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【発明の名称】 超音波プローブ
【発明者】 【氏名】河野 慎一

【要約】 【課題】超音波プローブを押し引き操作する際において、この超音波プローブの先端が体腔内壁等の壁面に押し付けられる位置まで変位しようとする時には、壁面位置検出手段でそれを検出して、ロック手段により超音波プローブを確実に停止させることができるようにする。

【解決手段】操作杆28を操作することによって、超音波プローブ1の超音波走査部7を直線方向に移動させるが、超音波振動子5が搭載されている基板6の先端に第2の超音波振動子40によって、超音波プローブ1の先端と体腔内壁との距離を測定し、操作杆28に設けたラック30と噛合するピニオン32に係脱可能なロック爪41aを有するロックレバー41を超音波操作ユニット20に設け、第2の超音波振動子40からの信号に基づいて、ロックレバー41のロック爪41aをソレノイド43により作動させて、そのロック爪41aをピニオン32に係合させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 超音波振動子を内装させた超音波走査部に可撓性コードを連設し、この可撓性コードの基端部に走査駆動手段を接続して、この可撓性コードを押し引き操作することにより超音波振動子を直線的に移動させるようにしたものにおいて、前記超音波走査部の先端に装着した壁面位置検出手段と、この壁面位置検出手段で超音波走査部が壁面に対して所定距離まで接近したことを検出した時に、前記可撓性コードの移動をロックさせるロック手段とを備える構成としたことを特徴とする超音波プローブ。
【請求項2】 前記壁面位置検出手段は、超音波距離測定手段、光学的距離測定手段を含む非接触式距離測定手段から構成したことを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ。
【請求項3】 前記壁面位置検出手段は、前記超音波走査部から突出するスイッチ作動部材と、このスイッチ作動部材を前記超音波走査部の先端から所定の長さだけ突出する方向に付勢する付勢手段と、この付勢手段に抗して前記スイッチ作動部材が押動された時に閉成するスイッチとから構成したことを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ。
【請求項4】 前記走査駆動手段は前記可撓性コードの基端側部分に連結した連結部材と、この連結部材を所定のストロークだけ往復移動させる操作ロッドとから構成され、前記ロック手段はこの操作ロッドの動きを規制するストッパ手段で構成したことを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ。
【請求項5】 前記走査駆動手段はモータで駆動される押し引き操作手段を前記可撓性コードの基端側部分に係脱可能に連結し、前記ロック手段はこのモータの作動を停止させるモータ制御手段で構成したことを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば内視鏡等のガイド手段を介して体腔内に挿入されて、超音波検査を行うため等として用いられる超音波プローブに関するものであり、特にメカニカルリニア超音波走査を行う際等における安全機構を備えた超音波プローブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】体腔内に挿入されて、体腔内壁から超音波信号の送受信を行うようにした超音波検査装置において、内視鏡の処置具挿通チャンネル等を介して体腔内に導かれる超音波プローブは外径が細いものが用いられる。そして、超音波プローブのほぼ全長を曲げ方向に可撓性を有する可撓性コードとなし、この可撓性コードの先端に超音波走査部を連結して設ける構成とする。超音波走査部は、一般に、硬質部材からなる先端キャップ内に超音波振動子を設ける構成となっており、超音波振動子としては単板の振動子で構成される。従って、この超音波プローブによる走査は、超音波振動子を機械的に動かすことにより行う、所謂メカニカル走査方式とする。メカニカル走査のうち、リニア超音波走査を行う場合には、処置具挿通チャンネルの先端から超音波走査部を導出させた状態で、可撓性コードの基端部を押し引きするように操作される。
【0003】以上の構成を有する超音波プローブの可撓性コードは、メカニカルリニア超音波走査は、その先端部分がある長さ分だけ処置具挿通チャンネルから導出した状態から開始するが、動きの途中で可撓性コードが曲がったり、振れたりすると、走査ラインが蛇行する等その直進性が得られず、安定した超音波走査が行われない。このために、可撓性コードは曲げ可能な構成となっているものの、ある程度の腰を持たせることによって、体腔内壁における所定の走査ラインに沿って正確に直進させるようにしている。
【0004】前述した超音波プローブのメカニカルリニア超音波走査は、マニュアル操作またはモータ等の駆動手段を用いて行うが、いずれにしろ、内視鏡の挿入部を体腔内に挿入する際には、通常は超音波プローブは処置具挿通チャンネルから脱着しておくか、または少なくとも処置具挿通チャンネルから非突出状態に保持する。そして、内視鏡の挿入部が体腔内における観察・診断すべき位置にまで導かれ、内視鏡検査を行っている間に、病変部乃至その疑いのある箇所が発見されると、挿入部の先端から超音波プローブを所定の長さ導出させるが、この位置が走査始点位置となる。この走査始点位置に配置されている超音波プローブの基端部を押し引き操作することにより走査終点位置まで送り出し、この走査始点位置と走査終点位置との間が走査ストロークであり、1回乃至複数回程度超音波プローブを往復移動させ、この間に超音波振動子が所定距離移動する毎に超音波パルスが体内に向けて送信され、体内における組織断層部からの反射エコーを超音波振動子により受信させることによりリニア超音波走査が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超音波プローブの走査ストロークの全長は、通常、その操作手段により予め定まっているが、走査始点位置は超音波プローブを処置具挿通チャンネルからの導出長さにより変化する。従って、走査始点位置をどこに置くかによって当然走査終点位置も異なってくる。安全で円滑な超音波走査を行うには、超音波プローブが走査終点位置まで移動する間に体腔内壁に対して非接触状態に保つようにするのが望ましい。このためには、走査始点位置での超音波プローブの先端位置から体腔内壁までの距離を認識する必要がある。特に、走査時における超音波プローブの振れや蛇行を防止するために、超音波プローブに腰を持たせており、しかもその導出長さは比較的短いものとする結果、この導出部分が実質的に剛体乃至それに近くなるから、超音波プローブの操作の安全性を確保する上で、その先端が体腔内壁に突き当たる位置まで移動しないようにする必要がある。超音波プローブの走査始点位置から体腔内壁までの距離は内視鏡の観察手段により得られる画像に基づいて認識することになるが、この内視鏡の観察手段だけでは必ずしも正確に距離の認識ができないという問題点がある。
【0006】本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、超音波プローブを押し引き操作する際において、この超音波プローブの先端が体腔内壁等の壁面に当接しようとする時には、この超音波プローブを確実に停止させるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成するために、本発明は、超音波振動子を内装させた超音波走査部に可撓性コードを連設し、この可撓性コードの基端部に走査駆動手段を接続して、この可撓性コードを押し引き操作することにより超音波振動子を直線的に移動させるようにしたものにおいて、前記超音波走査部の先端に装着した壁面位置検出手段と、この壁面位置検出手段で超音波走査部が壁面に対して所定距離まで接近したことを検出した時に、前記可撓性コードの移動をロックさせるロック手段とを備える構成としたことをその特徴とするものである。
【0008】ここで壁面位置検出手段としては、非接触式距離測定手段、例えば超音波距離測定手段、光学的距離測定手段等で構成することができ、また接触式の距離測定手段であっても良い。この接触式の構成としては、例えば超音波走査部から突出するスイッチ作動部材と、このスイッチ作動部材を超音波走査部の先端から所定の長さだけ突出する方向に付勢する付勢手段と、この付勢手段に抗してスイッチ作動部材が押動された時に閉成するスイッチとから構成する。一方、走査駆動手段としては、可撓性コードの基端部分に連結した連結部材と、この連結部材を所定のストロークだけ往復移動させる操作ロッドとから構成した手動操作機構とする場合には、ロック手段はこの操作ロッドの動きを規制するストッパ手段で構成することができる。また、モータで駆動される押し引き操作手段を可撓性コードの基端側部分に連結する構成とした場合には、ロック手段はこのモータの作動を停止させるモータ制御手段で構成すれば良い。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態について、図面を参照して、詳細に説明する。まず、図1に超音波検査装置の概略構成を示す。この図1に示されている構成では、超音波プローブは内視鏡にガイドされて体腔内に挿入されるものとしたが、超音波プローブのガイド手段はこれに限定されるものではない。
【0010】而して、図1において、1は超音波プローブ、10は内視鏡である。超音波プローブ1は全長にわたって細径のものであって、内視鏡10の本体操作部11に設けた処置具導入部12から挿入部13に設けた処置具挿通チャンネル14内に挿通されるものである。そして、挿入部13の先端から所定の長さだけ導出した状態で、同図に矢印で示す方向に移動させることにより、メカニカルリニア超音波走査を行えることになる。
【0011】ここで、図示した超音波プローブ1はメカニカルリニア超音波走査及びメカニカルラジアル超音波走査を行うことができる構成としたものであり、また直線方向に移動させながら、所定のピッチ間隔毎に複数のラジアル超音波画像を取得して、三次元超音波画像を生成することもできるようになっている。なお、本発明においては、必ずしもラジアル走査を行える構成とする必要はない。
【0012】図2に超音波プローブ1の先端部分の断面を示す。同図から明らかなように、超音波プローブ1は、その大半の長さが可撓性のあるスリーブ2内に密着コイル等からなるフレキシブルシャフト3を挿通させたものであり、スリーブ2の先端には超音波の透過性に優れた硬質の樹脂材で構成した先端キャップ4が連設されている。この先端キャップ4内には超音波振動子5が基板6に搭載した状態で収納されており、基板6はフレキシブルシャフト3に連結されている。従って、超音波振動子5を収容した先端キャップ4の部分が超音波走査部7であり、フレキシブルシャフト3を挿通させたスリーブ2の部分は、任意の方向に曲げ可能な可撓性コード8である。
【0013】超音波プローブ1の基端部は、図3に示したように、超音波操作ユニット20に着脱可能に接続されるコネクタ9が設けられている。超音波操作ユニット20は、本体ケーシング21と、内視鏡10における処置具導入部12に装着した鉗子口部材12aに着脱可能に支持させる連結部22とを連結して設けたものであり、連結部22には超音波プローブ1を挿通させる透孔23が穿設されている。本体ケーシング21にはコネクタ9の回転軸が連結される駆動軸24が設けられており、この駆動軸24を回転駆動すると、その回転がコネクタ9を介してフレキシブルシャフト3にまで伝達され、このフレキシブルシャフト3がスリーブ2内で軸回りに回転する結果、基板6に搭載した超音波振動子5が回転することになる。従って、駆動軸24にはモータ25とエンコーダ26とが接続されており、モータ25を駆動することによってメカニカルラジアル走査が行われる。
【0014】この超音波操作ユニット20は、さらに超音波プローブ1の押し引き操作機構を備えており、これによってメカニカルリニア超音波走査を行うことができ、また所定のピッチ間隔毎にメカニカルラジアル超音波走査を行うために超音波振動子5を直線的に移動させることもできるようになる。
【0015】ここで、図3に示した押し引き操作機構は、手動操作により行われるものである。同図において、27はプローブクランパであって、このプローブクランパ27は、超音波プローブ1におけるスリーブ2の任意の位置を着脱可能にクランプするものである。プローブクランパ27は操作杆28の先端部に連結して設けられ、またこの操作杆28におけるプローブクランパ27を連結した先端部にはリング状に形成した指掛け部29が取り付けられている。操作杆28は超音波操作ユニット20における本体ケーシング21に設けたガイド孔21aを介してその内部に所定の長さだけ延在されており、その外周面における本体ケーシング21内の部位にはラック30が形成されている。このラック30にはエンコーダ31の入力軸に設けたピニオン32が噛合しており、このエンコーダ31は操作杆28の移動ストロークを検出するためのものである。
【0016】操作杆28の本体ケーシング21内の部位と、本体ケーシング21の内壁等との間にはばね33が掛け渡して設けられており、このばね33の付勢力によって、操作杆28は本体ケーシング21から最も突出した図3の仮想線位置に保持される。そして、プローブクランパ27に超音波プローブ1をクランプさせた状態で、指掛け部29を操作して、操作杆28をばね33に抗する方向に同図に実線で示した位置まで押動すると、超音波プローブ1の先端部分、つまり超音波走査部7が処置具挿通チャンネル14から導出される。また、この操作杆28に対する押動力を解除すれば、ばね33の作用により超音波プローブ1の先端部分は処置具挿通チャンネル14内に引き込まれる方向に変位する。従って、リニア超音波走査時における走査ストロークは操作杆28の押し引きストロークにより定まるものである。この走査ストローク間に、超音波振動子5が所定距離移動する毎に超音波パルスを送信して、その反射エコーを受信することによって、メカニカルリニア超音波走査が行われる。また、モータ25を駆動して、超音波振動子5を回転させながら、超音波プローブ1を押し引き操作することにより、所定のピッチ間隔をもってラジアル超音波画像を取得することができる。
【0017】而して、前述したように、超音波プローブ1を押し引き操作できるようにするために、この超音波プローブ1の可撓性コード8において、プローブクランパ27によるクランプ位置からコネクタ9の超音波操作ユニット20への接続位置までの間に必要な余長を持たせ、このクランプ位置からコネクタ9まではループを描くように引き回される。
【0018】以上の構成において、内視鏡10の挿入部13が体腔内の所定の位置まで導かれて、この挿入部13の先端に設けた観察手段で検査・診断を行っている間に、ある箇所の体内組織断層に関する情報を取得する等の必要が生じた時に、この内視鏡10に設けた処置具挿通チャンネル14内に超音波プローブ1を挿通させて、超音波検査を行うようにする。これによって、超音波検査を行わない時には、処置具挿通チャンネル14は本来の機能、つまり鉗子等の処置具の挿通路として利用される。超音波プローブ1を処置具挿通チャンネル14に挿通させるには、まず超音波操作ユニット20の連結部22を処置具導入部12に固定して、その透孔23に超音波プローブ1の先端から挿通して処置具導入部12内に導く。そして、超音波プローブ1の先端を処置具挿通チャンネル14の先端開口から所定の長さ導出する位置まで送り込み、コネクタ9を超音波操作ユニット20に連結し、かつスリーブ2の基端側の部分をプローブクランパ27によりクランプさせる。
【0019】操作杆28に連結した指掛け部29を手動操作で押動して、操作杆28をばね33に抗して本体ケーシング21内に押し込むと、超音波プローブ1の先端が前進することになる。また、指掛け部29に対する押動力を解除すると、超音波プローブ1は処置具挿通チャンネル14内に引き込まれる方向に後退する。これによって、超音波プローブ1の先端における超音波走査部7内に設けた超音波振動子5がリニア方向に走査ストローク分だけ往復移動することになり、メカニカルリニア超音波走査等を行うことができる。
【0020】前述した操作のうち、超音波プローブ1の先端部分を処置具挿通チャンネル14からどの程度導出させるか、つまり走査始点位置を決定する操作は、内視鏡の観察手段による監視下で行う。また、超音波プローブ1を処置具挿通チャンネル14から押し出した時に、それがどの位置にまで移動するか、つまり走査始点位置から走査終点位置までの走査ストロークの全長も内視鏡の観察手段で得られる画像に基づいて推測できる。この走査始点位置の設定時において、最も重要なことは、超音波走査を行う必要のある箇所を正確に走査できるようにすることであるが、狭い体腔内等で超音波プローブ1による超音波検査を行う場合等においては、この走査ストローク分の移動行程で、体腔内壁に超音波プローブ1の先端が突き当たらないようにすることも必要である。従って、走査始点位置にある超音波プローブ1の超音波走査部7が走査終点位置にまで移動すると、どの位置になるか、つまり走査終点位置までの移動行程を内視鏡の観察手段によっては正確に測定するのは困難である。以上の点から、本発明においては、超音波プローブ1の先端と体腔内壁との距離を測定して、その先端が体腔内壁に接触する前に超音波プローブ1の動きを止める構成としている。
【0021】このために、超音波プローブ1の先端と体腔内壁との距離を測定する手段と、超音波プローブ1が体腔内壁に当接するか、または所定の位置まで接近した時に、この超音波プローブ1の動きを停止させる手段とを備える構成とした。
【0022】超音波プローブ1と体腔内壁との距離を測定する距離測定手段は、図2に示されているように、先端キャップ4内において、超音波振動子5が搭載されている基板6の先端に第2の超音波振動子40を装着し、この第2の超音波振動子40の送受信面を先端キャップ4の先端面側に向けて配置する。先端キャップ4は超音波の透過性に優れた部材で形成されているので、第2の超音波振動子40から送信される超音波はほぼ減衰することなく先端キャップ4を通過して体腔内壁で反射する。従って、所定の時間間隔毎に超音波パルスを送信して、体腔内壁からの反射エコーを受信して、この超音波の送信から受信までの時間を計測することによって、先端キャップ4の先端面と体腔内壁との距離を測定できる。
【0023】ここで、超音波振動子5はリニア超音波走査だけでなく、ラジアル超音波走査も行えるように回転可能としているが、第2の超音波振動子40から送信される超音波の音軸をこの超音波振動子5の回転中心軸の延長線の位置に配置することによって、たとえ超音波プローブ1を直線的に移動させながら所定のピッチ間隔毎にラジアル超音波走査を行っても、第2の超音波振動子40の音軸が振れる等のおそれはない。また、第2の超音波振動子40に接続されるケーブルは、超音波振動子5と共にフレキシブルシャフト3内に挿通される。
【0024】一方、超音波プローブ1の動きを停止させる手段であるロック手段としては、図3にも示されているように、ピニオン32に係脱可能なロック爪41aを有するロックレバー41で構成され、このロックレバー41は、常時にはばね42によって、そのロック爪41aがピニオン32から離脱した状態に保持されると共に、ソレノイド43によってロック爪41aがピニオン32に係合する位置に変位させることができるようになっている。
【0025】以上のように構成することによって、操作杆28を操作して、少なくとも超音波プローブ1が処置具挿通チャンネル14から送り出す方向に向けて変位する際には、つまり走査始点位置から走査終点位置にまで変位する間は、第2の超音波振動子40から超音波パルスを繰り返し送信する。ここで、この間においては、超音波振動子5による超音波走査が行われているが、この超音波走査時における超音波の送受信経路と第2の超音波振動子40による距離測定用の超音波の送受信経路とは全く干渉することはない。
【0026】走査箇所によっては、超音波プローブ1が導出した時に、体腔内壁に接近していくが、第2の超音波振動子40により検出される超音波プローブ1の先端と体腔内壁との距離が設定値、例えば超音波プローブ1が体腔内壁と接触した位置またはその寸前の位置になったことが検出されると、ソレノイド43が作動して、ロックレバー41をばね42に抗して、ロック爪41aがピニオン32に係合する位置に変位させる。その結果、ピニオン32の回転が停止することになり、このピニオン32と噛合しているラック30を設けた操作杆28がロックされることになる。これによって、超音波プローブ1の先端における超音波走査部7は体腔内壁に対して非接触状態か、または接触しても体腔内壁を押し付けない位置で確実に停止することになり、処置具挿通チャンネル14からの導出長さが短く、しかも細いために鋭利な針状となった超音波プローブ1の先端が体腔内壁に刺し込まれたりして、この体腔内壁を損傷させる不都合は確実に防止できる。
【0027】そして、例えば内視鏡10の挿入部13を移動させる等によって、超音波プローブ1を体腔内壁から離すと、第2の超音波振動子40と体腔内壁との距離が開くので、ソレノイド43が消磁状態になり、ばね42の作用によって、ロックレバー41がピニオン32から離脱することになる。この結果、操作杆28が作動可能な状態に復帰する。
【0028】ここで、距離測定手段としては、前述した超音波を用いたものに限らず、図4に示した光学的な距離測定手段を用いることができる。同図から明らかなように、スリーブ2に連結して設けた先端キャップ50は、その先端面に開口50aが形成されており、この開口50aには透明部材51により閉塞されている。そして、先端キャップ50の外周面における超音波振動子5による走査領域より前方側であって、透明部材51を装着した部分以外には遮光膜52を被着させるようにしている。
【0029】先端キャップ50内に設けた基板6の先端部には、発光素子53aと受光素子53bとからなる光学センサ53が取り付けられている。従って、発光素子53aから出射される光は遮光膜52の作用で周囲に散乱することなく、超音波プローブ1の前方に向けて確実に出射され、体腔内壁からの反射光が受光素子53bにより受光される。先端キャップ50が体腔内壁に接近すると、受光素子53bの受光量が増大するから、この受光素子53bの受光量のレベルを測定することにより超音波プローブ1の先端部と体腔内壁との距離を測定できる。
【0030】以上の超音波距離測定手段及び光学式距離測定手段は、いずれも非接触型の距離測定手段で構成した体腔内壁という壁面位置検出手段であるが、接触式の壁面位置検出手段を用いることもできる。その一例としては、例えば図5に示したように構成される。同図に示したように、超音波振動子5を搭載した基板60の先端面には一対の電極61a,61bが設けられている。また、スリーブ2の先端に連結して設けた先端キャップ62の先端部にはスイッチ操作部材63が装着されている。このスイッチ操作部材63は先端キャップ62から突出した押動部63aと、先端キャップ62内に位置させて設けた導電部材からなる円形の接片64を止着したスイッチ作動部63bと、これら押動部63aとスイッチ作動部63bとの間を連結する連結ロッド63cとから構成される。連結ロッド63cは先端キャップ62に設けた挿通孔62a内に挿通されており、またスイッチ作動部63bと先端キャップ62の内面との間には、このスイッチ作動部63bを基板60から離間させる方向に付勢するばね65が設けられている。従って、一対からなる電極61a,61bと接片63aとでスイッチが構成され、押動部63aがスイッチ操作部材を構成する。
【0031】以上のように構成すると、超音波プローブ1を内視鏡10の挿入部13の先端から送り出す方向に変位させた時に、その前方に体腔内壁が位置していると、この超音波プローブ1がまず最初に体腔内壁と接触するのは、先端キャップ62から突出するスイッチ操作部材63の押動部63aである。そして、この押動部63aが体腔内壁に押し当てられると、その押圧力でばね65が撓む方向にスイッチ操作部材63が変位する。この結果、スイッチ作動部63bが基板60に近接する方向に動いて、このスイッチ作動部63bに設けた接片64が基板60側の電極61a,61bに当接して、電極61a,61b間が導通状態、つまりスイッチが閉成状態になる。従って、この信号をソレノイド43のON,OFF信号とすることにより、超音波プローブ1の先端が体腔内壁に接触した時に、ロックレバー41を作動させて、操作杆28をロックすることができる。なお、体腔内壁への当接時におけるスイッチ操作部材63の応答性を高めるには、ばね65の付勢力をある程度弱くする必要がある。
【0032】超音波操作ユニットにおける超音波プローブ1の押し引き操作手段としては、モータ等の駆動手段でも構成することができる。そこで、図6及び図7にその具体的な一例を示す。これらの図において、図3に示した超音波操作ユニット20を構成する各部材と同一または均等な部材については、それと同じ符号を付してその説明は省略する。
【0033】而して、図6に示したように、超音波操作ユニット70を構成する本体ケーシング71は超音波振動子回転機構部72と超音波振動子直進機構部73とから構成される。超音波回転機構部72には駆動軸24が設けられており、またモータ25及びエンコーダ26からなる超音波振動子5を遠隔操作で回転駆動するための手段が設けられている。従って、超音波プローブ1におけるコネクタ9はこの超音波回転機構部72に設けた駆動軸24に接続される。
【0034】超音波振動子直進機構部73は、図7に示したように、本体ケーシング71に設けた蓋体71aにより開閉可能となっており、その内部には上下に各一対からなるピンチローラ74(図6)と、モータ75の出力軸に連結した駆動ローラ76及びこの駆動ローラ76に超音波プローブ1を押し付ける押えローラ77と、エンコーダ78(図6)の入力軸に連結した従動ローラ79及びこの従動ローラ79(図6)に超音波プローブ1を押し付ける押えローラ80(図6)とが装着されている。そして、図6から明らかなように、駆動ローラ76(及び従動ローラ79)及び押えローラ77(及び押えローラ80)の超音波プローブ1への当接面は超音波プローブ1の外面とほぼ一致する円弧面形状のガイド溝が形成されている。さらに、図6の左側に位置するピンチローラ74及び両押えローラ77,80はそれぞれ図示しないばね等の付勢手段により相手方のローラに近接する方向に付勢されている。さらに、この超音波操作ユニット70の処置具導入部12への連結部81は、超音波振動子直進機構部73における図6の下部位置に設けられている。
【0035】以上のように構成することによって、超音波プローブ1は、そのコネクタ9が超音波操作ユニット70の超音波振動子回転機構部72に設けた駆動軸24に接続され、蓋体71aを開いた上で、ピンチローラ74,74間、駆動ローラ76,押えローラ77間、従動ローラ79,押えローラ80間、ピンチローラ74,74間に挿通させて、連結部81に穿設した透孔を通過させるようにして組み付けられる。超音波プローブ1を内視鏡10の処置具挿通チャンネル14内に挿通させて、挿入部10の先端から所定長さ導出させる。そして、連結部81を処置具導入部12に固定する。これによって、超音波プローブ1を押し引き操作できるようになる。この操作は、モータ75を駆動することによって、駆動ローラ76を回転駆動することにより行う。従って、駆動ローラ76の回転方向により、それと押えローラ77との間に挾持されている超音波プローブ1を送り出したり、また引き戻したりされる。
【0036】モータ75による超音波プローブ1の移動方向と移動距離とはエンコーダ78により検出され、このエンコーダ78からの信号に基づいて超音波振動子5による超音波の送受信制御が行われる。また、エンコーダ78からの信号は超音波プローブ1の走査ストロークを規制するための信号としても用いられる。このために、超音波操作ユニット70内またはこの超音波操作ユニット70が接続される超音波観測装置にモータ75のモータ制御手段82を接続し、このモータ制御手段82にはエンコーダ78からの信号を取り込むようにする。そして、エンコーダ78により超音波プローブ1が所定距離だけ前進したことが検出されると、モータ75を逆転するように駆動する。これによって、超音波プローブ1は自動的に走査始点位置と走査終点位置との間で往復移動することになる。従って、この間に所定の距離移動する毎に超音波振動子5から体内に向けて超音波パルスを送信し、次いで反射エコーを受信することによって、リニア超音波走査を行うことができる。
【0037】以上のように、モータ75からなる駆動手段を用いて超音波プローブ1を自動的に押し引き駆動するように構成した場合にも、図2,図4または図5のいずれかの壁面位置検出手段を超音波プローブ1の先端部に装着する。これによって、超音波プローブ1が体腔内壁に接触乃至近接する位置に変位すると、壁面位置検出手段でその検出が行われる。そして、この検出信号は、モータ制御手段82に取り込まれて、このモータ制御手段82からの信号によりモータ75を直ちに停止させ、もって超音波プローブ1がその位置に止まることになる。これによって、超音波プローブ1の先端部が体腔内壁に刺し込まれる等のおそれはない。従って、モータ制御手段82は、超音波プローブ1が体腔内壁に接触したり、極めて近い位置まで接近した時におけるロック手段として機能する。
【0038】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、超音波プローブを押し引き操作する際において、この超音波プローブの先端が体腔内壁等の壁面に押し付けられる位置まで変位しようとする時には、この超音波プローブを確実に停止させることができる等の効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000005430
【氏名又は名称】富士写真光機株式会社
【出願日】 平成11年3月25日(1999.3.25)
【代理人】 【識別番号】100089749
【弁理士】
【氏名又は名称】影井 俊次
【公開番号】 特開2000−271124(P2000−271124A)
【公開日】 平成12年10月3日(2000.10.3)
【出願番号】 特願平11−81236