| 【発明の名称】 |
医療用処置具挿入用弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】磯野 朋弘
【氏名】柴田 稔
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| 【要約】 |
【課題】気密性保持が可能であり、挿入具に損傷を与えることなく挿通可能である医療用処置具挿入用弁を提供する。
【解決手段】体外側に開口部を、体内側に開閉可能なフラップを有し、フラップとフラップ弁の本体が一体構造を成し、フラップ弁とさらにシートに処置具挿通孔を設けたシール弁を組み合わせた2重弁構造であることを特徴とする医療用処置具挿入用弁。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 体外側に開口部を、体内側に開閉可能なフラップを有し、フラップとフラップ弁の本体が一体構造を成し、フラップ弁とさらにシートに処置具挿通孔を設けたシール弁を組み合わせた2重弁構造であることを特徴とする医療用処置具挿入用弁。 【請求項2】 フラップ弁が硬度70〜90の可とう性を有する材料から成る請求項1記載の医療用処置具挿入用弁。 【請求項3】 シール弁が硬度35〜45の可とう性を有する材料から成る請求項1又は2記載の医療用処置具挿入用弁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、主として腹腔鏡下外科手術において、腹腔内における気密を保持し、内視鏡や処置具を挿通するための医療用処置具挿入用弁に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、腹腔鏡下外科手術が急速に普及し、その適応も拡大しつつある。腹腔鏡下外科手術において、その術野を確保するために腹腔内に空間をもたせる必要があり、その手段として気腹法と吊り上げ法の2つの手法がとられる。 【0003】気腹法は腹腔内に穿刺した気腹針を介して炭酸ガスを腹腔内に送気し、腹腔をテント状に膨満させる手技である。一方、吊り上げ法は皮下もしくは全層に金属ワイヤーなどを通し、ワイヤーごと吊り上げることにより視野展開を行う。それぞれの方法は視野・操作性におけるメリットとデメリットが異なるため、対象部位、術式などで気腹法と吊り上げ法を選択的に適用する。 【0004】気腹法では腹腔内に炭酸ガスを注入することにより処置空間を形成し、そこへトラカール等の処置器具挿入用の外套管を複数本刺入して、内視鏡及び処置具を挿入しておき、内視鏡から見た映像を画面で見ながら遠隔操作で手術を行う方法である。この場合、腹腔内に処置空間を常に維持しておく必要があるため、腹腔内を気密に保持するということが重要視されてはいるが、腹壁上切開口と処置器具挿入用外套管との隙間、あるいは処置器具外套管と内視鏡及び処置具との隙間からの気腹ガスの漏れが避けられなかった。 【0005】この漏れを防ぐものとして、Endopathという商品名で販売されている外套管がある。シール弁、硬質フラップ弁、穿刺針等から構成されシール弁と硬質フラップ弁とで腹腔内の気密を保持している。しかし、フラップ弁が板バネにより開閉するため閉鎖力はあるが、内視鏡及び処置具挿入時抵抗力が大きいこと、フラップ弁に硬質材を使用しているため、内視鏡及び処置具を傷つけるという問題点があった。また、フラップ弁の部品点数が多く、コストがかかる等の不具合があった。同様にVersaportという商品名で販売されている外套管がある。バーサシール、ダックビル弁、3Wayバルブ、穿刺針等から構成され、バーサシール、ダックビル弁により腹腔内の気密を保持している。しかし、内視鏡及び挿入具の挿入・抜去を繰り返すことでダックビル弁は左右に弁が開いた状態に成り易く、隙間より気腹ガスが漏れる可能性があった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の腹腔鏡下外科手術において使用される医療用処置挿入具の気密性能向上を目指し、種々の検討の結果なされたもので、処置具挿入及び抜去時の腹腔内の気密性の保持が可能となるばかりでなく、挿入具に損傷を与えることなく挿通可能である医療用処置具挿入用弁を提供することを目的とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は体外側に開口部を、体内側に開閉可能なフラップを有し、フラップとフラップ弁の本体が一体構造を成し、フラップ弁とさらにシートに処置具挿通孔を設けたシール弁を組み合わせた2重弁構造であることを特徴とする医療用処置具挿入用弁。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、図面により本発明を具体的に説明する。図1は本発明によるフラップ弁とシール弁を組み合わせた2重弁構造の一例を示す概略図である。図2はフラップ弁の断面図であり、図3(a)、(b)はフラップ形状の一例を示す概略図である。図4(a)〜(d)はシール弁の処置具挿通孔形状の一例を示す概略図である。 【0009】本発明による医療用処置具挿入用弁は、射出成形又は圧縮成形による一体成形品であるフラップ弁(1)及び射出成形、圧縮成形、シート加工によるシール弁(6)の組み合せ2重構造よりなる。 【0010】フラップ弁(1)は天然ゴム、シリコーンゴム、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂等の可とう性を有する材料で作られる。フラップ弁(1)の外径は挿入する処置具の外径を考慮するとφ1〜φ100mmが好ましい。外径がφ1mm未満では挿入可能な処置具がなく、またφ100mmを超えると実用性がない。フラップ弁(1)の内径はφ0.3〜φ50mmが好ましい。内径が0.3mm未満であると挿入できる処置具がなく、φ50mmを超えるとでは実用性がない。全長は1〜5cmが好ましい。全長が1cm未満では弁のテーパー部(4)の傾斜が緩やかになり処置具抜去時、フラップ(5)がめくれる恐れがあり、また5cmを超えると長いため、鉗子の操作性が悪くなる。 【0011】フラップ弁(1)の硬度は70〜90が好ましい。70未満では弁が柔らかいため挿入具抜去時フラップ(5)がめくれる可能性があり、90を超えると硬過ぎて挿入具先端を損傷させる可能性がある。フラップ(5)の角度は開口部(3)平面に対して10〜60度程度の角度が良い。更に20〜40度がより好ましい。10度未満では挿入時や挿入中の挿入具にかかる抵抗が大きいだけでなく、フラップ(5)と挿入具との接触面積が大きいため、抜去時、弁めくれの可能性がある。角度が60度を超えるとフラップ(5)が開口部平面に対して垂直に近づき、気腹ガス圧による閉鎖が期待できなくなる。また、処置具と挿入具の滑りを良くするためにフラップ弁(1)にオイルを含浸させても良い。 【0012】処置具挿入時、気腹ガスが漏れることを防止するシール弁(6)は薄板のシート(7)と処置具挿通孔(8)から成る。シール弁(6)の外径は処置具の外径を考慮するとφ1〜φ100mmが好ましい。φ1mm未満では挿入可能な処置具がなく、また、φ100mmを超えると実用性がない。処置具挿通孔(8)の形状は例えば、丸形、十字形、星形などであり、場合によっては2枚のシート(7)を重ね合わせて使用することもある。その例を図2に示した。この場合、十字形の向きを45度ずらして重ね合わせる。処置具挿通孔(8)の内径は処置具や内視鏡により異なるが、φ0.3〜φ50mmが好ましい。内径が0.3mm未満であると挿入できる処置具がなく、φ50mmを超えると実用性がない。シール弁(6)の材質は可とう性を有するものが望ましく、例えば、天然ゴム、シリコーンゴム、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、SEBS樹脂などが好適である。中でも気密性維持、挿入具の挿通性を考慮するとSEBS樹脂がより好ましい。シール弁(6)の厚みは0.1〜10mm程度が適当である。0.1mm未満では気腹ガスの圧力に耐えられず、また、10mmを超えると処置具挿入時の摩擦抵抗が大きく、挿入が困難となる。硬度は35〜45が好ましい。35未満では気腹に対する耐圧性に問題があり、45を超えると内視鏡及び挿入具挿入時の抵抗力が増大する可能性がある。また、ヒンジ(11)の部分を薄くして曲げ易くすることにより、硬質の材質であるアルミニウム、ステンレス、チタン、カーボン、ポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂等の単体や、その表面に可とう性を有する材料である天然ゴム、シリコーンゴム、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂などを表面接着したものも用いることができる。 【0013】フラップ弁(1)とシール弁(6)は、フラップ弁押さえ(9)とシール弁押さえ(10)の間にはめ込んで固定あるいは接着するか、直接、フラップ弁(1)とシール弁(6)を接着あるいはシール弁押さえ(10)で固定しても良い。フラップ弁とシール弁の位置関係はどちらが体内側になってもこの組み合わせであれば構わない。 【0014】図3に示すようにフラップ(5)は体外側に開くことはなく、体内側にのみに動くので、内視鏡が弁に入っていないときは体内側の気腹圧が陽圧であるため、フラップ(5)が体外側方向に押されて閉じられることにより気密性が保持される。一方、内視鏡や処置具を入れたときはフラップ(5)が体内側に押し込まれ、体内側に導入される。この場合はシール弁(6)と処置具や内視鏡が密着するために気腹ガスが漏れることはない。 【0015】 【発明の効果】本発明によれば、シール弁とフラップ弁の2重弁構造により気密性保持が可能であるばかりでなく、弁が柔軟性を持つため、フラップ弁(1)は気腹圧を利用してバネなどの他の動力を用いることなく弁のみの開閉が可能であり、フラップとフラップ弁本体とが一体成形であるため部品点数が少なく安価となる。また同時に軟質材であるため挿入具に損傷を与えることなく挿通可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002141 【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月29日(1999.3.29) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−271129(P2000−271129A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月3日(2000.10.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−85295 |
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