| 【発明の名称】 |
水 枕 |
| 【発明者】 |
【氏名】市ヶ谷 弘司
|
| 【要約】 |
【課題】冷却能力の持続時間が長くなって、水を交換する頻度を少なくできる水枕を提供する。
【解決手段】水枕10の本体13の一部は、防水透湿部材14a,14bによって構成されている。防水透湿部材14a,14bは、水枕10を普通に置いて頭部を載せたときに、本体上部の頭部の左右両側にくる位置に設けられている。防水透湿部材14a,14bとしては、水を通しにくく、かつ水蒸気を透過するという特性を持った素材、具体的には、ジャパンゴアテックス株式会社製のゴアテックス(登録商標)メンブレンなどを用いることができる。頭部の熱を吸収して気化した水蒸気は防水透湿部材14a,14bを透過して外部に出ることができるため、水蒸気圧はそれほど高くならず、したがって水はある程度の熱を吸収すると盛んに気化する。その結果、水の温度上昇が有効に抑えられる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 袋状の保水部材に水を封入する水枕において、前記保水部材の一部を、防水性と透湿性を備えた素材で構成したことを特徴とする水枕。 【請求項2】 前記防水性は、頭部を載置しても水を内部に保持するのに十分な程度の防水性であり、前記透湿性は、内部の水が気化したときに内部の蒸気圧を気化が促進されるよう低く維持する程度の透湿性であることを特徴とする請求項1記載の水枕。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、風邪で発熱したときや暑くて寝苦しい夜などに頭部を冷却するのに用いられる水枕に関する。 【0002】 【従来の技術】風邪で発熱したときや暑くて寝苦しい夜などには、頭部を冷却するために、従来から水枕が用いられている。水道水の温度は、一般に体温よりも低いので、水道水を中に入れた水枕の上に頭を載せると、頭部の熱が水に吸収されて冷たく感じられる。更に、水の中に氷などを入れると、より冷たく感じることができ、冷却可能な時間も長くすることができる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】水枕の中の水が頭部の熱を吸収すると、水の温度は次第に上昇するため、使用時間が長くなるにしたがって冷却能力は低下し、一定の時間が経過すると、ほとんど冷却作用がなくなる。このため、かかる一定時間経過後もなお冷却が必要な場合には、中の水を交換する作業が必要となる。 【0004】しかし、水枕は睡眠時間中に使用することとが多いため、頻繁に中の水を交換しなければならないと、安眠の妨げとなる。また、病気で寝ている人が水枕を使用している場合に、水を交換する介護者の負担が大きくなる。 【0005】本発明は、上記のような背景のもとになされものであり、冷却能力の持続時間が長くなって、水を交換する頻度を少なくできる水枕を提供するこことを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明は、袋状の保水部材に水を封入する水枕において、前記保水部材の一部を、防水性と透湿性を備えた素材で構成したことを特徴とする。 【0007】ここで、前記防水性は、頭部を載置しても水を内部に保持するのに十分な程度の防水性とし、前記透湿性は、内部の水が気化したときに内部の蒸気圧を気化が促進されるよう低く維持する程度の透湿性とする。 【0008】 【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態の水枕の斜視図である。 【0009】図1に示すように、本実施形態の水枕10の外観形状は、従来の水枕とほぼ同様である。使用法も従来の水枕と同様であり、注水口11から水道水などを入れ、さらに必要に応じて氷なども入れて、バックル12を注水口11と本体13をつなぐのネック部に装着して内部を密閉する。あとは、これを通常の枕の位置に置き、この上に直接、あるいは間にタオルなどを敷いて頭部を載せる。 【0010】水枕10が従来の水枕と異なるのは、本体13の一部が防水透湿部材14a,14bによって構成されている点である。防水透湿部材14a,14bは、水枕10を普通に置いて頭部を載せたときに、本体上部であって頭部の左右両側にくる位置に設けられている。 【0011】防水透湿部材14a,14bとしては、水を通しにくく、かつ水蒸気を透過するという特性を持った素材、具体的には、ジャパンゴアテックス株式会社製のゴアテックス(登録商標)メンブレンあるいはゴアテックス(登録商標)ファブリックを用いることができる。 【0012】ゴアテックスメンブレンは、一方の側がポリテトラフロロエチレン(PTFE)を特殊延伸加工して作られる多孔質層のフィルム、他方の側が特殊ポリマーからなる複合膜である。多孔質層には、1平方センチメートルあたり約14億個の微細な孔があり、一つの穴の大きさ(約0.2ミクロン)は、水滴の約2万分の1、水蒸気の分子の約700倍である。このため、水を通しにくく(防水性)、かつ水蒸気は透過する(透湿性)という特性が得られる。 【0013】ゴアテックスファブリックは、ゴアテックスメンブレンに、ナイロンやポリエステルなどの生地をラミネートした素材であり、防水性と透湿性を兼ね備えていることから、スキーウェアをはじめとするアウトドア用品などに広く用いられている。ジャパンゴアテックス株式会社が提供する資料によれば、ゴアテックスファブリックの防水性は4.5kg/cm2とされており、他の防水雨具等の素材に比べきわめて高い値となっている。 【0014】防水透湿部材14a,14bを本体上部の頭部の左右両側に設けるには、通常の水枕の当該位置に適当な多きさの開口部を設け、ここに前述のゴアテックスメンブレンあるいはゴアテックスファブリックを貼りつける。他の方法として、最初から開口部ができるようにゴムなどの素材を袋状に成形し、この開口部にゴアテックスメンブレンあるいはゴアテックスファブリックを貼りつけてもよい。 【0015】上記のような特性をもった防水透湿部材14a,14bを、本体上部の頭部の左右両側に設けると、防水透湿部材14a,14bの防水性によって、内部の水は水枕の中に保持され、外部に漏れ出すことはない。一方、水枕の内部の水が気化すると、その水蒸気は防水透湿部材14a,14bの透湿性によって、外部に滲出してくる。 【0016】ところで、頭部はその熱が水枕10の中の水に吸収されることによって冷却されるが、熱を吸収した水は、その熱で気化しようとする。しかし、従来の水枕では、水が気化すると完全に密閉された内部の水蒸気圧が高くなるため気化が抑えられ、熱を吸収してもほとんど気化することはなかった。これに対し、本実施形態の水枕10の場合は、気化した水蒸気は防水透湿部材14a,14bを透過して外部に出ることができるため、水蒸気圧はそれほど高くならず、したがって水はある程度の熱を吸収すると盛んに気化する。この水の気化熱は1cc当たり約580カロリーとかなり大きい。 【0017】したがって、内部の水が気化できる状態に保たれていれば、吸収された頭部の熱は、そのかなりの部分が水の気化に寄与し、このため水の温度上昇が有効に抑えられる。その結果、従来の水枕に比べて冷却作用がより長く持続し、従来の水枕のように頻繁に水を交換する必要がなくなる。 【0018】なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々の変更が可能である。たとえば、上記実施形態では、防水性と透湿性を備えた防水透湿部材14a,14bを、本体上部の左右両側にくる位置に設けたが、本発明では、防水透湿部材を設ける位置はこれに限られない。 【0019】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、水枕の一部を防水性と透湿性を兼ね備えた素材で構成することによって、水を水枕の内部に保持しながら気化した水を外部に排出できるので内部の蒸気圧が低く維持され内部の水が気化しやすくなり、その結果、吸収した熱が水の気化に寄与するため水の温度上昇が抑えられ、従来に比べて冷却作用が長時間持続する。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】592171005 【氏名又は名称】株式会社セフト研究所
|
| 【出願日】 |
平成11年1月11日(1999.1.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091269 【弁理士】 【氏名又は名称】半田 昌男
|
| 【公開番号】 |
特開2000−201962(P2000−201962A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月25日(2000.7.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−4539 |
|