| 【発明の名称】 |
超音波探触子用音響カプラ |
| 【発明者】 |
【氏名】渡辺 徹
【氏名】服部 宏
【氏名】細川 隆司
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| 【要約】 |
【課題】超音波探触子用音響カプラ内部での多重反射を低減し、超音波画像の画質を向上させる。
【解決手段】音響カップリング部材14はホルダ12に緩挿される。音響カップリング部材14は使用時に検査対象表面と超音波探触子10の送受波面とに挟まれ、押しつぶされて側方に圧延される。これにより音響カップリング部材14はホルダ12の枠に立設された円柱20に圧接され、側面部分が凹凸に変形する。音響カップリング部材14内部において超音波がこの側面に当たると、凹凸により散乱され、無用な反射が拡散されアーチファクトが低減される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 超音波探触子の送受波面と検査対象との間に配置される音響カプラにおいて、外力に応じて変形可能であり、前記送受波面及び前記検査対象に密接される音響カップリング部材と、前記音響カップリング部材の側面を取り囲み、当該側面に向けて凹凸を有したホルダと、を有し、前記ホルダと前記音響カップリング部材の側面とが少なくとも超音波の送受波時において圧接され、当該側面に凹凸が形成されること、を特徴とする超音波探触子用音響カプラ。 【請求項2】 請求項1記載の超音波探触子用音響カプラにおいて、前記音響カップリング部材は、前記ホルダに緩挿され当該音響カプラ使用時に前記超音波探触子と前記検査対象とに挟まれて側方に圧延され、前記ホルダに圧接されることを特徴とする超音波探触子用音響カプラ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、超音波探触子に用いられる音響カプラに関し、特に超音波画像特性の改善に関する。 【0002】 【従来の技術】超音波探触子用の音響カプラとは、数mm〜数cmの厚みのある物質であり、超音波探触子と検査対象との間に置いて用いられる。この音響カプラを用いることにより、検査対象内での超音波探触子のレンズフォーカスが表面側に移動されるので、直接、探触子を検査対象に当接したのではフォーカス外となる表在部位をスキャンすることができる。また、セクタ走査を行う探触子においては検査対象との間の距離を確保してスキャン領域を拡大するという用途にも用いられる。 【0003】この音響カプラには、高分子ポリマーなどを用いた固形タイプのものや、ラテックスの袋に水を注入した水袋タイプのものがあるが、いずれも、超音波の減衰が少ない材質であって、また一般に曲面であったり凹凸を有したりする検査対象表面にフィットするように柔軟性に優れた材質で構成される。 【0004】図5は、従来の音響カプラの使用状態を示す模式的な縦断面図である。音響カプラ2は、超音波探触子4の使用時において、超音波探触子4の超音波送受波面と検査対象6との間に挟まれ押しつぶされる。これにより音響カプラ2はそれら両者に密接し、超音波探触子4と検査対象6との間で送受波される超音波を良好に伝達させる。 【0005】また図6は、図5に示す従来の音響カプラの使用状態の模式的な平面図である。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】従来の音響カプラの超音波探触子及び検査対象に当接される部分以外の面(側面)は図5、図6に示されるように、曲率半径の大きな曲面や平面といった単調な形状である。また向き合う側面は互いにほぼ平行な面となる。このため、超音波探触子から発せられた超音波、また検査対象からの反射波が音響カプラ内で多重反射を起こしやすく、そのため超音波画像の画質が低下する問題があった。この多重反射には音響カプラの側面での反射の影響が大きい。つまり、空気に接する側面の内側においては超音波はほぼ全反射するため、例えば、超音波探触子の送受波面や検査対象表面で反射された超音波が側面に達しても外部へ逃げることなく再び音響カプラ内部に戻ることにより、多重反射が助長される。 【0007】特に、向き合う側面が上述のように平行平面に近いため、超音波は側面にて鏡面反射に近い状態で反射されるとともに、向き合う側面間を往復しやすくなり、このことも多重反射が助長される一因となっていると考えられる。 【0008】本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、多重反射を抑制し超音波画像の画質を向上することができる音響カプラを提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明に係る超音波探触子用音響カプラは、外力に応じて変形可能であり送受波面及び検査対象に密接される音響カップリング部材と、前記音響カップリング部材の側面を取り囲み、当該側面に向けて凹凸を有したホルダとを有し、前記ホルダと前記音響カップリング部材の側面とが少なくとも超音波の送受波時において圧接され、当該側面に凹凸が形成されることを特徴とするものである。 【0010】本発明によれば、例えば水袋タイプや固形タイプの音響カップリング部材はそれ単体では単純な形状であっても、その側面を取り囲むホルダに圧接されることにより、側面がホルダ形状に応じた凹凸を有した形状に変形される。この側面で反射される超音波は、この側面に設けられる凹凸により拡散され、減衰される。 【0011】他の本発明に係る超音波探触子用音響カプラにおいては、前記音響カップリング部材が、前記ホルダに緩挿され当該音響カプラ使用時に前記超音波探触子と前記検査対象とに挟まれて側方に圧延され、前記ホルダに圧接されることを特徴とする。 【0012】本発明によれば、超音波探触子が検査対象に当てられないときには、音響カップリング部材は、ホルダに緩挿された状態であるので、ホルダと音響カップリング部材との分離が容易であり、よって、ホルダを交換して良好な画質を与える凹凸を有したものを用いることが容易である。 【0013】 【発明の実施の形態】[実施の形態1]次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。 【0014】図1は、本発明の実施形態である音響カプラを装着した超音波探触子の斜め下方向からの斜視図である。この超音波探触子は図2に示すように超音波探触子10、ホルダ12及び音響カップリング部材14を組み合わせて構成されている。 【0015】超音波探触子10は、矩形の送受波面16を有する。音響カップリング部材14は、この送受波面16をカバーする大きさの矩形の横断面を有する。また、ホルダ12は超音波探触子10及び音響カップリング部材14を緩挿することができる矩形の開口を有した枠18とこの枠18に多数立設された円柱20とで構成される。 【0016】使用時においては、これら超音波探触子10の送受波面16と音響カップリング部材14の上面とは、ホルダ12の枠18の開口内で当接される。そして音響カップリング部材14の下面22が検査対象表面に当接される。 【0017】図3は、本音響カプラを装着した超音波探触子の使用時における斜め下方向からの斜視図である。使用者が把持した超音波探触子10を検査対象に向けて押し下げると音響カップリング部材14は検査対象表面に密接される。このとき、音響カップリング部材14は、送受波面16と検査対象表面とに挟まれて縦方向に圧縮され、一方、その縦方向の圧縮に応じて横方向に延びる。この音響カップリング部材14の圧延の結果、音響カップリング部材14の横断面積は増加し、その側面が円柱20の間隙に食い込む。 【0018】これにより、音響カップリング部材14の側面の内面形状は、円柱20で規制されその円柱表面に沿った凸部と、音響カップリング部材14の内部応力に応じて円柱20間から外側に張り出した曲面である凹部とが側周方向に沿って交互に配列されたものとなる。 【0019】このように、音響カップリング部材14の側面がその周方向に凹凸を有することにより、側面に当たった超音波は、主として横断面内で様々な方向に散乱される。ここで、観察に有効な超音波は、検査対象から送受波面16に直接帰ってくる反射波、また送受波面16から検査対象に直接に入射する送信波であり、音響カップリング部材14の内側側面で反射する超音波は観察に利用されない成分である。この無用な成分が多重反射の末に超音波探触子10にて受信されたり、検査対象に入射されると、超音波画像の画質の劣化を生じる。しかし、本音響カプラを用いると、そのような画質劣化につながる成分が音響カップリング部材14内部で拡散・一様化され、また、そのような成分の超音波探触子10や検査対象に入射するまでの行路長が全体的に増加し当該成分の減衰が図られる。これにより多重反射等に起因する強度の大きな不要超音波の形成が防止され、そしてそのような不要超音波が超音波探触子10や検査対象に入射することが抑制され、アーチファクトの減少した良好な画像が得られる。また、不要超音波成分が音響カップリング部材14内で減衰することにより、超音波探触子10により観測されるノイズレベルの低減も図られる。 【0020】ちなみに、側面と下面との接続部分や、側面と上面との接続部分のコーナーの形状(例えば曲率)も円柱20の食い込みの影響を受け、周方向に一様ではなくなり、この部分での散乱は無用な超音波成分を縦方向に拡散し、画質向上に寄与する。 【0021】なお、円柱20の間隔、半径は、使用時に側面での散乱が良好に行われる音響カップリング部材14の形状が実現されるように定められる。それらの好適な値は、例えば、音響カップリング部材14の非圧縮時の形状(横断面形状及び縦断面形状)や超音波の周波数に応じて変わりうる。また円柱20の間隔、半径を枠18の長辺上と短辺上とで異なるようにするのが好適である場合もある。 【0022】また、円柱20の間隔は、音響カップリング部材14の柔軟性にも依存する。音響カップリング部材14が柔らかい場合には円柱20の間隔が狭くても、使用者の押圧により音響カップリング部材14は十分に外側に張り出し、大きな散乱角を生じる凹部が得られるが、逆に音響カップリング部材14が堅い場合には、それに応じて円柱20の間隔を大きくしないといけないであろう。 【0023】本音響カプラでは、ホルダ12と音響カップリング部材14とは、使用時においては互いに食い込んで一体性を高めるが、非使用時においては容易に分離される。よって、超音波探触子10や状況に応じて、良好な画像が得られるホルダ12に交換して観察を行うことが容易である。 【0024】また、本発明は、ホルダ12の枠18の形状や、音響カップリング部材14の横断面形状が矩形である場合に限らず適用することができる。 【0025】[実施の形態2]図4は、ホルダの他の例の部分を模式的に示す斜視図である。このホルダは、枠18上に上記ホルダ12と同様に円柱30が間隔を置いて立設され、隣接する円柱30間には、水平方向に桟32が渡され、格子が構成されている。 【0026】このホルダによれば、音響カップリング部材14の側面は使用時に、側周方向に凹凸を生じるだけでなく、縦方向にも凹凸を生じ、無用な超音波が水平方向だけでなく、垂直方向にも良好に散乱される。 【0027】この他、ホルダの枠18上には、使用時に音響カップリング部材14の側面を凹凸に変形させるために様々な形状の網目構造の柵を立設することができる。 【0028】また、垂直方向の散乱の効果を得るために、ホルダ12のような円柱を間隔を置いて立設するタイプのホルダにおいて、各円柱の半径を垂直方向の位置に応じて周期的に変化させたり、各円柱の音響カップリング部材14に面する側の側面に突起を設ける構成も有効である。 【0029】また、ホルダが音響カップリング部材14の側面を取り囲む壁を枠18上に有し、その壁の内面、すなわち音響カップリング部材14側の面を、波状にしたり、突起を有する表面形状としたりする構成も本発明に含まれる。 【0030】[実施の形態3]本発明は、音響カップリング部材の側面に凹凸を設けることが容易であるということも大きな特徴とする。すなわち、音響カップリング部材自身の表面を凹凸に形成することは面倒であるし、また音響カップリング部材は柔軟性を有するので使用時に内圧が高まった場合に、それ自身に設けられた凹凸を維持することが難しいという問題があるが、本発明はこれを解決し、容易に音響カップリング部材の側面に凹凸を設けることを可能とする。 【0031】この特徴は、音響カップリング部材がホルダに緩挿される場合でなくても利用されうる。具体的には、非使用時において既に、音響カップリング部材がホルダに密接し、その側面が凹凸に保たれるような形態である。このような音響カプラは、ホルダにそれより大きめの音響カップリング部材を圧入することにより製造される。そのため、上述の実施形態のように、音響カップリング部材をホルダから取り外すのは上記実施形態ほど容易ではないが、ホルダを変える必要がない場合には、音響カプラが一体に保たれるので却って取り扱いが楽であるという利点がある。 【0032】 【発明の効果】本発明の超音波探触子用音響カプラによれば、音響カップリング部材がホルダにより規制され、その側面に凹凸が形成され、その凹凸で無用な超音波成分が散乱されるので、音響カップリング部材内部での超音波の多重反射に起因する超音波画像の画質劣化が抑制されるという効果が得られ、その結果に基づいて行われる診断等の精度の向上が図られる。また、音響カップリング部材自体に凹凸を設け、それを内圧が高まる使用時においても維持させるのに比べ、本発明によれば音響カップリング部材の側面に凹凸を設け、当該凹凸を維持することが容易であるという効果もある。 【0033】また本発明の超音波探触子用音響カプラによれば、非使用時には音響カップリング部材がホルダに緩挿されるように構成されるので、ホルダを交換することが容易であり、アーチファクトを低減できるホルダに交換して超音波診断を行うことができるという効果が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390029791 【氏名又は名称】アロカ株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月23日(1999.3.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075258 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−271119(P2000−271119A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月3日(2000.10.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−78009 |
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