| 【発明の名称】 |
吸収性物品 |
| 【発明者】 |
【氏名】亀尾 洋司
【氏名】野口 仁子
【氏名】草川 哲哉
【氏名】中山 貴雄
【氏名】中西 稔
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| 【要約】 |
【課題】あらゆる方向からの圧縮変形に対しても同等の弾性回復性を示す吸収体を備えたフィット性の高い吸収性物品を提供すること。
【解決手段】液透過性の表面材2、液不透過性の裏面材3及び表面材2と裏面材3との間に介在された液保持性の吸収体4を具備する実質的に縦長の吸収性物品1において、吸収体4が、着用者の排泄部位に対応する位置に隆起部6を有し、隆起部6は、吸収シート7と弾性シート8との積層シート10からなる円柱体9が吸収性物品1の長手方向に沿って横設されて形成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液透過性の表面材、液不透過性の裏面材及び該表面材と該裏面材との間に介在された液保持性の吸収体を具備する実質的に縦長の吸収性物品において、上記吸収体が、着用者の排泄部位に対応する位置に隆起部を有し、該隆起部は、吸収シートと弾性シートとの積層シートからなる円柱体が上記吸収性物品の長手方向に沿って横設されて形成されている吸収性物品。 【請求項2】 上記円柱状の隆起部が、上記積層シートの巻回によって形成されている請求項1記載の吸収性物品。 【請求項3】 上記円柱状の隆起部の半径方向の50%圧縮応力が100〜3000cNである請求項1又は2記載の吸収性物品。 【請求項4】 上記円柱状の隆起部を半径方向に50%圧縮した後に30%圧縮状態まで回復させたときの回復力が30〜250cNである請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品。 【請求項5】 上記円柱状の隆起部を半径方向に50%圧縮した後に30%圧縮状態まで回復させたときの回復力と、当該半径方向と直角な方向に関して測定された同30%圧縮回復力との比(値の大きい方を分母とする)が0.5以上である請求項1〜4の何れかに記載の吸収性物品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、着用者の排泄部位にフィットする形状の吸収体を備えた吸収性物品に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】生理用ナプキンの吸収体に隆起部を設けて、該隆起部を着用者の排泄部位にフィットするようにした従来の技術として、例えば特開昭57−153649号公報や実開平3−118727号公報に記載のもの等が知られている。 【0003】しかし、上記公報記載の生理用ナプキンにおける吸収体は、着用時に着用者の体圧によって圧縮され変形した場合、弾性回復性が不十分であるため、長時間の着用や運動中の着用等によってフィット性が低下してしまう。特に実開平3−118727号公報に記載の生理用ナプキンにおける吸収体は、ナプキンの厚さ方向と幅方向とで弾性回復性が異なるため(異方性があるため)、フィット性の低下が著しい。 【0004】従って、本発明は、あらゆる方向からの圧縮変形に対しても同等の弾性回復性を示す吸収体を備えたフィット性の高い吸収性物品を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、吸収体における、着用者の排泄部位に対応する位置に特定のシートから形成され且つ特定の立体形状を有する隆起部を設けることにより上記目的が達成されることを知見した。 【0006】本発明は、上記知見に基づきなされたもので、液透過性の表面材、液不透過性の裏面材及び該表面材と該裏面材との間に介在された液保持性の吸収体を具備する実質的に縦長の吸収性物品において、上記吸収体が、着用者の排泄部位に対応する位置に隆起部を有し、該隆起部は、吸収シートと弾性シートとの積層シートからなる円柱体が上記吸収性物品の長手方向に沿って横設されて形成されている吸収性物品を提供することにより上記目的を達成したものである。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明の吸収性物品の好ましい実施形態を、生理用ナプキンを例にとり図面を参照しながら説明する。 【0008】図1及び図2に示すように、本実施形態の生理用ナプキン1は、液透過性の表面材2、液不透過性の裏面材3及び表面材2と裏面材3との間に介在された液保持性の吸収体4を具備しており、実質的に縦長に形成されている。 【0009】表面材2としては、サクションヒートボンド不織布等の不織布に多数の開孔を設けたシートや、ポリエチレンフィルム等のフィルムに多数の開孔を設けたシート等を用いることができる。また、裏面材3としては、ポリエチレンフィルム等のフィルムを用いることができる。 【0010】而して、本実施形態の生理用ナプキン1においては、図1及び図2に示すように、吸収体4が、生理用ナプキン1の外形に即した形状のフラットな下部吸収部5、及び該下部吸収部5上に位置し且つ表面材2側に隆起した隆起部6を有している。隆起部6は、生理用ナプキン1の平面視において着用者の排泄部位に対応する位置に位置している。また、隆起部6は、吸収シート7と弾性シート8との積層シートからなる円柱体9が生理用ナプキン1の長手方向に沿って横設されて形成されている。斯かる隆起部6は、十分な弾性回復性を有し且つあらゆる方向からの圧縮変形に対しても同等の弾性回復性を示すので、生理用ナプキン1のフィット性が極めて高くなる。また、長時間の着用や着用者の運動に起因する位置ズレやヨレが起こりにくくなる。 【0011】隆起部6を構成する円柱体9は、図3に示すように、同形の吸収シート7と弾性シート8とを積層して得られた積層シート10を巻回することによって形成されている。これによって吸収シート7は、円柱体9の外面から半径方向の中心部に亘って連続的に存在することとなるので(即ち、吸収シート7が弾性シート8によって分断されていないので)、液の吸収に吸収シート7の全面積を有効に使え、吸収性に優れた生理用ナプキンが得られる。即ち、本実施形態の生理用ナプキン1においては、円柱体9の外面において吸収された液は、該外面から渦巻き状に円柱体9の内部へ拡散していきその半径方向中心部にまで達する。 【0012】積層シート10の巻回に先立ち、吸収シート7と弾性シート8との間にホットメルト粘着剤等の接着剤を塗布したり、或いは両シート7,8にエンボス加工を施して、積層シート10を両シート7,8の一体化物として用いてもよい。これにより、隆起部6のフィット性及び吸収性等を更に向上させることができる。 【0013】積層シート10の巻回によって得られる円柱体9は、その外面に吸収シート7及び弾性シート8のどちらが位置していてもよい(図3においては吸収シート7が外面に位置している)。但し、弾性シート8が円柱体9の外面に位置するように積層シート10が巻回される場合には、円柱体9による液吸収性能を十分なものとするために、弾性シート8を液吸収性となすことが好ましい。 【0014】円柱体9を構成する吸収シート7としては、液の吸収・保持が可能なものが用いられ、その例としては湿式抄紙された薄手の紙(ティッシュペーパー)、パルプ繊維をバインダーでシート化した乾式パルプシート、及びパルプ繊維及び高吸収性ポリマー粒子を含有し、該高吸収性ポリマー粒子が該パルプ繊維中に層状又は三次元状に分散されてなる吸収シート等が挙げられる。吸収シート7は、その坪量が5〜200g/m2 、特に40〜100g/m2 であることが、吸収性の向上及びヨレ防止の点から好ましい。また、その厚みは0.2〜2.5mm、特に0.3〜1.0mmであることが更に好ましい。 【0015】一方、弾性シート8としては圧縮回復性を有するものが用いられる。弾性シート8の具体例としては、熱融着性を有する繊維を主成分としてなる不織布、及びポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリエステル、ポリウレタン又はシリコンエラストマー等から形成される発泡材シート等が挙げられる。特に、弾性シート8は、そのバルク回復力が2〜100cN、特に10〜80cNであることがヨレ防止及び装着感向上の点から好ましい。上記バルク回復力は、弾性シート8を長さ30mm、幅150mmに切り取った試料片を用いて、高さ30mm、直径44.6mmの円筒状に形成した試料(この試料は10mmのオーバラップ部を有する)を、その高さ方向に速度10mm/minで50%圧縮した後、30%圧縮状態まで回復させたとき(即ち、圧縮前の高さの70%の高さまで回復させたとき)応力の値として定義される。尚、上記試料片を弾性シート8から切り出す場合の方向性に特に制限はない。上記測定には、オリエンテック社製テンシロンを用い、また直径10cmの円形の測定子を用いた。 【0016】弾性シート8が、円柱体9の外面に位置する場合には、上述の通り、弾性シート8は液透過性であることが好ましい。液透過性の弾性シート8としては、親水性材料から形成されているか、又は親水化処理が施されており、親水性となされているもの等が挙げられる。 【0017】弾性シート8は、その坪量が5〜100g/m2 、特に15〜80g/m2 であることが、よりバルク回復性を発現しやすい点から好ましい。また、その厚みは0.2〜5.0mm、特に0.5〜2.0mmであることが更に好ましい。 【0018】吸収シート7と弾性シート8とから構成される円柱体9は、排泄部へのフィット性向上の点から、その直径が10〜70mm、特に20〜50mmで、その長さ(高さ)が10〜250mm、特に50〜150mmであることが好ましい。また、生理用ナプキン1の全長に対する円柱体9の長さ(高さ)の割合は、排泄部へのフィット性向上の点から5〜100%、特に10〜50%であることが好ましい。 【0019】円柱体9は、着用者の体圧による圧縮変形に対して十分な弾性回復性を発現させ、ヨレを防止し、かつ良好な装着感を維持する点から、その半径方向の50%圧縮応力が100〜3000cN、特に500〜2000cNであることが好ましい。上記50%圧縮応力は、円柱体9をその半径方向に速度10mm/minで圧縮前の50%の厚さ(即ち、圧縮前の直径の半分の厚さ)になるまで圧縮したときの応力として定義される。上記測定には、オリエンテック社製テンシロンを用い、また直径10cmの円形の測定子を用いた。 【0020】円柱体9は、あらゆる方向からの圧縮変形に対しても同等の弾性回復性を示すものである。即ち、円柱体9はその半径方向の圧縮変形に関して等方性を示すものである。従って上記50%圧縮応力について、ある半径方向に関して測定された値と、当該半径方向と直角な方向に関して測定された値との比(但し、値の大きい方を分母とする)が0.5以上、特に0.7以上であることが、どの方向からの圧縮変形に対しても十分な弾性回復性を示す点から好ましい。尚、この比の最大値は勿論1である。上記分母となる値の大きい方向(測定方向)は、上記吸収性物品の表面材2から裏面材3への方向であることが好ましい。 【0021】円柱体9が一層十分な弾性回復性を発現し、ヨレ防止効果及び体への追随性を向上させるためには、その半径方向の30%圧縮回復力が30〜250cN、特に50〜150cNであることが好ましい。上記30%圧縮回復力は、上述の方法で円柱体9の50%圧縮応力を測定した後、速度10mm/minで30%圧縮状態まで回復させたとき(即ち、圧縮前の直径の70%の厚さまで回復させたとき)の応力として定義される。また、この30%圧縮回復力は、上述の50%圧縮応力の場合と同様の理由により、ある半径方向に関して測定された30%圧縮回復力の値と、当該半径方向と直角な方向に関して測定された値との比(但し、値の大きい方を分母とする)が0.5以上、特に0.7以上であることが好ましい。上記分母となる値の大きい方向(測定方向)は、上記吸収性物品の表面材2から裏面材3への方向であることが好ましい。上記測定には、オリエンテック社製テンシロンを用い、また直径10cmの円形の測定子を用いた。 【0022】円柱体9からなる隆起部6と共に吸収体4を構成する下部吸収部5は、パルプ繊維を主体とする湿式紙、パルプ繊維をバインダーでシート化した乾式パルプシート、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー粒子を含有し、該高吸収性ポリマー粒子が該パルプ繊維中に層状又は三次元状に分散されてなる吸収シート等から形成されている。そして、隆起部6は、ホットメルト粘着剤等の接着剤11によって下部吸収部5に固定されている。 【0023】上述の通り、隆起部6は、生理用ナプキン1の平面視において着用者の排泄部位に対応する位置に位置している。具体的には、生理用ナプキン1の幅方向中央線に沿って、生理用ナプキン1の後方部に位置している。生理用ナプキン1の後端部と隆起部6を構成する円柱体9の後端部との距離は、十分なフィット性を発現させる点から、生理用ナプキン1の全長に対して10〜80%、特に20〜60%となるような長さであることが好ましい。一方、生理用ナプキン1の前端部と円柱体9の前端部との距離は、同様の理由により、生理用ナプキン1の全長に対して10〜80%、特に20〜60%となるような長さであることが好ましい。 【0024】本発明の吸収性物品は上述の実施形態に限られず、種々の変更が可能である。例えば、隆起部6の前後端部の一方又は両方を、円錐状或いは円錐台形状にして、フィット性が更に向上するようになしてもよい。また、円柱体9は、吸収シート7及び弾性シート8に加えて、該円柱体9に所望の特性を付与するための、その他のシートから構成されていてもよい。また、本発明の吸収性物品は、生理用ナプキンに限られず、失禁パッド、おりものシート等、その他の吸収性物品としても適用可能である。 【0025】〔実施例1〕坪量100g/m2 、厚さ0.8mmのパルプ繊維を主体とする吸収紙と、ポリエチレン繊維から構成された坪量50g/m2 、厚さ1.0mm、バルク回復力18cNの不織布からなる弾性シートとを、ホットメルト粘着剤によって一体化した積層シートを、吸収紙が外面となるように巻回して、直径30mm、長さ70mmの円柱体を得た。パルプ繊維と高吸収性ポリマーの粒子とが一体化したシートからなる下部吸収部上にホットメルト粘着剤を介して上記円柱体を横設・固定して隆起部となし、吸収体を得た。得られた吸収体の上面側(隆起部側)を、サクションヒートボンド不織布に多数の開孔を設けてなる液透過性表面シートで被覆すると共に、下面側(下部吸収部側)をポリエチレンシートからなる液不透過性裏面シートで被覆し、両シートの周縁部をヒートシールすることによって、図1及び図2に示す生理用ナプキンを得た(全長230mm)。尚、得られた生理用ナプキンの後端部と隆起部の後端部との距離は130mmであった。得られた生理用ナプキンにおける隆起部(円柱体)の50%圧縮応力及び30%回復力を、ナプキンの厚さ方向(縦方向という)及びこれに直交する幅方向(横方向という)に関し上述の方法で測定したところ、表1に示す値が得られた。 【0026】〔実施例2〜4及び比較例1〕実施例1における隆起部を構成する円柱体に用いられる弾性シートとして表1に示すバルク回復力を有するものを用いる以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンを得た。尚、比較例1で用いたシートは弾性を有さない単なる不織布であった。実施例1と同様にして測定したこれらの生理用ナプキンにおける隆起部(円柱体)の50%圧縮応力及び30%回復力を表1に示す。 【0027】〔性能評価〕実施例及び比較例で得られた生理用ナプキンの性能を評価するため、下記の方法でフィット性及びヨレ/ズレの発生頻度を評価した。その結果を表1に示す。 【0028】<フィット性及びヨレ/ズレの発生頻度>各生理用ナプキンを、30人のモニターにそれぞれ着用してもらい、フィット性官能試験(評価基準は表1参照)を行い、また、ヨレ/ズレの発生頻度を調査した。 【0029】 【表1】
【0030】表1に示す結果から明らかなように、実施例の生理用ナプキン(本発明品)は、比較例の生理用ナプキンに比して、フィット性が高く、着用中のヨレやズレがない。 【0031】 【発明の効果】本発明によれば、あらゆる方向からの圧縮変形に対しても同等の弾性回復性を示す吸収体を備えたフィット性の高い吸収性物品が提供される。また、本発明によれば、着用中のヨレやズレがない吸収性物品が提供される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000918 【氏名又は名称】花王株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月9日(1999.3.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076532 【弁理士】 【氏名又は名称】羽鳥 修 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−254166(P2000−254166A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月19日(2000.9.19) |
| 【出願番号】 |
特願平11−61978 |
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