| 【発明の名称】 |
電気外科手術装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】▲高▼橋 裕之
【氏名】肘井 一也
【氏名】大山 雅英
【氏名】原野 健二
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| 【要約】 |
【課題】漏れ電流を許容値内に維持し、且つ出力電力の過剰な減少を防ぐ電気外科手術装置を提供する。
【解決手段】電流値差検出部51は、電流測定回路36、37でそれぞれ測定された電流値の差の絶対値を漏れ電流値として検出する。電流値差比較部53及び利得低減部54は、漏れ電流値が比較値記憶部52に記憶された許容値を超えると、出力電力の利得を減少させ、これにより、漏れ電流が許容値内に維持される。また、漏れ電流が許容値内になったら、利得の減少は停止するので、出力電力が過剰に減少することがない。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】被検者に第1の電極及び第2の電極を接触させて前記被検者の処置対象部位に電気エネルギーを与えることで前記処置対象部位に対して医療処置を施す電気外科手術装置において、前記第1の電極へ流れる第1の電流値を測定するための第1の電流検出手段と、前記第2の電極へ流れる第2の電流値を測定するための第2の電流検出手段と、前記第1の電流検出手段により測定された第1の電流値と前記第2の電流測定手段により測定された第2の電流値との差である電流値差を得るための電流値差検出手段と、前記電流値差検出手段により得られた電流値差と予め設定された所定の許容値とを比較する電流値差比較手段と、前記電流値差比較手段の比較結果により出力電力を制御する出力制御手段とを備えたことを特徴とする電気外科手術装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高周波電力を利用して生体組織等に対して切除や凝固等の医療処置を施す電気外科手術装置に関する。 【0002】 【従来の技術】高周波電流を利用して生体組織等に対して切除や凝固等の医療処置を施す電気外科手術装置が知られており、この電気外科手術装置は、一般に、電気外科手術装置の本体であり高周波電流を発生する高周波焼灼電源装置と、患者の処置対象部位に接触して高周波電流により医療処置を施す電極を備えた処置具を有して構成されている。この処置具の種類としては、モノポーラ処置具と、バイポーラ処置具とが知られている。モノポーラ処置具は、高周波焼灼電源装置の一方の出力端子に接続し、患者の処置対象部位に接触させる電極を備えた処置具本体と、他方の出力端子に接続し、患者の処置対象部位以外の体表面に面接触させる帰還電極部を有して構成されている。そして、高周波焼灼電源装置で高周波電力を発生し、処置具本体の電極を処置対象部位に接触させて生体組織に集中的に高周波電流を流入し、帰還電極部より高周波電流を分散して回収することによって、生体組織の切除、凝固等の医療処置を行えるようになっている。また、バイポーラ処置具は、帰還電極部を持たず、処置具本体に高周波焼灼電源装置の双方の出力端子にそれぞれ接続される電極が備えられている。 【0003】一般に、高周波焼灼電源装置から処置具への高周波電力の供給が開始されると、高周波電力により生体組織に生じる熱及び高周波電力により熱を生じた処置具本体の電極から生体組織へ伝搬する熱により、生体組織が蒸散して組織変性が生じ、負荷インピーダンスが時間の経過とともに増加する。すると、負荷インピーダンスによる電圧降下が増加し、電気外科手術装置の出力電圧が増加する。そして、出力電圧が所定の電圧に達すると、処置具本体の電極から生体組織に対してアーク放電が開始し、このアーク放電により、生体組織に対する切除作用が開始する。また、生体組織に対する作用は、切除作用ばかりでなく、高周波電流の波形を断続的な波形に変調したり、切除時より出力電圧を低くすることにより、凝固作用を施すことができ、これにより止血を行うことができる。 【0004】また、電気外科手術装置は、接地型と非接地型に分類される。従来は、出力回路の接地ラインから大地を介して多くの漏れ電流が生じる接地型の電気外科手術装置が主流であったが、最近では、出力回路の接地ラインを持たない非接地型の電気外科手術装置が多く使用されるようになってきた。なお、本願において、大地とは、大地に限らず、電気外科手術装置の設置される施設建造物やその内装・外装等を含んで指している。この非接地型の電気外科手術装置は、出力回路の接地ラインを持たないので、理論的には接地ラインを介した漏れ電流が生じない。 【0005】ところが、高周波電力を扱う電気外科手術装置では、電気外科手術装置本体の筐体及びこの筐体に収容された高周波電力を発生する出力回路の浮遊容量を介して、例えば、出力回路→処置具本体の電極→患者→ベッド→大地→筐体→出力回路という閉回路が形成される等して、意図しない部位に高周波漏れ電流が流れる。そして、この高周波漏れ電流が大きいと、意図しない部位に発熱が生じる等して操作に支障を来してしまうので、例えば、国際安全規格IEC601−2−2等で、高周波漏れ電流の許容値が規定されている。なお、この国際安全規格IEC601−2−2では、高周波漏れ電流とは、出力系から大地に流れる意図しない高周波電流を指し、この高周波漏れ電流の許容値は、100mA以下と規定されている。 【0006】そこで、例えば、特公昭61−32016号では、患部に接触する処置用電極つまり能動電極である第1の電極を流れる第1の電流値及び患者に接触する患者電極つまり帰還電極である第2の電極を流れる第2の電流値を検出し、第1の電流値に対する第2の電流値の比を算出し、第1の電極から流れ出た電流のうち第2の電極で回収されない漏れ電流が多く発生するほど第1の電流値に対して第2の電流値が小さくなって電流値比の値が1より低下する特性を利用して、この電流値比の値が所定の判定値以下になると処置具への高周波出力を抑制するべく制御することで、高周波漏れ電流を抑え、意図しない部位に過剰な高周波電流が流れることを防止している。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電流値比は、出力電力の大きさよりも、電極の配置に大きく依存する傾向があり、高周波出力を抑制すべく変化させても電流値比の値があまり変化しない場合がある。すると、電極の配置の影響により漏れ電流が増加して電流値比が所定の判定値以下になったときに、高周波出力を抑制すべく変化させても電流値比が改善されず、高周波出力の低減が過剰に行われ、処置に必要な高周波出力が得られなくなってしまうという問題が生じる。例えば、電流値比の判定値が0.6に設定され、電流値比がこの判定値以下になったときに出力電流が半減する程度に高周波出力が低減するように設定されている場合、第1の電流値が200mAで第2の電流値が100mAという状態になると、電流値比は0.5であるので出力電流が半減して、第1の電流値が100mAで第2の電流値が50mAという状態になり、漏れ電流は半分に低減されているが、なおも電流値比は0.5のままであるので更に出力が半減して、第1の電流値が50mAで第2の電流値が25mAという状態になり、なおも電流値比が0.5であるので更に高周波出力の低減が繰り返されるという状態に陥る場合が考えられる。このように問題が顕著に現れる場合には、高周波出力の過剰な低減により、出力電力が停止してしまうことがある。また、設定される判定値は、漏れ電流の値ではなく、電流値比で表されるので、漏れ電流の程度と電流値比との関係を予め把握した上で設定する必要があり、設定が難しく、操作性が悪かった。また、漏れ電流と電流値比との関係は、電極の種類や使用時の電極の配置により変動するので、電流値比の判定値は大きな誤差を含み、制御動作の誤差が大きかった。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高周波漏れ電流が許容値内に維持制御され、且つ出力電力が過剰に減少することなく適切なレベルに維持制御され、且つ高周波漏れ電流及び出力電力の維持制御が行われる際の電極の形状等の種類及び電極の配置の影響による誤差が少なく、且つ高周波漏れ電流の許容値の設定が容易で操作性を向上できる電気外科手術装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明は、被検者に第1の電極及び第2の電極を接触させて前記被検者の処置対象部位に電気エネルギーを与えることで前記処置対象部位に対して医療処置を施す電気外科手術装置において、前記第1の電極へ流れる第1の電流値を測定するための第1の電流検出手段と、前記第2の電極へ流れる第2の電流値を測定するための第2の電流検出手段と、前記第1の電流検出手段により測定された第1の電流値と前記第2の電流測定手段により測定された第2の電流値との差である電流値差を得るための電流値差検出手段と、前記電流値差検出手段により得られた電流値差と予め設定された所定の許容値とを比較する電流値差比較手段と、前記電流値差比較手段の比較結果により出力電力を制御する出力制御手段とを備えたことを特徴としている。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1ないし図4は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は電気外科手術装置の全体構成を示す説明図、図2は図1に示される処置具とは異なる処置具の構成を示す説明図、図3は高周波焼灼電源装置の構成を示すブロック図、図4は制御回路の機能構成を示すブロック図である。 【0010】図1に示すように、本実施の形態の電気外科手術装置1は、患者2に接触して高周波電力を与え、処置対象部位2aに切除及び凝固の処置を施すための処置具3と、この処置具3に供給する高周波電力を発生するための高周波焼灼電源装置4と、この高周波焼灼電源装置4にケーブルで接続され、高周波電力の出力を指示するための作動スイッチ5を有して構成されている。 【0011】前記高周波焼灼電源装置4は、前記処置具3へ供給する電力を出力する2つの出力端子11a、11bと、高周波焼灼電源装置4の動作設定等の操作を行うための操作パネル12を有している。 【0012】モノポーラ処置具である処置具3は、処置対象部位2aに接触して処置を施す電極21aを備えた処置具本体21と、この処置具本体21から延出し、他端が前記出力端子11aに電気的に接続されるコード22と、患者2の処置対象部位2a以外の体表面2bに面接触する帰還電極部23と、この帰還電極部23から延出し、他端が前記出力端子11bに接続されるコード24を有して構成されている。 【0013】前記作動スイッチ5は、例えば、切除用及び凝固用のそれぞれの高周波電力の発生を指示するためのスイッチを有して構成されている。なお、作動スイッチ5は、図に示すようなフットスイッチであってもよいし、また、フットスイッチに限らず、高周波の発生を高周波焼灼電源装置4に指示できる手段であればよく、例えば処置具本体21等にスイッチを設けて構成してもよい。また、操作パネル12の一部又は全部は、高周波焼灼電源装置4の筐体に固定して設けるばかりでなく、ケーブルを介して設けてもよいし、前記作動スイッチ5に設けてもよいし、前記処置具本体21に設ける等してもよい。 【0014】また、モノポーラ処置具である前記処置具3に代わって、図2に示すバイポーラ処置具である処置具3aを設けてもよい。図に示すように、処置具3aは、患者2の処置対象部位2aに接触される2つの電極25a、25bを備えた処置具本体25と、これら2つの電極を高周波焼灼電源装置4の出力端子11a、11bにそれぞれ電気的に接続するコード26を有して構成されている。図3に示すように、前記高周波焼灼電源装置4の内部は、商用電源等から与えられる電力を変換し、高周波焼灼電源装置4の各部へ電源を供給するための電源回路31と、高周波焼灼電源装置4の各部を制御するための制御回路32と、この制御回路32に制御され、処置に使用する波形の高周波を発生する波形発生回路33と、この波形発生回路33で得られた高周波を前記制御回路32から指示される利得に従って増幅する可変増幅回路34と、この可変増幅回路34で得られた高周波を昇圧して、前記出力端子11a、11bへ出力する出力トランス35と、この出力トランス35から各出力端子11a、11bへ出力される高周波の出力電流をそれぞれ測定する電流測定回路36、37と、これら電流測定回路36、37をそれぞれA/D変換して前記制御回路32へ与えるA/D変換回路38を有して構成されている。 【0015】前記制御回路32は、ハードウェア的には、例えばマイクロプロセッサ32aと、このマイクロプロセッサ32aが実行するプログラムを格納する図示しない記憶素子等を有して構成されている。この制御回路32は、前記作動スイッチ5から与えられる信号と、前記操作パネル12から与えられる信号と、前記電流測定回路36、37からそれぞれA/D変換回路38を介して与えられる信号に応じて、前記波形発生回路33が発生する波形をこの波形発生回路33に対して指示する制御信号と、前記可変増幅回路34による利得をこの可変増幅回路34に対してD/A変換回路34aを介して指示する制御信号等を発生する。 【0016】前記出力トランス35には、この出力トランス35の2次側に直列に接続され、直流成分や低い周波数成分を除去するコンデンサを設けてもよい。また、出力トランス35の1次側に、並列共振用のコンデンサを設けてもよい。 【0017】また、電流測定回路36、37は、好適には、それぞれ出力端子11a、11bの近傍に配置される。 【0018】図4に示すように、前記制御回路32は、機能的には、前記作動スイッチ5からの信号に従って、前記波形発生回路33に対して作動指示等を与える波形制御部41と、例えば操作パネル12で設定される出力電力レベル等に応じて前記可変増幅回路34に与える利得値を出力する出力制御部42と、前記電流測定回路36、37からそれぞれA/D変換回路38を介して得られた電流値を基に、高周波漏れ電流が許容値内が維持されるように出力電力を抑制すべく、前記出力制御部42で得られた利得値を低減して、D/A変換回路34aを介して可変増幅回路34へ与える出力抑制制御部43を有して構成されている。 【0019】前記出力抑制制御部43は、前記電流測定回路36、37からそれぞれA/D変換回路38を介して得られた電流値の差の絶対値である電流値差を高周波漏れ電流値として得る電流値差検出部51と、高周波漏れ電流の許容値を記憶する比較値記憶部52と、前記電流値差検出部51で得られた電流値差の値と前記比較値記憶部52に記憶された高周波漏れ電流の許容値とを比較する電流値差比較部53と、この電流値差比較部53の比較結果に応じて、電流値差即ち高周波漏れ電流の値が許容値を超えないように利得値を低減する利得低減部54を有して構成されている。 【0020】なお、比較値記憶部52で記憶する値は、例えば操作パネル12等の入力手段から設定可能に構成されていてもよい。 【0021】また、電流値差検出部51を設ける代わりに、電流測定回路36、37の差の絶対値である電流値差を得る図示しない回路を設け、この回路で得られた電流値差信号をA/D変換回路を介して電流値差比較部53へ与える実装形態としてもよい。また、制御回路32を構成する各部は、プログラム制御されるマイクロプロセッサ32aで構成することで実装してもよいし、ハードウェア回路で構成することで実装してもよい。 【0022】次に、本実施の形態の作用のうち、高周波漏れ電流が生じていない際の通常の作用を説明する。出力電力レベルが例えば操作パネル12で設定されると、出力制御部42は、設定された出力電力レベルに対応した利得値を出力する。この利得値は、通常は、出力抑制制御部により低減されることなく、D/A変換回路34aを介して可変増幅回路34に与えられる。ここで、出力電力レベルは、例えば高周波焼灼電源装置4から処置具3への出力電力値が略最大となる所定の定格負荷インピーダンス値における出力電力値で表される。 【0023】そして、作動スイッチ5が操作されると、波形制御部41は、波形発生回路33を作動させ、この波形発生回路33は、切除処置や凝固処置等の処置の種類に応じた波形の高周波を発生して可変増幅回路34へ与える。この可変増幅回路34は、出力制御部42から出力された利得値に従い高周波を増幅し、この高周波は、出力トランス35を介して、処置具3へ与えられる。 【0024】すると、高周波電流が、処置具3の処置具本体21の電極21aから処置対象部位2aの生体組織に集中して流入し、流入した高周波電流は、処置対象部位2a以外の体表面2bに面接触した帰還電極部23から分散して回収される。すると、処置対象部位2aに流入した高周波電流による熱及びこの高周波電流により発熱した電極21aから伝導する熱により、処置対象部位2aが加熱される。なお、処置具3に代わって処置具3aを用いた場合にも、処置具本体25の電極25a、25bが接触する処置対象部位2aが加熱される。 【0025】加熱が開始された時点の処置対象部位2aの生体組織は、多くの水分等を含んでおり、この生体組織のインピーダンスつまり負荷インピーダンスは小さい状態である。そして、加熱が進むにつれて、細胞液等の水分が蒸発して組織変性が進み、負荷インピーダンスの増加が始まる。負荷インピーダンス値が増加すると、高周波焼灼電源装置4から出力される高周波の出力電圧値が増加し、この出力電圧値が所定の電圧値に達すると、処置対象部位2aに対して切除処置や凝固処置等の処置が施される。 【0026】次に、高周波漏れ電流が生じた際の作用を説明する。処置具本体21の電極21aから患者2へ流入した電流の一部は、帰還電極部23で回収され、その他の漏れ電流は、例えば、患者2と、ベッドと、大地と、高周波焼灼電源装置4の筐体とを介して、高周波焼灼電源装置4の内部回路に流れ込む。すると、出力端子11aを介して流れる電流値よりも出力端子11bを介して流れる電流値の方が小さくなる。なお、漏れ電流の生じる経路によっては、出力端子11bを介して流れる電流値よりも出力端子11aを介して流れる電流値が大きくなる。 【0027】各出力端子11a、11bを介して流れる電流は、それぞれ電流測定回路36、37で測定され、これらの測定値は、A/D変換回路38を介して、制御回路32の出力抑制制御部43の電流値差検出部51へ与えられ、この電流値差検出部51は、出力端子11a、11bを介してそれぞれ流れる電流値の差の絶対値である電流値差を漏れ電流値として算出する。ここで、絶対値を得ることで、各電流測定回路36、37のそれぞれで測定された電流値の大小関係に関わらず、漏れ電流値を得ることができる。 【0028】電流値差検出部51で得られた電流値差の値つまり漏れ電流値は、電流値差比較部53により、比較値記憶部52に記憶されている漏れ電流の許容値と比較される。ここで、許容値は、例えば国際安全規格で規定される高周波漏れ電流の許容値であってもよいし、また、例えば100mAであってもよい。このように、本実施の形態では、漏れ電流の許容値がそのまま比較値として使用されるので、比較値記憶部52の値を設定する際の操作性が良い。 【0029】電流値差比較部53による比較結果は、利得低減部54へ与えられ、この利得低減部54は、電流値差検出部51で得られた電流値差の値が比較値記憶部52に記憶された許容値を超えないように、出力制御部42からの利得値を低減し、この低減された利得値は、D/A変換回路34aを介して、可変増幅回路34へ与えられ、処置具3への出力電力が低減される。 【0030】出力電力が低減されると、漏れ電流が減少する。そして、漏れ電流が減少すると、電流値差検出部51で得られる電流値差の値が減少する。この電流値差の値が、比較値記憶部52に記憶された許容値より大きいときには、利得値が更に低減され、電流値差の値が許容値の範囲になるまで利得値の低減が繰り返される。そして、電流値差の値が許容値の範囲になったら利得値の低減が停止される。これにより、漏れ電流は許容値内に維持される。また、このとき、利得値が低減されて出力電力が低減されると、電流値差の値が確実に減少し、電流値差が許容値内に値になったら出力電力の低減が停止するので、出力電力が過剰に低減されることはない。 【0031】以上説明したように、本実施の形態によれば、高周波漏れ電流が許容値内に維持されるべく制御される。これにより、意図しない部位の発熱が防止され、操作性が向上する。また、高周波漏れ電流を許容値内に維持するために出力電力が過剰に低減されることがなく、出力電力は適切なレベルに維持される。また、電流値差検出部51で検出される検出値である電流値差の値は、漏れ電流値をそのまま示す値であるので、出力電力の低減を判断を行う際の電極の形状等の種類及び電極の配置の影響による誤差が少ない。また、漏れ電流の許容値は、他の値に換算することなくそのままの値を比較値記憶部52に設定すればよいので、操作性が良い。例えば、国際安全規格IEC601−2−2で規定される高周波漏れ電流の許容値として100mAの値をそのまま設定することで、容易にこの規格に準拠して高周波漏れ電流の制御を行うことができる。従って、本実施の形態によれば、高周波漏れ電流が許容値内に維持制御され、且つ出力電力が過剰に減少することなく適切なレベルに維持制御され、且つ高周波漏れ電流及び出力電力の維持制御が行われる際の電極の形状等の種類及び電極の配置の影響による誤差が少なく、且つ高周波漏れ電流の許容値の設定が容易で操作性を向上できるという効果が得られる。また、電流値差検出部51は、出力端子11a、11bに処置具3を接続する際に、出力端子11a、11bを逆に接続しても、高周波漏れ電流の許容値内への維持制御は確実に行われる。また、電流値差検出部51で検出される検出値である電流値差の値は、漏れ電流値をそのまま示す値であるので、処置具3に代わって、処置具3aを出力端子11a、11bに接続した場合も、高周波漏れ電流の許容値内への維持制御は確実に行われる。また、様々な種類の処置具3、3aを使用することができる。従って、処置具3、3aの選択の幅が広がる。また、電流値差検出部51で検出される検出値である電流値差の値は、漏れ電流値をそのまま示す値であるので、処置具3、3aをどのような配置で使用しても、高周波漏れ電流の許容値内への維持制御は確実に行われる。従って、処置具3、3aの操作性が向上する。 【0032】なお、本発明は、上述の実施の形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。 【0033】[付記] (付記項1−1)被検者に第1の電極及び第2の電極を接触させて前記被検者の処置対象部位に電気エネルギーを与えることで前記処置対象部位に対して医療処置を施す電気外科手術装置において、前記第1の電極へ流れる第1の電流値を測定するための第1の電流検出手段と、前記第2の電極へ流れる第2の電流値を測定するための第2の電流検出手段と、前記第1の電流検出手段により測定された第1の電流値と前記第2の電流測定手段により測定された第2の電流値との差である電流値差を得るための電流値差検出手段と、前記電流値差検出手段により得られた電流値差と予め設定された所定の許容値とを比較する電流値差比較手段と、前記電流値差比較手段の比較結果により出力電力を制御する出力制御手段とを備えたことを特徴とする電気外科手術装置。 【0034】(付記項1−2)付記項1−1に記載の電気外科手術装置であって、前記電流値差は、前記第1の電流値と前記第2の電流値との差の絶対値である。 【0035】(付記項1−3)付記項1−1に記載の電気外科手術装置であって、前記第1の電極は前記処置対象部位へ接触させて前記処置対象部位に前記医療処置を施すための電極であり、前記第2の電極は前記被検者の前記処置対象部位以外の部位へ接触させて前記第1の電極から前記被検者へ流れる電流を回収するための電極である。 【0036】(付記項1−4)付記項1−1に記載の電気外科手術装置であって、前記第1の電極及び前記第2の電極はともに前記処置対象部位へ接触させて前記処置対象部位に前記医療処置を施すための電極である。 【0037】(付記項1−5)付記項1−1に記載の電気外科手術装置であって、前記第1の電極及び前記第2の電極を有する処置具と、前記処置具へ電力を出力する出力端子を有する電源装置とを備え、前記第1の電流測定手段及び前記第2の電流測定手段は、前記電源装置の前記出力端子近傍に配設した。 【0038】(付記項1−6)付記項1−1に記載の電気外科手術装置であって、前記出力電力は、高周波電力である。 【0039】(付記項1−7)付記項1−1に記載の電気外科手術装置であって、前記許容値は、国際安全規格で規定される高周波漏れ電流の許容値を含む。 【0040】(付記項1−8)付記項1−1に記載の電気外科手術装置であって、前記許容値は、100mAを含む。 【0041】(付記項1−9)付記項1−1に記載の電気外科手術装置であって、前記出力制御手段は、前記電流値差が前記許容値を超えないように前記出力電力を制御する。 【0042】(付記項1−10)付記項1−9に記載の電気外科手術装置であって、前記出力制御手段は、前記電流値差が前記許容値を超えたときに前記出力電力を低減することで前記電流値差が前記許容値を超えないように前記出力電力を制御する。 【0043】(付記項1−11)付記項1−10に記載の電気外科手術装置であって、前記出力制御手段は、前記電流値差が前記許容値内であるときは前記出力電力を低減しない。 【0044】(付記項1−12)付記項1−1に記載の電気外科手術装置であって、前記出力電力を出力する出力回路を備え、前記出力制御手段は、前記出力回路の利得を制御することで前記出力電力を制御する。 【0045】(付記項2−1)被検者の処置対象部位に接触させるアクティブ電極と前記被検者の前記処置対象部位以外の部位に接触させる帰還電極を介して前記被検者の前記処置対象部位に電気エネルギーを与えることで前記処置対象部位に対して医療処置を施す電気外科手術装置において、前記アクティブ電極及び前記帰還電極のそれぞれに流れる電流値を検知する電流検出手段と、前記電流検出手段で検出された電流値をもとに前記アクティブ電極及び前記帰還電極に与える高周波出力を制御することを特徴とする電気外科手術装置。 【0046】(付記項2−2)付記項2−1に記載の電気外科手術装置であって、前記アクティブ電極を流れる電流値と前記帰還電極を流れる電流値との差である電流値差をもとに前記高周波出力を制御する。 【0047】(付記項2−3)付記項2−1に記載の電気外科手術装置であって、前記電流値差は、この電流値差の絶対値を含む。 【0048】(付記項2−4)付記項2ー2及び付記項2−3に記載の電気外科手術装置であって、前記電流値差と所定の高周波漏れ電流の許容値との比較演算結果をもとに前記高周波を制御する【0049】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、高周波漏れ電流が許容値内に維持制御され、且つ出力電力が過剰に減少することなく適切なレベルに維持制御され、且つ高周波漏れ電流及び出力電力の維持制御が行われる際の電極の形状等の種類及び電極の配置の影響による誤差が少なく、且つ高周波漏れ電流の許容値の設定が容易で操作性を向上できるという効果が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000376 【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月9日(1999.3.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076233 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 進
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| 【公開番号】 |
特開2000−254145(P2000−254145A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月19日(2000.9.19) |
| 【出願番号】 |
特願平11−62072 |
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