| 【発明の名称】 |
末梢血管抵抗測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】森瀬 敏夫
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】圧最高時点決定手段74(SB2乃至SB3)により、圧脈波センサ38によって検出された圧脈波形の一脈波中の最高圧Pmax を示す圧最高時点tamx が決定され、脈波正規化手段76(SB5)により、その圧最高時点tamx から180msec後までの圧脈波の脈圧が正規化されて正規化脈波Wが決定され、末梢血管抵抗算出手段78(SB6乃至SB8)により、その正規化脈波Wに基づいて、数式1の関係から生体の末梢血管抵抗TPRが算出されるので、非侵襲且つ連続的に末梢血管抵抗TPRを測定することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 生体の末梢血管抵抗を非侵襲にて測定する末梢血管抵抗測定装置であって、前記生体の動脈の圧脈波を非侵襲で連続して検出する圧脈波検出装置と、該圧脈波検出装置により検出された圧脈波形の一脈波中の最高圧を示す圧最高時点を決定する圧最高時点決定手段と、該圧最高時点決定手段により決定された圧最高時点から所定時間の前記圧脈波形の脈圧を正規化することにより正規化脈波を決定する脈波正規化手段と、予め設定された関係から、該脈波正規化手段により正規化された正規化脈波に基づいて、前記生体の末梢血管抵抗を算出する末梢血管抵抗算出手段とを、含むことを特徴とする末梢血管抵抗測定装置。 【請求項2】 前記末梢血管抵抗算出手段において用いられる予め設定された関係は、それぞれ異なる末梢血管抵抗を表す複数の前記正規化脈波を模式的に表現した複数の入力波形と、該入力波形に対応して設定された基準出力値列とに基づいて予め学習されたニューラルネットワークを含むものである請求項1記載の末梢血管抵抗測定装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、生体の末梢血管抵抗を非侵襲にて測定する末梢血管抵抗測定装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】血圧の調節機構の研究あるいは循環動態の研究において末梢血管抵抗を知ることは非常に有用である。従来の末梢血管抵抗測定装置は、Swan−Ganzカテーテルを用いた装置が主であり、カテーテルを用いて心拍出量を求め、末梢血管抵抗を算出する装置であった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の末梢血管抵抗測定装置は観血的であり侵襲的である。すなわち、心臓にカテーテルを挿入することが必要となるため、特殊な検査室に備えられたX線透視装置が必要である。また、患者にも多大な負担を強い、且つ血管穿刺による感染の危険性もある。さらに、上記従来の末梢血管抵抗測定装置は、最短でも数十秒毎のデータしか得られないという問題もある。そのため、広範な臨床試験への応用は制限されていた。 【0004】本発明は以上のような事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、非侵襲且つ連続的に末梢血管抵抗を測定することができる末梢血管抵抗測定装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、生体の末梢血管抵抗を非侵襲にて測定する末梢血管抵抗測定装置であって、前記生体の動脈の圧脈波を非侵襲で連続して検出する圧脈波検出装置と、その圧脈波検出装置により検出された圧脈波形の一脈波中の最高圧を示す圧最高時点を決定する圧最高時点決定手段と、その圧最高時点決定手段により決定された圧最高時点から所定時間の前記圧脈波形の脈圧を正規化することにより正規化脈波を決定する脈波正規化手段と、予め設定された関係から、その脈波正規化手段により正規化された正規化脈波に基づいて、前記生体の末梢血管抵抗を算出する末梢血管抵抗算出手段とを、含むことにある。 【0006】 【発明の効果】このようにすれば、圧最高時点決定手段により、圧脈波検出装置によって検出された圧脈波形の一脈波中の最高圧を示す圧最高時点が決定され、脈波正規化手段により、その圧最高時点から所定時間の圧脈波形の脈圧すなわち振幅が正規化されて正規化脈波が決定され、末梢血管抵抗算出手段により、その正規化脈波に基づいて、予め設定された関係から生体の末梢血管抵抗が算出されるので、非侵襲且つ連続的に末梢血管抵抗を測定することができる。 【0007】 【発明の他の態様】ここで、好適には、前記末梢血管抵抗算出手段において用いられる予め設定された関係は、それぞれ異なる末梢血管抵抗を表す複数の前記正規化脈波を模式的に表現した複数の入力波形と、その入力波形に対応して設定された基準出力値列とに基づいて予め学習されたニューラルネットワークを含むものである。このようにすれば、前記脈波正規化手段により正規化された正規化脈波と、生体の末梢血管抵抗との関係が容易に設定される利点がある。 【0008】また、好適には、前記末梢血管抵抗測定装置は、前記生体に接触される電極を通してその生体の心電誘導波形を検出する心電誘導装置と、その心電誘導波形の周期的に繰り返す所定部位に基づいて前記圧脈波形の一脈波を決定する一脈波決定手段とをさらに含むものである。このようにすれば、一脈波決定手段により、心電誘導波形の所定部位に基づいて前記圧脈波形の一脈波が決定されるので、圧最高時点決定手段により、確実に一脈波毎の圧最高時点が決定できる利点がある。因みに、圧脈波自体の周期的に繰り返す所定部位に基づいて一脈波を決定する場合、たとえば、圧脈波の立ち上がり点に基づいて一脈波を決定する場合は、その圧脈波の立ち上がり点が不明確であるために、一脈波を正確に決定できない場合も生じ得るのである。 【0009】 【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明が適用された末梢血管抵抗測定装置10の構成を説明するブロック図である。 【0010】図1において、末梢血管抵抗測定装置10は、生体の手首12に装着されて体表面14上から撓骨動脈16を押圧し、その撓骨動脈16からの圧脈波を検出して圧脈波信号SM1 を出力する圧脈波検出プローブ18と、心筋の活動電位を示す心電誘導波を検出して、その心電誘導波を示す心電誘導信号SM2 を出力する心電誘導装置20と、それら圧脈波信号SM1 および心電誘導信号SM2 を処理し、末梢血管抵抗TPRを算出する演算制御装置22と、演算制御装置22により算出された末梢血管抵抗TPR等を表示する表示器24とを含んで構成されている。 【0011】圧脈波検出プローブ18は、図2に詳しく示すように、容器状を成すセンサハウジング26を収容するケース28と、このセンサハウジング26を、撓骨動脈16の幅方向に移動させるためにそのセンサハウジング26に螺合され且つケース28の駆動部30内に設けられた図示しないモータによって回転駆動されるねじ軸32とを備えている。上記ケース28には装着バンド34が取りつけられており、上記容器状を成すセンサハウジング26の開口端が人体の体表面14に対向する状態で装着バンド34により手首12に着脱可能に取り付けられるようになっている。上記センサハウジング26の内部には、ダイヤフラム36を介して圧脈波センサ38が相対移動可能かつセンサハウジング26の開口端からの突出し可能に設けられており、これらセンサハウジング26およびダイヤフラム36等によって圧力室40が形成されている。この圧力室40内には、空気ポンプ42から調圧弁44を経て圧力空気が供給されるようになっており、これにより、圧脈波センサ38は圧力室40内の圧力に応じた押圧力で前記体表面14に押圧される。なお、本実施例では、圧脈波センサ38の押圧力は圧力室40内の圧力(単位:mmHg)で示される。 【0012】上記センサハウジング26およびダイヤフラム36は、圧脈波センサ38を撓骨動脈16に向かって押圧する押圧装置46を構成しており、上記ねじ軸32および図示しないモータは、圧脈波センサ38が押圧される押圧位置をその撓骨動脈16の幅方向に移動させて変更する押圧位置変更装置すなわち幅方向移動装置48を構成している。 【0013】上記圧脈波センサ38は、たとえば、単結晶シリコン等から成る半導体チップから成る押圧面50に多数の半導体感圧素子(図示せず)が撓骨動脈16の幅方向すなわちねじ軸32と平行な圧脈波センサ38の移動方向に0.2mm程度の一定の間隔で配列されて構成されており、手首12の体表面14の撓骨動脈16上に押圧されることにより、撓骨動脈16から発生して体表面14に伝達される圧力振動波すなわち圧脈波を検出し、その圧脈波を表す圧脈波信号SM2 をA/D変換器52を介して演算制御装置22へ供給する。従って、本実施例では圧脈波センサ38が圧脈波検出装置として機能している。 【0014】前記心電誘導装置20は、生体の所定の部位に貼り着けられる複数の電極54を介して心筋の活動電位を示す心電誘導波、所謂心電図を連続的に検出するものであり、その心電誘導波を示す信号SM2 を前記演算制御装置22へ供給する。図3は、前記圧脈波センサ38により検出された圧脈波信号SM1 の表す圧脈波、および心電誘導装置20により検出された心電誘導信号SM2 の表す心電誘導波の一例を示している。 【0015】前記演算制御装置22は、CPU56,ROM58,RAM60,および図示しないI/Oポート等を備えた所謂マイクロコンピュータにて構成されており、CPU56は、ROM58に予め記憶されたプログラムに従ってRAM60の記憶機能を利用しつつ信号処理を実行し、駆動部30に駆動信号を出力して圧脈波センサ38の押圧位置を調節するとともに、空気ポンプ42および調圧弁44へ図示しない駆動回路を介して駆動信号を出力して圧力室40内の圧力を調節する。 【0016】すなわち、演算制御装置22は、押圧装置46により圧脈波センサ38を最適押圧力よりも十分に低く予め設定された比較的小さな第1押圧値P1 で押圧させ、その状態でその圧脈波センサ38の各圧力検出素子のうち最大脈波振幅を示すものが、その圧力検出素子の配列方向において予め設定された中央部に位置するように押圧位置を調節する。続いて、圧脈波センサ38の押圧力を連続的に変化させ、その変化過程で得た圧脈波に基づいて撓骨動脈16の血管壁の一部を略平坦とするための最適押圧力PHDPOを決定し、その最適押圧力PHDPOを維持するように調圧弁44を制御する。 【0017】そして、演算制御装置22は、圧脈波センサ38から供給される圧脈波信号SM1 を、心電誘導装置20から供給される心電誘導信号SM2 とともに、光磁気ディスク等の外部記憶装置62に記憶させ、その外部記憶装置62に記憶された圧脈波信号SM1 および心電誘導信号SM2 に基づいて末梢血管抵抗TPRを算出する。 【0018】図4は、上記末梢血管抵抗測定装置10における演算制御装置22の末梢血管抵抗TPR決定機能の要部を説明する機能ブロック線図である。波形記憶手段70は、圧脈波センサ38が前記最適押圧力PHDPOで撓骨動脈16を押圧する過程において、その圧脈波センサ38から供給される圧脈波信号SM1 を、心電誘導信号SM2 とともに、外部記憶装置62に記憶する。 【0019】一脈波決定手段72は、上記波形記憶手段70により外部記憶装置62に記憶された心電誘導信号SM2 が表す心電誘導波形の周期的に繰り返す所定部位間、たとえばR波−R波間を、その心電誘導信号SM2 とともに外部記憶装置62に記憶された圧脈波信号SM1 の一脈波に決定する。このようにして決定された圧脈波信号SM1 の一脈波は、図3に示すように一拍毎の最低圧Pmin および最高圧Pmax をそれぞれ一点づつ含んでいる。 【0020】圧最高時点決定手段74は、上記一脈波決定手段72により決定された圧脈波信号SM1 が表す圧脈波の一脈波毎に、それぞれ最高圧Pmax を示す圧最高時点tmax を決定する。 【0021】脈波正規化手段76は、脈波毎に異なる脈圧すなわち振幅を正規化するため、上記圧最高時点決定手段74により決定された圧最高時点tmax を基準点として、それから所定時間(たとえば180msec)の圧脈波の脈圧を正規化して、正規化脈波Wを決定する。すなわち、圧最高時点tmax の脈圧(振幅)Pmax を「1」とし、上記所定時間後における脈圧Pを「0」として、その所定時間の圧脈波の脈圧を正規化して、正規化脈波Wとする。なお、上記圧最高時点tmax からの所定時間の圧脈波は、正常血圧若年女性、高血圧高齢男性等の末梢血管抵抗が異なると考えられる種々の患者の圧脈波形を比較することにより、最も末梢血管抵抗TPRの影響が現れる部位であると認められた部位である。すなわち、図5(末梢血管抵抗TPRの異なる2つの圧脈波を模式的に示す図)にも示されるように、末梢血管抵抗TPRの値が高い場合と低い場合を比較すると、末梢血管抵抗TPRの値が高い場合は、圧最高点tmax からの圧脈波の減少は相対的に緩やかなのである。 【0022】末梢血管抵抗算出手段78は、予め設定された関係から、脈波正規化手段76により正規化された正規化脈波Wに基づいて、生体の末梢血管抵抗TPRを算出する。上記予め設定された関係には、たとえば、数式1に示される関係が用いられる。なお、数式1において、a,bは、予め実験的に求められた定数であり、たとえばa=1690,b=2400が用いられ、xは変数である。 【0023】 【数1】TPR=a+bx【0024】上記数式1の変数xは、それぞれ異なる末梢血管抵抗TPRを表す複数の正規化脈波Wを模式的に表した複数の入力波形In と、その入力波形In に対応して設定された基準出力値列Sn とに基づいて予め学習されたニューラルネットワークNNを用いて算出されるものである。図5にも示されたように、正規化脈波Wには末梢血管抵抗TPRが反映されているので、末梢血管抵抗TPRが高い場合を示す正規化脈波Wから末梢血管抵抗TPRが低い場合を示す正規化脈波Wまでのn種類の波形を模式的に表す入力波形In と、その入力波形In に対応して設定された基準出力値列Sn とに基づいて、正規化脈波Wと末梢血管抵抗TPRとの関係を決定するのである。この基準出力値列Sn は、ニューラルネットワークNNの出力層ユニットと同数の数値を一組とする数列であり、それぞれの基準出力値列Sn は、数列中において最大値を示すものの位置が異なるように設定されている。 【0025】図6は、そのニューラルネットワークNNの一例を示すものであり、17ユニットαi (i=1〜17)を備える入力層αと、14ユニットβj (j=1〜14)を備える隠れ層(中間層)βと、16ユニットγk (k=1〜16)を備える出力層γとから構成されている。そして、このニューラルネットワークNNは、出力層ユニットγk と同数の16種類の入力波形In および基準出力値列Snとを用いて、よく知られたバックプロパゲーションアルゴリズムにより学習されている。 【0026】上記入力波形In には、予め設定された2次曲線が用いられる。すなわち、前記所定時間の中点(すなわち正規化される区間が180msecの場合は、圧最高時点tmax から90msec後)の脈圧Pm を、安静状態の各被験者から求められた正規化脈波Wにおける上限値および下限値に基づいて設定された数式2から決定し、その点に、脈圧Pが「1」となる圧最高時点tmax 、脈圧Pが「0」となる前記所定時間後の点を加えた3点を通る二次曲線が入力波形In に決定される。このようにして決定された入力波形In は、nが大きくなるほど末梢血管抵抗TPRが大きい場合の正規化脈波Wを模式的に表している。この入力波形In のそれぞれについて、脈圧Pが「1」である最高圧時点tmax 、および脈圧Pが「0」である前記所定時間後の点を除いて10msec毎に得られる17個の脈圧Pを入力層ユニットαi に入力する。基準出力値列Sn には、出力層ユニットγk と同数の16個の数列であり、そのうちの一つが「1」であり他は「0」である数列、すなわち、S1 =[1,0,0…,0],S2 =[0,1,0,…0],…,S16=[0,0,0,…1]が用いられる。そして、入力波形In と、それに対応する基準出力値列Sn とを用いて、所定回数、たとえば100万回の学習が行なわれたニューラルネットワークNNが末梢血管抵抗算出手段76に用いられる。 【0027】 【数2】P2 =(n/20)+1/4【0028】そして、このニューラルネットワークNNの各出力層ユニットγk から出力された出力信号Ok が、数式3に示す多項式に代入されることにより、前記数式1の変数xが決定される。この数式3の係数は、前記入力波形In が表す末梢血管抵抗TPRの大きさに応じて係数が決定されているので、入力信号である正規化脈波Wが、末梢血管抵抗TPRが高い場合のものであるほど、変数xは大きい値になる。このようにして決定された変数xが前記数式1に代入されることにより、末梢血管抵抗TPRが算出される。 【0029】 【数3】x=(0/15)O1 +(1/15)O2 …+(15/15)O16【0030】末梢血管抵抗表示手段80は、末梢血管抵抗算出手段78により算出された末梢血管抵抗TPRを表示器24に表示する。 【0031】図7および図8は、上記末梢血管抵抗測定装置10の演算制御装置22における末梢血管抵抗TPR決定作動の要部を説明するフローチャートであって、図7は、圧脈波信号SM1 および心電誘導信号SM2 を記憶する脈波記憶ルーチンであり、図8は、その記憶された脈波に基づいて末梢血管抵抗TPRを算出する末梢血管抵抗算出ルーチンである。 【0032】図7において、まずステップSA1(以下、ステップを省略する。)では、最適押圧力PHDPOが決定されたか否かが判断される。このSA1の判断が否定された場合は、SA1の判断が繰り返されるが、肯定された場合は、続く波形記憶手段70に対応するSA2において、圧脈波センサ38の押圧力がSA1で決定された最適押圧力PHDPOに維持されている状態で、圧脈波センサ38から供給された圧脈波信号SM1 が、心電誘導装置20から供給された心電誘導信号SM2 とともに外部記憶装置62に記憶される。 【0033】続くSA3では、信号の記憶を終了するか否かが判断される。すなわち、上記SA2において記憶が開始されてから、予め設定された記憶期間が経過したか否か、または図示しない停止ボタンが押されたか否かを判断することにより、上記SA2における記憶を終了するか否かが判断される。このSA3の判断が否定されるうちは、上記SA2における信号の記憶が継続され、SA3の判断が肯定された場合は、本ルーチンは終了させられる。 【0034】圧脈波信号SM1 および心電誘導信号SM2 の記憶が終了すると、図8に示される末梢血管抵抗算出ルーチンが実行される。図8において、まず一脈波決定手段72に対応するSB1において、外部記憶装置62に記憶された圧脈波信号SM1 が表す圧脈波の一脈波を決定する。すなわち、圧脈波信号SM1 とともに記憶された心電誘導信号SM2 が表す心電誘導波形のR波−R波間に検出された圧脈波が一脈波に決定される。 【0035】次に圧最高時点決定手段74に対応するSB2乃至SB3が実行される。まず、SB2において、上記SB1で決定されたそれぞれの脈波形の微分波形が求められる。そして、続くSB3では、そのSB2で求められた微分波形において、正数ピークの後、最初に「0」となる時点を最高圧Pmax を示す圧最高時点tmax に決定する。上記微分波形の正数ピークとは、最低圧Pmin から最高圧Pmaxの間に存在する変曲点であるので、その後、最初に「0」となる点を最高圧Pmax に決定することで、確実に最高圧Pmax を決定できるのである。 【0036】続くSB4では、上記SB3で決定された圧最高時点tmax から180msec間の圧脈波が抽出され、続く脈波正規化手段76に対応するSB5では、SB4で抽出された圧脈波の脈圧が正規化されて、一脈波毎に正規化脈波Wが決定される。 【0037】続いて、末梢血管抵抗算出手段78に対応するSB6乃至SB8が実行される。まず、SB6では、前述のように人工的に設定された入力波形In と基準出力値列Sn とに基づいて予め学習された図6に示されるニューラルネットワークNNに、SB5で決定された正規化脈波Wからの入力信号が入力されることにより、ニューラルネットワークNNからの出力信号Ok が決定される。 【0038】続くSB7では、上記SB6で決定された出力信号Ok が、前記数式3に代入されることにより変数xが決定され、続くSB8において、その変数xが数式1に代入されることにより、一拍毎の圧脈波に基づいた末梢血管抵抗TPRが算出される。 【0039】続いてSB9において、上記SB8で算出された末梢血管抵抗TPRの、予め設定された所定拍数分(たとえば10拍程度)の移動平均TPRAVが算出される。そして、続く末梢血管抵抗表示手段80に対応するSB10では、上記SB9において算出された末梢血管抵抗の移動平均TPRAVが表示器24にトレンドグラフ表示される。図9は、SB10において表示されるトレンドグラフの一例を示す図である。 【0040】上述のように、本実施例によれば、圧最高時点決定手段74(SB2乃至SB3)により、圧脈波センサ38によって検出された圧脈波形の一脈波中の最高圧Pmax を示す圧最高時点tamx が決定され、脈波正規化手段76(SB5)により、その圧最高時点tamx から180msec後までの圧脈波の脈圧が正規化されて正規化脈波Wが決定され、末梢血管抵抗算出手段78(SB6乃至SB8)により、その正規化脈波Wに基づいて、数式1の関係から生体の末梢血管抵抗TPRが算出されるので、非侵襲且つ連続的に末梢血管抵抗TPRを測定することができる。 【0041】図10は、本実施例の末梢血管抵抗測定装置10により圧脈波を用いて測定した末梢血管抵抗TPRを、Swan−Ganzカテーテルを用いて観血的に測定した末梢血管抵抗TPRと比較した図である。図10に示されるように、末梢血管抵抗測定装置10を用いて測定した末梢血管抵抗TPRは、観血的に測定した末梢血管抵抗TPRと良好な直線的正相関を示す。(r=0.81,p<0.001) 【0042】また、本実施例によれば、末梢血管抵抗算出手段78(SB6乃至SB8)において用いられる予め設定された関係は、それぞれ異なる末梢血管抵抗TPRを表す複数の正規化脈波Wを模式的に表した複数の入力波形In と、入力波形Inに対応して設定された基準出力値列Sn とに基づいて予め学習されたニューラルネットワークNNを含むものであることから、脈波正規化手段76(SB5)により正規化された正規化脈波Wと、生体の末梢血管抵抗TPRとの関係が容易に設定される利点がある。 【0043】また、本実施例によれば、一脈波決定手段72(SB1)により、心電誘導波形のR波−R波間が前記圧脈波形の一脈波に決定されるので、圧最高時点決定手段74(SB2乃至SB3)により、確実に一脈波毎の圧最高時点tmax が決定できる利点がある。 【0044】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。 【0045】たとえば、前述の実施例において、図8の末梢血管抵抗算出ルーチンにおいては、一脈波毎に、全ての脈波について末梢血管抵抗TPRが算出されていたが、所定脈拍おき、または所定時間おきの脈波について末梢血管抵抗TPRが算出されるものであってもよい。 【0046】また、前述の実施例では、圧脈波信号SM1 および心電誘導信号SM2 は、一旦、外部記憶装置62に蓄積され、その蓄積された信号SM1 、SM2 に基づいて、末梢血管抵抗TPRが算出されていた。すなわち、オフラインにて末梢血管抵抗TPRが算出されていたが、必ずしも外部記憶装置62に蓄積される必要はなく、演算制御装置22に供給される圧脈波信号SM1 および心電誘導信号SM2 を直接用いて、オンラインにて末梢血管抵抗TPRを算出するものであってもよい。 【0047】また、前述の実施例では、数式3に代入される出力信号Ok を決定するために用いられるニューラルネットワークNNの構成は、17ユニットを備える入力層α、14ユニットを備える隠れ層β、16ユニットを備える出力層γから構成されていたが、各層のユニット数は上記に限定されない。たとえば、中間層βの数は、14であってもよい。 【0048】また、前述の実施例では、撓骨動脈の圧脈波が用いられていたが、足背動脈や、頸動脈等の他の動脈から検出される圧脈波が用いられてもよい。 【0049】なお、本発明はその主旨を逸脱しない範囲においてその他種々の変更が加えられ得るものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390014362 【氏名又は名称】日本コーリン株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月23日(1999.3.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085361 【弁理士】 【氏名又は名称】池田 治幸 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−271099(P2000−271099A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月3日(2000.10.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−78099 |
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