| 【発明の名称】 |
小動物用固形剤投与器具 |
| 【発明者】 |
【氏名】葛西 靖広
【氏名】長岡 有紀
【氏名】川口 雅子
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| 【要約】 |
【課題】従来の金属製のカプセル投与器具を用いてラットにカプセルを投与する場合、咽喉頭および食道に対する抵抗が大きく、投与しずらい上、咽喉頭や食道を損傷したり、誤って目的の場所以外に投与する事態が発生するなどの欠点がある。
【解決手段】1)筒型の胴体部、2)胴体部に接続するフレキシブルで弾性変形可能でしかも先端に固形剤装着部を有するチューブ状の経口ゾンデ部、3)胴体部及び経口ゾンデ部内を通る押し棒、から構成されており、該押し棒は経口ゾンデ部を通る部分がフレキシブルであることを特徴とする小動物用固形剤投与器具 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】1)筒型の胴体部、2)胴体部に接続するフレキシブルで弾性変形可能でしかも先端に固形剤装着部を有するチューブ状の経口ゾンデ部、3)胴体部及び経口ゾンデ部内を通る押し棒、から構成されており、該押し棒は経口ゾンデ部を通る部分がフレキシブルであることを特徴とする小動物用固形剤投与器具。【請求項2】固形剤装着部の形状が先端部が徐々に広がった逆円錐形(じょうご形)であることを特徴とする請求項1記載の小動物用固形剤投与器具。【請求項3】投与対象小動物がラットであり、投与固形剤がカプセル剤であることを特徴とする小動物用固形剤投与器具。 |
【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ラット等の小動物に腸溶性カプセルなどの固形剤を胃内経口投与するための投与器具に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、マウスやラットなどに溶液状の薬物などを経口投与するためのゾンデとしては、テフロン製のフレキシブルな経口ゾンデが用いられている。しかしながら、ラット等の小動物の胃内にカプセル等の固形物を投与するための投与器具は、経口ゾンデ部および先端部のカプセル装着部が何れも金属製であり、しかも、通常の溶液投与用の経口ゾンデと比較して先端部(カプセル装着部)が大型である。このため、従来のカプセル投与器具をラットに挿入する際、咽喉頭および食道に対する抵抗が大きく、投与しずらい欠点がある。更に、一般的に毒性試験には6〜8週齢のラットが用いられ、この様な若齢ラットに、大型かつ金属製のカプセル投与ゾンデを用いて投与した場合、あるいは作業者の投与技術が未熟な場合には、ラットへのストレス負荷、ラットの緊張抵抗による暴れにより咽喉頭や食道を損傷したり、誤って目的の場所以外に投与する事態が発生し、体重や摂餌低下の原因となる。従って、従来のラット用カプセル投与器具を用いた反復投与毒性試験の実施は困難であるため、“腸溶性カプセルなどのラット用小型カプセルの経口投与による反復投与毒性試験”を実施した例は未だない。また、市販されている腸溶性カプセルなどのラット用小型カプセルは、製造時に厳密な品質管理が行われていないため、同一規格でも個々のカプセルの長さや外径には誤差ある。そして、従来の金属製のラット用カプセル投与器具はカプセル装着部が円筒形であることから、この様な市販カプセルの規格の誤差に対応できず、カプセルのゾンデへの装着不可、装着時および排出時のカプセルの破損、口腔および食道内におけるカプセルの脱落の原因となり、カプセルを胃内へ確実に経口投与ができないという欠点を有する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の如き欠点のないカプセルなどの固形剤の投与器具を発明すべく種々検討を重ねた。その結果、■ゾンデ部挿入の際、ラットの緊張抵抗を和らげるとともに、咽喉頭および食道に対する通過抵抗を軽減できる。 ■従って、誤投与を防止し、咽喉頭や食道を損傷することなく小型カプセルを経口投与できる。■固形剤装着部へのカプセル剤等の固形剤の装着不可、装着時および排出時の固形剤破損、口腔および食道内での固形剤脱落などを防止し、固形剤の確実な胃内経口投与が可能である。■これらのことから、今回発明した小動物用固形剤投与器具を用いることにより、“腸溶性カプセルなどのラット用小型カプセルの単回または反復経口投与試験”が実施可能である。等の利点を有する固形剤投与器具を発明するに至った。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明に係る小動物用固形剤投与器具は、1)筒型の胴体部、2)胴体部に接続するフレキシブルで弾性変形可能でしかも先端に固形剤装着部を有するチューブ状の経口ゾンデ部、3)胴体部及び経口ゾンデ部内を通る(連通する)押し棒、から構成されており、該押し棒は経口ゾンデ部を通る部分がフレキシブルであることを特徴とする。【0005】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に係る投与器具は、マウス、ラット、モルモット、ハムスター等の小動物、好ましくはラットに使用される。また、投与される固形剤としては、小型のカプセル剤を投与するのが好ましいが、そのほかに丸剤、顆粒剤等も投与可能である。筒型の胴体部は、押し棒が自由に可動可能な筒状の構造であれば如何なる構造でもよく、通常、プラスチック製で円筒状、六角筒状等の構造のものが用いられる。また、胴体部は経口ゾンデ部との接続部が狭まった構造にすることにより、経口ゾンデ部との着脱又は接続を容易に行うことができる。 【0006】本発明では、経口ゾンデ部、経口ゾンデ部先端のカプセル剤等の固形剤装着部、押し棒の経口ゾンデ部を通る部分など、ラット等の小動物の咽喉頭および食道に挿入する部位は、フレキシブルで弾性変形可能な材質、例えばテフロン製、ポリエチレン製等の材質で構成される。固形剤装着部は、カプセル剤、丸剤、顆粒剤等の固形剤を胃内に挿入する際に一時的に保持できる形状であれば如何なる形状でもよい。円筒状、又は先端部が徐々に広がった逆円錐形(じょうご形)が実用的である。本発明では逆円錐形が好ましい。逆円錐形とすることにより、カプセル剤などの固形剤を多少の外径誤差(大きさの相違)に関わらず比較的広範囲に装着可能とすることができる。【0007】押し棒は、経口ゾンデ部を通る部分(経口ゾンデ部可動部)がフレキシブルであり、胴体部を通る部分(シャフト部)及び胴体部からはみ出している部分(手元部)が、押し棒を押し下げて固形剤を投与する際の圧力(押圧)では殆ど変形しない構造にすることが好ましい。通常、経口ゾンデ部可動部は経口ゾンデ部と同様のフレキシブルな材質で構成され、シャフト部及び手元部は金属製、プラスチック製等の材質で構成される。あるいは、押し棒の経口ゾンデ部可動部として使用できるフレキシブルなチューブを用い、このチューブの一部にチューブの内径とほぼ同径又はやや大きめの針金等の金属を挿入して固定しシャフト部及び手元部としたものが押し棒として用いられる。また、押し棒は手元部に鍔等のストッパーを設ける構造又は手元部の端が徐々に拡幅した逆円錐形の構造等にすることにより一定の位置以上は押し棒の押し込みができなくなる構造にすることが好ましい。 【0008】 【作用】■本発明に係る投与器具は、投与の際、経口ゾンデ部を支える胴体部が注射筒と類似するため、作業者は本投与器具を片手で持つことができ、一般に使用されている溶液投与用経口ゾンデと同じ要領で操作できる。 ■固形剤装着部からのカプセル剤等の固形剤の排出は、人差し指での押し棒の押し込みにより行う。固形剤押し出しの目安は“押し棒停止位置までの押し込み”であるため、固形剤の排出不良がなく、また、固形剤が装着部から外れる際の感覚が容易に判断でき、確実な胃内経口投与が可能である。 【0009】■小動物の咽喉頭および食道への接触部位である経口ゾンデ部及び押し棒の経口ゾンデ部可動部は、フレキシブル性を有した弾性変形可能な材質を用いた。このことから、作業者の投与技術が未熟な場合、また、ラットの緊張抵抗によって動物が暴れた場合にも、咽喉頭および食道の損傷を防止できる。これらのことから、“カプセルを用いた単回または反復経口投与試験”が実施可能である。■経口ゾンデ部先端の固形剤装着部の形状を逆円錐形とした場合、市販のラット用小型カプセルにみられる長さおよび外径の誤差にも対応可能である。 【0010】■カプセルなどの固形剤の投与器具への装着不可、装着時および排出時の固形剤破損、口腔および食道内での固形剤脱落などを防止し、固形剤の確実な胃内経口投与が可能である。 ■カプセル装着時に装着可能なカプセルを選別する手間が省け、高価なカプセルを有効に使うことができるため、経済的である。 【0011】 【実施例】以下には、本発明に係る小動物用固形剤投与器具の代表的な構成について、ラットに小型カプセルを投与する場合を例に、添付図面を参照して一層詳細に説明する。 第1図:胴体部に経口ゾンデ部を接続した状態を示す。 ■胴体部1は円筒形で、注射筒と類似した形状をなす。このことから、作業者は本投与器具を片手で持つことができ、一般に使用されている溶液投与用経口ゾンデと同じ要領で操作できる。 ■胴体部1の経口ゾンデ部接続部2に経口ゾンデ部の接続部4を取り付ける。これらの接続部は注射筒および注射針の接続部と同様の形状であり、脱着は容易かつ確実である。 【0012】■押し棒挿入口3より第2図に示した押し棒部を差し込み、胴体部1と接続した経口ゾンデ部5内に通す(第3図参照)。 ■経口ゾンデ部5はフレキシブル性を有し、弾性変形可能なテフロン製である。本発明の経口ゾンデ部にはフレキシブル性を有する材質を採用し、動物に対する負荷を最少限にした。また、経口ゾンデ部は、ラットの咽喉頭を通過させるために、ある程度の硬さも必要である。本経口ゾンデ部5は、適度な弾力性と硬度を併せ持っているため、従来のような金属製でなくても投与は問題なく実施できる。 【0013】■経口ゾンデ部5の先端には、逆円錐形をしたテフロン製の固形剤装着部6を有し、この部位に市販のラット用小型カプセル12を装着する(第3図参照)。本発明の固形剤装着部は弾力性を有するテフロン製であることから、カプセルを破損させることなく、外径が一定でないカプセルであっても確実な固定が可能である。つまり、装着可能なカプセルを選別する手間が不要となり、また、破損や脱落による無駄な浪費を抑えることができるため、高価である市販のラット用小型カプセルの有効利用が可能となり、経済的である。 【0014】第2図:カプセル排出のための押し棒を示す。 ■ 経口ゾンデ部5先端の固形剤装着部6に取り付けたカプセルを押し出すための棒で、第1図の胴体部上部に開口する押し棒挿入口3から差し込み、胴体部に接続した経口ゾンデ部5内に通して使用する(第3図参照)。 ■ カプセルの排出は、テフロン製の押し棒の手元部7に人さし指を添えて、押し棒を上から下へ可動させることにより、第1図の固形剤装着部6に取り付けたカプセルを排出する。押し棒の手元部7の形状は、じょうご形状に拡幅しているため、押し棒を押し込んだ際に第1図の胴体部上部に開口する押し棒挿入口3の縁に阻まれ、必要以上に下方へは可動しない構造となっている。つまり、カプセルの排出の目安が“押し棒停止位置までの押し込み”であるため、カプセルの排出不良がなく、また、カプセルが装着部から外れる際の感覚が容易に判断でき、確実な胃内経口投与が可能である。 【0015】■ 押し棒を第1図の胴体部に取り付けた際に、胴体部の内側に収納される部位は金属製のシャフト8を使用し、押し棒手元部7と押し棒9(経口ゾンデ部可動部)を接続している。押し棒9はポリエチレン製とし、経口ゾンデ部5と同様にフレキシブル性を有した弾性変形可能な材質とした。金属製のシャフト8は、カプセル排出時に押し棒手元部7を押し込んだ際、押し棒が変形してカプセルの排出不良を起こさない働きがある。 ■ 押し棒9の経口ゾンデ部を通る部位の外径は、経口ゾンデ部5の内径よりもわずかに小さい径とし、意図的に押し棒手元部7に力を加えない限り可動することがなく、不用意なカプセルの脱落を防いでいる。 ■ 押し棒9の先端部10は、丸みを持たせた形状とし、カプセルの排出時に加わる圧力によってカプセルが破損することのないように配慮している。 ■ 押し棒の全長は、押し棒の手元部7を停止位置まで押し込んだ際、確実にカプセルを排出でき、また、第1図の経口ゾンデ5の先端にあるカプセル装着部6から突出することのない長さとして、胃や食道の粘膜が損傷することがないように配慮している。 【0016】第3図:ラット用小型カプセルの装着法を示す。 ■ 押し棒手元部7を軽く上へ引き出し、経口ゾンデ部5の内側を通る押し棒9の先端位置11を経口ゾンデ部5先端のラット用小型カプセル装着部6の上方(矢印方向)に移動させる。 ■ カプセル装着部6にラット用小型カプセル12を取り付ける。 【0017】第4図:ラット用小型カプセルの排出法を示す。 ■ 胴体部1を片手で持ち、一般に使用されている溶液投与用経口ゾンデと同じ要領で、経口ゾンデ部5を動物へ挿入する。挿入は、カプセル装着部6が胃内に届く位置までとする。 ■胴体部1を支えている手の人さし指で、押し棒の手元部7を停止位置まで押し込む。この時、カプセル12がカプセル装着部6から排出される際の感覚が容易に判断できるため、熟練者でなくても確実な胃内経口投与が可能である。 ■ 押し棒9の先端位置13は、ラット用小型カプセル装着部6から突出することがないため、カプセル排出時または排出後に経口ゾンデを動物から取り出す際に、胃や食道の粘膜が損傷することがない。 【0018】 【発明の効果】このように、本発明に係る固形剤投与器具は、投与時にラットに挿入する部分がすべてフレキシブル性を有した弾性変形可能な材質であるため、以下のような顕著な効果を奏する。 1.ゾンデ挿入の際、ラットの緊張抵抗を和らげ、ストレス負荷を軽減できる。また、作業者の投与技術が未熟な場合、ラットが暴れた場合でも、咽喉頭や食道を損傷することなく、固形剤を胃内経口投与できる。すなわち、“腸溶性カプセルなどのラット用小型カプセルの単回または反復経口投与試験”を実施可能である。 2.投与器具を支える胴体部が注射器と類似するため、作業者は本ゾンデを片手で持つことができ、一般に使用されている溶液投与用経口ゾンデと同じ要領で操作できる。 【0019】3.固形剤排出の目安が“押し棒停止位置までの押し込み”であるため、固形剤の排出不良がなく、また、固形剤が装着部から外れる際の感覚が容易に判断できるため、確実な固形剤の排出ができる。 4.市販のラット用小型カプセルの外径誤差にも対応可能である。 5.固形剤の装着不可、装着時および排出時の固形剤の破損、口腔および食道内での固形剤の脱落を防止し、固形剤の確実な胃内経口投与が可能である。また、小型カプセルを投与する場合は、カプセル装着時に装着可能なカプセルを選別する手間を省き、高価な市販のラット用小型カプセルを有効に使用できるため、極めて経済的である。 以上の利点から、本発明投与器具を用いて、“ラット(6週齢)の腸溶性カプセルによる反復経口投与毒性試験”を実施した結果、良好な試験成績が得られた。このことから、本投与器具はカプセルの経口投与による毒性試験に十分適用できると判断された。 【0020】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000226404 【氏名又は名称】日研化学株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年9月16日(1998.9.16) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−83977(P2000−83977A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月28日(2000.3.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−261053 |
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