トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 歯科用インプラント
【発明者】 【氏名】金 漢俊

【氏名】西村 毅

【要約】 【課題】顎骨内に埋設されたインプラントは、咬合力に耐えきれずにぐらつく等のおそれがあった。

【解決手段】インプラント1の構成を、略水平方向に延びる固定台3および当該固定台3の略中央から上方へ立上がったインプラント体2を含む逆T字状にする。顎骨20内に埋設されたとき、固定具3の両端は、顎骨20の唇・頬側皮質骨21および舌・口蓋側皮質骨21に取り付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】下端に、下方へ突出するねじ軸を備えたインプラント体と、前記インプラント体のねじ軸が螺合するねじ孔を有し、顎骨にあけられた横孔に挿入されて、両端が、それぞれ、顎骨の唇・頬側皮質骨および舌・口蓋側皮質骨に嵌合される固定台と、を含むことを特徴とする歯科用インプラント。
【請求項2】前記インプラント体は、中空で、その表面に中空の内部に通じる多数の孔が形成されていることを特徴とする歯科用インプラント。
【請求項3】前記固定台には、当該固定台を顎骨に取り付けたときに、歯槽骨頂部に対向して、前記インプラント体の挿入を誘導するガイドが備えられていることを特徴とする請求項1または2記載の歯科用インプラント。
【請求項4】前記ガイドは、固定台を顎骨に取り付け、インプラント体挿入孔を形成後、固定台から取り外されることを特徴とする請求項3記載の歯科用インプラント。
【請求項5】前記ガイドは、固定台の一端から略直交方向に立上がったアームと、このアームから略直交方向に延び出して固定台と平行な支持板と、固定台のねじ孔に対向するように、支持板に形成されたガイド孔とを有することを特徴とする請求項3または4記載の歯科用インプラント。
【請求項6】前記固定台の一端には、顎骨の皮質骨表面に当接し、ねじ等で皮質骨に固定される固定部が備えられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の歯科用インプラント。
【請求項7】前記固定台は、長手の円柱状をし、その周面の一部または全部にねじが切られており、かつ、少なくとも一端面に操作溝が備えられ、顎骨にあけられた横孔に挿入された際に、顎骨の唇・頬側皮質骨および舌・口蓋側皮質骨にねじが螺合し得ることを特徴とする、請求項1または2記載の歯科用インプラント。
【請求項8】略水平方向に延びる固定台および当該固定台の略中央から上方へ立上がったインプラント体を含む逆T字状をし、顎骨内に埋設されて、固定部の両端が顎骨の唇・頬側皮質骨および舌・口蓋側皮質骨に取り付けられることを特徴とする歯科用インプラント。
【請求項9】前記固定台およびインプラント体は、顎骨に取り付ける前は分離可能であることを特徴とする請求項8記載の歯科用インプラント。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は歯科治療で用いられるインプラント(人口歯根)に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、歯の欠損部の歯科修復法としてインプラントの利用が増えてきている。現在、多種類のインプラントが販売されているが、その形態に大差はなく、いずれも、チタン等の生態親和性のある材質で作られた円柱形状をしている。インプラントは、顎骨に植立した際、咬合力に対して耐えられるように、顎骨にしっかりと固着されなければならない。このため、従来より、インプラント周面にねじを形成したり(特開平7−313529号公報参照)、インプラントの材質を工夫したり(特開平10−99348号公報参照)、できるだけ太いインプラントを使用する(特開平10−85236号公報参照)等の提案がされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしいずれの提案のものも、顎骨に植立したインプラントは歯槽骨頂部からあけられた孔内に植立されており、その主要部は顎骨の骨髄内に埋設されている。顎骨はその表面部分は強固な皮質骨からなっているが、その内部は比較的柔らかい骨髄である。このため、主要部が骨髄内に埋設されたインプラントは、咬合力に耐えきれずにぐらつく等のおそれがあった。
【0004】この発明はかかる背景のもとになされたもので、顎骨に確実にかつ強固に植立することのできる新規な歯科用インプラントを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および効果】請求項1記載の発明は、下端に、下方へ突出するねじ軸を備えたインプラント体と、前記インプラント体のねじ軸が螺合するねじ孔を有し、顎骨にあけられた横孔に挿入されて、両端が、それぞれ、顎骨の唇・頬側皮質骨および舌・口蓋側皮質骨に嵌合される固定台と、を含むことを特徴とする歯科用インプラントである。
【0006】請求項2記載の発明は、前記インプラント体は、中空で、その表面に中空の内部に通じる多数の孔が形成されていることを特徴とする歯科用インプラントである。請求項3記載の発明は、前記固定台には、当該固定台を顎骨に取り付けたときに、歯槽骨頂部に対向して、前記インプラント体の挿入を誘導するガイドが備えられていることを特徴とする請求項1または2記載の歯科用インプラントである。
【0007】請求項4記載の発明は、前記ガイドは、固定台を顎骨に取り付け、インプラント体挿入孔を形成後、固定台から取り外されることを特徴とする請求項3記載の歯科用インプラントである。請求項5記載の発明は、前記ガイドは、固定台の一端から略直交方向に立上がったアームと、このアームから略直交方向に延び出して固定台と平行な支持板と、固定台のねじ孔に対向するように、支持板に形成されたガイド孔とを有することを特徴とする請求項3または4記載の歯科用インプラントである。
【0008】請求項6記載の発明は、前記固定台の一端には、顎骨の皮質骨表面に当接し、ねじ等で皮質骨に固定される固定部が備えられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の歯科用インプラントである。請求項7記載の発明は、前記固定台は、長手の円柱状をし、その周面の一部または全部にねじが切られており、かつ、少なくとも一端に操作溝が備えられ、顎骨にあけられた横孔に挿入された際に、顎骨の唇・頬側皮質骨および舌・口蓋側皮質骨にねじが螺合し得ることを特徴とする、請求項1または2記載の歯科用インプラントである。
【0009】請求項8記載の発明は、略水平方向に延びる固定台および当該固定台の略中央から上方へ立上がったインプラント体を含む逆T字状をし、顎骨内に埋設されて、固定部の両端が顎骨の唇・頬側皮質骨および舌・口蓋側皮質骨に取り付けられることを特徴とする歯科用インプラントである。請求項9記載の発明は、前記固定台およびインプラント体は、顎骨に取り付ける前は分離可能であることを特徴とする請求項8記載の歯科用インプラントである。
【0010】請求項1記載の発明によれば、顎骨内に横方向に挿入される固定台は、その両端が顎骨の唇・頬側皮質骨および舌・口蓋側皮質骨に嵌合されるので、顎骨内で確実にかつ強固に固定される。そしてインプラント体は、その下端に備えられたねじ軸が固定台のねじ孔に螺合されるので、インプラント体の下端部は固定台にしっかりと固定される。また、インプラント体を中空にし、孔を付与した形態にすれば、その間隙に骨梁が形成され、インプラント体の固定台からのねじの緩みを防ぐことができる。
【0011】請求項3ないし5記載の発明では、顎骨にインプラント体を植立する際に、ガイドによって案内される。よって、取り付けが容易である。請求項6記載の発明では、固定台の一端は皮質骨表面に固定できるので、容易に固定処理を行える。請求項7の構成では、固定台自体がねじ軸を備えた構成であり、顎骨にあけられた横孔内に容易に固定することができる。
【0012】請求項8および9記載の発明によれば、略T字状の歯科用インプラントは、インプラント体と固定台とが分離可能な構成であり、顎骨内への植立がしやすく、かつ、植立後は、顎骨に確実にかつ強固に固定できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について詳細に説明をする。図1は、この発明の一実施形態にかかるインプラントが顎骨に植立された状態を示す図解的な断面図であり、図2は、そのインプラントの構成を示す斜視図である。
【0014】図1および図2を参照して説明すると、この実施形態にかかる歯科用インプラント1は、インプラント体2および固定台3を備えている。インプラント体2は、図において上下方向に長手の略円柱状の本体4と、本体4の下端5から下方へ突出するねじ軸6とを有する。本体4の上端面7には歯冠台座等を装着するためのねじ孔8が形成されていてもよい。また本体4の上部には義歯を取り付ける歯冠部が一体的に備えられていてもよい。また、図1に破線で示すように、インプラント体を中空にし、孔を付与した形態にすれば、その間隙に骨梁が形成され、インプラント体の固定台からのねじの緩みを防ぐことができる。なお、図1および図2に示す本体4の形状は一例にすぎず、本体4は人口歯根として機能する形状であればよい。
【0015】固定台3は、図1および図2において横方向に延びる細長い板状の座板9と、座板9の右端から上方に向かって直交方向に張り出した固定用のフランジ10とを有する。固定用フランジ9は、図2に破線で示すように、座板9の右端から下方へも張り出していてもよい。座板9にはインプラント体2のねじ軸6が螺合するねじ孔11が形成されている。図1に示すように、インプラント1が顎骨20内に植立された状態では、インプラント体2のねじ軸6は固定台3のねじ孔11に螺合される。
【0016】固定台3は、図1に示すように、顎骨20にあけられた横孔に挿入される。そして挿入時には、固定台3の両端は、それぞれ、顎骨20の唇・頬側および舌・口蓋側の皮質骨21に嵌合される。顎骨20は、図1に示すように、周囲を取り巻く皮質骨21とその内部に満たされた骨髄21とを含む。皮質骨21は顎骨20において最も強固な部分であり、骨髄22は柔軟組織である。
【0017】この発明では、インプラント体2を植立したい位置に、インプラント2を植立したときに、その下端5相当する部分に、顎骨20を横切る固定台3が配置されるようにし、固定台3の両端部を顎骨20の皮質骨20に嵌合させる。また、インプラント体2の下端5にはねじ軸6を設け、歯槽骨頂部23から挿入したインプラント体2の下端5を、ねじ軸6によって固定台3にねじ止めするようにした。
【0018】このようにすると、顎骨20に埋設されたインプラント1は、逆T字状に配置され、固定台3の両端が皮質骨21に嵌合されることにより、インプラント体2の太さや長さに関係なく、確実にかつ強固に顎骨20に植立固定することができる。固定台3は、取付用のフランジ10に形成された孔12に、図1に示すように、ビス13がねじ込まれて、ビス13により皮質骨21に固定されるのがよい。こうすると、顎骨20に対して固定台21がずれることなく、強固に固定できる。
【0019】固定台3の座板9の長さは、予め患者の顎骨20の幅に合わされているのが好ましいが、顎骨20の横孔に挿入された後、顎骨20の舌・口蓋側から突出する座板9の先端部をニッパや切削器具等で切断もしくは削合してもよい。なお、顎骨20の幅を測定する測定器としては、たとえば特開平8−196550号公報記載の測定器等を使用することができ、その測定器に基づいて、座板9の先端部を、図2に破線で示すように予め切断してもよい。
【0020】図3は、この発明の他の実施形態にかかる歯科用インプラント1の構成を示す斜視図である。このインプラント1にも、インプラント体2および固定台3が含まれている。インプラント体2は、この実施形態では本体4の頂部に歯冠台座14が一体的に取り付けられた構成である。本体4はその周面にピッチの広い螺旋状のねじ山15が形成されていて、インプラント体2を回転させながら埋設する際に、インプラント体の埋設がより容易に行えるようにされている。本体4の下方部は徐々にその直径が小さくされ、その下端にねじ軸6が突設されている。
【0021】この実施形態にかかる固定台3の特徴は、ガイド31が備えられていることである。ガイド31は、座板9の一端から、座板9に対して略直交方向に立上がったアーム32と、アーム32の上端からアーム32に対して略直交方向に延び出し、座板9と平行な支持板33と、支持板33の先端部に形成されたガイド孔34とを備えている。
【0022】より具体的には、支持板33の先端部は、側面形状がコ字状に折り曲げられている。詳細には、支持板33の先端35が下方に折り曲げられた連結部36と、連結部36の下端部が、支持板33に対向するように、水平方向に折り曲げられたガイド片37とを含んでいる。ガイド孔34は、支持板33およびガイド片37に形成されている。この2つのガイド孔34の中心を上下につなぐ線上には、座板9に形成されたねじ孔8の中心が位置するようにされている。この結果、2つのガイド孔34を貫くように、たとえばドリル等で孔を開けると、その孔は座板9のねじ孔8につながる。よって、後述するように、座板9を顎骨の横孔に挿入した後、顎骨の歯槽骨頂部に対向して位置するガイド孔34に従ってドリル等で歯槽骨頂部から顎骨に上下方向に延びる孔を形成すれば、その孔の下端はねじ孔8に到達する。よってこの孔にインプラント体2を挿入していくことにより、インプラント体2の下端のねじ軸6がねじ孔8に螺合するように、インプラント体2を植立することができる。
【0023】支持板33にガイド孔34を形成するだけでなく、支持板33と所定間隔隔てたガイド片37にもガイド孔34を形成したことにより、2つのガイド孔34に従って孔をあける際に、穿孔方向に狂いが出ないという利点がある。ガイド31は、インプラント体2を埋設した後は、固定台3から分離される。分離は、たとえば図3に破線で示す位置が切り取られることにより実現される。残ったアーム32の下端部は、固定用のフランジ10として機能する。
【0024】図4はこの発明の他の実施形態にかかる固定台3の構成を示す斜視図である。図4に示す固定台3は、長いボルト状をしている。固定台3の少なくとも先端部および根元部には、それぞれねじ軸41,42が形成されている。ねじ軸41は、固定台3の全体にわたって形成されていてもよい。ねじ軸41は顎骨20の舌・口蓋側皮質骨21に螺合し、ねじ軸42は顎骨20の唇・頬側皮質骨21に螺合する。固定台3のほぼ中央部にはインプラント体2のねじ軸6が螺合するねじ孔8が形成されている。ねじ孔8は、貫通孔であって、90°間隔で2方向に形成されているのが好ましい。こうすると、ねじ孔8への進入口が4つでき、ねじ孔8の向きの調整が、固定台3を1/4回転させることで済み、調整が容易だからである。固定台3の一端にはねじ頭43が備えられている。ねじ頭43には固定台3を回転させる際に必要な+状の操作溝44が形成されている。ねじ孔8が上述のように90°間隔で進入口を4つ備えている場合、各進入口の向きは+状の向きと一致されている。また、ねじ孔8が一方向の場合は、十文字に形成された操作溝44のうち一方の直線は長く形成されていて、その直線方向がねじ孔8の軸方向と一致されている。従って、この操作溝44aの向きを垂直方向に向けることにより、ねじ孔8がインプラント体2のねじ軸6と螺合し得る方向に向く。
【0025】また、操作溝44は、+状に限らず、たとえば正面形状が正方形の凹溝でもよい。このような凹溝にすると、図3で説明したようなインプラント体の植立方向位置を決めるガイド31を、別体で作って、インプラント体の植立方向位置を決めるときにだけ、この凹溝に適合させて使用することもできる。図4に示すような固定台3では、その両端部がそれぞれ皮質骨21と螺合するので、図1に示すようなビス等を必要とせずに、固定台3を皮質骨3に確実に固定できるという利点がある。
【0026】次に、この発明にかかるインプラントを顎骨内に植立するやり方について説明をする。以下の説明では、図3を参照して説明したインプラント1を使用する場合について説明する。図5Aに示すように、露出させた顎骨20に対し、インプラント1を植立したい位置にマークを付ける。具体的には、インプラント体2を植立したい位置の上端に相当する顎骨表面にマークM1を付ける。また、マークM1を基準に植立するインプラント体2の長さおよび植立方向を考慮して、マークM2を付ける。
【0027】そして、マークM2から、固定台3の挿入方向を考慮しながら、顎骨20を貫通するように、図8Aに示すような細長いドリルバー(器具1)で横孔をあける。次いで、図8Bに示すような器具1と同じ直径を持つ円柱状の棒(器具2)を、あけた横孔に挿入する。器具2は、顎骨20に対して横方向の印を付けるためのものである。器具2の一端側には、器具2の長さ方向に延びる細い溝が、器具2の左右側面に形成されている。この細い溝は、水平方向の位置決めに使用される。器具2の他端面には、水平方向の横線が印されており、水平方向を示している。
【0028】図5Bに示すように、器具2をドリルバーで形成した横孔に挿入し、顎骨の唇・頬側表面および舌・口蓋側表面に、それぞれ、形成した孔に対して水平方向のマークM3,M4を付ける。次いで、図5Cに示すように、顎骨20の唇・頬側皮質骨21に、マークM3に沿って横方向に延びる孔を開ける。この孔の横方向長さは、座板9の幅に等しく、この孔の厚みは、座板9の厚みに等しくする。顎骨20の舌・口蓋側皮質骨にも、マークM4に沿って唇・頬側皮質骨に形成したのと同じ横孔を形成する。
【0029】次いで、図6Aに示すように、孔の厚み分の直径を持つ円柱状の骨鋸を、図5Aであけた孔に挿入し、図5Cであけた皮質骨の孔をガイドとして、顎骨20を貫く横孔を開ける。この横孔はインプラント体2の植立方向と直角方向の孔となる。このように、まず皮質骨に横孔をあけ、その後、顎骨20を貫通する横孔をあけるのは、皮質骨21が骨髄に比べて硬く、顎骨20を貫通する横孔を一気に開けるのが困難であるからである。もっとも、性能の良い電動ドリルや電動鋸等を用いて、1回の処理で最適な横孔を形成するようにしてもよい。
【0030】横孔を形成した後、図6Bに示すように、固定台3の座板9を横孔に挿入する。そして図6Cに示すように、顎骨20の舌・口蓋側において、顎骨表面からはみ出した座板9は切削調整をする。調整後、図6Dに示すように、座板9手前側のフランジ10に形成されたねじ孔11にビスを挿入して、底板9を皮質骨に固定する。
【0031】次に図7Aに示すように、ガイド31のガイド孔34を利用して、顎骨20の頂部(歯槽骨頂部)にドリルバー等でインプラント体2が挿入できる孔をあける。歯槽骨頂部には、図5Aで説明したように、マークM1が付けられているが、ガイド31のガイド孔34を利用することにより、より正確にインプラント体2を植立するための孔をあけることができる。
【0032】孔をあけた後、図7Bに示すように、あけた孔にインプラント体2を挿入し、ガイド31に従ってインプラント体2を挿入していき、インプラント体2のねじ軸6が座板9のねじ孔8に達したら、インプラント体2を回転させて、ねじ軸6をねじ孔8にしっかりと螺合させる。その後、ガイド31を、図3に破線で示す部分から切り取って除去し、インプラント体1の埋設処理を完了する。
【0033】この発明にかかる歯科用インプラントは、以上説明した実施形態に限られるものではなく、固定台とインプラント体とを備え、逆T字状に顎骨に埋設されるものであればよい。そしてこの場合に、固定台が顎骨間を横切り、その両端が皮質骨に嵌合される。よって咬合時にインプラント体に加わる垂直的な力や、前後側方への回転の力に対して、インプラント体は強固に抵抗することができる。
【0034】このため、特に、十分な大きさや長さのインプラント体を植立できないような場合でも、インプラント体を固定台で支えるので、大変有利である。さらに、固定台は、その両端部が皮質骨に嵌合されており、皮質骨表面は完全に骨膜で覆われることになる。よって、固定台の両端部と歯周組織との境界部分がなくなり、固定台の取り付け部分から感染のおそれがほとんどない。
【0035】さらに、インプラント体と歯周組織との境界部分での炎症の波及が、固定台両端部の皮質骨取付部分まで及ぶことがなく、固定台は安定して長期間顎骨に取り付けることができる。つまり、固定部分を従来のような弱い骨髄部分に求めず、皮質骨に求め、皮質骨に求めた場合でも、植立方向を傾ける必要がないので、咬合力に対して垂直かつ強固な植立および固定が可能になる。また、義歯を取り付ける部分と、固定部分とを分けることで、感染等による固定の弱化が大きく改善される。
【出願人】 【識別番号】596117832
【氏名又は名称】金 漢俊
【識別番号】598123161
【氏名又は名称】西村 毅
【出願日】 平成10年9月8日(1998.9.8)
【代理人】 【識別番号】100087701
【弁理士】
【氏名又は名称】稲岡 耕作 (外2名)
【公開番号】 特開2000−83969(P2000−83969A)
【公開日】 平成12年3月28日(2000.3.28)
【出願番号】 特願平10−254351