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【発明の名称】 医療診断装置の品質管理システム
【発明者】 【氏名】小川 英二

【要約】 【課題】ネットワーク上につながる複数の医療診断装置の品質管理を効率的に行う。

【解決手段】ネットワーク上に存在する複数の医療診断装置の品質管理システムであって、各医療診断装置の品質の所定項目に関する評価結果の履歴を、各医療診断装置が保持するとともに、各医療診断装置が保持する前記評価結果の履歴をまとめて記憶し、一元的に管理する管理装置をネットワーク上に有することを特徴とする医療診断装置の品質管理システムを提供することにより前記課題を解決する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ネットワーク上に存在する複数の医療診断装置の品質管理システムであって、各医療診断装置の品質の所定項目に関する評価結果の履歴を、各医療診断装置が保持するとともに、各医療診断装置が保持する前記評価結果の履歴をまとめて記憶し、一元的に管理する管理装置をネットワーク上に有することを特徴とする医療診断装置の品質管理システム。
【請求項2】ネットワーク上に存在する複数の医療診断装置の品質管理システムであって、各医療診断装置の品質の所定項目に関する評価結果の履歴をまとめて記憶し、一元的に管理する管理装置をネットワーク上に有することを特徴とする医療診断装置の品質管理システム。
【請求項3】前記医療診断装置は、医療用画像入力装置または医療用画像出力装置のいずれか一方、または両方を含むものである請求項1または2に記載の医療診断装置の品質管理システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネットワーク上に存在する複数の医療診断装置の品質管理システムに係り、特に医療診断用の画像入力装置および画像出力装置の画質を一元的に管理するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より医療分野においては、X線等を利用した種々の医療診断装置が利用されている。これらは、被写体を透過したX線を検出して、画像を生成し、この画像を医療診断に供するものである。例えば、古くからX線胸部単純撮影画像は、広く用いられている。また、近年、CR(コンピューテッド・ラジオグラフィ)装置、CT(コンピュータ断層像撮影)装置、MRI(磁気共鳴像撮影)装置等が実用に供されている。これらの装置によって生成された画像は、例えば、CRTディスプレイに表示されたり、LP(レーザプリンタ)等によってフィルムに出力される等して、医療現場において病気の診断に利用されている。
【0003】また、X線診断装置等の医療診断装置は、しだいにデジタル化されてきている。すなわち、被写体を通過したX線信号をデジタル信号とし、これにデジタル信号処理を加えて、診断に適した画像を生成しようというものである。そして、近年の通信技術、コンピュータ技術の高度化に伴い、上記のさまざまな医療診断装置をネットワークに接続して、病院内において、コンピュータを用いたネットワークが構築されるようになっている。
【0004】ここで、上記CR装置とは、放射線を照射するとこの放射線のエネルギの一部が蓄積され、その後、可視光やレーザー光等の励起光を照射すると蓄積された放射線エネルギに応じた輝尽発光を示す蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、人体等の被写体の放射線画像情報を一旦、シート状の蓄積性蛍光体(蓄積性蛍光体シート)に記録し、この蓄積性蛍光体シートをレーザ光等の励起光で走査して輝尽発光光を生じせしめ、得られた輝尽発光光を光電的に電気信号として読み取って画像信号を得る放射線画像記録読取システムである。CR装置を上記ネットワークに接続する際、このような放射線画像記録読取システム全体として接続するのではなく、蓄積性蛍光体シートに記録された画像を読み取る画像読取装置のみを接続して画像信号をネットワークに入力するようにしてもよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、誤診断を防止するため、上記医療診断装置は厳密な表示性能が要求される。そこでこれらの医療診断装置の品質管理が重要となる。例えば、X線画像を読み取る画像読取装置の性能は感度や粒状性、S/N比等によって特徴づけられる。この画像読取装置がどのような性能を有するかという品質は、X線照射によって画像が記録された蓄積性蛍光体シートを読み取って得られた画像データから算出される特性値(RMS(Root Mean Square) 、DQE(Detective Quantum Efficiency)等)と、蓄積性蛍光体シートに照射されるX線量との関係を、予め把握されている、所定の数値と比較することで確認することができる。
【0006】また、CRT、LCDをはじめとするソフトコピー表示デバイス(出力装置)の品質(表示画像の輝度、解像度特性等の画質)は、例えば、SMPTEパターンのような種々の画質・特性が総合的に確認可能なテストパターンなどを用いた視覚評価によって確認することができる。
【0007】しかしながら、従来は、個別の医療診断装置の品質、例えば画質であれば、画質を画質試験の度に確認するだけであり、ネットワーク上につながる複数の医療診断装置の画質(品質)をまとめて管理することは行われていなかった。従って、大病院のような多数の医療診断装置が存在するところでは、画像入力装置(読取装置)や画像出力装置(表示装置)等の、画質レベル等の装置の品質をまとめて管理する必要が生じているにもかかわらず、それぞれの品質確認結果を個別に把握しているため、その品質管理は非常に効率が悪いという問題があった。
【0008】本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであり、ネットワーク上につながる複数の医療診断装置の品質管理を効率的に行うことのできる医療診断装置の品質管理システムを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するための、本発明の第一の態様は、ネットワーク上に存在する複数の医療診断装置の品質管理システムであって、各医療診断装置の品質の所定項目に関する評価結果の履歴を、各医療診断装置が保持するとともに、各医療診断装置が保持する前記評価結果の履歴をまとめて記憶し、一元的に管理する管理装置をネットワーク上に有することを特徴とする医療診断装置の品質管理システムを提供する。
【0010】前記課題を解決するための、本発明の第二の態様は、ネットワーク上に存在する複数の医療診断装置の品質管理システムであって、各医療診断装置の品質の所定項目に関する評価結果の履歴をまとめて記憶し、一元的に管理する管理装置をネットワーク上に有することを特徴とする医療診断装置の品質管理システムを提供する。
【0011】また、前記医療診断装置は、医療用画像入力装置または医療用画像出力装置のいずれか一方、または両方を含むものであることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る医療診断装置の品質管理システムについて、添付の図面に示される好適実施形態を基に、詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の第一実施形態に係る、医療診断装置の品質管理システムの概略を示すブロック図である。本実施形態は、病院等の医療機関においてネットワークに接続された多数の医療診断装置の品質を一元的に管理するものである。ここで品質とは、特に医療診断で重要となる画像の画質を言うものとする。従って、医療診断装置としては、画質に関係するものが対象となる。画質に関係するものとしては、画像入力装置(読取デバイス)および画像出力装置(表示デバイス)がある。
【0014】図1は、上記ネットワークの一部を示している。図1に示すように、バス10には多数の医療診断装置、すなわち表示デバイスA12、表示デバイスB14、表示デバイスC16、読取デバイスA18、読取デバイスB20、・・・が接続されており、さらにこれらのQC(画質管理)結果をまとめる管理装置30が接続されている。また、各デバイス12〜20は、それぞれ、自分自身のQC結果を保持するための記憶装置、QCメモリ12m、14m、16m、18m、20mを有している。また、管理装置は、これら各デバイス全てのQC結果をまとめて記憶しておく、QCまとめ部30mを有している。
【0015】次に、各デバイスの画質の確認方法について説明する。画質確認は、画質確認用の特別な装置で、自動的に行うようにしてもよいし、人手によって行うようにしてもよい。また、この画質確認の装置も、各デバイスに付属のものとしてもよいし、別体として、画質確認時にのみ用いるように携帯の検査用具としてもよい。装置で自動的に画質確認を行う場合には、画質確認結果(QC結果)は、自動的に各デバイスのQCメモリに書き込まれ、人手によって確認を行う場合には、人が各デバイスに接続されたキーボード等から入力される。
【0016】まず、読取デバイスの画質確認は、例えば、線形性(照射X線量と発光量の関係)、RMSなどの粒状値、DQEなどのS/N比等の特性値が照射X線量と密接な関係にあることから、これらの関係を算出することによって行う。例えば、読取デバイスの画質確認方法の一例としては、次のような方法があるが、これに限定されるものではない。まず装置設置時に、予め所定の線量でX線を照射した蓄積性蛍光体シートを読み取り、得られた画像データから特性値を算出して、前記線量とこの特性値との関係を記憶しておく。そして一定時間経過後、再度同様にX線を照射した蓄積性蛍光体シートを読み取り、画像データを得、これから前記特性値を算出し、線量との関係を求め、これを前記予め算出して記憶しておいた線量と特性値との関係と比較することで該読取デバイスの画質(デバイスの性能)を確認する。
【0017】次に、表示デバイスの画質は、例えば、実際に画像を表示して、その輝度、鮮鋭度、粒状性等を検出することにより確認される。表示デバイスの画質確認方法の一例を次に示すが、もちろんこれに限定されるものではない。例えば、装置設置時に、所定のテストパターンを表示デバイスに表示させ、これを適当な撮像装置で撮像して、画像データとして取り込んでこれを記憶しておく。そして、所定時間経過後、前記テストパターンを再度表示させて同様にして画像データを取り込み、これを前に記憶しておいた画像データと比較する。そして両者間のずれ量等を算出することにより画質の変化を定量的に把握して、画質の確認を行う。または、従来のように、SMPTEパターン等のテストパターンを表示して、人が目視によりその画質を確認するようにしてもよい。
【0018】各デバイスの画質確認のQC結果は、各デバイス内の記憶装置に記憶される。このとき、人が目視等により画質を確認した場合には、人がそのQC結果を該デバイスに接続されているキーボード等から入力すればよい。
【0019】次に、管理装置30は、ネットワーク上に接続された各デバイスに対して、QC結果について要求を出す。各デバイスは、該要求に応じて、各デバイス内の記憶装置に記憶されているQC結果を管理装置30に出力する。管理装置30は、各デバイスのQC結果を管理装置30内の記憶装置であるQCまとめ部30mに格納する。管理装置30は、必要に応じて各デバイスのQC結果を、項目別、あるいは目的別に表示する。管理装置30において、どのような項目について、どのように表示するかという、QC結果の表示方法は、管理装置30に接続されたキーボード等の入力手段から指示することができる。
【0020】図2に、各デバイスが保持しているQC結果の例を示す。図2(a)は、表示デバイスA12のQCメモリ12mが保持しているQC結果の例であり、図2(b)は、表示デバイスB14のQCメモリ14mが保持しているQC結果の例である。図2(a)、(b)が示すように、各デバイスは、QC結果を、例えば鮮鋭度、粒状といった項目ごとに、経時的なデータとして、すなわちQC結果の履歴を保持している。図2(a)によれば、表示デバイスA12の画質は、粒状性についてはほとんど変化していないが、鮮鋭度は時間の経過とともにしだいに悪くなっているといえる。また、図2(b)によれば、表示デバイスB14の画質は、鮮鋭度についてはほとんど変化していないが、粒状性は時間の経過とともに悪化していることが分かる。
【0021】また、管理装置30のQCまとめ部30mが保持している各デバイスのQC結果を表示した例を図3に示す。図3では、項目として鮮鋭度と粒状について表示している。図3に示す例では、管理装置30は、各項目について各デバイスの経時変化をまとめて表示する。図3では、簡単のため2つのデバイス(表示デバイスA12、表示デバイスB14)しか表示していないが、実際にはネットワーク上に接続されたすべてのデバイスのQC結果の表示が可能である。そのため、管理装置30をみればすべてのデバイスについてのQC結果が一目瞭然でわかり、各デバイスの設置場所、使用状況等の違いによる各デバイスの現在の状態を正確に把握することができる。
【0022】次に、本発明の第二実施形態について説明する。本実施形態も第一実施形態と同様、病院等の医療機関においてネットワークに接続された多数の医療診断装置の品質を一元的に管理するものである。本実施形態の第一実施形態との違いは、各デバイスはQC結果を記憶するメモリをもたず、管理装置がすべてのQC結果をまとめて記憶する点である。
【0023】図4に、本実施形態の医療診断装置の品質管理システムの概略を示す。図4に示すように、バス110には、表示デバイスA112、表示デバイスB114、表示デバイスC116、読取デバイスA118、読取デバイスB120・・・と、多数のデバイスおよび管理装置130が接続されている。各デバイスはQC結果を記憶するメモリを有しておらず、管理装置130が全てのデバイスのQC結果を保持するためのメモリであるQCまとめ部130mを有している。
【0024】各デバイスの画質確認の方法は第一実施形態と同様である。各デバイスのQC結果は、管理装置130からの要求を待つまでもなく、直ちに管理装置130に出力され、管理装置130内のQCまとめ部130mにおいてすべてのデバイスのQC結果がまとめて記憶される。QC結果は、管理装置130で、図3に示すような形で表示される。このQC結果は各デバイスで管理装置130から呼び出して見ることもできるし、各デバイスに関するQC結果の履歴のみを見ることもできる。
【0025】このように、各デバイスのQC結果を管理装置でまとめて一元的に管理するようにしたため、ネットワーク上の各デバイスの品質管理を非常に効率よく行うことができる。医療診断に用いられる表示画像は、わずかな画質劣化でも誤診断に結びつく可能性があるため、高精度な画質が求められており、画質管理は非常に重要であり、上述した一元的な画質管理により、常に医療診断装置の画質が充分に補償される。
【0026】例えば、大病院では、様々な場所に医療診断用デバイスが設置してあり、各部署で各デバイスを使用しているが、その1つのデバイスのみを見ている場合には、その個々のデバイスの画質の経時的変化を認識することは、なかなか困難なものである。しかし、上に述べたように一カ所でまとめて管理することとすると、他の多くのデバイスと比較するためその経時的変化をよく把握することができる。また、このとき他と比べて著しく画質の悪化しているデバイスがあった場合には、その原因を究明し、それに対する対策を立てることも容易である。
【0027】なお、上記実施形態では、いずれも専用の管理装置(30、130)を設けてこれでQC結果の一元管理を行っていたが、このように管理装置は専用のものである必要はなく、ネットワーク上に接続されたデバイスのうちの一つを管理装置として用いるようにしてもよい。
【0028】以上、本発明の医療診断装置の品質管理システムについて、詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0029】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、ネットワークにつながる各医療診断装置の品質を一元的に管理するようにしたため、各装置の品質を効率的に管理することが可能となった。
【出願人】 【識別番号】000005201
【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
【出願日】 平成11年3月25日(1999.3.25)
【代理人】 【識別番号】100080159
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 望稔
【公開番号】 特開2000−271089(P2000−271089A)
【公開日】 平成12年10月3日(2000.10.3)
【出願番号】 特願平11−82023