| 【発明の名称】 |
嚥下造影撮影記録用撮影台 |
| 【発明者】 |
【氏名】森山 法龍
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| 【要約】 |
【課題】摂食・嚥下障害に対し、その障害の発見や嚥下可能姿勢に発見、障害の観察、等々を、X線透視造影のビデオ記録によって図る方法があるが、その際使用される撮影台は、元来が狭隘な撮影室内では、背もたれ角度の調整作業、患者の移乗作業等を負担なく行なうことが困難であった。
【解決手段】昇降機構を具備する台座部と、該台座部上に固定される椅子部とにより構成されるものであって、該椅子部は、少なくとも座部、背部、ヘッドレストとを備え、且つ、該背部は該座部に対して可回動に取設され回動の適宜位置で固定できるリクライニング機能を備えており、また、該ヘッドレストを該背部上の適宜位置に固定させることのできる固定手段が備えられている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 昇降機構を具備する台座部と、該台座部上に固定される椅子部とにより構成されるものであって、該椅子部は、少なくとも座部、背部、ヘッドレストとを備え、且つ、該背部は該座部に対して可回動に取設され回動の適宜位置で固定できるリクライニング機能を備えており、また、該ヘッドレストが該背部上の適宜位置に固定させることのできる固定手段が備えられたものであることを特徴とする嚥下造影撮影記録用撮影台。 【請求項2】 該椅子部は、X線透過材料のみにより成るものである請求項1記載の嚥下造影撮影記録用撮影台。 【請求項3】 該ヘッドレストは、中央の窪んだものである請求項1又は2記載の嚥下造影撮影記録用撮影台。 【請求項4】 該リクライニング機能における背部の座部からの角度、及び該背部上に係止されるヘッドレストの傾斜と回動の角度は、それぞれ傾斜角度計と関節角度計によって数値化されるものである請求項1、2又は3記載の嚥下造影撮影記録用撮影台。 【請求項5】 背部は、座部後端近傍に可回動に取設されたレール部材に、摺動自在に設けられており、且つ、該レール部材の回動塾位置より前方の適宜位置と該背部の適宜位置とは連結杆を介して互いに可回動に連結されている請求項1、2、3又は4記載の嚥下造影撮影記録用撮影台。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、寝たきり老人や障害者の一部に見られる摂食・嚥下障害に対し、嚥下障害自体の発見、食物を誤嚥なく飲み込むことのできる姿勢の発見、あるいは嚥下障害の状況の観察、等を、X線透視造影のビデオ記録によって図る際に、X線撮影室に配置して使用される嚥下造影撮影記録用撮影台の構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】人間が最後まで尊厳を持って生きることができるように努めるべきであるという観点から、摂食障害の発生が比較的安易に経鼻胃チューブの使用に移行しがちであった状況を反省し、飲食物を味わって飲み込むという本来の姿を獲得する、という動きが近時活発に見られるようになっている。 【0003】唇や前歯で感じた感覚によって食物を前から後ろへ送ってゆき、咽喉部では、通常開いている気道を塞ぎ、代わりに食道を開いてその食物を押し込むことで、食物を摂る動作が完了するが、この食道を開いてその食物を押し込む動作(嚥下)がうまくゆかないことを嚥下障害という。 【0004】嚥下障害には、うまく食べられないので慢性的な脱水状態・低栄養状態を引き起こし易い、食物が肺に入って誤嚥性肺炎を起こしてしまう、介護者への負担がより増大する、といった問題がある。原因となる病気としては圧倒的に脳卒中が多く、ほかには痴呆疾患、口腔・喉頭・咽頭の腫瘍等がある。 【0005】従って、嚥下障害を初期段階で発見し、上記諸問題が顕著になる前に一刻も早く改善のための措置を講じることが重要となる。ところが現実には患者から訴えることは少なく、家族も気づきにくいために、改善の望めない状態まで悪化する場合も多いし、更に二次的な病気を起こすこと(例えば、脳卒中で嚥下障害に陥った人が、水が飲みづらくなって脱水症状になり、脳梗塞を悪化させる等)も少なくない。 【0006】そこで、X線による透視造影法にビデオ撮影技術を導入できるようになってきたことから、嚥下状態を観察し、障害の発見を図ることが行われるようになりつつある。但し、嚥下障害のためだけに病院内に専用設備を設ける例はほとんどなく、通常は既存のX線透視撮影室に椅子等を持ち込み、患者の体姿勢を変えながら観察するという手法が採られている。 【0007】また嚥下障害に陥った患者であっても、経口摂食が全く不可能であるということは少なく、通常は嚥下し易い姿勢というものがあり、その姿勢に限っては比較的楽に嚥下が可能である、という場合が多い。介護者が患者に食べさせる時は一般には、あごを少し引いた姿勢にした方が嚥下しやすい、誤嚥がある場合にはまっすぐ座らせるより30〜60度ほどの角度で寝かせた状態の方が良い、体躯麻痺が左右で異なる場合には麻痺程度の大きい側に少し向かせた方が良い、といった傾向があるとされているが、現実には各患者によってそれぞれ異なる最適姿勢があると考えるべきである。 【0008】そして、この「最適姿勢」を見つけ出す際にもX線透視造影撮影が利用できることが最近検討されるようになってきた。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかし上述したように、嚥下状態撮影専用のX線透視撮影室というものは現実には見られず、その結果既存のX線撮影室設備を援用している現在は、さまざまな姿勢をとらせながら嚥下状態を逐次観察することは容易ではない。 【0010】まず、日常動作がほとんど不可能といった患者の姿勢を変えるためには、椅子(又はベッド)側がその形状を変化することが必要となるが、療養ベッドやある種の椅子に備えられているような角度変更機能(リクライニング機能)程度では不十分である。背もたれ部分の角度を変えることに加え、頸を回したり傾けたりしながら、嚥下状況を観察したり最適姿勢を探す必要があるからである。 【0011】また、体の動きが不自由な患者を嚥下状態撮影台に移乗させる作業は、通常は介護者によるのであるが、存外に重労働である。更に、X線撮影装置においてそのカメラが固定式の場合には、患者の咽喉部分をカメラ位置まで移動させなければならず介護者にとって非常に煩雑な作業となる。即ち、例えば患者をストレッチャーや車椅子等に乗せ、高さを調節するために車椅子等の下に台としてビールケースを並べる、といった不安定且つ面倒な状況や作業が実際に見られた。 【0012】 【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、上記諸点に鑑み鋭意研究の結果遂に本発明を完成させたものであり、その特徴とするところは、昇降機構を具備する台座部と、該台座部上に固定される椅子部とにより構成されるものであって、該椅子部は、少なくとも座部、背部、ヘッドレストとを備え、且つ、該背部は該座部に対して可回動に取設され回動の適宜位置で固定できるリクライニング機能を備えており、また、該ヘッドレストが該背部上の適宜位置に固定させることのできる固定手段が備えられた点にある。 【0013】ここで「昇降機構」とは、患者を上下動させるための機構であり、その構造は特には限定しない。パンタグラフ式の構造、圧縮ガスシリンダーを用いた構造、等々が考えられる。また、駆動形態についても、手動ハンドルを回して昇降させるもの、モーターに接続されておりこれを検査者等がリモートコントロールするもの、等がある。これらの中から、撮影室の狭さや、作業性、コスト、等の条件に合ったものを適宜選択すれば良い。なお、基本的に撮影室において本発明撮影台が設置される場所は狭いことが多いので、できるだけコンパクトな構造であることが好ましいし、本発明撮影台は撮影室に固設されるものではなく撮影箇所に出し入れするものであるから、移動が容易で軽量なものが好ましい。 【0014】患者が乗る「椅子部」は、上記昇降装置を具備する台座部上に固定されるものである。通常は、椅子部を固定するフレームを昇降装置上に配置するので、このフレームが「台座」に相当する。そして「椅子部」は、少なくとも「座部」「背部」「ヘッドレスト」を備えている。 【0015】「座部」は、台座に固定されるものであるが、必ずしも台座に対して一体的に固設されている必要はなく、前後にスライド可能なものであっても良い。これは後述するリクライニング機能部分と関連する事項であるが、患者の上体の傾斜角度に応じて座部を前方に移動させるようにすれば重心位置のズレが少なくて済み安定性が確保しやすいという理由による。 【0016】また、重心位置のズレに起因する安定性の低下とは別に、傾斜角度が変わることで、体と背もたれがずれて密着が保たれないという問題もある。障害を持たない者であれば背もたれを倒しながら体を浮かせそのズレを補正するが、嚥下障害を持つ患者の多くは、そのような動作がとれないので、装置側でこの問題を解決すると好適である。そのための具体的な構造については本発明は限定しないし、そうした機能を具備しないものも本発明に含まれるものとする。 【0017】「背部」は、上記座部に可回動に取設される部材である。最適な嚥下位置を見つけるという目的のためだけであるのならば、この回動域は鉛直方向から30度の位置と60度の位置が往復できればほとんどカバーできるが、移乗の容易性等も考慮し、鉛直から水平までの可動域のものとしても構わない。このように背部がリクライニング機能を具備しており且つその可動域が大きいと、傾斜させてゆくにつれて重心が後方に移動することになる。そこで、この重心移動を補正する意味で、回動と連動して座部を前後させる機構を付加しても良いが、そうした機構の存在は本発明の必須要件ではない。なお背部表面は患者の腰から背中に対向し傾斜させればこれらと接することになる部分であるので、標準的な体躯形状に沿う凹凸があると好ましい。更に、患者は姿勢保持が自身では困難なことが多いので背部の中ほどを窪ませておくとより好適である。 【0018】「ヘッドレスト」は、文字通り患者の頭部を乗せる部材である。但し理美容椅子や自動車シート等に見られるヘッドレストと異なり本発明の場合には、頸部を体幹部に対してネジるような形で傾斜回動させてその状態を維持することもしばしばあるので、ヘッドレストは背部のどの位置にも固定できるように、固定手段が設けられている。固定手段の具体的な構造に関しては限定しない。患者の上半身を左右にズラす動きにも、頸部のみを回動させる動きにも自在に追従しえる位置にヘッドレストを移動させることができれば良いものである。例を挙げると、ヘッドレスト裏面に面ファスナーを設ける、背部内にレールを設けヘッドレストをその上に回動自在に固定する、等々の方法がある。さらにヘッドレストの形状についても特に限定はしないが、中央部分を窪ませて頭部の安定性を増しておれば、姿勢の固定や微調整(特に頸部の回動)が容易であり好ましい。材質については限定しない。 【0019】なお小児の場合、通常の大人用撮影台であると、座部の奥行き、座部と足台との距離、背部の高さ、等がいずれも大きすぎ、好適な観察が行ないにくくなる可能性がある。そのような場合に、椅子部のみを小児用のものと取り替えることができるようにすれば便利である。勿論、椅子部を構成する各部材の構造に工夫を凝らしそうした部材を調整することで体格差に対応可能とすることもできるであろうし、元来、調整や交換をせずに使用して重大な支障を来すわけではない。よって本発明はこれらの点について何ら限定を加えないものとする。 【0020】更に、本発明撮影台はX線透視造影撮影を前提とするものであるので、これが撮影を阻害しないことが望ましい。そのため、椅子部、特に背部とヘッドレストの材質をX線透過材料のみとすると、撮影を効率良く行ない得る。具体的には、プラスチックや繊維製品の組み合わせによって、フレームやクッション部分を製作する。 【0021】また、嚥下障害者の嚥下可能な姿勢を探すために本発明撮影台を使用した場合には、一旦発見した最適姿勢を例えば病室ベッドにおいても簡単に再現できるのが望ましい。そのため、リクライニング機能における背部の座部からの角度、及び該背部上に係止されるヘッドレストの傾斜と回動の角度を、それぞれ傾斜角度計と関節角度計によって数値化しておくと良い。数値化されたデータは、病室ベッド等においても再現できるように、該ベッド側にも再現に適した構造が求められるが、そうした点は本発明の構成要件には含まれていない。 【0022】ところで、リクライニング機能を有するシートに座り、座った状態のまま背もたれを倒してゆくと、シートの回転軸と、体躯の回転軸とが離反していることに起因して、背中が背もたれ表面からズレてしまう。そこで健康な人の場合は、背もたれを倒す際に体を少し浮かすようにしてズレないようにしたり、倒した後に着衣が背中から上方に押し上げられているのをやはり体を少し浮かしながら補正することで簡単に解決している。ところが、嚥下障害で苦しむといった患者にとってこの簡単な動作すら大抵不可能であるばかりか、ズレで着衣が押し上げられそれによって嚥下に支障を来すほどの圧迫を受けたとしても当人である患者自らは何も訴えかけないことが多く、傾斜によってもズレない、あるいはそのズレが小さい撮影台は非常に望ましい。 【0023】例えば背部の回転軸が、患者の上体の回転軸(側面視して股関節大腿骨骨頭大転子付近)と重なるように工夫すればこのズレは小さくできる。但しこの方法であると一般に患者の体格差に応じた調整は困難であるし、リクライニング機構を電動式とする際にも支障があってコンパクトな構造とはしにくい、といった問題がある。 【0024】そこで本発明者は、座部に背部を単に可回動に取設するのではなく、可回動でレール部材を座部後端に設け、このレール部材に摺動自在に背部を設けるという構造を見いだした。背部の摺動は、座部後端よりも前方の適宜箇所を中心に回動する連結杆と背部とが連結されていることで規制され、その結果、レール部材が回動するに従って背部は、下方(回動軸側)に摺動することになる。摺動量の調整は、連結杆の長さとその座部側回動軸位置を変更することで自在であり、非常に好適なものとなる。但し、このような「ズレ補正機構」は本発明に不可欠の要件ではないものとする。 【0025】 【発明の実施の形態】以下図面に基づき本発明を更に詳細に説明する。 【0026】図1は、本発明に係る嚥下造影撮影記録用撮影台1(以下「本発明撮影台1」という)の一例を示す分解斜視図であり、図より明らかなように本発明撮影台1は、台座部2と椅子部3とにより構成されている。そして台座部2は、移動用キャスター21を備えたベース22、該ベース22上に載置固定される昇降機構である駆動モーター23とジャッキ24、該ジャッキ24上端に固設された椅子部固定フレーム25、等とにより構成されている。また図示はしていないが、駆動モーター23の稼働や停止を遠隔操作するためのリモコン機や赤外線受光器その他も有している。 【0027】椅子部3は、座部31、背部32、ヘッドレスト33、及び足台34とにより構成されている。座部31は、台座部2側の椅子部固定フレーム25に固定されたものであり、レザーシートを模したプラスチックシートで覆われたクッション性のある部材である。中央付近は、患者の安定性向上に寄与すべく窪みが設けられている。 【0028】背部32は、座部31の後端に可回動に取設されたものである。材質は座部と同様レザーシートを模したプラスチックシートで覆われたクッション性のある部材であるが、上端側は後述するヘッドレスト33の面ファスナー35の係止箇所でもあるので、該係止を確実とすべく、起毛された合成繊維布にて形成されている。回動のための構造は、一般的な療養ベッドと同様ハンドルを回して角度の変更を行なうタイプのものであって、無段階の回動が可能となっている(図示せず)。背部32の前面(患者と接触する面)は、左右端近傍が肉厚に形成されており、座部31と同様患者の安定性の向上を図っているが、本例の本発明撮影台1の場合には、上体を背骨を中心軸として回動させるような座部31若しくは背部32の構造(換言すると、患者を寝返りさせる動きを椅子部が代行するという構造)となっていないので、患者の嚥下可能位置が極めて限定されており、しかも座部31と背部32の角度調整、或いはヘッドレスト33の位置調整では嚥下が不可能であるといった場合には、上体の左右いずれかの端に適当な部材(薄手の枕の如きもの)を介挿するようにしても良い(図示せず)。 【0029】ヘッドレスト33は、幅約20cm、長さ約30cmであり、厚さが周縁では約 5cm、中央付近では 3cmの枕状のものである。そしてこのヘッドレスト33の裏面は平坦でありここに面ファスナー35が縫着され、背部32への係止及び着脱が容易となっている。またヘッドレスト33は、取り外しのできる別部材であるので、患者の体型その他に応じた大きさものと交換するよう、幾種類かのものを具備すると汎用性が増し好適である。なお、面ファスナー35によって背部32に係止するという方法は、頸部をどのように移動させてもその位置に設置できるのでその点で好適であるが、位置調整する際にヘッドレスト33を背部32から剥がす必要があり、患者の頸部を載せたままの調整が困難ということも考えられる。そこで、背部32上を自在にスライドするがその時背部32から離反はしないというような構造の係止手段を設けると非常に好適である(図示せず)。 【0030】足台34は、文字通り患者の足を載置するための台であり、座部31に固定されたものである。図示した足台34は、座部31との距離に関しても完全に固定式であるが、座部31と足台34を繋ぐ杆材の長さを変更可能としても良い(図示せず)。更に、背部32を傾斜させるに従って座部31と足台34を繋ぐ杆材を水平に近づける方向に傾斜させる、という角度の調整が行なえるようにすることも可能であるが、身体姿勢が嚥下にどのような影響を与えるかについての理論が確立されていない現在、背部を傾斜させても膝関節は伸展させないほうが良いという説と、させたほうが良いという説が共に存在している。本発明者は、製造コストの問題、作業空間が限定されていることが多いという問題等を考慮し、足台の回動はしない構造のものを試作したが、膝関節の伸展が嚥下造影撮影に適していることが明らかとなった時には該伸展を可能とする足台構造を採用することが望ましい。なお、足台34の存在自体本発明にとって不可欠のものではないので、座部31の構造その他によっては省略することすら可能な部材である。 【0031】こうした構造の本発明撮影台1を撮影室に持ち込み、患者をこの上に移乗させ患者の頸部付近をX線造影のビデオ撮影によって観察(詳述すると、口腔から咽喉、食道までを透視造影)することで、その患者にとって最適な嚥下姿勢を知ることができる。なおその姿勢の再現が、他の場所(例えば病室)でも容易にできるように、背部32の座部からの角度、及び該背部32上に係止されるヘッドレストの傾斜と回動の角度を、数値化しておくと好適である。そのため、本例では傾斜角度計4(背部の座部からの角度用)と関節角度計5(頸部と上体との角度用)が取り付けられている。 【0032】傾斜角度計4及び関節角度計5によって計測された値は、プリンター6よりアウトプットされる(なお、プリンター6は実際には傾斜角度計4及び関節角度計5と接続され、それらからの情報を演算処理したのちアウトプットするが、本図では、接続コードその他の描出を省略している)。そしてアウトプットされたデータは、その患者特有の嚥下可能姿勢を示すものであり、そのデータを利用すれば、病室でもその姿勢が再現できることになる(病室ベッドが該再現を可能とする構造であることが条件であるが)。 【0033】次に図2は、背部32がその回動に従って傾斜角度を変更した時に、ここに寝る患者の体と背部32面とのズレを小さくするための工夫を凝らした二例のうちの一つを示す概略図である。座部31と背部32とのジョイント位置(回動軸位置)が上体回動軸位置に近づけられており、背部と上体の回動軸が一致していれば回動によってズレることはなくなる。なお図では、設定した回動位置に背部32を留めておくための構造は示されていないが、実際にはストッパーその他の部材を具備している。 【0034】図3(a)(b)は、上記ズレを小さくするための工夫を凝らした他の例を示したもので、背部32が座部31に直接取設されておらず、座部31に取設されたレール部材7に取り付けられている。レール部材7上を摺動する背部32にはまた、座部31側にその一端が可回動に取り付けられた連結杆8が取着されている。この連結杆8は座部側固定箇所(図では三箇所)の変更、或いは背部32の初期傾斜に応じて長さの調整が可能なように伸縮自在な構造となっているが、一旦固定した後は、リクライニングによって長さが変わることはない。同図(b)は、こうした構造において背部32がリクライニングに伴ってどういう挙動を示すかを図示したものである。なお本図においても設定した回動位置に背部32を留めておくためのストッパーその他の部材の描出を省略している。 【0035】 【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る嚥下造影撮影記録用撮影台は、昇降機構を具備する台座部と、該台座部上に固定される椅子部とにより構成されるものであって、該椅子部は、少なくとも座部、背部、ヘッドレストとを備え、且つ、該背部は該座部に対して可回動に取設され回動の適宜位置で固定できるリクライニング機能を備えており、また、該ヘッドレストが該背部上の適宜位置に固定させることのできる固定手段が備えられたものであることを特徴とするものであって、以下述べる如き種々の効果を有する極めて高度な発明である。 【0036】1) 昇降機能とリクライニング機能とを併せ持っているので、狭い撮影室に持ち込んでも、作業性が低下しにくい。 2) 嚥下の可能な姿勢が、体躯軸を傾斜させるだけでは得られないという場合でも、ヘッドレストの位置を適宜調整することで回旋を伴った頸部の傾斜にも対応可能な本発明撮影台であれば、より確実にその姿勢を知ることができる。 3) 嚥下に最適な姿勢を、数値化しておくことも可能であり、病室等で嚥下可能な姿勢を再現しやすくなる。 4) ズレ補正機構を具備するものでは、背もたれの傾斜に伴って体と背もたれ面との間でほとんどズレが発生しなくなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599006100 【氏名又は名称】有限会社ともみ工房
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| 【出願日】 |
平成11年1月13日(1999.1.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080724 【弁理士】 【氏名又は名称】永田 久喜
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| 【公開番号】 |
特開2000−201924(P2000−201924A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月25日(2000.7.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−5933 |
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