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【発明の名称】 内視鏡装置
【発明者】 【氏名】平田 康夫

【要約】 【課題】本発明は、湾曲部の湾曲動作時に、所望の位置で湾曲部の湾曲を正確に位置決めして停止することができ、湾曲部の湾曲位置決め精度が高い内視鏡装置を提供することを最も主要な特徴とする。

【解決手段】流体供給部36のピストン30を電動で動作するリニアアクチュエータ32と、このリニアアクチュエータ32を制御するコントローラ12とを設け、コントローラ12に、湾曲部17a,17b,17cの湾曲動作を止める指示の入力時にシリンジ29に対するピストン30のスライド動作を止め、かつピストン30のスライド動作方向を反転させて逆方向に少量スライドさせる湾曲動作停止制御機能を設けたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 管腔内に挿入される挿入部の先端部に弾性管状体が配置され、かつこの弾性管状体の管壁に周方向に沿って複数の加圧室が配置され、上記加圧室を選択的に加圧することで上記弾性管状体を所定の向きに湾曲させる湾曲部を有し、前記加圧室に加圧流体を供給する流体供給管路に接続されたシリンジと、このシリンジの内部をスライド可能なピストンとからなる流体供給部を備えた内視鏡装置において、前記流体供給部の前記ピストンを電動で動作する駆動手段と、この駆動手段を制御する制御手段とを設けるとともに、前記制御手段に、前記湾曲部の湾曲動作を止める指示の入力時に前記シリンジに対する前記ピストンのスライド動作を止め、かつ前記ピストンのスライド動作方向を反転させて逆方向に少量スライドさせる湾曲動作停止制御機能を設けたことを特徴とする内視鏡装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は管腔内に挿入される長尺の挿入部の先端部に空気圧アクチュエータからなる湾曲部を備え、例えば工業用や、医療用にも適用可能な内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば工業用や、医療用にも適用可能な内視鏡には、管腔内に挿入される長尺の挿入部が設けられている。また、この種の挿入具の先端部に配設される湾曲部として例えば、特開平5−305053号公報や、特開平6−245896号公報などに示すように空気圧アクチュエータを備えた構成のものが知られている。
【0003】上記公報の湾曲部では挿入部の先端部に弾性管状体が配設されている。さらに、この弾性管状体の管壁には周方向に沿って複数の加圧室が配設されている。また、各加圧室には流体供給管路を介してシリンジとピストンとを備えた空気圧源としての流体供給部が連結されている。この流体供給部ではシリンジ内でピストンを手動でスライド動作させることにより、シリンジ内の加圧空気が圧送されるようになっている。
【0004】さらに、流体供給部と各加圧室との間の流体供給管路の途中には流路を切替える切替コックが介設されている。そして、この切替コックの切替え操作にともない流体供給部から複数の加圧室内に選択的に加圧空気を供給して加圧することにより、ここで加圧された加圧室とは反対方向に弾性管状体を湾曲させるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、工業用内視鏡のように挿入部の長さが長尺の場合には流体供給部のシリンジをモータで駆動し、湾曲部の各加圧室を加圧することで湾曲部を湾曲動作させることが考えられている。しかしながら、挿入部の長さが長尺になると空気が先端に送られる時間の遅れがあるので、湾曲部の湾曲動作時に、所望の位置で湾曲部の湾曲を止めようとして手元側の操作部を操作しても湾曲をすぐに止めることは難しく、湾曲部の湾曲動作を正確に位置決めして停止することが難しい問題がある。
【0006】本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、湾曲部の湾曲動作時に、所望の位置で湾曲部の湾曲を正確に位置決めして停止することができ、湾曲部の湾曲位置決め精度が高い内視鏡装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は管腔内に挿入される挿入部の先端部に弾性管状体が配置され、かつこの弾性管状体の管壁に周方向に沿って複数の加圧室が配置され、上記加圧室を選択的に加圧することで上記弾性管状体を所定の向きに湾曲させる湾曲部を有し、前記加圧室に加圧流体を供給する流体供給管路に接続されたシリンジと、このシリンジの内部をスライド可能なピストンとからなる流体供給部を備えた内視鏡装置において、前記流体供給部の前記ピストンを電動で動作する駆動手段と、この駆動手段を制御する制御手段とを設けるとともに、前記制御手段に、前記湾曲部の湾曲動作を止める指示の入力時に前記シリンジに対する前記ピストンのスライド動作を止め、かつ前記ピストンのスライド動作方向を反転させて逆方向に少量スライドさせる湾曲動作停止制御機能を設けたことを特徴とする内視鏡装置である。そして、湾曲部の湾曲動作時に、所望の位置で湾曲部の湾曲動作を止める指示が制御手段に入力された場合には湾曲動作停止制御機能によってシリンジに対するピストンのスライド動作を止め、かつピストンのスライド動作方向を反転させて逆方向に少量スライドさせるようにしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態を図1(A),(B)乃至図18を参照して説明する。図1(A)は本実施の形態の工業用内視鏡1のシステム全体の概略構成を示すものである。この内視鏡1には管腔内に挿入される細長い挿入部2が設けられている。この挿入部2の基端部には分岐部3が設けられている。
【0009】この分岐部3には接続ケーブル4の一端部が連結されている。この接続ケーブル4の他端部はコネクタ5に連結されている。そして、このコネクタ5は光源装置6に着脱可能に接続されている。さらに、コネクタ5には電気コード7の一端部が接続されている。この電気コード7の他端部は第2のコネクタ8に連結されている。この第2のコネクタ8はカメラコントロールユニット(CCU)9に接続されている。
【0010】また、分岐部3には後述する複数のエアチューブ(流体供給管路)10を介してポンプユニット11が連結されている。さらに、このポンプユニット11にはコントローラ(制御手段)12が接続されている。このコントローラ12には適宜の入力手段、例えば湾曲スイッチを備えたジョイスティック13Jが接続されている。なお、このジョイスティック13Jに代えて図1(B)に示すように9個の操作スイッチが並設された操作パネル13をコントローラ12に接続してもよい。
【0011】また、内視鏡1の挿入部2には可撓性を備えた細長い蛇管14が設けられている。さらに、挿入部2の最先端部には先端構成部15が配設されている。この先端構成部15には図示しない観察光学系の撮像手段であるCCD(固体撮像素子)と照明光学系とが組込まれている。そして、先端構成部15の基端部と蛇管14の先端部との間に3段式湾曲部16が介設されている。
【0012】また、本実施の形態の3段式湾曲部16には図4(A)に示すようにそれぞれ独立に湾曲操作可能な3つの湾曲部17a,17b,17cが直列に連結されている。ここで、最先端位置に配置された第1の湾曲部17aには図3(A),(B)に示すように例えばシリコーン樹脂によって形成されるマルチルーメンチューブ(弾性管状体)18が配設されている。このマルチルーメンチューブ18には図3(B)に示すように軸心部位に軸心部ルーメン19が軸心方向に沿って延設されている。さらに、この軸心部ルーメン19の周囲の管壁には複数、本実施の形態では3つの円弧形状の外周部ルーメン20a〜20cが周方向に略等間隔に配設されている。
【0013】また、3つの外周部ルーメン20a〜20cの前後の両端部はそれぞれ密閉部材22(例えばシリコーン)によって封止され、閉塞されている。そして、各ルーメン20a〜20c内には密閉された加圧室21が形成されている。
【0014】さらに、各ルーメン20a〜20cの後端部側の密閉部材22には例えばテフロン(デュポン社商標名)製のエアチューブ23の先端部が加圧室21に連通された状態で連結されている。ここで、エアチューブ23の両端部は予め図3(F)に示すように短いシリコンチューブ24内に挿入されている。なお、シリコンチューブ24の内径は、エアチューブ23の外径と同等、またはそれより多少小さく、エアチューブ23をシリコンチューブ24に圧入する。そして、シリコンチューブ24からエアチューブ23が外れるのを防止するために、さらにシリコンチューブ24の外側から糸25や、金属ワイヤ等を巻き付けて縛った状態で固定されている。
【0015】また、2段目に配置された第2の湾曲部17b、および3段目に配置された第3の湾曲部17cには第1の湾曲部17aと略同様に1つの軸心部ルーメン19と、3つの外周部ルーメン20a〜20cとがそれぞれ形成されたマルチルーメンチューブ18が配設されている。ここで、第2の湾曲部17bのマルチルーメンチューブ18には図3(C)に示すように第1の湾曲部17aの3本のエアチューブ23に連通される3つのエア通路26がそれぞれ形成されている。なお、各エア通路26は隣接する2つの外周部ルーメン20a,20b間、20b,20c間、20c,20a間にそれぞれ配置されている。そして、各エア通路26の先端部に第1の湾曲部17aの各エアチューブ23の基端部が連通された状態で固定されている。
【0016】さらに、第2の湾曲部17bのマルチルーメンチューブ18の後端部の密閉部材22および各エア通路26の基端部には第1の湾曲部17aのエアチューブ23と同様の構成のエアチューブ23の先端部が加圧室21および各エア通路26にそれぞれ連通された状態で連結されている。
【0017】また、3段目の第3の湾曲部17cのマルチルーメンチューブ18には図3(D)に示すように6つのエア通路27がそれぞれ形成されている。ここで、隣接する2つの外周部ルーメン20a,20b間、20b,20c間、20c,20a間にはそれぞれ2つのエア通路27が配置されている。
【0018】さらに、3段目の第3の湾曲部17cのマルチルーメンチューブ18の後端部の密閉部材22および各エア通路27の基端部には長いエアチューブ10の先端部が加圧室21および各エア通路27にそれぞれ連通された状態で連結されている。長いエアチューブ10の先端側は、エアチューブ23の端部の構成と同様である。ここで、マルチルーメンチューブ18の後端部に連結された合計9本のエアチューブ10の基端部側は蛇管14内を通して分岐部3側に延出され、さらに、分岐部3から外部側に延出されてポンプユニット11側に連結されている。
【0019】また、本実施の形態の3段式湾曲部16における各湾曲部17a,17b,17cのマルチルーメンチューブ18の外周面には図4(B)に示すように網管であるブレード(筒状保護部材)28a,28b,28cがそれぞれ独立に装着されている。このブレード28a,28b,28cは例えばケブラー(商標名)、テフロン、金属等の低弾性繊維(非伸縮性繊維)からなる多数の繊維素子を編んで円筒状に形成することにより、軸方向と径方向とに伸縮するように構成されている。そして、このブレード28a,28b,28cは軸方向に縮むときには径方向に膨らみ、逆に軸方向に伸びるときには径方向に縮むようになっている。
【0020】また、本実施の形態では、第1の湾曲部17aのマルチルーメンチューブ18の長さ寸法をLt1、第2の湾曲部17bのマルチルーメンチューブ18の長さ寸法をLt2、第3の湾曲部17cのマルチルーメンチューブ18の長さ寸法をLt3とした場合には3つの湾曲部17a,17b,17cの各マルチルーメンチューブ18の長さ寸法はLt1≧Lt2≧Lt3の関係にそれぞれ設定されている。
【0021】さらに、第1の湾曲部17aのブレード28aの長さ寸法をLb1、第2の湾曲部17bのブレード28bの長さ寸法をLb2、第3の湾曲部17cのブレード28cの長さ寸法をLb3とした場合には3つの湾曲部17a,17b,17cの各ブレード28a,28b,28cの長さ寸法はLb1≧Lb2≧Lb3の関係にそれぞれ設定されている。
【0022】また、各湾曲部17a,17b,17cのブレード28a,28b,28cの長さ寸法Lb1,Lb2,Lb3と、対応するマルチルーメンチューブ18の長さ寸法をLt1,Lt2,Lt3との関係はLb1>Lt1、Lb2>Lt2、Lb3>Lt3の関係にそれぞれ設定されている。
【0023】また、ポンプユニット11には3段式湾曲部16の各湾曲部17a,17b,17cをそれぞれ個別に駆動する複数、本実施の形態では9個の流体供給部36が設けられている。さらに、各流体供給部36には図2(A)に示すようにシリンジ29と、このシリンジ29の内部をスライド可能なピストン30とが設けられている。
【0024】また、本実施の形態では各流体供給部36のピストン30を電動で動作するリニアアクチュエータ(駆動手段)32が設けられている。このリニアアクチュエータ32にはボールねじ33と、このボールねじ33を駆動する駆動モータ34と、この駆動モータ34の駆動力をボールねじ33に伝達するギアボックス35と、ボールねじ33と螺合する螺合部を備えた可動部材33Aとが設けられている。さらに、このリニアアクチュエータ32の可動部材33Aにピストン30のピストンロッド31が連結されている。そして、このリニアアクチュエータ32の駆動モータ34の駆動時にはギアボックス35を介してボールねじ33が回転駆動されるようになっている。さらに、このボールねじ33の回転にともない可動部材33Aが螺進駆動されてピストン30がボールねじ33の軸方向に進退駆動され、この可動部材33Aとともにピストン30がシリンジ29の内部を軸方向にスライド駆動されるようになっている。
【0025】また、シリンジ29の先端部には連結部29aが突設されている。この連結部29aには略筒状のチューブ接続部材37が連結されている。このチューブ接続部材37の先端部外周面には雄ねじ部38が形成されている。
【0026】さらに、エアチューブ10の基端部には図2(B)に示すように略筒状の雌ねじ部材39が固定されている。この雌ねじ部材39の内部には図2(C)に示すようにシール装着穴40が形成されている。このシール装着穴40の内周面にはチューブ接続部材37の雄ねじ部38と螺合するねじ穴部41が形成されている。
【0027】また、雌ねじ部材39のシール装着穴40内にはエアチューブ10の基端部が挿入される短い小径なシリコンチューブ42と、大径なシリコン製のシール部材43とが収納されている。そして、チューブ接続部材37の雄ねじ部38を雌ねじ部材39のねじ穴部41内にねじ込むことにより、シール部材43が弾性変形されてエアチューブ10の基端部とチューブ接続部材37との間がシールされるようになっている。
【0028】また、図5に示すようにリニアアクチュエータ32の駆動モータ34はコントローラ12に接続されている。さらに、このコントローラ12にはジョイスティック13Jが接続されている。
【0029】また、コントローラ12には図7に示すように抵抗値変化検出回路44と、入力設定部45と、駆動周波数制御部46と、駆動時間制御部47と、電源48とが設けられている。そして、このコントローラ12によってポンプユニット11内の9個のリニアアクチュエータ32の駆動モータ34の動作が制御され、内視鏡1の3段式湾曲部16の湾曲動作を制御するようになっている。すなわち、本実施の形態では図8のフローチャートに示すようにジョイスティック13Jを動作する(ステップS1)と、コントローラ12内の抵抗値変化検出回路44が検知し(ステップS2)、図6に示すようにジョイスティック13Jを傾けるスピード(時間に対する抵抗値変化)と、傾ける角度を検出する。さらに、コントローラ12ではこのジョイスティック13Jの操作スピードと傾ける角度に応じて駆動周波数を設定し(ステップS3)、また入力設定部12(ステップS4)により、あらかじめ駆動時間Δtが設定される(ステップS5)。なお、ジョイスティック13Jの操作時の時間当たりの抵抗変化量と角度により周波数が決まる。
【0030】そして、ここで設定された駆動周波数および駆動時間Δtにより、ジョイスティック13Jの動作に対応するいずれかのモータ34を駆動する(ステップS6)。また、湾曲スイッチを選択することで湾曲させる湾曲部17a,17b,17cを選択する。このモータ34の動作によりシリンジ29が動作して(ステップS7)各湾曲部17a,17b,17cの任意の加圧室21にエアチューブ10を通して加圧空気を供給して選択的に加圧することでマルチルーメンチューブ18を、ここで加圧された加圧室21とは反対方向に湾曲させる湾曲動作が行われる(ステップS8)ようになっている。なお、ここではジョイスティック13Jの微妙なふらつきではモータ34は動作しないように設定されている。
【0031】また、図10に示すようにコントローラ12に電圧制御回路51を設け、ジョイスティック13Jを傾けるスピードに応じて駆動するモータ34の電圧を制御する構成にしてもよい。ここでは、図9に示すようにジョイスティック13Jを傾けるスピードが速い場合には電圧を大きくし、遅い場合には電圧を低くするように制御する。
【0032】さらに、本実施の形態のコントローラ12には湾曲部17a,17b,17cの湾曲動作を止める指示の入力時にシリンジ29に対するピストン30のスライド動作を止め、かつピストン30のスライド動作方向を反転させて逆方向に少量スライドさせる湾曲動作停止制御機能が設けられている。
【0033】図11はこの湾曲動作停止制御機能を備えたコントローラ12の一例を示すものである。このコントローラ12には方向検出回路61と、制御回路62と、反転量設定入力部63と、電源48とが設けられている。なお、これはジョイスティック13Jをスイッチ的に使う場合の例である。
【0034】このコントローラ12による制御は図13のフローチャートに示す通りとなる。すなわち、ジョイスティック13Jを傾ける(ステップS1)と方向検出回路61によってその方向のスイッチが入力され、方向が検出される。そして、その方向のモータ34がジョイスティック13Jが傾いている間、動作する(ステップS2)。このモータ34の動作によりシリンジ29が動作して(ステップS3)各湾曲部17a,17b,17cの任意の加圧室21にエアチューブ10を通して加圧空気を供給して選択的に加圧することでマルチルーメンチューブ18を、ここで加圧された加圧室21とは反対方向に湾曲させる湾曲動作が行われる(ステップS4)。
【0035】その後、ジョイスティック13Jを中央の初期(基準)位置にもどす(ステップS5)と、モータ34は止まり(ステップS6)、一定量反転する(ステップS7)。このとき、反転するシリンジ29内のピストン30の移動量(反転量)は予め、反転量設定入力部63で設定されている。これにより、各湾曲部17a,17b,17cの任意の加圧室21の加圧による湾曲動作がすばやく止められる(ステップS8)。
【0036】ここで、仮にモータ34を反転しない場合には、図12(A)に示すようにジョイスティック13Jを中央の初期(基準)位置に戻した時点t1から実際に湾曲動作が停止した時点t2までにタイムラグがあり湾曲がすぐに止まらない。これに対して、図12(B)に示すようにジョイスティック13Jを中央の初期(基準)位置に戻した時点t1で設定量ts反転させることで、湾曲動作がすばやく止められる。
【0037】また、図14(A)〜(C)はコントローラ12による上記湾曲動作停止制御機能を行う場合のシリンジ29に対するピストン30のスライド動作を説明するものである。なお、図15はこのときのシリンジ29の動作時のジョイスティック13Jおよびモータ34の動作状態、図16および図18はこのときのシリンジ29による加圧室21の加圧量と湾曲部17a,17b,17cの動作(湾曲角)との関係、図17はこのときの湾曲部17a,17b,17cの動作時のモータ34の動作をそれぞれ示す。
【0038】また、図14(A)はジョイスティック13Jを傾ける操作を開始した時点(図18中の0時点)のピストン30の位置(初期位置)を示す。ここで、ジョイスティック13Jの操作にともないシリンジ29内のピストン30を押し込んで各湾曲部17a,17b,17cの任意の加圧室21を加圧して湾曲させたのち、図18中の湾曲角θ1で湾曲動作を止めるようとする際に、従来構成の場合(モータ34を反転しない場合)には湾曲角θ1で湾曲動作を止めようとして加圧量P1(図18中の1の点)でシリンジ29を止める。このとき、エアチューブ10内の管路抵抗等により湾曲部17a,17b,17cの任意の加圧室21に空気が送られるまでにタイムラグΔtを生じて、実際にはP2(図18中の1aの点)まで加圧されてしまう。そのため、この場合の湾曲角はθ2となってしまう。
【0039】そこで、本実施の形態ではシリンジ29を反転させて圧力を下げることを行なう。反転量はあらかじめ設定しておく。この場合にはシリンジ29をもどして圧力をP3まで下げる(図18中の1bの点)と湾曲角はθ1付近で止まる。つまり、シリンジ29で押し込んだ時、先端に圧力が伝わるまでのタイムラグがあり、そのタイムラグの間にシリンジ29をもどすことで、もどしたときのタイムラグが相殺されてしまい、止まりやすくなる。
【0040】そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態ではジョイスティック13Jの操作により、湾曲部17a,17b,17cの任意の加圧室21を加圧して湾曲させる湾曲動作時に、所望の位置で湾曲動作中の湾曲部17a,17b,17cの湾曲動作を止める指示がコントローラ12に入力された場合に、湾曲動作停止制御機能によってシリンジ29に対するピストン30のスライド動作を止め、かつピストン30のスライド動作方向を反転させて逆方向に少量スライドさせるようにしたものである。そのため、湾曲部17a,17b,17cの湾曲動作時に、所望の位置で湾曲部17a,17b,17cの湾曲を正確に位置決めして停止することができるので、湾曲部17a,17b,17cの湾曲位置決め精度が高い効果がある。
【0041】さらに、図16に示すように湾曲角θが大きい時などにその反転量を小さくするように制御したので、湾曲角全域において、湾曲部17a,17b,17cの湾曲を正確かつ迅速に止めることができ、制御性が良い。ここで、ある湾曲角の値を境にして反転量を大きいものと小さいものとにする。
【0042】なお、これはアクチュエータ特性によるものであり、反転量は、アクチュエータの性質により変えるものとする。
【0043】また、湾曲部17a,17b,17cの湾曲角を複数の領域に分割し、分割した領域に応じた反転量を設定し、その設定量を湾曲角の大きいほど小さく設定するように制御してもよい。
【0044】また、マルチルーメンチューブ18の肉厚部に連通するエア通路26、27を設け、第2の湾曲部17bのエア通路26と第3の湾曲部17cのエア通路27との間、または第1の湾曲部17aの加圧室21と第2の湾曲部17bのエア通路26との間をエアチューブ23で接続した。これにより、エアチューブ23をマルチルーメンチューブ18の両端間のみに接続したので、湾曲部を長手方向に複数個連結して、自由度を高くしたとき、湾曲用のエアチューブ23が湾曲の抵抗とならず、大きい湾曲角が得られる。
【0045】さらに、湾曲してもエアチューブ23にテンションがかからない構成であるので、エアチューブ23の抜けがなくなる効果がある。そのため、エアチューブ23のはがれを防止し、耐久性向上が図れる。
【0046】また、本実施の形態では3つの湾曲部17a,17b,17cの各マルチルーメンチューブ18の長さ寸法をLt1≧Lt2≧Lt3の関係にそれぞれ設定し、根元側の湾曲部ほど湾曲長を短くしたので、全長をできるかぎり短くでき、しかも制御性が良い。そのため、複数の湾曲部の長さをすべて同じにした場合のように根元側は大きく曲がるため、先端においては大きい動きになり、制御性が悪くなることを防止できる。
【0047】また、本実施の形態では3段式湾曲部16の湾曲部の湾曲数と同じ数のブレード28a,28b,28cを設けるとともに、これらのブレード28a,28b,28cを各湾曲部17a,17b,17cの湾曲長よりも多少長くし、圧縮して長さをそろえて組付をした。そのため、各湾曲部17a,17b,17cの湾曲に対して他の湾曲部に抵抗力が発生しないので、各湾曲部17a,17b,17cが大きく湾曲可能である。その結果、1本のつながったブレードを設ける場合のように湾曲時に湾曲部が伸びるため湾曲しない部分へのテンションが加わり、他の湾曲部も同時に曲げるときに大きく曲がらなくなることを防止できる効果がある。
【0048】また、図19乃至図23は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A),(B)乃至図18参照)の工業用内視鏡1のシステムの構成を次の通り変更したものである。
【0049】すなわち、本実施の形態ではリニアアクチュエータ32にボールねじ33の可動部材33Aの位置を検出するポテンシャルメータ71を設け、このポテンシャルメータ71をコントローラ12に接続したものである。さらに、コントローラ12には図22に示すように制御回路72と、タイマー73と、駆動時間設定部74と、抵抗値変化検出回路75および抵抗値検出回路76を備えた検出回路77と、電源48とが設けられている。
【0050】そして、ジョイスティック13Jの動作時にポテンシャルメータ71によりモータ34の動作位置を検出して、ジョイスティック13Jを止めたとき、その位置に応じてモータ34を反転する量を制御するようにコントローラ12の制御回路に指示信号を出力するようにしたものである。ここで、モータ34の反転量は、アクチュエータの性質により変わる。
【0051】また、図23のフローチャートに示すようにシリンジ29の押し込み速度と引き出し速度を一定に制御してもよい。ここでは、まずジョイスティック13Jを動作し(ステップS1)、このジョイスティック13Jの動作に対応するいずれかのモータ34を駆動する(ステップS2)。このモータ34の動作によりシリンジ29が動作して(ステップS3)各湾曲部17a,17b,17cの任意の加圧室21にエアチューブ10を通して加圧空気を供給して選択的に加圧することでマルチルーメンチューブ18を、ここで加圧された加圧室21とは反対方向に湾曲させる湾曲動作が行われる(ステップS4)。
【0052】さらに、ステップS3のシリンジ29が動作中、ポテンシャルメータ71で位置検出し(ステップS5)、モータ34の駆動を電圧制御する(ステップS6)ようになっている。また、ジョイスティック13Jを止めたときは、反転量も制御する。ここで、シリンジ29の押し込み量が多いほど電圧を高く、少ないほど電圧が低い。
【0053】また、例えば、湾曲up時のピストン速度をVu、湾曲down時のピストン速度をVdとしたときに、VdをVuと略同一もしくは多少遅くする。通常、例えば同じ電圧の場合には加圧時のモータ速度のほうが減圧時より遅い。
【0054】そして、例えば、湾曲up時のモータ電圧を24V、湾曲down時のモータ電圧を16Vにそれぞれ設定して湾曲up時と湾曲down時のピストン移動速度を略同一、もしくは多少down時のピストン移動速度を遅く設定する。(湾曲down時の湾曲速度は遅いため)そこで、本実施の形態ではリニアアクチュエータ32にボールねじ33の可動部材33Aの位置を検出するポテンシャルメータ71を設け、このポテンシャルメータ71をコントローラ12に接続した。さらに、湾曲up時のモータ34の駆動電圧よりも湾曲down時のモータ34の駆動電圧を小さくすることにより、湾曲up時のピストン30の移動速度と湾曲down時のピストン30の移動速度を略同一、もしくは湾曲down時を多少遅くする制御手段を設けた。そのため、加圧時と減圧時とではモータに対して負荷が異なり、減圧時のピストンのほうが速く、湾曲制御性に差を生じ、湾曲down時に湾曲が止めにくい場合であっても湾曲up時とdown時の湾曲スピードを同じ程度に設定でき、湾曲操作性を向上できる。さらに、湾曲down時も湾曲を止めやすくなるので、空気圧湾曲の湾曲制御性の向上が図れる。
【0055】また、図24は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A),(B)乃至図18参照)の工業用内視鏡1のシステムの構成を次の通り変更したものである。
【0056】すなわち、本実施の形態ではシリンジ29の先端連結部29aとチューブ接続部材37との間に三方活栓81を介設したものである。この三方活栓81には3つの配管接続部81a,81b,81cと、切換えレバー82とが設けられている。ここで、三方活栓81の配管接続部81aにはシリンジ29の先端連結部29a、配管接続部81bにはチューブ接続部材37、配管接続部81cには外部配管83がそれぞれ接続されている。そして、切換えレバー82の切換え操作にともない3つの配管接続部81a,81b,81cの内部管路の接続状態が切換えられるようになっている。
【0057】そこで、本実施の形態ではシリンジ29の先端連結部29aとチューブ接続部材37との間に三方活栓81を介設し、空気が抜けて空気量が少なくなった時、配管接続部81cの外部配管83から空気を注入することができる。さらに、余圧をかけることができる。
【0058】そのため、抜けた空気を簡単に注入できて操作性が良い。さらに、余圧の量を調整することができ、湾曲スピード等、操作性向上が図れる。また、ピストンシリンダの長さを短くできる。さらに、湾曲量と加圧量(アクチュエータの移動位置)の調整が容易である。したがって、空気圧湾曲の空気圧源としてコンプレッサを使用する場合に比べて空気圧湾曲の空気圧源を小型とするとともに、操作性の向上を図ることができる。
【0059】また、図25および図26は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第3の実施の形態(図24参照)の三方活栓81の配管接続部81cに湾曲部17aと同一構成の圧力検出用のマルチルーメンチューブ91を連結し、このマルチルーメンチューブ91の3つの加圧室21にそれぞれ圧力センサ92a,92b,92cを装着したものである。ここで、三方活栓81の配管接続部81bと湾曲部17aとの間の連結チューブの長さL1と、三方活栓81の配管接続部81cと圧力検出用のマルチルーメンチューブ91との間の連結チューブの長さL2とは略等しく(L1≒L2)なるように設定されている。また、圧力センサ92a,92b,92cはアンプ93に接続されている。
【0060】そして、本実施の形態では図26のフローチャートに示すようにジョイスティック13Jを動作し(ステップS1)、このジョイスティック13Jの動作に対応するいずれかのモータ34を駆動する(ステップS2)。このモータ34の動作によりシリンジ29が動作して(ステップS3)各湾曲部17a,17b,17cの任意の加圧室21にエアチューブ10を通して加圧空気を供給して選択的に加圧することでマルチルーメンチューブ18を、ここで加圧された加圧室21とは反対方向に湾曲させる湾曲動作が行われる(ステップS4)。
【0061】さらに、ステップS3のシリンジ29が動作中、圧力センサ92a,92b,92cでマルチルーメンチューブ91の3つの加圧室21の圧力状態を検出する(ステップS5)とともに、モータ34の駆動を電圧制御する(ステップS6)ようになっている。ここで、圧力センサ92a,92b,92cで圧力検出していて、ジョイスティック13Jを止めたとき圧力が一定となるようにモータ34を反転する制御を行なう。
【0062】また、図27は第4の実施の形態(図25および図26参照)の第1の変形例を示すものである。本変形例では図27のフローチャートに示すようにジョイスティック13Jを動作し(ステップS1)、このジョイスティック13Jの動作に対応するいずれかのモータ34を駆動する(ステップS2)。このモータ34の動作によりシリンジ29が動作して(ステップS3)各湾曲部17a,17b,17cの任意の加圧室21にエアチューブ10を通して加圧空気を供給して選択的に加圧することでマルチルーメンチューブ18を、ここで加圧された加圧室21とは反対方向に湾曲させる湾曲動作が行われる(ステップS4)。
【0063】さらに、ステップS3のシリンジ29が動作中、圧力センサ92a,92b,92cでマルチルーメンチューブ91の3つの加圧室21の圧力状態を検出する(ステップS5)とともに、ポテンシャルメータ71で位置検出し(ステップS6)、モータ34の駆動を電圧制御するようになっている。ここで、ジョイスティック13Jを止めたときの圧力変化を圧力センサ92a,92b,92cで検出して、圧力変動分に対応する反転量をポテンシャルメータ71で検出して制御する。
【0064】また、図28は第4の実施の形態(図25および図26参照)の第2の変形例を示すものである。本変形例は湾曲部100のマルチルーメンチューブ101に湾曲操作用の3つの加圧室102a,102b,102cを設けるとともに、各加圧室102a,102b,102cの外側に圧力検出用の3つの加圧室103a,103b,103cを設け、各加圧室103a,103b,103cにそれぞれ圧力センサ104を装着したものである。
【0065】また、図29は第4の実施の形態(図25および図26参照)の第3の変形例を示すものである。本変形例は湾曲部100のマルチルーメンチューブ111に湾曲操作用の3つの加圧室112a,112b,112cを設けるとともに、各加圧室112a,112b,112c間の中間部に圧力検出用の3つの加圧室113a,113b,113cを設け、各加圧室113a,113b,113cにそれぞれ圧力センサ114を装着したものである。
【0066】また、図30は第4の実施の形態(図25および図26参照)の第4の変形例を示すものである。本変形例は湾曲部100のマルチルーメンチューブ111に湾曲操作用の3つの加圧室121a,121b,121cを設けるとともに、各加圧室112a,112b,112c内にそれぞれ圧力センサ122を装着したものである。
【0067】また、図31および図32は本発明の第5の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A),(B)乃至図18参照)の工業用内視鏡1のシステムの構成を次の通り変更したものである。
【0068】すなわち、本実施の形態ではポンプユニット11内の流体供給部36に加圧用シリンジ29Aと、減圧用シリンジ29Bとをそれぞれ設けたものである。さらに、エアチューブ10の基端部には分岐コネクタ131が設けられている。この分岐コネクタ131には3つの配管接続部131a,131b,131cが設けられている。ここで、分岐コネクタ131の配管接続部131aには湾曲部17a側のエアチューブ10の基端部、配管接続部131bには加圧用シリンジ29A側のエアチューブ132、配管接続部131cには減圧用シリンジ29B側のエアチューブ133がそれぞれ接続されている。これにより、湾曲減少時にエアチューブ10と加圧室21の内部を陰圧とするように減圧用シリンジ29Bを駆動させる制御手段を設けたものである。
【0069】そして、本実施の形態では湾曲upの時、加圧用シリンジ29Aで空気を送り込む。また、湾曲した状態から湾曲をdownして湾曲をもどすとき、加圧用シリンジ29Aを引きもどすとともに減圧用シリンジ29Bを引き、陰圧状態とする。さらに、湾曲がもとにもどった時、減圧用シリンジ29Bはもとの状態の押し込んだ状態とする。
【0070】そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では湾曲した状態から湾曲をdownして湾曲をもどすとき、加圧用シリンジ29Aを引きもどすとともに減圧用シリンジ29Bを引き、陰圧状態とするようにしたので、内部を陰圧とすることで強制的に空気を抜きやすくすることができる。そのため、エアチューブ10の管路長の長い場合のように、湾曲をもどす時スピードが遅くなりやすい場合でもスードアップにつながり、湾曲スピードの向上が図れる。
【0071】また、図33乃至図36は本発明の第6の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A),(B)乃至図18参照)の工業用内視鏡1のシステムの構成を次の通り変更したものである。
【0072】すなわち、本実施の形態では湾曲部17a側のエアチューブ10の中途部に2個(第1,第2)の電磁弁141,142を介設したものである。ここで、一方の第1の電磁弁141には、3つの通気口141a,141b,141cが設けられている。そして、通気口141bには加圧用ボンベ143、通気口141cには湾曲部17a側のエアチューブ10がそれぞれ接続されている。
【0073】さらに、第2の電磁弁142にも同様に、3つの通気口142a,142b,142cが設けられている。そして、通気口142aにはシリンジ29側のエアチューブ10が接続され、通気口142bは大気開放されている。また、第1の電磁弁141の通気口141aと、第2の電磁弁142の通気口142cとの間は連結チューブを介して連結されている。なお、図34中で、144は電磁弁141,142を収納した電磁弁ユニットである。
【0074】そして、本実施の形態では余圧用に加圧用ボンベ143を使う。通常はシリンジ29側の操作による空気の圧力により湾曲部17aが湾曲する。ここで、初期設定スイッチをONすると、第2の電磁弁142の通気口142bの弁を開いて大気を開放する。続いて、ピストン30を引きもどし、第2の電磁弁142の通気口142bの弁を閉じる。その後、第1の電磁弁141の通気口141bの弁を開いて加圧用ボンベ143が加圧流体を一定量供給する。加圧用ボンベ143からの加圧流体の供給後、第1の電磁弁141の通気口141bの弁を閉じる。
【0075】そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では加圧用ボンベ143を有し、湾曲部17a側の各加圧室21のそれぞれのシリンジ29に対して加圧用ボンベ143が電磁弁141,142を介して管路で通じ、シリンジ29の初期位置において、いったんシリンジ29を大気に開放するとともに一定量の加圧を行なう初期加圧制御手段を有する。
【0076】そのため、湾曲動作をくり返すうちに管路内の気体がもれ(湾曲部17aの材質がシリコンのため)湾曲量がダウンしたときに、容易に初期設定をすることで湾曲量をもとにもどすことがき、初期設定(初期加圧)を行なうことで、常に十分な湾曲性能を有する。
【0077】また、本実施の形態では図35および図36に示すようにシリンジ29の側面に外気との通気孔151を設け、ピストン30の手元側に引きもどした状態においてシリンジ29内が大気圧となる。
【0078】そして、本実施の形態ではピストン30を手元まで引きもどした時、シリンジ29の内部が外部に通気孔151により開放され、常に大気圧となる。そのため、ピストン30を引きもどすと常に初期位置(大気圧)とすることができ、湾曲部17aの湾曲角度を安定した状態にできる。なお、仮に、何かの不具合で空気がもれても、ピストン30を引きもどせば容易に初期設定が可能である。したがって、安定した湾曲角を提供するとともにメンテナンス性を良くすることができる。
【0079】さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記(付記項1) 管腔内に挿入される挿入部の先端部に弾性管状体が配置され、かつこの弾性管状体の管壁に周方向に沿って複数の加圧室が配置され、上記加圧室を選択的に加圧することで上記弾性管状体を所定の向きに湾曲させる湾曲部を有する内視鏡において、前記空気室に接続されたシリンジと、シリンジ内部をスライド可能なピストンと、ピストンを電動で動作する駆動手段と、駆動手段を制御する制御手段と、からなる内視鏡。
【0080】(付記項2) 付記項1において、前記制御手段は、湾曲を止めるように指示した時にシリンジに対してピストンを止めるとともに、一定量反転させる制御手段を設けた内視鏡。
【0081】(付記項3) 付記項1において、前記制御手段は、湾曲増加時のピストン速度と湾曲減少時のピストン速度を略同一にした内視鏡。
【0082】(付記項4) 付記項3において、前記制御手段は、湾曲増加とともに前記モータへの電圧を増加させる制御手段を設けた内視鏡。
【0083】(付記項5) 付記項1において、前記シリンジ近傍に対してシリンジ内部の加圧量を調整する加圧量調整手段を設けた内視鏡。
【0084】(付記項6) 付記項5において、加圧量調整手段は、シリンジ近傍に電磁弁を介して接続された加圧ボンベと、前記ピストンを前記シリンジに対して最も手前に引き出した初期位置において、シリンジ内を大気に開放するとともに、一定量の加圧を行うように電磁弁を制御する初期加圧設定手段を設けた内視鏡。
【0085】(付記項7) 付記項5において、加圧量調整手段は、シリンジ近傍に設けた手動加圧手段である内視鏡。
【0086】(付記項8) 付記項1において、湾曲部を複数として、根元側の湾曲長ほど短くした内視鏡。
【0087】(付記項9) 付記項2において、湾曲部を複数として、各湾曲部に対して独立に金属線で編み込んだ筒状部材を設けた内視鏡。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば流体供給部のピストンを電動で動作する駆動手段と、この駆動手段を制御する制御手段とを設け、制御手段に、湾曲部の湾曲動作を止める指示の入力時にシリンジに対するピストンのスライド動作を止め、かつピストンのスライド動作方向を反転させて逆方向に少量スライドさせる湾曲動作停止制御機能を設けたので、湾曲部の湾曲動作時に、所望の位置で湾曲部の湾曲を正確に位置決めして停止することができ、湾曲部の湾曲位置決め精度を高めることができる。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成11年3月23日(1999.3.23)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開2000−271076(P2000−271076A)
【公開日】 平成12年10月3日(2000.10.3)
【出願番号】 特願平11−78286