPの移殖の間、行き止まりの孔にペグPが圧迫されながら配置されることは明白である。 【0044】移殖個所における行き止まりの孔の形成後、例えば、装置1、特に、中空処理部材11によって、採取個所において、ペグPの底で骨にまだ結合しているペグPが作出される。次いで、このペグは、ペグの底から分離され、装置2、特に取出し部材20により取出される。インビトロで作製されたインプラントの場合、ペグは対応する容器から取出される。次いで、取出されたペグPは移殖個所に輸送される。そこにおいて、ペグPは、装置3により移殖されることができる。特に、ペグPの移殖前に、最初に、前記リンゲル液Fなどの緩衝媒質が、取出し部材30の通過部301中に近位端から導入されることができるようにして、上記のことを行うことができる。次いで、ピストン31は近位端から通過部301中に導入されることができる。ピストン31を押し進める(例えば、駆動装置Aによって、又は手動で)間、囲まれたリンゲル液Fは、移殖個所において、ペグPを装置3から行き止まりの孔中に進ませる。前記装置、特に、この種の手術に必要なこの種の装置の完全なセットは、特に適切であることは明白である。 【0045】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明の装置及び装置セットは、軟骨移植片又はインプラントを、移殖個所において形成された凹部に、移植片又はインプラントにダメージを与えずに、又はそれを変形せずに押し進めることができるという効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】596152822 【氏名又は名称】ズルツァー オーソピーディクス リミテッド 【氏名又は名称原語表記】SULZER ORTHOPAEDIE AG
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| 【出願日】 |
平成12年2月24日(2000.2.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068755 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 博宣 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−271157(P2000−271157A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月3日(2000.10.3) |
| 【出願番号】 |
特願2000−47684(P2000−47684) |
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