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【発明の名称】 医用X線装置
【発明者】 【氏名】古曳 孝明

【要約】 【課題】被検体の多方向からの二次元画像と三次元画像を同一の装置で得られる経済的で設置スペースの小さいIVRに好適な医用X線装置を提供する。

【解決手段】被検体を載置するテーブルを水平方向に挿入するための開口部を有する支持枠に前記開口部の周りを回転する第一の回転部材を設け、この第一の回転部材に前記被検体の体軸方向に傾斜可能に支持された第二の回転部材を設ける。この第二の回転部材で前記被検体にX線を照射するX線管装置と前記被検体を挟んで前記X線管装置と対抗配置されて前記被検体の透過X線を検出する検出装置とを支持する。前記第一の回転部材を回転制御する回転制御手段と前記第二の回転部材の傾斜角度を制御する傾斜角度制御手段により、前記第一の回転部材を回転制御し、前記第二の回転部材を任意の傾斜角度に傾斜させて前記検出装置からの出力信号を処理して二次元画像及び叉は三次元画像を画像処理装置で生成する。これらの生成した二次元画像及び叉は三次元画像を表示装置に表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検体を載置するテーブルを水平方向に挿入するための開口部を有する支持枠と、この支持枠に支持され前記開口部の周りを回転する第一の回転部材と、この第一の回転部材を回転制御する回転制御手段と、前記第一の回転部材に前記被検体の体軸方向に傾斜可能に支持された第二の回転部材と、この第二の回転部材の傾斜角度を制御する傾斜角度制御手段と、前記第二の回転部材に支持され前記被検体にX線を照射するX線管装置と、前記第二の回転部材に支持され前記被検体を挟んで前記X線管装置と対抗配置されて前記被検体の透過X線を検出する検出装置と、前記回転制御手段で前記第一の回転部材を回転制御し、前記傾斜角度制御手段で前記第二の回転部材を任意の傾斜角度に傾斜させて前記検出装置からの出力信号を処理して二次元画像及び三次元画像を生成する画像処理装置と、この画像処理装置で生成した前記画像を表示する表示装置とから成る医用X線装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、医用X線装置に係り、特に、血管造影検査やX線診断装置を用いたIVR(Interventional Radiology)と呼ばれる治療法に好適な一台の装置で二次元画像と三次元画像を得る機能を有する医用X線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線透視撮影台や循環器X線診断装置等の医用X線透視撮影装置は、診断の分野においては欠かせないものとなっているが、最近は診断のみならず治療にも使われるようになってきた。この治療は、X線透視下において先端にさまざまな器具を取り付けたカテーテルを被検者の血管や臓器に挿入して行なうものであって、従来、開腹手術をせざるを得なかった治療に対して、被検者に与える苦痛を少なくでき、かつ安価に治療ができるという大きなメリットを持つため、急速に普及している。このような治療方法は、IVR(Interventional Radiology)と呼ばれている。
【0003】このIVRでは、対象部位の位置や形状を立体的に把握できるようにすることが望ましい。そのために、三次元画像はX線CT装置で取得して、この三次元画像に基づいて対象部位の位置や形状を把握しておき、前記把握した対象部位に、X線発生系とX線検出系をC字形アームで支持した循環器X線診断装置(“医歯薬出版株式会社:医用放射線科学講座13、放射線診断機器工学、156頁の図4−7”に記載)を用いて様々な角度からX線を照射し、該循環器X線診断装置で取得した前記対象部位の二次元の透視画像を参照して治療を行い、この治療結果の確認を再度上記X線CT装置を用いて行っていた。
【0004】上記C字形アームによる循環器X線診断装置は、いろいろな方向からの透視、撮影ができるように、アームの回転(被検体の体軸に垂直となる方向の回転)、スライド移動(被検体の体軸に対して傾斜する方向の移動)等の各種の回転、移動動作を行えるように構成されており、前述したように手術に先立ち、X線CT装置で生成した三次元画像に基づいて治療対象部位の位置や形状を確認し、この三次元画像によって得られた位置や形状と上記循環器X線診断装置で透視する二次元画像とに基づいて診断、治療を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような、循環器X線診断装置とX線CT装置とを併用した方法では、IVR中において得られる情報は、循環器X線診断装置によって得られる二次元の情報のみとなるので、術者は手術中における治療対象部位の位置や形状、あるいは、治療対象部位とカテーテルの先端に取り付けた治療器具との位置関係等を直感的に把握することができない。また、X線CT装置で三次元画像を得るためには、被検体を体軸方向に移動させながら該被検体の透過X線検出データから前記被検体の三次元線画像を再構成するボリュームスキャンあるいはヘリカルスキャンと称される技術を用いる。しかし、このボリュームスキャン方式のX線CT装置では、被検体の体軸方向の分解能が低いという問題がある。分解能が低いと、治療対象部位の位置や形状を正確に把握することが困難となる場合も考えられ、さらなる分解能向上が望まれる。この分解能を向上させる方法として、撮像系の回転速度に対する被検体の移動速度を下げて撮影する方法が考えられるが、その場合には、IVRが必要とする即応性を得ることができない。
【0006】また、上記X線CT装置と循環器X線診断装置を併用する方法では、高価で大きな設置スペースを必要とするX線CT装置と循環器X線診断装置の2台の装置を装備することとなるので、経済性と設置スペース点においても問題がある。そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、被検体の多方向からの二次元画像と三次元画像を同一の装置で得られる経済的で設置スペースの小さいIVRに好適な医用X線装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、被検体を載置するテーブルを水平方向に挿入するための開口部を有する支持枠と、この支持枠に支持され前記開口部の周りを回転する第一の回転部材と、この第一の回転部材を回転制御する回転制御手段と、前記第一の回転部材に前記被検体の体軸方向に傾斜可能に支持された第二の回転部材と、この第二の回転部材の傾斜角度を制御する傾斜角度制御手段と、前記第二の回転部材に支持され前記被検体にX線を照射するX線管装置と、前記第二の回転部材に支持され前記被検体を挟んで前記X線管装置と対抗配置されて前記被検体の透過X線を検出する検出装置と、前記回転制御手段で前記第一の回転部材を回転制御し、前記傾斜角度制御手段で前記第二の回転部材を任意の傾斜角度に傾斜させて前記検出装置からの出力信号を処理して二次元画像及び三次元画像を生成する画像処理装置と、この画像処理装置で生成した前記画像を表示する表示装置とから成ることによって達成される。
【0008】このように構成することによって、透視時には、X線管装置と検出装置を回転制御手段により第一の回転部材を回転させて被検体の周囲の任意の角度に設定し、傾斜角度制御手段により第二の回転部材を被検体の体軸と垂直あるいは任意の傾斜角度に設定して、これらの設定した方向から透視して被検体の透過X線を検出装置で検出し、この検出信号を画像処理装置で処理して二次元画像を生成し、コーンビームCT撮像時には、前記傾斜角度制御手段により第二の回転部材を被検体の体軸と垂直あるいは任意の傾斜角度に設定し、この設定した垂直あるいは任意の傾斜角度の状態で前記回転制御手段により第一の回転部材を被検体の周囲に回転させて被検体の透過X線を検出装置で検出し、この検出信号を画像処理装置で処理して三次元画像を生成する。これらにより生成した二次元画像及び叉は三次元画像を表示装置に表示して、この表示した画像を参照してIVR等を行うことができる。また、IVRに用いるためには、手術中のワーキングスペースを確保する点において被検体を挿入する開口部はできるだけ広い方が望ましい。この点においても、本発明では、X線管装置と検出装置を被検体の周囲に回転させる機能と前記被検体の体軸に対して傾斜させる機能を第一の回転部材と第二の回転部材とに分けて持たせる構成としたので、X線発生系と検出系の構成要素を分割して前記第一の回転部材と第二の回転部材に搭載することによって、前記開口部を従来のX線CT装置よりも広くすることができ、IVRを行うに必要なワーキングスペースの確保が可能となる。これによって、 術中における被検者の容体の急変等に迅速に対応するために常時被検者の表情等の様子の観察も容易となり、被検者の容体の急変等にも迅速に対応できるようになる【0009】また、本発明は、前記支持枠に被検体の体軸方向に移動する手段を設けることによって、被検体を静止させた状態で撮像することもできる。さらに、前記画像処理装置で構成された二次元画像と三次元画像を同一の表示装置若しくは別々の表示装置に同時に表示して、これらの画像を参照することにより対象部位の位置、形状情報が豊富になり、IVRに好適な医用X線装置を提供できるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、発明の実施の形態とともに図面を参照して詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符合を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0011】[1]構成の説明図1は本発明の医用X線装置の構成を示す斜視図、図2は図1の正面図、図3は図1、図2の回転板の回転力をリングに伝達する機構を示す図である。以下に上記図1〜図3を用いて本発明の構成について説明する。
【0012】1は 任意の大きさの内径と厚みを有し、かつ被検体(図示省略)を載置するテーブル(図示省略)を挿入する開口部13を有するリング、2は該リング1の中心を含む鉛直軸線上に前記被検体に照射するX線の焦点を合わせ、かつ前記リング1の内径面内に固定されたX線管装置(以下、単にX線管と呼ぶことにする)、3は前記リング1の中心を含む鉛直軸線上の該リング1の内径面内に、前記被検体を挟んで前記X線管2と対向した位置に固定された受像装置である。この受像装置3は、イメージインテンスファイアとテレビカメラあるいはCCD(電荷結合素子)カメラで構成されたものでも、半導体検出器を用いたフラットパネル式の2次元センサでも良い。4は被検体を載置するテーブルを挿入する少なくとも前記リング1の開口部13よりは広い開口部14を有し、前記X線管2とX線受像手段3を支持するリング1を被検体の周囲に回転又は移動させる回転板で、少なくとも一つの軸受5を介して回転可能に支持枠6に支持されている。
【0013】2つの軸7は前記リング1の中心を含む水平軸線上にあって、該リング1に固定され、その軸心を前記水平軸線に一致させる。前記 軸7は前記回転板4に固定された軸受8の内径に挿入されて、前記回転板4に対して軸受8を介して軸7を固定したリング1を被検体の体軸方向に傾斜可能とする。
【0014】9はリング1を被検体の体軸方向に傾斜させるための駆動部で、前記軸7の一端に固定したプーリ10と、前記回転板4に固定されたモータ9aと、このモータ9aの軸に固定されたプーリ9bと、このプーリ9bと前記プーリ10とを連結するベルト11と、前記モータ9aの回転を停止させるブレーキ9cと、前記モータ9aの回転数を検出する検出器9dとで構成し、前記モータ9aの回転駆動力をリング1に伝達してこのリング1を被検体の体軸方向に傾斜させる。12は前記回転板4を回転させる駆動部で、支持枠に固定されたモータ12aと、このモータ軸に固定されたプーリ12bと、前記モータ12aの回転数を検出する検出器12cと、前記モータ12aの回転を停止させるブレーキ12dとから成り、前記プーリ12bと回転板4をベルト13で連結することにより、モータ12aの回転駆動力は回転板4に伝達され、支持枠6に対して回転できる。したがって、回転板4に回転可能に固定されたリング1は、リング1の中心を含む水平軸線を中心とした回転が可能となり、X線管2と受像装置3は対向して回転する。
【0015】なお、IVRに用いるためには、手術中のワーキングスペースを確保する点において被検体を挿入する開口部はできるだけ広い方が望ましい。この点において、上記の実施の形態では、X線管2と受像装置3を被検体の周囲に回転させる機能と前記被検体の体軸に対して傾斜させる機能を回転板4とリング1とに分けて持たせる構成としたので、従来のX線CT装置のように、X線発生系(X線管装置とこのX線管装置に高電圧を印加する高電圧発生装置等から成る)と検出系(被検体を透過したX線を検出するX線検出器とこの検出器の出力を増幅するプリアンプ等から成る)を回転スキャナに搭載せずに、これらのX線発生系と検出系の構成要素を分割して上記回転板4とリング1に搭載することができるので、前記回転板4とリング1の開口部を前記X線CT装置よりも広くすることができ、IVRを行うに必要なワーキングスペースの確保が可能となる。
【0016】[2]動作の説明次に、上記本発明の実施形態1の動作について、図1,図2及びこの装置の制御装置の構成を示す図4を用いて詳細に説明する。術者は、操作器30に対して透視画像とコーンビームCT画像のどちらを選択するかを指示する。この指示により、透視画像を取得する機能を選択した場合は、切り換え器36により受像装置3の出力は画像処理手段40に入力され、コーンビームCT画像を取得する機能を選択した場合は、切り換え器36により受像装置3の出力は画像処理手段50に入力される。
【0017】(1)透視画像を取得する機能を選択した場合1)被検体の体軸と垂直の方向から透視する場合術者は被検体の体軸と垂直の方向から透視するための制御指令を操作器30からシステムコントローラ31を介して、X線管2からのX線の照射方向が被検体の体軸と垂直となる制御指令をリング傾斜制御手段32に送る。この制御指令に基づいて、X線管2及びX線受像手段3を傾斜させる駆動部9のモータ9aが回転し、この回転駆動力をプーリ9b、プーリ10、ベルト11を介してリング1に伝達し、このリング1をX線管2からのX線照射方向が被検体の体軸と垂直になるように、X線管2と受像装置3とを対向配置する。すなわち、リング1はX線受像手段5とX線管2がアイソセンタZを含む鉛直軸線上に対向する位置に保持される。
【0018】また、血管の走行方向の確認等のために、X線管2と受像装置3を被検体の周囲の任意の回転位置に位置合わせするための制御指令を操作器30から入力し、この制御指令をシステムコントローラ31を介して回転板4を回転制御する回転板制御手段33に送る。この指令に基づいて、回転板4を回転駆動する駆動部12のモータ12aが回転し、このモータ軸に連結されたプーリ12bを回転させ、このプーリ12bと回転板4とを連結したベルト13及び支持枠6に対して回転可能に支持した軸受5を介して回転板4を回転させ、目標の回転角度位置に達したならばブレーキ12cを作動して所望の角度に停止させて、X線管2とX線受像手段3を停止状態に保持する。
【0019】そして、上記の回転板4の回転角度及びX線管2からのX線照射方向が被検体の体軸と垂直となるリング1の傾斜角度(この場合の傾斜角度は0度)において、術者の操作器30からの指令に基づくシステムコントローラ31からのX線条件に対応したX線を発生するためのX線制御量をX線制御手段34で生成して、前記制御量に基づくX線をX線管2から発生して被検体に照射する。該被検体を透過したX線を受像装置3に入力して、これを電気信号に変換し、この電気信号に変換されたアナログ信号を画像処理手段40のA/D変換器41に入力する。
【0020】このアナログ信号は、A/D変換器41でデジタル信号に変換され、画像処理部42に送ると共にフレームメモリ43に記憶する。画像処理部42は送られてきたデジタル画像信号に対して、コントラスト、ガンマ特性変換等の画像処理を行い、階調処理をする表示階調処理部44に送る。表示階調処理部44において階調処理が済んだデジタル画像信号は、D/A変換器45によりアナログ信号に変換され、ディスプレイ60に透視画像を表示する。
【0021】2)被検体の体軸に対して傾斜する方向から透視する場合術者は被検体の体軸に対して傾斜する方向から透視するための制御指令を操作器30からシステムコントローラ31を介して、X線管2からのX線の照射方向が被検体の体軸に対して傾斜すると制御指令をリング傾斜制御手段32に送る。この制御指令に基づいて、X線管2及びX線受像手段3を傾斜させる駆動部9を駆動して、リング1をX線管2からのX線照射方向が被検体の体軸に対して傾斜する前記制御指令に対応した傾斜角度に前記X線管2と受像装置3とを対向配置する。
【0022】また、血管の走行方向の確認等のために、X線管2と受像装置3を被検体の周囲の任意の回転位置に位置合わせするための制御指令を操作器30から入力し、この制御指令をシステムコントローラ31を介して回転板4を回転制御する回転板制御手段33に送る。この指令に基づいて、回転板4を回転駆動する駆動部12を駆動して前記目標の回転角度位置に停止、保持する。そして、上記の回転板4の回転角度及びX線管2からのX線照射方向が被検体の体軸に対して傾斜するリング1の傾斜角度方向から、被検体にX線を照射し、該被検体を透過したX線を受像装置3に入力する。この受像装置3からの出力を画像処理手段40で画像処理して、被検体の体軸に対する傾斜方向からの透視画像をディスプレイ60に表示する。
【0023】(2)コーンビームCT画像を取得する機能を選択した場合1)X線管2と受像装置3を被検体の体軸と垂直に対向配置して撮像する場合術者は、被検体の体軸と垂直の方向にX線を照射してコーンビームCT撮影をするための制御指令を、操作器30からシステムコントローラ31を介してリング傾斜制御手段32に送る。この制御指令に基づいて、X線管2及びX線受像手段3を傾斜させる駆動部9の駆動により、リング1をX線管2からのX線照射方向が被検体の体軸と垂直になる傾斜角度(この場合の傾斜角度は0度)に制御する。すなわち、リング1はX線受像手段5とX線管2がアイソセンタZを含む鉛直軸線上に対向する位置に保持される。
【0024】被検体の位置合わせ等の準備が終了した段階で、術者はコーンビームCT画像の撮影を行なうために、操作器30を操作してシステムコントローラ31より回転板制御手段33に回転制御指令を出力し、その指令に基づいて駆動部12のモータ12aを回転させて、回転板4を回転させる。回転板4が一定の回転速度に達した時点でシステムコントローラ31は、X線制御手段34を介してX線管2よりX線を放射し、前記回転板4の1回転分の被検体を透過したX線を受像装置3で検出しこれを電気信号に変換する。
【0025】前記受像装置3で検出した信号は、A/D変換器でデジタル信号に変換されると共にデータ収集器51に記憶し、このデータ収集器51からのX線画像データに対して対数変換、ゲイン補正、オフセット補正等の前処理を前処理器52で行い、この前処理器52からの画像データをコンボルバ53で前投影方向のX線吸収データを積和演算する。このコンボルバ53で積和演算した後のデータを後述のイメージメモリ55に対して逆投影して重ね合わせた断層像をバックプロジェクタ54で再構成し、この再構成された断層像を前記イメージメモリ55に記憶して、このイメージメモリ55上に再構成された断層像に関するデータについて所望の範囲のCT値を設定する画像変換器56を介して生成された3次元画像をディスプレイ60に表示する。
【0026】2)X線管2と受像装置3を被検体の体軸に対して傾斜させて撮像する場合術者は、被検体の体軸に対して傾斜する方向からX線を照射してコーンビームCT撮影をするための制御指令を、操作器30からシステムコントローラ31を介してリング傾斜制御手段32に送る。この制御指令に基づいて、X線管2及びX線受像手段3を傾斜させる駆動部9の駆動により、リング1をX線管2からのX線照射方向が被検体の体軸に対して傾斜させる前記制御指令に対応した傾斜角度に制御し、この傾斜角度にリンク1を保持する。
【0027】被検体の位置合わせ等の準備が終了した段階で、術者はコーンビームCT画像の撮影を行なうために、操作器30を操作してシステムコントローラ31より回転板制御手段33に回転制御指令を出力し、その指令に基づいて駆動部12のモータ12aを回転させて、回転板4を回転させる。回転板4が一定の回転速度に達した時点でシステムコントローラ31は、X線制御手段34を介してX線管2よりX線を放射し、前記回転板4の1回転分の被検体を透過したX線を受像装置3で検出しこれを電気信号に変換する。前記受像装置3で検出した信号を画像処理手段50に入力し、この画像処理手段50で生成された被検体の体軸に対して傾斜する方向からの三次元画像をディスプレイ60に表示する。
【0028】3)その他のコーンビーム撮像上記1),2)のコーンビーム撮像は、被検体を静止させておき、回転板4を回転させて撮像する方法について説明したが、これは、リング1をある傾斜角度に設定し、回転板4を回転させた状態で被検体を載置するテーブル(図示省略)を移動して撮像することもできる。また、上記回転板4を支持する支持枠6に移動手段を設けて、被検体が静止で、回転板4を回転させた状態で前記支持枠6を移動させて撮像することもできる。この方法では、一度に被検体の広範囲の三次元画像を撮像できるので、治療部位とこれに隣接している部分の位置関係が明確になり、全体を把握するのに好都合である。
【0029】[3]使用例の説明本発明の実施形態の使用例として、IVRの代表的な例であるX線透視下によるカテーテルを用いた血管治療に用いる場合について説明する。例えば、冠状動脈の中の梗塞を治療する場合に、大腿静脈等からカテーテルを挿入し、そのカテーテルをX線透視下において目的とする血管まで進め、目的の部位において、バルーンカテーテルやアテレクトミーカテーテルを使用して狭窄部の開大を行うというものである。
【0030】先ず、治療に先だって対象部位の位置や形状を立体的に把握するために、コーンビームCT機能を選択して三次元画像を生成し、この画像をディスプレイに表示する。この場合は、上記(2)の1)〜3)で説明した方法により、いろいろな方向からの三次元画像を生成して、ディスプレイに以下のように表示して、この表示画像を参照して対象部位の位置や形状を正確に把握する。
(1)上記(2)の1)〜3)で説明した方法で生成した三次元画像をそれぞれ単独に表示。
(2)上記(2)の1)〜3)で説明した方法で生成した三次元画像のうち少なくとも2つの画像を同時に表示。例えば、上記(2)の1)のX線管2とX線受像手段5を被検体の体軸と垂直に対向配置して撮像した画像と上記(2)の2)のX線管2とX線受像手段5を被検体の体軸に対して傾斜させて撮像した画像を同時に表示したり、あるいは上記(2)の1)か2)の画像と上記(2)の3)の画像を同時に表示する等のいろいろな表示方法がある。
【0031】この他にも、上記の画像をいろいろ組み合わせて表示することもできる。これらの表示は、同一のディスプレイに表示しても、別々のディスプレイに表示しても良い。また、同時表示は2種類に限るものではなく、これ以上の複数でも良い。このように生成し、表示した画像により複雑に錯綜する血管の走行状態を多方向から立体的に観察し、この結果に基づいて上記[2]の(1)の1)、2)の方法にる透視画像を見ながらカテーテル操作を行い、梗塞状態の血管の拡張手術を行う。この治療時は、上記[2]の(1)の1)、2)で生成した透視画像を単独で表示する他に、被検体の体軸と垂直な方向からの透視画像と被検体の体軸に対して傾斜する方向からの透視画像を同一のモニタあるいは別々のモニタに表示して、両方の画像を参照したり、あるいは上記コーンビームCT画像のうちの任意の三次元画像と上記透視画像を同一のディスプレイあるいは別々ディスプレイに表示し、これらの画像をガイドにして治療を進めることができる。そして、治療後にコーンビームCT画像を取得する機能を選択して三次元画像を撮像して、この画像により治療効果の確認を行う。
【0032】このように、本発明の実施の形態によれば、三次元画像により対象部位の位置や形状を把握して、この結果に基づいて多方向からの透視、特に体軸方向の透視角度を任意に設定できるので複雑に錯綜する血管や臓器等の診断情報が豊富になり、診断、治療の向上を図ることができる。
【0033】
【発明の効果】以上、本発明によれば、同一の装置で三次元画像と二次元画像を生成し、前記三次元画像で得た被検体の診断、治療対象部位の位置や形状の情報に基づいて、前記被検体の体軸方向に対する任意の角度での透視により、多方向からの二次元の透視画像を参照してIVRを行うことができる。これによって、複雑に錯綜する血管や臓器等の位置、形状情報が豊富になり、診断、治療の向上に貢献すると共に経済的で設置スペースが小さくて済む医用X線装置を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000153498
【氏名又は名称】株式会社日立メディコ
【出願日】 平成11年3月26日(1999.3.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−271109(P2000−271109A)
【公開日】 平成12年10月3日(2000.10.3)
【出願番号】 特願平11−84870