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【発明の名称】 超音波検査装置
【発明者】 【氏名】坂本 利男

【要約】 【課題】先端にバルーン部を有し、超音波プローブの超音波走査部を含み、コネクタまでの部位を覆うバルーン装置を装着して、超音波プローブにバルーンを容易に装着でき、かつ超音波伝達媒体の供給を円滑にできるようにする。

【解決手段】バルーン装置40の先端部から厚肉ゴム部41、バルーン部42、可撓性チューブ43が順次連設され、可撓性チューブ43の基端部には保持筒44が連結されており、その超音波走査部11はバルーン装置40のバルーン部42の内部に位置し、可撓コード12と可撓性チューブ43との間には円環状の超音波伝達媒体の通路が形成される。保持筒44はコネクタ13に嵌合されて、そのコレット部片46に設けた係合部47がコネクタ13の外筒体22に係合することにより固定的に連結され、保持筒44の保持筒本体45に設けたシール部50が超音波プローブ6側の折れ止めカバー33に圧接されてその間がシールされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 超音波振動子を装着した超音波走査部に連設した可撓性コードの基端部にコネクタを連結し、このコネクタから前記可撓性コードの基端部を覆うように折れ止めカバーを設けた超音波プローブと、超音波伝達媒体の封入により膨出するバルーン部に曲げ方向に可撓性を有する可撓性チューブが連設されて、この可撓性チューブの基端部に前記コネクタに着脱可能に嵌合される保持筒を設けたバルーン装置とを備え、このバルーン装置の保持筒には、前記コネクタへの嵌合部に連結・固定するための係合部を形成すると共に、その内面に前記折れ止めカバーの外面に圧接されるシール部を形成し、かつこのシール部より先端側の周胴部に超音波伝達媒体の供給部を設ける構成としたことを特徴とする超音波検査装置。
【請求項2】 前記バルーン装置のバルーン部の先端側の部位に、針状部材を有する空気排出手段を刺し込み可能な厚肉ゴム部となし、この針状部材をこの厚肉ゴム部から引き抜いた時に、その弾性復元力で刺し込みにより生じた孔を密閉する構成としたことを特徴とする請求項1記載の超音波検査装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波プローブが挿通可能なバルーン装置を備えた超音波検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】体腔内に挿入されて、体腔内壁から超音波走査を行うようにした超音波プローブは従来から広く用いられるが、この種の超音波プローブは細径化の要請が極めて強い。超音波プローブの先端部分を超音波検査すべき部位にまで円滑かつ確実に導くために、体腔内の内視検査に超音波プローブを導くために内視鏡を利用する構成としたものがある。このように内視鏡をガイド手段として体内に挿入される超音波プローブは、さらに内視鏡の通路、一般的には鉗子等の処置具を挿通させるための処置具挿通チャンネル内に挿入されることから、超音波プローブはさらに細くなる。
【0003】超音波プローブの先端には超音波振動子が装着されるが、この超音波振動子により送受信される超音波の減衰を極力抑制するために、超音波振動子から体腔内壁に至る超音波の送受信経路に空気が介在するのを防止しなければならない。超音波プローブを体腔内壁に密着すれば、超音波の送受信経路に空気が介在しなくなる。しかしながら、例えばラジアル走査を行う場合に、超音波プローブの先端部分の全周を体腔内壁に当接させるのは不可能である。検査を行うべき体腔内に水等の超音波伝達媒体を溜めることができれば良いが、水等を所定の位置に長時間にわたって安定的に滞留させるのは困難である。
【0004】以上のことから、超音波プローブの先端部分における超音波振動子を囲繞する位置にバルーンを装着し、このバルーン内に超音波伝達媒体を供給することによって、超音波振動子による超音波信号の送受信効率が向上し、鮮明な超音波画像が得られる。ここで、バルーンは、超音波の透過性が良好な可撓膜、代表的なものとしては、例えばラテックスの薄膜で形成される。また、バルーン内に供給される超音波伝達媒体としては、水、特に気泡を除去した脱気水が好適に用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、超音波プローブの先端部分における超音波振動子を設けた部位は円筒形に形成されるのが一般的であり、バルーンはこの部位に着脱可能に止着して固定されることになる。バルーン内には超音波伝達媒体が供給されるが、このバルーンを膨出させるために、超音波伝達媒体はある程度の圧力で供給される。従って、バルーン内に供給された超音波伝達媒体は外部に漏出しないように、その止着部は密閉された状態に保持しなければならない。つまり、バルーンは超音波プローブの先端部分に強固に固定する必要がある。また、バルーン内に超音波伝達媒体を供給するのは、体腔内に挿入されて超音波検査を行う直前であり、このために超音波プローブの基端側から超音波伝達媒体をバルーン内に供給できるようになっていなければならない。
【0006】このためには、バルーンを超音波プローブの先端側の外周面に強固に固着するために、バルーンは可撓性を有する袋状または筒状の薄膜部材に、超音波プローブに着脱可能に固定される止着部(袋状に形成した場合にはその開口端部に、また筒状に形成した場合にはその両端部に)を連設するようにしている。止着部は薄膜部材と一体または別個に設けた弾性リングから構成される。また、超音波プローブの先端部分には、この止着部を保持するために、円周状の止着溝を形成するよに構成する。そして、止着部が溝に止着された時に、収縮する方向に力を作用させるために、止着部は自由状態では、その内径が止着溝の溝底を構成する円より十分小さくなるように設定している。従って、バルーンを超音波プローブに装着するには、止着部を押し広げるようにする。
【0007】ところで、超音波プローブは、前述したように、内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿通されるものである場合には、その外径寸法が数mmというように極めて細いものとなる。従って、バルーンの止着部はさらにそれより小さいリング状のものとなり、この止着部を押し広げて超音波プローブの所定の位置にまで装着するのは極めて困難である。
【0008】また、バルーンを装着した超音波プローブには、その基端側からバルーン内に超音波伝達媒体を供給するが、このために超音波プローブには超音波伝達媒体の供給経路を形成する必要がある。超音波プローブの細径化という観点から、超音波伝達媒体を供給するための独立の通路部材を添設するのは望ましくはなく、従って、超音波プローブの内部を超音波伝達媒体の供給経路として利用しなければならない。しかしながら、超音波プローブは、その先端に設けた超音波振動子を遠隔操作で回転駆動するために、可撓性のあるチューブ内に密着コイルからなるフレキシブルシャフトを挿通させる構成とするのが一般的であり、このフレキシブルシャフトを設けたチューブ内を脱気水等からなる超音波伝達媒体の供給経路として利用するのは必ずしも望ましくはない。また、バルーンは超音波プローブの外面に装着されることから、このバルーン内に超音波伝達媒体を導くための透孔を超音波プローブの先端部分に形成しなければならず、このために細径の超音波プローブにおいて、超音波振動子が装着されている先端部分が極めて脆弱なものとなってしまう。しかも、超音波プローブは使用後に洗浄を行うが、超音波プローブに透孔が設けられていると、洗浄を円滑に行えなくなる場合がある等といった問題点もある。
【0009】本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とすることこは、超音波プローブにバルーンを容易に装着でき、かつ超音波伝達媒体の供給を円滑にできるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成するために、本発明は、超音波振動子を装着した超音波走査部に連設した可撓性コードの基端部にコネクタを連結し、このコネクタから前記可撓性コードの基端部を覆うように折れ止めカバーを設けた超音波プローブと、超音波伝達媒体の封入により膨出するバルーン部に曲げ方向に可撓性を有する可撓性チューブが連設されて、この可撓性チューブの基端部に前記コネクタに着脱可能に嵌合される保持筒を設けたバルーン装置とを備え、このバルーン装置の保持筒には、前記コネクタへの嵌合部に連結・固定するための係合部を形成すると共に、その内面に前記折れ止めカバーの外面に圧接されるシール部を形成し、かつこのシール部より先端側の周胴部に超音波伝達媒体の供給部を設ける構成としたことをその特徴とするものである。
【0011】ここで、バルーン内には空気が入り込まないようにする必要がある。従って、バルーン装置を超音波プローブに組み込んだ後に、内部の空気を容易に、しかも確実に排出できるようになっておればさらに望ましい。そこで、バルーン装置におけるバルーン部の先端側の部位に、針状部材を有する空気排出手段を刺し込み可能な厚肉ゴム部となし、この針状部材をこの厚肉ゴム部から引き抜いた時に、その弾性復元力で刺し込みにより生じた孔を密閉する構成とすれば良い。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の一形態について詳細に説明する。まず、図1に内視鏡に組み込まれる超音波検査装置の全体構成を示す。なお、この実施の形態では、バルーン装置を組み込んだ超音波プローブを内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿通する構成としたものを示すが、他のガイド手段によりガイドされて、また超音波検査装置を単独で体腔内に挿入することもできるのは言うまでもない。
【0013】そこで、図1において、1は内視鏡を示し、内視鏡1は本体操作部2に体腔内への挿入部3を連設したものであり、この内視鏡1には挿入部3の先端から本体操作部2にかけての部位に鉗子等の処置具を挿通する処置具挿通チャンネル4が設けられている。そして、処置具挿通チャンネル4内には超音波検査装置5が組み込まれる。超音波検査装置5は、超音波プローブ6と、超音波観測装置7と、操作ユニット8とから構成される。超音波観測装置7は信号処理部7aとモニタ7bとからなり、これらはラック9に支持されており、このラック9には可動アーム10が連結されており、可動アーム10には操作ユニット8が取り付けられて、任意の方向に変位できるようになっている。操作ユニット8は超音波プローブ6の操作手段を構成するものであり、超音波プローブ6によって、例えばラジアル走査を行う場合には、操作ユニット8には超音波プローブ6の先端に設けた超音波振動子を遠隔操作で回転駆動するモータと、その回転角位置を検出するエンコーダとが内蔵されることになる。
【0014】図2に超音波プローブの全体構成をバルーン装置と共に示し、また図3にバルーン装置を装着した超音波プローブの先端部分を、また図4には超音波プローブにバルーン装置を組み込んだ状態での基端側の部分を、さらに図5にはバルーン装置を分離した状態での基端側の部分をそれぞれ断面にして示す。
【0015】まず、超音波プローブ6の構成としては、先端側から超音波走査部11,可撓コード12及びコネクタ13から構成される。超音波走査部11は、図3から明らかなように、超音波の透過性の良好な樹脂材からなる先端キャップ14を備え、この先端キャップ14の基端部には連結部材15を介して可撓コード12を構成するスリーブ16に連結されている。先端キャップ14内には超音波振動子17が配置され、この超音波振動子17は回転部材18に搭載されている。回転部材18は可撓コード12のスリーブ16内に挿通させた密着コイルからなるフレキシブルシャフト19に連結されている。従って、フレキシブルシャフト19をスリーブ16内で軸回りに回転駆動させると、超音波振動子17を搭載した回転部材18が回転駆動されることになる。
【0016】可撓コード12の基端部が連結されるコネクタ13は、図4及び図5に示したように、固定部20と回転部21とから構成される。固定部20は外筒体22と連結筒23とを備え、これら外筒体22と連結筒23とはねじリング24を介して相互に接合された状態に組み込まれる。連結筒23には細径の嵌合部23aが形成されており、この嵌合部23aに可撓コード12のスリーブ16の基端部が嵌合されている。連結筒23に螺合される外筒体22の内部には軸受25を介して回転部20を構成する回転軸26が設けられている。回転軸26は電極を兼ねるものであり、中心位置には電極ピン27が、またこの電極ピン27の外周に絶縁筒28を介して嵌合される電極筒29とを含み、さらに絶縁筒28の先端側には合成樹脂製の連結パイプ30が固着して設けられ、この連結パイプ30内には金属リング31が固着して設けられている。可撓コード12におけるフレキシブルシャフト19はこの金属リング31に溶接等の手段で固着されている。フレキシブルシャフト19内には超音波振動子17からの信号ケーブル32が挿通されており、この信号ケーブル32の芯線32aは電極ピン27に接続され、またシールド線32bは電極筒28に接続されている。
【0017】コネクタ13を操作ユニット8に接続した時には、その固定部20が操作ユニット8に固定的に連結される。また、操作ユニット8内にはモータ等で駆動される回転軸(図示せず)が設けられており、コネクタ13の回転部21がこの回転軸に連結される。これによって、操作ユニット8側から超音波プローブ6における回転伝達部材としてのフレキシブルシャフト19を軸回りに回転させて、超音波振動子17を搭載した回転部材18を遠隔操作で回転駆動できるようになる。従って、操作ユニット8は超音波振動子17を回転駆動する操作手段を構成すると共に、超音波振動子17と超音波観測装置5との間の信号の伝達を中継する手段としても機能する。
【0018】ここで、可撓コード12の基端部が接続されるコネクタ13への連結部には折れ止めカバー33が被着されている。この折れ止めカバー33は、フレキシブルな部材である可撓コード12に対してコネクタ13は硬質部材であることから、可撓コード12の基端側の部位が曲げられた時に、根元部分に応力が集中するのを防止するためのものである。この折れ止めカバー33はゴム等の弾性部最からなり、コネクタ13への嵌合部分が円筒部33aで、この円筒部33aから先端側に向けて外径が連続的に縮径した円錐部33bとなり、この円錐部33bが可撓コード12の基端側の部位を覆うようになっている。しかも、円錐部33bは基端側が円筒部33aとほぼ同じ厚みとなっており、先端側に向かうに応じて連続的に肉厚が薄くなり、最先端部は可撓コード12のスリーブ16の外面に当接している。
【0019】超音波プローブ6は内視鏡1の処置具挿通チャンネル4に直接挿入することもできるが、バルーン装置40に挿通させた状態で、処置具挿通チャンネル4内に挿入できるようになっている。そして、このバルーン装置40は、超音波プローブ6の先端部分である超音波走査部11を覆う部位を超音波伝達媒体で膨出させるためのものである。従って、バルーン装置40は、その先端部が厚肉ゴム部41で、この厚肉ゴム部41に連なるように薄膜円筒状のバルーン部42となり、さらにバルーン部42には可撓性チューブ43が連設され、さらに可撓性チューブ43の基端部には保持筒44が連結されている。
【0020】ここで、可撓性チューブ43は曲げ方向には可撓性を有するが、伸縮性がないか、または伸縮性の小さい樹脂材から構成され、バルーン部42はラテックス等からなる薄膜状の部材から構成される。また厚肉ゴム部41はバルーン部42と同様の部材または他のゴム材からなり、例えば注射針を刺入した後、それを抜き取ると、透孔が閉塞するようになるものである。そして、超音波プローブ6に組み込んだ時に、可撓性チューブ43は可撓コード12のほぼ全長を覆い、バルーン部42は少なくとも先端キャップ14を覆うようになり、かつ厚肉ゴム部41は先端部閉塞部を構成する。また、少なくとも可撓性チューブ43の内径は可撓コード12の外径より大きくなっており、バルーン部42も好ましくは自由状態で先端キャップ14の外径より大きな直径とする。
【0021】可撓性チューブ43の基端部に連結した保持筒44は、バルーン装置40の超音波プローブ6への連結・固定機構であり、かつ超音波伝達媒体の供給部としての機能も発揮するものである。保持筒44は、保持筒本体45を有し、この保持筒本体45は超音波プローブ6におけるコネクタ13の固定部20を構成する連結筒23から外筒体22の途中位置まで嵌合されるようになっている。そして、保持筒本体45の基端側にはその軸線方向に2本以上のスリット溝を形成することによって、薄肉のコレット部片46が複数(図面においては2箇所)延在されており、各コレット部片46の端部における内側には係合部47が内向きに突設されている。係合部47には、円弧状の係合溝47aが形成されており、この係合溝47aの両端部は突条47b,47bとなっている。そして、コネクタ13の外筒体22には円周溝22aが所定のピッチ間隔で複数箇所形成されており、突条47a,47bはこの前後の円周溝22a,22aに係合可能なものとなっている。ここで、外筒体22の外周に設けた円周溝22aは、本来的には、コネクタ13を操作ユニット8に着脱する際における滑り止めの機能を発揮するものであり、この円周溝22aをバルーン装置40の保持筒44をコネクタ13に係合・固定するためにも利用している。
【0022】このために、保持筒本体45のコレット部片46への連設部近傍は所定の外径を有する大径部45aとなっており、またコレット部片46の外周面はこの大径部45aと同じ外径から基端側に向けて外径が連続的に大きくなるテーパ部46aと、このテーパ部46aに連なり、均一な外径となる円筒部46bと、基端部に円筒部46bより大きな外径となったストッパ部46cとが形成されている。そして、保持筒本体45の大径部45aには締め付けリング48を嵌合させた上でストッパリング49が螺合されている。
【0023】締め付けリング48の内径は、保持筒本体45の大径部45aの外径より大きく、しかもコレット部片46の円筒部46bの外径より小さくなっている。また、コレット部片46の内向きに突設した係合部47の突条47bは自由状態ではコネクタ13における外筒体22の外径より広くなっており(図5の実線の状態)、締め付けリング48が円筒部46bに乗り上げた時には、コレット部片46が縮径されて、係合部47の突条47bが外筒体22の円周溝22aに入り込むようになり(図5の一点鎖線の状態)、これによって保持筒44がコネクタ13に対して軸線方向に移動不能となる。従って、バルーン装置40における保持筒44を超音波プローブ6のコネクタ13に着脱可能に固定されるようになり、係合部47を設けたコレット部片46及び締め付けリング48がバルーン装置40の超音波プローブ6への係合部を構成する。
【0024】以上のようにして保持筒44がコネクタ13に着脱可能に固定されるが、保持筒44の保持筒本体45には、その内面に段差部が形成されており、この段差部はシール部50として機能するものであり、このシール部50は折れ止めカバー33の円錐部33bにおける円筒部33a近傍の外径とほぼ一致している。しかも、コレット部片46の係合部47における前後の突条47b,47bがコネクタ13の外筒体22における最基端側の円周溝22a及びそれに隣接する円周溝22aに係合した時に、シール部50は折れ止めカバー33の円錐部33bに圧接されるようになっており、これによって超音波プローブ6における可撓性コード12より先端側がシールされる。さらに、保持筒本体45におけるシール部50の位置より先端側の部位にはシリンジ等が着脱可能に接続される超音波伝達媒体供給用筒体51が装着されている。
【0025】さらに、バルーン装置40のうち、厚肉ゴム部41,バルーン部42及び可撓性チューブ43とは一体化された交換ユニット52を構成している。そして、この交換ユニット52は保持筒44の保持筒本体45に着脱可能に連結されるようになっている。このために、保持筒本体45の先端部には、交換ユニット52の基端部を構成する可撓性チューブ43の開口端が嵌合・固定される口金53がこの保持筒本体45に形成した通路54の先端側に形成したねじ部54aに螺挿されるようになっている。これによって、使用の都度、厚肉ゴム部41,バルーン部42及び可撓性チューブ43を保持筒44に交換して装着できるようになっており、また装着状態では、超音波伝達媒体供給用筒体51から通路54を介し、さらに可撓性チューブ43を経てバルーン部42内に超音波伝達媒体を供給できるようになる。
【0026】本実施の形態は以上のように構成されるものであり、体腔内で超音波検査を行うに当っては、超音波プローブ6にバルーン装置40を組み込み、かつ超音波プローブ6のコネクタ13を操作ユニット8に連結した状態で、内視鏡1の処置具挿通チャンネル4内に挿入することにより、超音波検査を行うことができる。ここで、バルーン装置40の超音波プローブ6への組み込みは、超音波プローブ6を、その超音波走査部11側からバルーン装置40の保持筒44側から挿入し、超音波走査部11がバルーン部42内に位置し、かつ保持筒本体45に設けたシール部50が超音波プローブの可撓コード12のコネクタ13への連結部に設けた折れ止めカバー33に圧接された状態で、締め付けリング48をコレット部46に沿って円筒部46bに乗り上げさせて、ストッパ部46cに当接する位置にまで移動させるだけの簡単な操作で行うことができる。
【0027】超音波検査は、内視鏡1を体腔内の所定の位置にまで導いた状態で、その処置具挿通チャンネル4内にバルーン装置40を組み込んだ超音波プローブ6を挿入して、挿入部3の先端から所定の長さだけ突出させた状態にして行う。この状態で、操作ユニット8により遠隔操作で超音波振動子17を回転駆動すると共に、この超音波振動子17の回転中に所定の角度毎に超音波パルスを体内に向けて送信し、体内組織の断層部分からの反射エコーを超音波振動子17に受信させ、この受信信号を超音波観測装置7の信号処理部7aに取り込んで、所定の信号処理を行うことにより超音波画像信号を生成し、この信号がモニタ7bに伝送されて、体内組織状態に関する情報を超音波画像としてモニタ7bに表示できる。
【0028】ここで、超音波の送受信特性を良好にするために、超音波振動子17と体腔内壁との間に空気が介在しないようにする。まず、少なくとも超音波プローブ6を構成する超音波走査部11内、好ましくは可撓性コード12内に超音波伝達媒体を充満させる。この超音波伝達媒体は流動パラフィン等の潤滑性のある素材で構成することによって、可撓性コード12を構成するスリーブ16内でのフレキシブルシャフト19の回転を円滑に行わせることができる。
【0029】また、超音波プローブ6にはバルーン装置40が着脱可能に組み込まれることから、その間に介在する空気を予め排除する。このためには、図6に示したように、バルーン装置40における先端の厚肉ゴム部41に注射器60の注射針61を刺し込んで、この注射器60により吸引しながら、超音波伝達媒体供給筒体51に超音波伝達媒体の供給部材を接続して、超音波伝達媒体を圧送する。ここで、この超音波伝達媒体としては、脱気水等を用いることができる。超音波伝達媒体供給筒体51から供給された超音波伝達媒体は通路54から可撓性チューブ43及びバルーン部42に供給され、この間に内部に含まれている空気が注射器60で吸引される。この時に、超音波プローブ6の超音波走査部11を上向きにした状態で前述の操作を行えば、内部から空気を完全に排出することができる。そして、空気が完全に排出された後に、注射器60を厚肉ゴム部41から抜き出すと、注射針61により穿孔された孔は閉塞状態となる。なお、この空気の排出操作時にはバルーン装置40の内部に超音波伝達媒体が入り込んで膨らんだ状態となる。そのままで処置具挿通チャンネル4に挿通させると、この処置具挿通チャンネル4の内壁にバルーン装置40の可撓性チューブ43やバルーン部42が摺接することになり、挿通時における抵抗が大きくなる。これを避けるには、空気が完全に排出されて、注射器60を脱着した後に、超音波伝達媒体の供給部材により負圧を作用させる。この結果、可撓性チューブ43が可撓コード12に、またバルーン部42は超音波走査部11に密着するようになり、バルーン装置40を装着した超音波プローブ6は、それを装着していない時と比較して、殆ど外径に差が出ないようになり、処置具挿通チャンネル4への円滑な挿通操作性が確保される。
【0030】バルーン装置40を組み込んだ超音波プローブ6が処置具挿通チャンネル4の先端から外部に突出させて、超音波走査を行う際には、超音波伝達媒体供給用筒体51に装着した供給部材から超音波伝達媒体を供給する。このようにして供給された超音波伝達媒体は保持筒本体45に形成した通路54から可撓性チューブ43と超音波プローブ6との間の隙間からバルーン部42内に送り込まれることになるので、このバルーン部42が膨らむようになる。また、保持筒本体45に設けたシール部50は折れ止めカバー33に圧接されているから、当該部位は確実にシールされた状態に保持し、保持筒46内に供給された超音波伝達媒体がそれとコネクタ13との間から漏出するおそれはない。勿論、超音波伝達媒体の供給時に内部に空気が入る込む余地もない。従って、超音波伝達媒体により膨らんだバルーン部42を体腔内壁に密着させることによって、超音波振動子17における超音波の送受信経路に空気が介在するのを防止できる。
【0031】ここで、可撓性チューブ43も超音波伝達媒体により膨らむが、この可撓性チューブ43は曲げ方向に可撓性を有するが、伸縮性が殆どないものであるから、所定の外径以上膨らむようなことはない。また、可撓性チューブ43は、その大半が処置具挿通チャンネル4内に位置しており、超音波プローブ6の可撓コード12及び超音波走査部11は少なくとも処置具挿通チャンネル4の内径より小さくなっているので、可撓性チューブ43と可撓コード12との間に超音波伝達媒体が流れる円環状の通路を確実に形成することができる。また、可撓性チューブ43が膨らむことによって、処置具挿通チャンネル4の内面に密着することもあるが、超音波走査を行っている間に超音波プローブ6を押し引き操作する訳ではないので、格別問題とはならない。なお、超音波プローブ6を押し引き操作して、超音波振動子17でリニア走査を行うようにする場合には、可撓性チューブ43が膨出した時に、処置具挿通チャンネル4の内面に密着しない寸法形状とする必要がある。
【0032】以上のように、超音波プローブ6の超音波走査部11をバルーン装置40のバルーン部42で囲繞させ、かつこのバルーン部42内に超音波伝達媒体を供給することにより膨出させた状態にすることにより正確な超音波検査が行われるが、超音波プローブ6は、体腔内に挿入されないコネクタ13を除いてその全体がバルーン装置40により覆われているので、超音波プローブ6が体内汚物等と接触する機械は全くない。従って、洗浄を行わなくても、また洗浄するにしても極めて簡単な洗浄を行っただけで、この超音波プローブ6を再使用することができる。そして、この時には、体内汚物等で汚損されているバルーン装置40の可撓性チューブ43から先端側の交換ユニット52のみを交換すれば良い。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、先端にバルーン部を有し、超音波プローブの超音波走査部を含み、コネクタまでの部位を覆うバルーン装置を装着する構成としたので、超音波プローブにバルーンを容易に装着でき、かつ超音波伝達媒体の供給を円滑にできる等の効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000005430
【氏名又は名称】富士写真光機株式会社
【出願日】 平成11年1月19日(1999.1.19)
【代理人】 【識別番号】100089749
【弁理士】
【氏名又は名称】影井 俊次
【公開番号】 特開2000−201934(P2000−201934A)
【公開日】 平成12年7月25日(2000.7.25)
【出願番号】 特願平11−10051