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【発明の名称】 体液吸収性物品
【発明者】 【氏名】那須 美恵子

【氏名】井下 喜好

【氏名】大澤 哲之

【要約】 【課題】体液吸収性物品に活性炭を配合し、体液や排泄物から生じる悪臭成分を効果的に消臭する。この消臭効果により、吸収性物品の装着者に安心感を与える。また、装着者に不衛生感を与えず、肌触りの良好な製品を得る。

【解決手段】裏面シート11と、透水性を有する表面シート10との間に、体液吸収性の吸収層12を形成する。この吸収層12の表面シート10側に、活性炭15から成る消臭剤を配置して体液吸収性物品を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 裏面シートと、透水性を有する表面シートとの間に、体液吸収性の吸収層を配置し、この吸収層の表面シート側に、活性炭から成る消臭剤を配置する事を特徴とする体液吸収性物品。
【請求項2】 吸収層の表面シート側への活性炭の配置は、表面シートと吸収層との間に配置するものである事を特徴とする請求項1の体液吸収性物品。
【請求項3】 活性炭と表面シートとの間には、体液吸収性の吸収シートを配置した事を特徴とする請求項1または2の体液吸収性物品。
【請求項4】 活性炭は、吸収層と均一な面積でシート状に形成した事を特徴とする請求項1、2または3の体液吸収性物品。
【請求項5】 活性炭は、吸収層よりも狭い面積でシート状に形成した事を特徴とする請求項1、2または3の体液吸収性物品。
【請求項6】 活性炭は、シート形成部材によりシート状に形成した事を特徴とする請求項1、2、3、4、5または6の体液吸収性物品。
【請求項7】 裏面シートは、非透水性の防漏シートである事を特徴とする請求項1の体液吸収性物品。
【請求項8】 裏面シートは、通気性を有するものである事を特徴とする請求項1の体液吸収性物品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生理用ナプキン、おりもの用シート、軽失禁用シート、失禁用使い捨てパンツ、使い捨て紙おむつ、その他の体液吸収性物品に於いて、排泄物や体液等から生じる臭気の消臭機能を持つ体液吸収性物品に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、排泄物や体液等から発生する不快な臭気を消臭するため、体液吸収性物品に消臭剤を用いたものが存在する。特に、生理用ナプキンでは、月経中は、血液だけでなく、子宮内組織、膣内分泌物、汗、その他から、様々な臭気が生じるし、時間の経過とともにこれらが変質した臭気が生じる等、悪臭成分の種類は多岐に渡るものである。また、月経期間中のごく初期、中期、終盤に於いても、臭いの質が変化するし、この臭いの成分には個人差もある。そのため、このような多岐に渡る悪臭成分を、総合的に消臭する事が可能な消臭剤が望まれている。また、月経中は、人体もデリケートであるため、この消臭剤は、消臭機能に優れるだけでなく、衛生的で人体に安全な物質であるのが好ましい。
【0003】これらの状況を鑑みて、従来から、人体への安全性の高い活性炭を消臭剤として用いる事が広く知られている。この活性炭は、その広い表面積で、悪臭成分を物理的に吸着して、効果的に消臭する事ができるものである。
【0004】そして、この活性炭を用いた生理用ナプキンの従来例を図5、図6で説明すれば、(1)は透水性の表面シートで、この表面シート(1)の裏面側に、防漏性の裏面シート(2)を設けている。また、表面シート(1)と裏面シート(2)との間に、パルプや高吸水性ポリマー(図示せず)等から成る吸収層(3)を配置している。そして、図5に示す第1従来例では、吸収層(3)の裏面シート(2)側に、パルプ等の吸収性素材に活性炭(4)を混合して形成した、活性炭配合シート(5)を配置している。この活性炭配合シート(5)の活性炭(4)と、悪臭成分を接触させる事により、体液から生じる悪臭を消臭しようとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、人体から排出される体液は、表面シート(1)を通過して、活性炭(4)よりも上層部の吸収層(3)に吸収され、この吸収層(3)内に閉じこめられるものである。そのため、吸収層(3)を通過して、活性炭配合シート(5)側に到達する事は殆どなく、体液の悪臭成分と、活性炭(4)との接触が良好に行われず、消臭効果を十分に発揮する事ができなかった。
【0006】また、図6に示す第2従来例では、表面シート(1)と裏面シート(2)との間に、第1実施例の吸収層(3)よりも薄手の2枚の吸収層(3)を配置し、この二枚の吸収層(3)の間に、活性炭配合シート(5)を配置している。このように、活性炭配合シート(5)を、吸収層(3)の中間に配置する事により、体液との接触率を高めようとしているが、体液の半分または半分以上が、活性炭(4)よりも上層部側の表面シート(1)や吸収層(3)に吸収されて、これらの内部に残留するので、活性炭(4)の消臭効果を十分に発揮できなかった。
【0007】また、吸収層(3)内の体液が気化する事により、吸収層(3)から悪臭成分が発生するが、この悪臭成分は、大部分が表面シート(1)側に上昇して拡散するものであり、活性炭配合シート(5)とは殆ど接触しないため、良好な消臭を行う事ができず、外部に不快な臭いが漏れ、装着者に不安感を与えていた。
【0008】本発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、活性炭から成る消臭剤を、吸収層の表面シートに近い位置に配置して、排泄物や体液から生じる悪臭と接触し易くする事により、効果的に消臭を行おうとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の如き課題を解決するため、裏面シートと、透水性を有する表面シートとの間に、体液吸収性の吸収層を配置し、この吸収層の表面シート側に、活性炭から成る消臭剤を配置して成るものである。
【0010】また、吸収層の表面シート側への活性炭の配置は、表面シートと吸収層との間に配置するものであっても良い。
【0011】また、活性炭と表面シートとの間には、体液吸収性の吸収シートを配置しても良い。
【0012】また、活性炭は、吸収層と均一な面積でシート状に形成しても良い。
【0013】また、活性炭は、吸収層よりも狭い面積でシート状に形成しても良い。
【0014】また、活性炭は、シート形成部材によりシート状に形成しても良い。
【0015】また、裏面シートは、非透水性の防漏シートであっても良い。
【0016】また、裏面シートは、通気性を有するものであっても良い。
【0017】
【作用】本発明は上述の如く形成したものであるから、体液吸収性物品の使用者から排出される、経血、おりもの、尿、汗等の体液は、透水性の表面シートを通過して、吸収層側に流動し、この吸収層内に吸収される。この吸収過程で、体液は、吸収層の表面シート側に配置した活性炭と接触する。この活性炭は、悪臭成分を物理的に吸着して消臭するので、臭いの種類や質を選ばず、効果的に消臭するものである。そして、体液は、活性炭により悪臭成分を良好に除去された後、吸収層内に閉じこめられるものとなる。
【0018】また、時間の経過に従い、吸収層に吸収された体液が気化するとともに、体液が酸化・腐敗して悪臭が発生する。そして、この悪臭成分が、水蒸気とともに表面シート側に上昇して外部に拡散しようとする。しかし、この上昇の過程で、悪臭成分は、表面シート側に配置した活性炭と接触するので、良好に消臭され、水蒸気のみが外部に拡散するものとなる。このように、活性炭の優れた消臭効果により、吸収性物品の装着時に、不快な臭いが外部に漏れる事はないので、装着者に安心感と快適な装着感を与えるものである。
【0019】また、活性炭は、表面シート側に配置するものであれば、吸収層の表面シート側のパルプ内に混合して、吸収層内に配置しても良いし、吸収層とは別個に活性炭を用意し、この活性炭を吸収層と表面シートとの間に配置するものであっても良い。何れの場合でも、表面シートに近い側に活性炭を配置するので、体液の悪臭成分との接触率が高まり、効果的な消臭が可能となる。
【0020】また、本発明では、活性炭を、吸収層の表面シートに近い側に配置しているので、表面シートの素材の種類や厚みによっては、活性炭の黒色が表面シートから透けて見える事がある。すると、この黒色を目にした使用者が不潔感を覚え、吸収性物品の使用を避けてしまう虞れがある。そのため、活性炭と表面シートとの間に、体液吸収性の吸収シートを配置すれば、この吸収シートと表面シートとで、活性炭を被覆するので、黒色が見えにくいものとなる。また、体液や悪臭成分は、この体液吸収性の吸収シートに殆ど残留せず、活性炭まで到達する事が可能であるため、活性炭の消臭効果を阻害する事はないものである。
【0021】また、活性炭は、顆粒状、粉末状等のものをそのまま使用すると、気体や液体を自由に通過させる事が可能であるとともに、肌への刺激も少ないものとなる。しかし、この顆粒状、粉末状の活性炭では、軽くて飛散し易いため、製造時の作業性を悪くしたり、吸収層への均一な分散を行いにくい事がある。また、吸収性物品の使用時の刺激により、活性炭が表面シートと裏面シートとの隙間からこぼれたり、吸収層の表面を移動して、不均一に分散するものとなり、使用感や消臭機能を低下させてしまう可能性がある。そのため、活性炭を、分散する事がないようシート状に形成すれば、活性炭の安定性を良くして、製造時の扱いを容易とするとともに、吸収層への活性炭の均一な分散を保つ事ができる。
【0022】このように活性炭をシート状とするには、紙状、綿状のパルプや不織布等のシート形成部材を用いても良い。例えば、紙状パルプの表面に、活性炭を塗布又は接着する事により、シート状とする。また、綿状パルプの繊維内に、活性炭を分散してシート状とすれば、この繊維が活性炭に絡みつくので、活性炭の安定性が更に向上する。また、不織布を形成する過程で、不織布繊維と活性炭を混合し、活性炭を含有する不織布を形成する方法もある。何れの場合でも、粉末又は顆粒状の活性炭に比べて、シート状活性炭の方が扱いが容易であるとともに、吸収性物品への均一な分散を可能として、効果的に消臭できるものとなる。
【0023】また、このように活性炭をシート状に形成する際は、吸収層と均一な面積で形成すれば、コストは高くなるが、体液や悪臭成分があらゆる方向に拡散しても、吸収性物品の全面で悪臭成分を確実に吸収して、外部に漏らす事はないものとなる。また、シート状の活性炭は、吸収層よりも狭い面積で形成すれば、拡散時のカバー力は低下するが、体液の集中し易い位置に配置する事により、効果的な消臭が可能となる。また、低コストで製品を形成する事ができる。
【0024】また、おりもの用シートや、軽失禁用シート等、少量の体液を吸収するための体液吸収性物品の場合は、裏面シートとして不織布等の通気性を持つ素材を使用しても良く、この場合は経済的な製造が可能となるとともに、ムレやごわつきを防いで、快適な使用感を得るものとなる。また、生理用ナプキン、多量の尿を吸収するための失禁用使い捨てパンツ、使い捨て紙おむつ等、多量の体液を吸収するための体液吸収性物品の場合には、裏面シートとして、非透水性の防漏シートを配置すれば、体液の漏れを良好に防ぐ事が可能となる。尚、前述のおりもの用シートや、少量の失禁用の使い捨てパンツ等の裏面シートにも、非透水性の防漏シートを用いる事も勿論可能である。
【0025】
【実施例】以下、本発明を生理用ナプキンで実施した一例を、図面に於て説明すれば、(10)は表面シートで、多数の流通孔を設けたポリエチレンフィルムで形成する事により、通気性と透水性に優れたものとしている。また、この表面シート(10)の裏面側に、流通孔を形成しないポリエチレンフィルム等を配置する事により、防漏性に優れた裏面シート(11)を設けている。また、この裏面シート(11)の外面には、ホットメルトを塗布する事により、ショーツへの止着部(13)を形成し、その表面を離型紙(図示せず)で被覆している。
【0026】また、表面シート(10)と裏面シート(11)との間に、パルプや適宜の高吸水性ポリマー(図示せず)等から成る吸収層(12)を配置している。そして、吸収層(12)と表面シート(10)との間、及び吸収層(12)と裏面シート(11)との間には、吸収シート(14)を各々配置している。この吸収シート(14)は、吸収層(12)の上面全体または下面全体を被覆可能な面積で、パルプや不織布等の体液吸収性の素材で形成している。
【0027】また、表面シート(10)側の吸収シート(14)と吸収層(12)との間に、顆粒状または粉末状の活性炭(15)を、消臭剤として配置している。尚、本実施例では、一枚の生理用ナプキンに、0.02g以上の活性炭(15)を配合している。この活性炭(15)の配合量は、少なくとも0.02g以上であれば、平均的に排出される体液の悪臭成分を吸収可能なものである。
【0028】そして、体液量が多い時期に使用する場合等を鑑みて、生理用ナプキン一枚につき、活性炭(15)を0.1g以上配合するのが好ましい。但し、活性炭(15)の配合量が多すぎると、生理用ナプキンがごわついて、肌触りや肌へのフィット性が低下する虞れがあるので、適宜の分量を配合するのが好ましい。また、活性炭(15)は、図1に示す如く、吸収層(12)の中央位置に配置するとともに、その分布面積は、吸収層(12)の表面積の半分以下としている。
【0029】上述の如く、活性炭(15)を、体液の最も集中する吸収層(12)の中央部に配置する事により、体液との接触率を高めている。また、活性炭(15)を、表面シート(10)に近い位置に配置する事により、体液等から生じる悪臭成分と効率的に接触し易いものとし、効率的に消臭を行う事を可能としている。
【0030】また、活性炭(15)は、黒色を呈しているが、吸収シート(14)と表面シート(10)で被覆しているので、この黒色が外部に透けにくいものとなり、視覚的に好ましい製品となる。また、活性炭(15)よりも上層部に配置した吸収シート(14)や表面シート(10)に、体液が染み込んだり付着する事により、これらに体液が残留するが、この残留量が多いと、活性炭(15)との接触率が低くなり、消臭効果が低下する。この体液の残留量は、吸収シート(14)の素材の種類や厚さ、繊維密度、及び表面シート(10)の流通口の数や大きさ等により、異なるものである。従って、活性炭(15)よりも上層部の吸収シート(14)や表面シート(10)は、体液の残留量が少なくなるように形成すれば、活性炭(15)と接触する割合が高まり、効果的な消臭が可能となるものである。
【0031】上述の如き条件を満たすためには、例えば、5.0gの高粘度模擬経血を、本発明のナプキン本体(16)に注入した場合、活性炭(15)よりも上層部の表面シート(10)と吸収シート(14)への経血の残留量が、2.5g以下となるように表面シート(10)と吸収シート(14)とを形成すれば、2.5g以上の経血が、活性炭(15)を含む下層部側で吸収される。このように形成する事により、実際の使用時に、子宮内組織等の不純物を含んだ経血は、活性炭(15)よりも上層部には殆ど残留せず、活性炭(15)と良好に接触して、悪臭成分の効果的な消臭が可能なものとなる。
【0032】また、消臭効果を更に向上するには、高粘度模擬経血5.0g中、活性炭(15)よりも上層部の表面シート(10)と吸収シート(14)への経血の残留量が1.5g以下となるようにするのが好ましく、活性炭(15)を含む下層部側には、3.5g以上の経血が吸収されるものとなる。更に好ましくは、上層部での経血の残留量が5.0g中0.5g以下となるようにするのが良く、下層部での吸収量が4.5g以上となる。このように形成すれば、実際の経血は、活性炭(15)よりも上層部側には殆ど残留せず、活性炭(15)と確実に接触して、悪臭成分が良好に消臭されるものとなる。
【0033】また、本実施例の生理用ナプキンに、羊の血液を使用して行った場合の、活性炭(15)よりも上層部、つまり表面シート(10)と吸収シート(14)での好ましい血液の残留量を記す。尚、この羊血液は、凝結を防止するため、血液中の繊維成分を除去してあり、低粘度な状態である。そして、この羊血液5.0gを、ナプキン本体(16)に注入した場合、活性炭(15)よりも上層部の表面シート(10)と吸収シート(14)への残留量が、5.0g中2.0g以下となるように、表面シート(10)と吸収シート(14)とを形成すれば、5.0g中3.0g以上の血液が活性炭(15)を含む下層部側に吸収されるものとなる。
【0034】また、好ましくは、活性炭(15)よりも上層部への羊血液の残留量が、5.0g中1.5g以下となるように表面シート(10)と吸収シート(14)とを形成すれば、活性炭(15)を含む下層部での吸収量が、5.0g中3.5g以上となる。更に好ましくは、上層部での残留量が5.0g中0.5g以下とするのが良く、活性炭(15)を含む下層部での吸収量が5.0g中4.5g以上となる。このように形成すると、実際の経血が良好に活性炭(15)と接触し、消臭効果に優れた生理用ナプキンを得る事ができる。
【0035】上述の如き生理用ナプキンでは、装着者から排出された体液が、ナプキン本体(16)の表面シート(10)に落下する。この体液は、血液だけでなく、子宮内組織、膣内分泌物、汗等が含まれ、これらから様々な悪臭成分が発生する。そして、この体液は、悪臭成分とともに表面シート(10)の流通孔を介して吸収シート(14)側に流動し、この吸収シート(14)を通過して、吸収層(12)側に流動する。そして、前述の如く、表面シート(10)と吸収シート(14)への体液の残留量が少ないので、体液の大部分が吸収層(12)側に流動するものである。
【0036】この流動過程で、体液は、吸収層(12)の表面シート(10)側に配置した活性炭(15)と接触する。この接触により、体液中の悪臭成分が、活性炭(15)に物理的に吸着されて、効果的に消臭されるものとなる。尚、本実施例のナプキン本体(16)では、活性炭(15)を、図1に示す如く、体液の集中し易い中央部に配置しているので、効率的な消臭が可能となる。そして、この良好な消臭が行われた体液は、吸収層(12)のパルプに吸収されたり、高吸水性ポリマーでゲル化されて、吸収層(12)の内部に閉じ込められる。
【0037】また、時間の経過に伴い、吸収層(12)内の体液が酸化・腐敗して、新たな悪臭が発生する。更に、装着者の体温等により、体液中の水分が気化するので、悪臭成分を含んだ水蒸気が、表面シート(10)方向に上昇する。そして、従来製品では、この悪臭成分が外部に漏れる不具合を生じていた。しかし、本発明では、、吸収層(12)の表面シート(10)側に活性炭(15)を配置しているので、悪臭成分の上昇経路に活性炭(15)が介在するものとなる。
【0038】この活性炭(15)との接触により、悪臭成分は確実に消臭され、水蒸気だけが外部に発散されるものとなる。また、活性炭(15)を表面シート(11)側に配置しているので、ムレ等によって装着者の肌側で生じた臭いも、活性炭(15)に吸着され易く、良好な消臭が可能となる。従って、生理用ナプキンの装着者に、安心感と快適な装着感を与えるものとなる。
【0039】また、粉末状又は顆粒状の活性炭(15)をそのまま使用する場合は、軽くて飛散し易いため、扱いが面倒である。そのため、上記第1実施例の如く、吸収層(12)の表面に、粉末状又は顆粒状の活性炭(15)を配置する方法では、製造に手間が掛かるとか、吸収層(12)に均一に分散できないとか、生理用ナプキンが汚れて形成される等の不具合を生じる虞れがある。また、製品の運搬時や装着時の刺激で、活性炭(15)が吸収層(12)の表面を移動して不均一に分散され、消臭効果や肌触りを低下させる可能性がある。
【0040】この問題を解消するため、吸収層(12)を形成する際に、この吸収層(12)のパルプ中に活性炭(15)を混合すれば、パルプの繊維が活性炭(15)に絡みついて保持するから、片寄りを防止し、活性炭(15)の安定性が向上する。また、この場合も、活性炭(15)をパルプの表面シート(10)に近い側に配置する事により、悪臭成分の確実な消臭が可能となる。
【0041】また、この活性炭(15)を、より扱い易くし、吸収層(12)での安定性を向上させるため、第2実施例では、図4に示す如く、粉末状、顆粒状の活性炭(15)を、綿状のパルプの内部に配合している。そして、この綿状パルプの上面全体を、体液吸収性の上部シート(18)で被覆するとともに、下面全体にも体液吸収性の下部シート(19)を配置する事により、活性炭配合シート(17)を形成している。また、本実施例では、活性炭(15)は、綿状パルプの下部シート(19)側に均一に分散している。
【0042】また、この活性炭配合シート(17)は、肉厚としたり、内部に吸水性ポリマー等を混合する事により、補助吸収体の如き使用が可能となり、生理用ナプキンに消臭機能をもたせるだけでなく、体液吸収性を向上させるものとなる。そして、この活性炭配合シート(17)を、図3に示す如く、吸収層(12)の表面シート(10)側に配置している。この方法だと、活性炭配合シート(17)を形成する手間やコストはかかるが、活性炭(15)の扱いが容易となって製造時の作業性が向上するとともに、装着時には均一な分散が保持され、消臭効果や使用感が向上する。また、活性炭(15)の黒色が、パルプの繊維や上部シート(18)で更に目立たなくなり、より外観の好ましい製品となる。
【0043】尚、本実施例では、活性炭配合シート(17)を吸収層(12)の面積の三分の一以下の面積で形成するとともに、体液の集中し易い中央部に配置している。また、活性炭配合シート(17)の表面シート(10)側には、吸収シート(14)を配置している。また、本実施例の生理用ナプキンでも第1実施例の如く、活性炭(15)よりも上層部の部材、即ち表面シート(10)と吸収シート(14)、及び活性炭配合シート(17)の上部シート(18)と綿パルプへの、体液の残留量が少なくなるように形成する。このように形成する事により、活性炭(15)の消臭機能を効果的に発揮できるものとなる。
【0044】また、本実施例では、図4に示す如く、活性炭配合シート(17)内に於いて、活性炭(15)を綿状パルプ内の下部シート(19)側に配置しているが、綿状パルプ全体に分散しても良いし、上部シート(18)側に配置しても良い。何れの場合でも、図3に示す如く、この活性炭配合シート(17)を、吸収層(12)と表面シート(10)との間に配置するので、悪臭成分との接触率が高く、優れた消臭効果を発揮するものである。
【0045】そして、本実施例の生理用ナプキンを使用すると、体液等から生じる悪臭成分は、体液とともに表面シート(10)と吸収シート(14)とを通過し、活性炭配合シート(17)に到達する。そして、体液は、この活性炭配合シート(17)で吸収される事により、悪臭成分が活性炭(15)と接触し、良好な消臭が行われるものとなる。また、大量の体液が排出された場合は、体液は、活性炭配合シート(17)内で、良好に悪臭成分を除去されながら、吸収層(12)側に流動して吸収されるものである。
【0046】また、吸収層(12)内の体液の酸化・腐敗及び水分の気化により、悪臭成分を含んだ水蒸気が、表面シート(10)側に上昇する。この悪臭成分は、第1実施例と同様に、上昇経路に配置した活性炭(15)により、良好に消臭されるので、外部に不快な臭気を逃がさず、快適な使用が持続するものである。
【0047】また、上記第1、第2実施例では、吸収層(12)の表面積の半分以下または三分の一以下の面積で、活性炭(15)を吸収層(12)に配置している。他の異なる実施例として、吸収層(12)の表面全体に活性炭(15)を分散したり、活性炭配合シート(17)を、吸収層(12)と略同面積に形成して吸収層(12)に配置しても良い。このように形成すると、生理用ナプキンの製造コストは高くなるが、ナプキン本体(16)の全面で確実に悪臭成分を捕らえる事ができるので、より効果的な消臭が可能となる。
【0048】また、上記実施例では、生理用ナプキンに活性炭(15)を配合しているが、おりもの用シート、失禁者用使い捨てパンツ、使い捨て紙おむつ、その他の吸収性物品に使用する事も可能である。この場合も、吸収性物品の大きさや排泄物、体液の分量に応じて、適宜の分量や分布面積で活性炭(15)を配合するのが好ましい。何れの製品に於いても、活性炭(15)を吸収層(12)の表面シート(10)側に配置する事により、排泄物や体液から生じる様々な臭気と活性炭(15)と確実に接触させて、優れた消臭効果を発揮するものとなる。
【0049】
【発明の効果】本発明は上述の如く構成したものであるから、体液や排泄物等から生じる悪臭成分を、活性炭の物理吸着力により、効果的に消臭する事ができる。そして、活性炭を吸収性物品の表面シートに近い側に配置する事により、悪臭成分と活性炭との接触率を高め、活性炭の消臭効果を十分に発揮して、確実な消臭が可能となる。そのため、吸収性物品の装着時に外部に不快な臭いを漏らさず、装着者に安心感と快適な使用感を与えるものとなる。
【出願人】 【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社資生堂
【出願日】 平成11年1月18日(1999.1.18)
【代理人】 【識別番号】100068191
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 修
【公開番号】 特開2000−201972(P2000−201972A)
【公開日】 平成12年7月25日(2000.7.25)
【出願番号】 特願平11−8732