| 【発明の名称】 |
X線コンピュータ断層撮影装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】尾嵜 真浩
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| 【要約】 |
【課題】本発明は呼吸による上下動の影響無く多時相の画像を撮影することができるX線コンピュータ断層撮影装置を提供すること。
【解決手段】被検体に呼吸センサ(50)と心電計(48)とを取付けて、呼吸センサ(50)と心電計(48)の両出力に基づき心臓の上下動が比較的小さい安定期間(呼期)に心電図に同期して1心拍周期とX線管球の1回転周期との合計時間だけ投影データを収集する。この収集データから1心拍内の各時相を中心とする1回転分のデータを取り出し、各時相の画像を再構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検体に取付けられた呼吸センサと心電計の両出力に基づいて、内蔵の動きが比較的小さい安定期間に少なくとも1心拍周期と1枚の画像再構成に必要なデータが得られる収集期間との合計時間、投影データを収集することを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。 【請求項2】 被検体に取付けられた呼吸センサの出力に基づいて、内蔵の動きの比較的小さい安定期間にX線管球の1回転周期だけ、投影データを収集することを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。 【請求項3】 被検体に取付けられた心電計の出力に基づいて、少なくとも1心拍周期と1枚の画像再構成に必要なデータが得られるデータ収集期間との合計時間、投影データを収集することを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はX線コンピュータ断層撮影装置に関し、特に心臓の撮影に関する。 【0002】 【従来の技術】心臓の撮影にあたり、従来のX線コンピュータ断層撮影装置は人間の生理現象に基づく2つの問題がある。1つは、呼吸により心臓全体が上下動し、撮影断面が上下にずれ、画質が低下する問題である。この呼吸の影響を無くするためには、患者に一定時間呼吸を止めてもらう必要があるが、既に意識の無い重症の患者を撮影することもあり、患者に呼吸を止めることを強いるのが困難な場合がある。 【0003】一般に、呼吸による上下動の影響は呼吸の1周期全体に亘って均一に生じるのではなく、吸期が最も大きく、呼期は比較的安定しているので、患者に呼吸センサを取付けて、呼吸センサの出力に基づいて心臓の動きが比較的小さい安定期間(呼期)に撮影を行う(呼吸同期スキャン)ことにより、呼吸による撮影断面の上下動の影響を抑えることも考えられている。しかし、従来のX線コンピュータ断層撮影装置では、X線管球の回転速度が遅いので、1枚の画像の再構成に必要な全データ(X線管球の1回転分のデータ)を収集するのに、複数回のスキャン(X線管球の複数回転)が必要であるので、この間の心臓の多少の上下動により画質が低下することがあった。 【0004】次に、心臓の撮影において問題となることは、拍動による心臓の収縮・回転等の動きである。1心拍周期内の時相が異なると、心臓の形状、位置が変化するので、診断のためには、画像の撮影時相を管理しておくことが必要である。そこで、患者に心電計を取付けて、心電図に基づいてある時相の画像だけを撮影する(心電同期スキャン)ことが行われている。 【0005】上記の2つの撮影はそれぞれ呼吸の影響、拍動の影響を単独に取り除くことはできるが、何れの撮影も単時相の撮影である。上述したように、心臓は拍動により上下動するので、1回の撮影で1心拍周期内の多くの時相(例えば、P波、Q波、R波、S波、T波時相等)の画像を撮影することが好ましい。しかしながら、上述したように、従来のX線コンピュータ断層撮影装置は単一の時相の画像再構成に必要なデータを収集するのにも複数回のスキャンが必要であるので、多時相になると、さらに多くのスキャンを繰返す必要があり、この間に呼吸により撮影断面がずれてしまうおそれがあった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、呼吸による上下動の影響無く画像を撮影することができるX線コンピュータ断層撮影装置を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明による第1のX線コンピュータ断層撮影装置は、被検体に取付けられた呼吸センサと心電計の両出力に基づいて、内蔵の動きが比較的小さい安定期間に少なくとも1心拍周期と1枚の画像再構成に必要なデータが得られるデータ収集期間との合計時間、投影データを収集するものである。 【0008】本発明による第2のX線コンピュータ断層撮影装置は、被検体に取付けられた呼吸センサの出力に基づいて、内蔵の動きの比較的小さい安定期間にX線管球の1回転周期だけ投影データを収集するものである。 【0009】本発明による第3のX線コンピュータ断層撮影装置は、被検体に取付けられた心電計の出力に基づいて、少なくとも1心拍周期と1枚の画像再構成に必要なデータが得られるデータ収集期間との合計時間、投影データを収集するものである。 【0010】本発明の第1、第3のX線コンピュータ断層撮影装置によれば、少なくとも1心拍周期と1枚の画像再構成に必要なデータが得られるデータ収集期間との合計時間、データを収集することにより、1心拍の全ての時相の画像を再構成することができる。通常、1心拍は1秒程度であり、1枚の画像再構成に必要なデータが得られる期間(通常、X線管球の1回転周期)も0.5秒程度であるので、データ収集は短時間で済み、呼吸による上下動の影響を受けること無く、多時相撮影が可能となる。このため、意識の無い患者は勿論、通常の患者にとっても呼吸を止める必要が無く、撮影が患者の重荷にならず、楽に撮影ができる。 【0011】本発明の第2のX線コンピュータ断層撮影装置によれば、X線管球の1回転周期だけ、データを収集することにより、呼吸による上下動の影響を受けること無く撮影が可能となる。このため、意識の無い患者は勿論、通常の患者にとっても呼吸を止める必要が無く、撮影が患者の重荷にならず、楽に撮影ができる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明によるX線コンピュータ断層撮影装置の実施形態を説明する。 【0013】第1実施形態図1は本発明の第1実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の全体構成を示す図である。スキャナ本体10はガントリ(架台)12と寝台14とを有する。寝台14の被検体が載置される天板は撮影断面を決めるため、及びヘリカルスキャンを行うために被検体を体軸方向に移動させることができるように、スライド可能となっている。ガントリ12は高電圧とフィラメント電流を受けてX線を発生するX線管16、X線管16から発生されたX線をファン方向とスライス厚方向にコリメートするコリメータ18、被検体を挟んでX線管16と対向して配置され、被検体を透過したX線を検出するX線検出器20からなる。なお、コリメータとともにウェッジフィルタを設けて、被検体の周辺に余分なX線が照射されないようにしてもよい。商用電源から、高電圧(例えば120〜140kV)を発生させる高電圧発生装置20からの高電圧がX線管16に供給される。 【0014】X線検出器20からの検出信号(投影データ)は微弱な電流信号であるので、高速で高精度なA/D変換器であるデータ収集部22でディジタル量に変換される。データ収集部22の出力データは収集されたデータを基に画像を再構成するためのアレイプロセッサからなる画像再構成装置34に供給される。画像再構成には、前処理、コンボリューション、バックプロジェクション等の数億回以上の演算が必要であるので、専用のアレイプロセッサで処理する。画像再構成装置34の出力はコンピュータ36に供給される。画像再構成装置34の出力はCT値(水を0、空気を−1000としたときの各ピクセル値)であり、−1000〜4000の広い範囲に及ぶ。そのため、このCT値をそのまま濃度変換して表示しても、人間の目では識別できないので、コンピュータ36はウィンドウ処理により、見たいCT値範囲だけに絞って表示するように画像信号を作成する。画像信号はコンピュータ36から画像記憶装置38、画像表示装置40に供給される。 【0015】また、コンピュータ36は高電圧発生装置32を制御するX線制御装置42、ガントリ12、寝台14を制御する架台・寝台制御装置44にも制御信号を供給する。被検体には、心電計48、呼吸センサ50が取付けられ、両装置の出力はコンピュータ36に供給される。 【0016】次に、図2を参照して、本発明において心臓の多時相撮影を行う場合の動作を説明する。本実施形態は呼吸センサ50と心電計48の両出力に基づきデータ収集タイミングを決定することにより、呼吸により心臓全体が上下動し、撮影断面が上下にずれ、画質が低下することを防止するとともに、1心拍周期の全ての時相の画像を短時間で撮影するものである。 【0017】呼吸センサ50は呼吸による胸部の変動を検知することにより、肺、もしくは腹腔内の容積の変動を表わす検出信号を発生するものであり、その検出信号を図2の上部に示す。標準的な呼吸の回数は15回/分であるので、呼吸の1周期は約4秒程度である。そして、容積変動の安定する呼期内にデータ収集が行われるように、呼吸センサ50の出力に基づきコンピュータ36がX線制御装置42、架台・寝台制御装置44を制御して、X線を発生させるとともに、ガントリ12を回転させる。 【0018】具体的には、呼吸センサ50の出力である心臓の容積値が所定値を下回るK点を過ぎてから所定期間のデータ収集が行われるように、データ収集期間の開始タイミングが心電同期される。このデータ収集の所定期間は、1心拍分の全ての時相の画像の再構成に必要な投影データが収集できるように、1心拍期間の前後にガントリ12の1/2回転期間を足した時間に設定される。心電同期はどの波に基づいても構わないが、R波が最も顕著であるので、通常、R波に基づいて1心拍期間が決定される。例えば、図2に示すように、心臓の容積値が所定値を下回るK点を過ぎてからR波−R波の1心拍周期HRが測定され、次のR波からX線の曝射を開始させる。実際には、多少の遅延時間があるので、データ収集期間はR波から多少遅れて開始する。1心拍期間の開始時相Aの画像を得るためには、時相Aを中心とする1回転分の投影データが必要であるので、時相Aより1/2回転期間だけ前からデータ収集を開始するように、データ収集開始タイミングが心電図に同期して決定される。同様に、1心拍期間の終了時相Dの画像を得るために、時相Dより1/2回転期間だけ後までデータ収集を行う。このように、(1心拍+1回転)期間だけデータを収集しておけば、1心拍期間の全ての時相(例えば、時相B、時相C、…)について、各時相を中心とする1回転分の投影データが存在するので、各時相の画像を再構成することができる。再構成画像はウィンドウ処理後、画像表示装置40で表示されるとともに、心電図とともに画像記憶装置48に保存される。 【0019】このように、本実施形態によれば、心臓の上下動の少ない呼期に1心拍周期とX線管球の1回転周期との合計時間だけデータを収集しておくことにより、1心拍の全ての時相の画像を再構成することができる。通常、1心拍は1秒程度であり、X線管球の1回転周期は0.5秒程度であるので、心臓の上下動の安定した呼期内にデータ収集を必ず完了できる。このため、意識の無い患者は勿論、通常の患者にとっても呼吸を止める必要が無く、撮影が患者の重荷にならず、多時相撮影が容易に実施できる。 【0020】なお、本発明は上述した実施形態に限らず種々変形して実施可能である。たとえば、データ収集期間は1心拍周期とX線管球の1回転周期との合計時間に限定されず、それ以上であってもよい。また、ハーフ再構成法を応用する場合は、1枚の画像の再構成に必要なデータはX線管球の1/2回転で得られるので、1心拍周期とX線管球の1/2回転周期との合計時間でもよい。また、多時相撮影に限らず、単時相撮影でも構わない。その場合は、呼期内に心電同期して、撮影したい時相を中心としX線管球の1回転周期だけデータを収集すればよい。単時相撮影でも、呼吸同期して呼期にデータ収集を行うので、心臓の上下動の影響を受けないで画像を撮影できる。 【0021】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、被検体に取付けられた呼吸センサと心電計の両出力に基づいて、内蔵の動きが比較的小さい安定期間に少なくとも1心拍周期と1枚の画像再構成に必要なデータが得られるデータ収集期間との合計時間、投影データを収集することにより、1心拍の全ての時相の画像を、心臓の上下動の影響を受けること無く、撮影することができる。 【0022】また、本発明によれば、被検体に取付けられた呼吸センサの出力に基づいて、内蔵の動きの比較的小さい安定期間にX線管球の1回転周期だけ、投影データを収集することにより、ある時相の画像を、心臓の上下動の影響を受けること無く、撮影することができる。 【0023】さらに、本発明によれば、被検体に取付けられた心電計の出力に基づいて、少なくとも1心拍周期と1枚の画像再構成に必要なデータが得られるデータ収集期間との合計時間、投影データを収集することにより、1心拍の全ての時相の画像を、心臓の上下動の影響を受けること無く、撮影することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成11年3月15日(1999.3.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−262513(P2000−262513A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月26日(2000.9.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−67939 |
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