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【発明の名称】 静脈加温帯
【発明者】 【氏名】山田 金蔵

【要約】 【課題】何回も加温が可能であり、所望の時間継続して加温帯を提供する。

【解決手段】外側布2と内側布3からなり、袋部5を有する帯体1の袋部5に、硬板15、断熱材16からなる側面視C字状のカーラ14を背面となるようにして、面状発熱体8を重設し、内側を腕等の生体に接触するように装着し、面状発熱体8に通電して加温する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】加温用の面状発熱体と、この面状発熱体の背面に配設される断熱材とを帯体に付設してなることを特徴とする静脈加温帯。
【請求項2】前記帯体は、袋部を備え、この袋部に前記面状発熱体を収納したことを特徴とする請求項1記載の静脈加温帯。
【請求項3】側面視C字状のカーラを備え、前記面状発熱体を、このカーラの内側に配置するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の静脈加温帯。
【請求項4】前記断熱材は、前記カーラの内側に、カーラに一体的に形成されることを特徴とする請求項3記載の静脈加温帯。
【請求項5】前記面状発熱体に温度センサを備えたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載の静脈加温帯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、生体の静脈を加温する静脈加温帯に関する。
【0002】
【従来の技術】患者に治療を施すために、しばしば静脈注射が行われる。しかし、度重なる静脈注射により、血管及び患部には抗体ができ、硬化し、鋭利な針尖にさえ滑落して、何度も穿刺を繰り返さなければ血管に通すことができなくなる。そこで、患者の苦痛と看護婦(術者)の難易度を緩和するため、従来一部の病院では蒸しタオル等を使って穿刺部分を暖めて、柔らかくしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した蒸しタオルによる加温は、常に蒸しタオルを保温しておかねばならず、また、患者数が多いと、それだけ多くの蒸しタオルを用意しておかねばならず、さらに蒸しタオルでは時間とともに冷めるので、煩雑に取り替える必要があり、加温時間も長く取れない、という問題があった。
【0004】この発明は上記問題点に着目してなされたものであって、何回も加温が可能であり、また所望の時間継続して加温し得る静脈加温帯を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の静脈加温帯は、帯体に加温用の面状発熱体と、この面状発熱体の背面に配設される断熱材とを付設している。この加温帯を生体の穿刺部に装着し、面状発熱体のヒータに通電すると、面状発熱体の加熱により、背面は断熱材で熱放出を抑え、また穿刺部及びその近傍が加温され、その加温により静脈も柔らかくなる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態により、この発明をさらに詳細に説明する。図1は、この発明の一実施形態静脈加温帯の帯体の外観を示す斜視図である。帯体1は、平面上に展開すると、長方形の短冊状であり、外側、内側とも布2、3で構成され、外側の布2はソフトな感覚のものが使用され、内側の布3はぬれタオル等を介在させることも考慮して、はっ水加工を施している。また、内側には開口4を有する袋部5が形成され、この袋部5には後述する加温用の面状発熱体等が入れられる。帯体1の内側の一端と、外側の他端に装着用の面ファスナ6、7が設けられている。
【0007】図2は、この実施形態静脈加温帯の面状発熱体8の平面図である。この面状発熱体8は抵抗部9a、9bと、電極10a、10b、10cからなり、抵抗部9a、9bは炭素繊維をシート状にして絶縁フィルム11で真空パックしている。この面状発熱体8の厚みは0.4ミリメートルと薄く、適宜、丸めることは自在である。抵抗部9a上に、サーモスタット動作をする温度センサ12が設けられている。電極10aと10cは共通接続されて、温度ヒューズ17を介して電源スイッチ13に接続され、電極10bは温度センサ12を介して、電源スイッチ13に接続されており、回路図で示すと図3の回路となる。
【0008】図4は、面状発熱体8を支持するためのカーラ14の斜視図である。このカーラ14は外側が塩ビ等の硬板15、内側がポリスチロール等の断熱材16の2層で一体に構成され、全体として筒状のものがA部分で一部カットされ、側面視C字状となっている。このカーラ14の内側に、図2に示した面状発熱体8を沿わせて重ね、A部分の一端より、図1に示した帯体1の開口4より袋部5に入れる。これによって実施形態静脈加温帯が完成する。カーラ14、面状発熱体8を袋部5に入れた状態での断面図を示すと、図5となり、右側が内側となり、外側に向けて内側の布3、面状発熱体8、カーラ14の断熱材16、カーラ14の硬板15、外側の布2の順に配置されることになる。
【0009】この実施形態静脈加温帯は、温度を45〜48°Cで調節可能とし、使用時間も5〜20分の範囲で選択できるようにしているが、この発明ではもちろんこの値に限ることなく、調節温度、使用時間は用途に応じ、適宜に設定すればよい。この実施形態静脈加温帯を用いて、患者の腕の注射の穿刺部を暖める場合、静脈加温帯を腕にかぶせ、ファスナ6、7を止める。そして、電源スイッチ13をONし、通電をスタートさせると、面状発熱体8の加温により、温度は図5に示すように、時間の経過とともに上昇する。動作当初は時間の経過とともに温度上昇してゆくが、2分程度で上昇し、5分程経過すると安定した温度となる。温度センサ12は45°Cのものを使用すると、電源投入時は温度センサ12がONしており、面状発熱体8に通電し、温度が上昇する。温度が45°Cを越えると温度センサ12がOFFし、温度が若干低下する。45°Cより小さくなると、再度、ONし、定温制御される。
【0010】図8は、他の実施形態静脈加温帯の面状発熱体を示す平面図である。この面状発熱体8は抵抗部9a、9bと、電極10a、10b、10cからなり、抵抗部9a、9bは炭素繊維をシート状にして絶縁フィルム11で真空パックしている。この面状発熱体8の厚みは0.4ミリメートルと薄く、適宜、丸めることは自在である。この点で図2と変わるところはない。電極10a、10b、10cは制御回路18に接続されている。制御回路18では、電極10a、10b、10cの接続を切替えることにより、抵抗部9a、9bの並列接続、直列接続、単一接続などを選択できるようになっており、加温状態を選択できる。また、抵抗部9aの上面に温度センサ19が搭載されている。
【0011】なお、使用温度をいくつかの設定温度の1つを選択設定する場合は、温度センサ19で測定した温度が設定温度に等しくなるように制御回路18で、面状発熱体8のON/OFF時間を制御するようにしてもよい。図9は、図8に示す面状発熱体8の抵抗部9a、9bの接続切替を行うための回路図であり、制御回路18の切替機能回路のみを示したものである。ここでは、イ、ロ、ハの3段階を3個のスイッチ21、22、23で切替えている。3個の電極のうち、電極10aはスイッチ21の端子ロ、ハと、スイッチ22の端子イ、スイッチ23の端子イに接続されている。電極10bは、スイッチ21の端子イ、スイッチ22の端子ハに接続されている。また、電極10cはスイッチ22の端子ロとスイッチ23の共通端子に接続されている。また、商用交流電源24がスイッチ21とスイッチ22の共通端子間に接続されている。スイッチ23の端子ロ、ハはオープンとなっている。
【0012】スイッチ21、22、23は連動してイ、ロ、ハと切替できる。今、各スイッチを端子イに投入すると、スイッチ23の共通端子と端子イを通して、電極10aと電極10cが共通接続され、この共通接続点がスイッチ22の端子イ、共通端子を経て、商用交流電源24の一端に接続され、また電極10bはスイッチ21の端子イ、共通端子を経て、交流電源24の他の一端に接続される。そのため、端子イへの投入により、抵抗部9aと9bが並列接続された回路に交流電源24から通電される。
【0013】次に、各スイッチ21、22、23を端子ロに投入すると、電極10aはスイッチ21の端子ロ、共通端子を経て、交流電源24の他の一端に接続され、電極10cはスイッチ22の端子ロ、共通端子を経て、交流電源24の一端に接続される。電極10bはオープンとなる。そのため、端子ロへの投入により、抵抗部9a、9bが直列接続された回路に、交流電源24から通電される。
【0014】続いて、各スイッチ21、22、23を、端子ハに投入すると、電極10aはスイッチ21の端子ハ、共通端子を通して、交流電源24の他の一端に接続され、電極10bはスイッチ22の端子ハ、共通端子を通して、交流電源24に接続される。電極10cはオープンとなる。そのため、端子ハへの投入により、抵抗部9aにのみ交流電源24から通電される。
【0015】
【発明の効果】この発明によれば、面状発熱体と、この面状発熱体の背面に配設される断熱材とを帯体に付設しているので、帯体を加温箇所に装着し、面状発熱体に通電され、断熱材側から熱は逃げず、面状発熱体側から生体が加温され、容易にかつ効率良く、生体への加温を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】596181545
【氏名又は名称】山田 金蔵
【出願日】 平成10年6月16日(1998.6.16)
【代理人】 【識別番号】100084962
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 茂信
【公開番号】 特開2000−259(P2000−259A)
【公開日】 平成12年1月7日(2000.1.7)
【出願番号】 特願平10−167916