| 【発明の名称】 |
X線コンピュ―タ断層撮影装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 達郎
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| 【要約】 |
【課題】マルチスライスCT透視下において穿刺等の作業を適切且つ迅速に行えるようにしたX線コンピュータ断層撮影装置を提供することを目的とする。
【解決手段】再構成ユニット(36)により再構成された複数断面の画像のうちの少なくとも一枚の画像を特定画像と差分処理して差分画像を生成する画像処理手段を具備する。この画像処理手段により得られた差分画像と、再構成ユニット(36)により再構成された複数断面の画像のうちの他の画像とを並べて表示する。特定画像は、再構成手段ユニット(36)が画像収集の最初に再構成した同一断面位置の画像、直前または所定時間前に再構成した同一断面位置の画像である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 X線を発生するX線発生手段と、前記X線発生手段から発生し且つ被検体を透過した透過X線を検出する検出手段と、前記検出手段からの検出信号に基づき、1スキャンに要する時間よりも短い時間で複数断面の画像を再構成する再構成手段と、前記再構成手段により再構成された複数断面の画像のうちの少なくとも一枚の画像を特定画像と差分処理して差分画像を生成する画像処理手段と、前記画像処理手段により得られた差分画像と前記再構成手段により再構成された複数断面の画像のうちの他の画像とを並べて表示する表示手段と、を具備することを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。 【請求項2】 前記再構成手段により再構成された複数断面の画像のなかから前記差分処理の対象画像を切り替える切替手段をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。 【請求項3】 前記特定画像は、前記再構成手段が直前に再構成した同一断面位置の画像であることを特徴とする請求項1又は2に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。 【請求項4】 前記画像処理手段は、前記再構成手段により再構成された複数断面の画像のうち、断面位置が両端又は両端付近の画像に対して前記差分処理を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のX線コンピュータ断層撮影装置。 【請求項5】 前記画像処理手段が生成した差分画像の画素の値を所定の閾値と比較し、当該閾値を超えた場合はその旨を操作者に対して警告する警告手段をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のX線コンピュータ断層撮影装置。 【請求項6】 前記警告手段は、差分処理対象の画像毎で異なる警告を行うことを特徴とする請求項5に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。 【請求項7】 X線を発生するX線発生手段と、前記X線発生手段から発生し且つ被検体を透過した透過X線を検出する検出手段と、前記検出手段からの検出信号に基づき、1スキャンに要する時間よりも短い時間で複数断面の画像を再構成する再構成手段と、前記再構成手段が再構成した複数断面の画像のうち、少なくとも所定の一枚の画像の画素の値を所定の閾値と比較し、当該閾値を超えた画素の値からなる閾値画像を生成する画像処理手段と、前記画像処理手段により得られた閾値画像と前記再構成手段により再構成された複数断面の画像のうちの他の画像とを並べて表示する表示手段と、を具備することを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。 【請求項8】 前記閾値は前記被検体と当該被検体への挿入物と弁別可能とする画素の値であることを特徴とする請求項7に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。 【請求項9】 前記表示手段は、前記閾値画像が他の画像と区別可能となるように色付けすることを特徴とする請求項7又は8に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。 【請求項10】 前記画像処理手段は、前記再構成手段が再構成した複数断面の画像のうち、断面位置が両端又は両端付近の画像に対して前記閾値処理を行うことを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載のX線コンピュータ断層撮影装置。 【請求項11】 前記閾値処理手段による閾値処理における前記閾値の超過を操作者に警告する警告手段をさらに具備することを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載のX線コンピュータ断層撮影装置。 【請求項12】 前記警告手段は、閾値処理対象の画像毎に異なる警告を行うことを特徴とする請求項11に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。 【請求項13】 X線を発生するX線発生手段と、前記X線発生手段から発生し且つ被検体を透過した透過X線を検出する検出手段と、前記検出手段からの検出信号に基づき、1スキャンに要する時間よりも短い時間で複数断面の画像を再構成する再構成手段と、前記再構成手段が再構成した複数断面の画像のうち、少なくとも一枚の画像を他の画像よりも拡大して表示する表示手段と、を具備することを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。 【請求項14】 前記被検体に挿入された挿入物の位置を検出する検出手段をさらに具備し、前記表示手段は、前記再構成手段が再構成した複数断面の画像のうち、前記検出手段が検出した位置に対応する画像を他の画像よりも拡大して表示することを特徴とする請求項13に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。 【請求項15】 前記表示手段は、前記再構成手段が再構成した複数断面の画像のうち、断面位置がほぼ中央の画像を拡大して表示することを特徴とする請求項13に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は複数列によって構成された検出器を有し、この検出器からのデータに基づき、スキャンに要する時間よりも短い時間で複数枚の画像を再構成してリアルタイム表示するX線コンピュータ断層撮影装置に関する。 【0002】 【従来の技術】1スキャンに要する時間よりも短い時間で複数枚(必ずしも検出器列の数とは対応しない)の断層画像を一度に再構成し、これらの画像をほぼリアルタイムで表示(CT透視)することが可能なCTとしてマルチスライスCTが知られている。 【0003】いわゆる従来のシングルスライスCTでは、1枚の断層像しか透視を行えなかったが、マルチスライスCTでは同時に複数枚(複数スライス)のCT透視が可能である。CT透視においては、あたかもリアルタイムで断層像が表示される。 【0004】マルチスライスCT透視は、このように同時に複数枚の断層像を観察できることから種々の診断例えば生検等、における穿刺針のはみ出し検知に有用である。 【0005】一例として、3列の検出器列から成るマルチスライス検出器を有する従来のマルチスライスCTにおいて、X線管から放射されたX線(放射線)は、プリコリメータによって3スライス分に相当する厚さにコリメートされる。コリメータされたX線は被検体を透過した後、マルチスライス検出器に入射する。そして、各々の検出器列に対応した画像がディスプレイに別々に表示される。 【0006】そして、穿刺等を行う場合は穿刺の操作者は架台(ガントリ)の近くに立ち、架台の近くにあるディスプレイを見ながら作業を行うことになる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】上述したようなマルチスライスCT透視を行なえるように構成された従来のX線コンピュータ断層撮影装置には、次のような問題点がある。 【0008】マルチスライスCT透視において、再構成された画像を単に並列に表示するのみでは、観察者に対し多数枚の画像を同時に観察することを強いることになるので、観察者は現在どのような状況下にあるのかを迅速且つ適切に把握することが困難となる。特に透視画像の枚数が多くなるとこの問題はより顕著となる。 【0009】例えば穿刺においては、3枚の画像を並べて表示させ、中央の画像に沿って穿刺針を挿入し、その両端の画像を穿刺針のはみ出し検知に用いる場合が多い。 【0010】しかしながら、同時に3枚の画像を詳細に観察することは熟練者であってもかなりの負担がかかることであり、穿刺針の挿入経路がずれるといった状況の認識が遅れてしまう可能性がある。これを防止するために穿刺作業をゆっくりと時間をかけて行えば、作業に時間がかかるばかりでなく、被検体への被爆量の増加を招いてしまう。 【0011】したがって、従来より、マルチスライスCT透視下において穿刺等の作業を適切且つ迅速に行えるような新たな仕組みが望まれている。 【0012】また、次のような問題点もある。 【0013】マルチスライスCT透視において、再構成された画像を単に並列に表示させた場合、個々の画像は必然的に縮小して表示させることになり、このため詳細に観察しにくくなるという問題点がある。例えば同時に3枚の画像を並べて表示する場合、その1枚のみを表示させる場合と比較して画像のサイズは3分の1となってしまう。 【0014】穿刺等の作業を行う場合、ターゲット部位の近傍では特に詳細な観察が必要であるとされている。穿刺針先端位置の認識を術者が誤ると、例えばバイオプシではターゲット部位ではない組織を切り取ってしまうといったことが起こる可能性がある。 【0015】したがって、本発明の目的はマルチスライスCT透視下において穿刺等の作業を適切且つ迅速に行えるようにしたX線コンピュータ断層撮影装置を提供することである。 【0016】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を達成するために本発明は次のように構成されている。 (1)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は、X線を発生するX線発生手段と、前記X線発生手段から発生し且つ被検体を透過した透過X線を検出する検出手段と、前記検出手段からの検出信号に基づき、1スキャンに要する時間よりも短い時間で複数断面の画像を再構成する再構成手段と、前記再構成手段により再構成された複数断面の画像のうちの少なくとも一枚の画像を特定画像と差分処理して差分画像を生成する画像処理手段と、前記画像処理手段により得られた差分画像と前記再構成手段により再構成された複数断面の画像のうちの他の画像とを並べて表示する表示手段と、を具備する。 (2)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は上記(1)に記載の装置であって、且つ前記再構成手段により再構成された複数断面の画像のなかから前記差分処理の対象画像を切り替える切替手段をさらに具備することを特徴とする。 (3)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は上記(1)又は(2)に記載の装置であって、且つ前記特定画像は、前記再構成手段が直前に再構成した同一断面位置の画像であることを特徴とする。 (4)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の装置であって、且つ前記画像処理手段は、前記再構成手段により再構成された複数断面の画像のうち、断面位置が両端又は両端付近の画像に対して前記差分処理を行うことを特徴とする。 (5)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の装置であって、且つ前記画像処理手段が生成した差分画像の画素の値を所定の閾値と比較し、当該閾値を超えた場合はその旨を操作者に対して警告する警告手段をさらに具備することを特徴とする。 (6)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は上記(5)に記載の装置であって、且つ前記警告手段は、差分処理対象の画像毎で異なる警告を行うことを特徴とする。 (7)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置はX線を発生するX線発生手段と、前記X線発生手段から発生し且つ被検体を透過した透過X線を検出する検出手段と、前記検出手段からの検出信号に基づき、1スキャンに要する時間よりも短い時間で複数断面の画像を再構成する再構成手段と、前記再構成手段が再構成した複数断面の画像のうち、少なくとも所定の一枚の画像の画素の値を所定の閾値と比較し、当該閾値を超えた画素の値からなる閾値画像を生成する画像処理手段と、前記画像処理手段により得られた閾値画像と前記再構成手段により再構成された複数断面の画像のうちの他の画像とを並べて表示する表示手段と、を具備する。 (8)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は上記(7)に記載の装置であって、且つ前記閾値は前記被検体と当該被検体への挿入物と弁別可能とする画素の値であることを特徴とする。 (9)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は上記(7)又は(8)に記載の装置であって、且つ前記表示手段は、前記閾値画像が他の画像と区別可能となるように色付けすることを特徴とする。 (10)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は上記(7)乃至(9)のいずれかに記載の装置であって、且つ前記画像処理手段は、前記再構成手段が再構成した複数断面の画像のうち、断面位置が両端又は両端付近の画像に対して前記閾値処理を行うことを特徴とする。 (11)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は上記(7)乃至(10)のいずれかに記載の装置であって、且つ前記閾値処理手段による閾値処理における前記閾値の超過を操作者に警告する警告手段をさらに具備することを特徴とする。 (12)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は上記(11)に記載の装置であって、且つ前記警告手段は、閾値処理対象の画像毎に異なる警告を行うことを特徴とする。 (13)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は、X線を発生するX線発生手段と、前記X線発生手段から発生し且つ被検体を透過した透過X線を検出する検出手段と、前記検出手段からの検出信号に基づき、1スキャンに要する時間よりも短い時間で複数断面の画像を再構成する再構成手段と、前記再構成手段が再構成した複数断面の画像のうち、少なくとも一枚の画像を他の画像よりも拡大して表示する表示手段と、を具備することを特徴とする。 (14)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は上記(13)に記載の装置であって、且つ前記被検体に挿入された挿入物の位置を検出する検出手段をさらに具備し、前記表示手段は、前記再構成手段が再構成した複数断面の画像のうち、前記検出手段が検出した位置に対応する画像を他の画像よりも拡大して表示することを特徴とする。 (15)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は上記(13)に記載の装置であって、且つ前記表示手段は、前記再構成手段が再構成した複数断面の画像のうち、断面位置がほぼ中央の画像を拡大して表示することを特徴とする。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。 【0018】図1は本発明のX線コンピュータ断層撮影装置の実施形態に係るマルチスライスCT透視システムの外観を示す図、図2はこのシステムの概略構成を示すブロック図である。 【0019】図1及び図2に示すように、マルチスライスCT透視システムは、ガントリ1、寝台2、制御キャビネット3、入力器6、電源4、ディスプレイ5,7、および各種コントローラ31〜33を備え、例えばR−R方式で駆動されるようになっている。コントローラとしては、高電圧コントローラ31、架台コントローラ33,および寝台コントローラ32が備えられる。 【0020】ここで、図1に示す如く、寝台2の長手方向をスライス方向(または回転軸方向)Zとして、これに直交する2方向をチャンネル方向XおよびX線ビーム曝射方向Yとしてそれぞれ定義する。 【0021】寝台2の上面には、その長手方向(スライス方向Z)にスライド可能に支持された状態で天板2aが配設されており、その天板2aの上面に被検体Pが載置される。天板2aは、サーボモータに代表される寝台駆動装置2bの駆動によってガントリ1の診断用開口部に進退可能に挿入される。この寝台駆動装置2bには、コントローラ32からの駆動信号が供給される。寝台2はまた、天板2aの寝台長手方向の位置を電気信号で検出するエンコーダなどの位置検出器(図示せず)を備えており、この検出信号を寝台制御用の信号としてコントローラ32に送るようになっている。 【0022】ガントリ1は、その内部にほぼ円筒状の回転フレームを有する。回転フレームの内側には上述の診断用開口部が位置する。回転フレームには、図2に示すように上記診断用開口部に挿入された被検体を挟んで互いに対向するようにX線管10及びマルチスライス検出器11が設けられる。さらに、回転フレームの所定位置には高電圧発生器21、プリコリメータ22、プリコリメータコントローラ221、データ収集装置(DAS)24、および架台駆動装置25が設けられる。 【0023】プリコリメータ22は、スライス方向の可変開口を有し、X線管10から発生されたX線のスライス方向のビーム幅を規定するものであり、この可変開口幅はプリコリメータコントローラ221によって制御されるものとなっている。 【0024】X線源として機能するX線管10は、例えば回転陽極X線管の構造を成し、高電圧発生器21からフィラメントに電流を流すことによりフィラメントが加熱され、熱電子がターゲットに向かって放出される。この熱電子はターゲット面に衝突して実効焦点が形成され、ターゲット面の実効焦点の部位からX線ビーム(ファンビーム)が曝射される。 【0025】高電圧発生器21には、低圧スリップリング26を介して電源装置4から低電圧電源が供給されるとともに、光信号伝送システム27を介して高電圧コントローラ31からX線曝射の制御信号が与えられる。このため高電圧発生器21は、供給される低圧電源から高電圧を生成するとともに、この高電圧から制御信号に応じたパルス状の管電圧を生成し、これをX線管10に供給する。 【0026】また、マルチスライス検出器11は、図3に示すように、複数の検出チャンネルを有する検出器列111をスライス方向に複数列配(本実施形態では6列)した2次元検出器から成る。 【0027】X線管10とマルチスライス検出器11は回転フレームの回転によってガントリ1内で、診断用開口部における軸方向の回転中心軸の囲りに回転可能になっている。マルチスライス検出器11の各検出素子は、入射する透過X線をこれに相当する電流信号に変換するシンチレータおよびフォトダイオードの個体検出器構造を有する。マルチスライス検出器11が検出した微弱電流信号はDAS24に送られる。 【0028】DAS24は、マルチスライス検出器11から送られてくる透過X線の検出信号としての微弱電流信号を増幅してA/D変換し、これを収集データとしてデータ伝送部28に送る。これを行うため、DAS24は、マルチスライス検出器11が2次元検出器であることを考慮して、図示しないが「nチャンネル×f素子列」の検出信号(n,fは「1」より大きい正の整数)から列選択信号に応じてチャンネルごとに1列分の検出信号を選択し、これを束ね合わせるデータ選択部と、このデータ選択部により各々選択された検出信号を増幅したりA/D変換するデータ収集部とを備える。列選択信号は例えば後述するメインコントローラから与えられる。 【0029】データ伝送部28はガントリ1内の回転側と固定側の信号経路を接続するものであり、ここでは一例として、非接触で信号伝送する光伝送システムが使用される。 【0030】補正ユニット34は、メインコントローラ30からの処理指令に応じて、DAS24から送られてくるデジタル量の収集データに各種の補正処理を施す。この補正処理された収集データは、メインコントローラ30の書き込み指令によってデータ保存ユニット35に一旦格納・保存される。この保存データはメインコントローラ30の所望タイミングでの読み出し指令に応じてデータ保存ユニット35から読み出され、再構成ユニット36に転送される。再構成ユニット36は、メインコントローラ30の管理下において、再構成用の収集データが転送されたきた段階で、例えばコンボルーションバックプロジェクション法に基づきスライス毎の再構成処理を行い、断層像を生成する。 【0031】断層像データは、メインコントローラ30の制御により、必要に応じてデータ保存ユニット35に保存される一方、表示プロセッサ37にも送出される。表示プロセッサ37は、この断層像データにカラー化処理、アノテーションデータやスキャン情報の重畳処理などの必要な処理を行い、ディスプレイ5に供給する。ディスプレイ5においては、画像データがD/A変換され、断層像として表示される。入力器6は、スキャン条件(検出器の検出器列の数及びその位置、スキャン部位及び位置、スライス厚、X線管電圧及び電流、被検体に対するスキャン方向などを含む)、画像表示条件などの種々の指定を操作者が行うための手段である。 【0032】本実施形態のシステムは、マルチスライスCT透視を実施することが可能となっており、すなわち、上述した再構成ユニット36は1スキャンに要する時間よりも短い時間で関心画像及び非関心画像を含む少なくとも1又は複数枚(必ずしも検出器列の数とは対応しない)の画像(断層像)を再構成する。再構成された各々の画像は、ほぼリアルタイムでディスプレイ5に表示される。 【0033】いわゆる穿刺等の生検を実施する場合には、穿刺の操作者(術者)はガントリ1の近くに立ってディスプレイ5の表示画像を観察しながら作業を行う。 【0034】以下、本実施形態のマルチスライスCT透視システムの特徴点に係る第1乃至第3の実施形態について説明する。 【0035】(第1実施形態)第1実施形態は差分処理画像の表示を行うマルチスライスCT透視に関する。 【0036】本実施形態のシステムでは、スライス位置に対応した画像の表示枚数、及び画像のスライス厚を任意に設定可能となっている。ここでは、例えば検出器列の1列目と2列目からのデータを束ねて1枚の画像を得るようにし、同様に3列目と4列目からのデータを束ねて1枚の画像を得るようにし、さらに5列目と6列目からのデータを束ねて1枚の画像を得ることで、合計3枚の画像の透視モードを実施する。 【0037】[入力器]図4は、本実施形態の入力器を示す図である。この入力器は、使用する検出器例と画像束ね、及び差分処理画像を指定するための手段であって、入力器6内に設けられる。尚、入力器6は、ガントリ1、寝台2、又は図1に示したように制御キャビネット3上のいずれかの箇所に設けられる。 【0038】図4において、40は検出器列の番号、架台側と寝台側、及び画像の番号を示すアイコン(絵図)であり、41は内部にLEDを備え、検出器列の番号と画像の番号とを対応付けるための複数のボタンであり、42は41と同様に内部にLEDを備え、差分処理する画像をその画像番号によって指定するための複数のボタンである。 【0039】操作者がいずれかのボタン41を押下すると、そのボタン内部のLEDが点灯するようになっており、この操作を行うことで、各画像に対し必要な検出器列を割り当てることができる。 【0040】複数の検出器列が一つの画像に対して選択された場合には、それらの検出器列からの収集データは束ねられて一つの画像となる(画像束ね)。 【0041】また、操作者がいずれかのボタン42を押下すると、そのボタン内部のLEDが点灯するようになっており、この操作を行うことで差分処理する画像を指定できる。 【0042】この入力器6による指定の一例を図5に示す。 【0043】点灯しているボタン(ハッチングによって示す)は、そのボタンが操作者により押下されたことを意味する。尚、ここではボタンによって上述した条件を指定する場合であるが、これがディスプレイとタッチパネルにより実現されてもいいし、マウスカーソルをディスプレイ画面において所定の場所に移動させてクリックすることでタッチパネルの代用としても良い。 【0044】入力器6によるボタンの押下情報を表す信号はメインコントローラ30に送られる。メインコントローラ30はこの押下情報に基づいて次のように動作する。 【0045】図6は、メインコントローラ30の動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、入力器6からの指定を受けて、メインコントローラ30が行う判断過程等を示したものである。 【0046】先ずステップS1において、術者は、使用する検出器列と画像束ね及び差分処理する画像を入力器6を用いて指定する。次にステップS2において、使用する検出器列に応じてプリコリメータ制御信号を架台コントローラ33に出力する。次に、ステップS3において、補正ユニット34に対し束ねる収集データを指示する。次に、ステップS4において、再構成ユニット36に対し画像枚数分の再構成を行うように指示する。そして、表示プロセッサ37に対し差分処理する画像を指示する。 【0047】[プリコリメータ開口制御]図7はプリコリメータの開口幅を制御する機構を示す図である。 【0048】プリコリメータコントローラ221は、プリコリメータ22の2枚のブレード22a、22bの回転軸方向の位置を独立して制御する。一方、プリコリメータ22は、2枚のブレード22a、22bの動作位置を示すパルスを出力する。 【0049】ステッピングモータ(又はサーボモータ)73はそのパルスに応じ減速機を介してピニオンギア72を回転駆動する。ピニオンギア72の回転力はラックギア72に伝達され、これにより回転運動が直線運動に変換され、プリコリメータ22のそれぞれのブレード22a、22bの位置を制御できる。 【0050】図7に示したプリコリメータの開口幅制御のための機構は、あくまで一例であり、開口幅のみならずプリコリメータの位置を制御できれば他のいかなる方法であっても構わない。 【0051】[束ねの動作]次に、上記の設定に従い、図8(a)に示すように、プリコリメータ22は検出器6列分に相当する開口幅とし、マルチスライスCT透視が開始される。 【0052】この時、6列分の収集データはそのまま補正ユニット34に送られるが、図8(b)に示すように、中央の4列が束ねられて3画像分に相当する収集データを得る。メインコントローラ30からの指示に従って上記指定された画像方向でスキャンに要する時間より短い時間で3枚の画像が再構成され、表示プロセッサ37に送られる。 【0053】[束ねと再構成]次に、上記の設定に従い、図8(a)に示すように、プリコリメータ22は検出器6列分に相当する開口幅とし、マルチスライスCT透視が開始される。 【0054】この時、6列分の収集データはそのまま補正ユニット34に送られるが、図8(b)に示すように、検出器列の1列目と2列目、3列目と4列目、及び5列目と6列目の各々のデータが束ねられて3画像分に相当する収集データが得られる。そして、メインコントローラ30からの指示に従い、1回のスキャンに要する時間よりも短い時間で3枚の画像が再構成され、この再構成画像は表示プロセッサ37に送られる。 【0055】[差分処理]本実施形態における「差分処理」とは、再構成ユニット36が再構成した複数断面の画像のうちの少なくとも一枚の画像を特定画像と差分処理して差分画像を生成することである。この場合の「特定画像」とは、再構成ユニット36が画像収集の最初に再構成した同一断面位置の画像である。 【0056】[ディスプレイへの表示]表示プロセッサ37はメインコントローラ30からの指示に従って、再構成された3枚の画像をディスプレイ5に表示させる。図8(b)に示すディスプレイ5はこの場合の表示例を示す。 【0057】[穿刺における第1の表示例:中央画像に沿って穿刺]図9は本実施形態のマルチスライスCT透視システムを利用して穿刺を行った場合における第1の表示例を示す図である。この表示例は、被検体に穿刺針を挿入し始めてからこの穿刺針がターゲットに到達するまでの一連の表示例を示しており、術者は画像2に表示されているターゲットに対し、画像2のスライス幅からはみ出さないように穿刺針を挿入する。 【0058】図9(a)は穿刺針の挿入直前の状態を示しており、画像2の両脇の画像(画像1及び3)は未だ差分処理がなされていない。ここで、術者はターゲットと穿刺針が画像2に入っていることを確認する。 【0059】図9(b)に示すように、画像2の両脇の画像を差分表示に切り替えてから穿刺作業を開始する。差分表示への切替は上述した入力器6を用いて行われる。 【0060】図9(c)は、穿刺針の先端が画像3側にずれた状態を示している。ここで画像3(及び画像1)は差分表示に切り替えられている。 【0061】再構成ユニット36により再構成された画像と画像収集の最初の一枚目との差分処理を行った場合、最初の一枚目には穿刺針は描出されていないため、生成される差分処理画像(すなわち画像3)は穿刺針のみを鮮明に表す画像となる。 【0062】したがって、穿刺の術者は画像3を観察することで穿刺針の挿入方向の画像3方向へのずれを明確に把握し、適切な修正を行える。 【0063】一方、図9(d)は穿刺針の先端が画像1側にずれた状態を示している。ここで画像1は画像3と同様に差分表示に切り替えられている。生成される差分処理画像(この場合、画像1)は画像3と同様に穿刺針のみを鮮明に表す画像となる。このため、穿刺の術者は画像1を観察することで穿刺針の挿入方向の画像1方向へのずれを明確に把握し、適切な修正を行える。 【0064】以上のように、穿刺針の挿入方向が図9(c)又は図9(d)に示したようにずれた場合、穿刺の術者は差分画像に基づいて穿刺針の挿入方向のずれを明確に把握し、適切な修正を行える。したがって、図9(e)に示すように、穿刺針を腫瘍等のターゲットに確実に到達させることができるようになる。 【0065】[穿刺における第2の表示例:斜めに穿刺]図10は本実施形態のマルチスライスCT透視システムを利用して穿刺を行った場合における第2の表示例を示す図である。この表示例は、肋骨等を避けるため被検体に対し斜めに穿刺針を挿入する場合の表示例を示しており、術者は画像3に表示されているターゲットに対し、画像1及び画像2に表示される位置を経て穿刺針を挿入する。 【0066】図10(a)は穿刺針の挿入直前の状態を示しており、術者は穿刺針の先端が画像1に入っていることを確認し、またターゲットが画像3に入っていることを確認する。 【0067】穿刺針の先端が画像2に到達したことを明確に知るために画像2を差分表示に切り替えてから穿刺を開始する(図10(b))。なお、画像3はターゲットを表示させる必要があるため差分表示は行わない。 【0068】図10(c)に示すように、術者は、差分表示されている画像2を観察することで穿刺針の先端が画像2の位置に到達したことを知る。 【0069】次に、画像2を詳細に観察するために入力器6を操作して画像2の差分表示を解除する(図10(d))。なお、再び穿刺針が戻ってこないことを確認するため画像1は差分表示に切り替えておく。 【0070】次に図10(e)に示すように、術者は、差分表示されている画像3を観察することで穿刺針の先端が画像3の位置に到達したことを知る。 【0071】以上のように、肋骨等を避けるため穿刺針を被検体に対し斜めに挿入する場合、穿刺針の挿入経路に位置する画像を適宜差分表示に切り替えることで、穿刺針の先端を明確に把握しながら挿入を行うことができる。したがって、図10(f)に示すように、穿刺針を腫瘍等のターゲットに確実に到達させることができるようになる。 【0072】以上説明したように、第1実施形態によれば、再構成画像の差分表示に基づいて穿刺における穿刺針のような挿入物の位置を明確に把握して作業を行えるようになる。これにより穿刺針等が被検体の臓器等に誤って刺さされるという危険を容易に回避することができるようになり、高精度の穿刺作業を迅速に行えるようになる。したがって、被検体に与える被爆を最小限に抑えることができる。 【0073】ここで、第1実施形態の変形例を述べる。 【0074】[差分対象の画像]上述した実施形態は、画像収集の最初に再構成された同一断面位置の画像との差分を取るものであったが、直前あるいは所定時間前に再構成された画像との差分を取るようにしても良い。これにより、ぜん動や穿刺針の挿入による臓器の移動等による影響が差分画像に表れてしまうことを防止でき、差分画像が観察しやすくなる。 【0075】[警告表示]差分表示を指定した画像について、その差分値が所定の閾値を超えた場合は、図11に示すように、警告を表示(図11の例では「注意」という表示)させても良い。図11(a)は画像3に穿刺針が到達し、画像3の差分値が閾値を超えた結果、画像3の下部にメッセージが表示された場合を示し、図11(b)は画像1に穿刺針が到達し、画像1の差分値が閾値を超えた結果、画像1の下部にメッセージが表示された場合を示している。 【0076】このように閾値を超過したことを観察者に対し積極的に知らせることにより、例えば穿刺針等の挿入物が隣の画像に入ってしまったこと等を、より確実に把握できるようになる。 【0077】警告は、文字表示のみに限定されず、例えば、画像の背景色を変化させたり、画面の背景を点滅させたり、あるいは警告音を発するようにしても良い。 【0078】さらに、差分表示を指定した画像毎で異なる警告を行わせても良い。例えば、画面の背景色を変化させる構成であれば、差分画像毎で異なる色を割り付ける。また、音による警告を行う構成であれば、差分画像毎で異なる音を割り付ける。 【0079】このように、画像表示のみならず他の手段により穿刺針の挿入を明確に把握できるようになるので、穿刺針の挿入作業がより効率的に行えるようになる。 【0080】(第2実施形態)第2実施形態は閾値処理画像の表示を行うマルチスライスCT透視に関する。 【0081】本実施形態のシステムでは、スライス位置に対応した画像の表示枚数、及び画像のスライス厚を任意に設定可能となっている。ここでは、例えば検出器列の1列目と2列目からのデータを束ねて1枚の画像を得るようにし、同様に3列目と4列目からのデータを束ねて1枚の画像を得るようにし、さらに5列目と6列目からのデータを束ねて1枚の画像を得ることで、合計3枚の画像の透視モードを実施する。 【0082】[入力器]図12は、本実施形態の入力器を示す図である。この入力器は、使用する検出器例と画像束ね、及び閾値処理画像を指定するための手段であって、入力器6内に設けられる。尚、入力器6は、ガントリ1、寝台2、又は図1に示したように制御キャビネット3上のいずれかの箇所に設けられる。 【0083】図12において、40は検出器列の番号、架台側と寝台側、及び画像の番号を示すアイコン(絵図)であり、41は内部にLEDを備え、検出器列の番号と画像の番号とを対応付けるための複数のボタンであり、42は41と同様に内部にLEDを備え、閾値処理する画像をその画像番号によって指定するための複数のボタン及び閾値処理画像毎に閾値を設定するためのダイヤルである。 【0084】操作者がいずれかのボタン41を押下すると、そのボタン内部のLEDが点灯するようになっており、この操作を行うことで、各画像に対し必要な検出器列を割り当てることができる。 【0085】複数の検出器列が一つの画像に対して選択された場合には、それらの検出器列からの収集データは束ねられて一つの画像となる(画像束ね)。 【0086】また、操作者がいずれかのボタン42を押下すると、そのボタン内部のLEDが点灯するようになっており、この操作を行うことで差分処理する画像を指定できる。また、ダイヤルを操作することで閾値を数値指定することができる。 【0087】この入力器6による指定の一例を図13に示す。 【0088】点灯しているボタン(ハッチングによって示す)は、そのボタンが操作者により押下されたことを意味する。尚、ここではボタンによって上述した条件を指定する場合であるが、これがディスプレイとタッチパネルにより実現されてもいいし、マウスカーソルをディスプレイ画面において所定の場所に移動させてクリックすることでタッチパネルの代用としても良い。 【0089】入力器6によるボタンの押下情報を表す信号はメインコントローラ30に送られる。メインコントローラ30はこの押下情報に基づいて次のように動作する。 【0090】図14は、メインコントローラ30の動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、入力器6からの指定を受けて、メインコントローラ30が行う判断過程等を示したものである。 【0091】先ずステップS1において、術者は、使用する検出器列と画像束ね及び差分処理する画像を入力器6を用いて指定する。次に、ステップS2において、使用する検出器列に応じてプリコリメータ制御信号を架台コントローラ33に出力する。次に、ステップS3において、補正ユニット34に対し束ねる収集データを指示する。次に、ステップS4において、再構成ユニット36に対し画像枚数分の再構成を行うように指示する。そして、表示プロセッサ37に対し閾値処理する画像を指示する。 【0092】[閾値処理]本実施形態における「閾値処理」とは、再構成ユニット36が再構成した複数断面の画像のうちの少なくとも一枚の画像の画素の値を所定の閾値と比較し、この閾値を超えた画素のみからなる画像を生成することである。閾値は、被検体と被検体への挿入物(ここでは穿刺針)とを弁別可能とする特定の画素の値(例えばCT値)であり、例えば本実施形態ではCT値500を閾値として設定する。 【0093】[ディスプレイへの表示]表示プロセッサ37はメインコントローラ30からの指示に従って、再構成された3枚の画像をディスプレイ5に表示させる。この場合の表示例は第1実施形態の図9と同様であり、画像1及び画像3が閾値処置画像である。閾値処理画像においてはCT値が500以上の部分のみが表示される。このため、CT値が500以上である穿刺針のみが表示されることになる。 【0094】このような第2実施形態によれば、CT値が高い穿刺針が閾値処理により抽出されて表示されることになる。つまり第1実施形態における差分処理と同様の画像が得られる。したがって、上述した第1実施形態と同様の効果が得られる。 【0095】ここで、第2実施形態の変形例を述べる。 【0096】[警告表示]第2実施形態においても、第1実施形態と同様に警告表示を行っても良い。 【0097】[閾値超過の着色]上述した第2実施形態では、画素値が閾値を超えた画素値からなる閾値処理画像を得るものとして説明したが、次のような画像を得るようにしても良い。 【0098】すなわち、閾値を超えた画素を特定の色に着色し、この画素と閾値を超えなかった画素とからなる画像を得る。これにより、いわゆるハイライト表示を行う。 【0099】図15は、このようなハイライト表示の一例を示す図である。この表示例は両脇の画像(画像1及び画像3)に閾値を設定したものである。画像1と画像3において、閾値を超える穿刺針は、例えば赤色で表示されることになる。 【0100】この構成によれば、ターゲット周辺の画像自体も観察できる上、穿刺針がどちらにそれたかを明確に知ることができ、周囲(この場合は画像1と3)に触れてはならない部位等が存在するような場合であっても安全に穿刺針を挿入できるようになる。 【0101】なお、画像1と画像3のみにこのような処理を施しても良い。これにより穿刺針等の挿入物が常にハイライト表示されることになるので、穿刺針の位置の把握がより容易になるというメリットが得られる。 【0102】次に、上述した第1及び第2実施形態の全般に係る種々の変形例を述べる。 【0103】[重ね合わせ表示]上述した実施形態では、複数枚の画像を並べて表示する場合について説明したが、画像の表示方法はこれに限定されない。スライス位置の異なる3枚の画像をそれぞれRGBに対応させて作成するとともに、これらを重畳して1枚の画像として表示してもよい。 【0104】図16はこのようなRGB重畳表示の例を示す図である。 【0105】画像1はR(赤)に、画像2はG(緑)に、画像3はB(青)とし、それぞれを次式(1)に示すようようにCT値に対応させる。関心画像は緑色で表示される。 【0106】 画像1:CT値=MIN→MAX:RED=0→255 画像2:CT値=MIN→MAX:GREEN=0→255 画像3:CT値=MIN→MAX:BLUE=0→255 (式1) ここで、MINとMAXは表示されるCT値のウインドウ幅に対応しており、観察者が任意に設定可能である。これにより画像は次式(2)の通りとなる。 【0107】 RED=CT値(画像1) GREEN=CT値(画像2) BLUE=CT値(画像3) (式2) 例えば画像1又は3に対応するスライス位置に針がはみ出した場合、穿刺針の色が赤又は青に変化して表示される。すなわち、画像上の色の変化に基づいて穿刺針のはみだしを検知できる。 【0108】ここでは3枚を例として示したが、これに限定されるのものではない。画像枚数が2枚又は4枚以上に対しても適用可能である。これにより、観察するべき画像は1枚となり、かつその色により、挿入物(穿刺針)の位置が明確に表されるようになるので、挿入物の観察をより容易に行えるというメリットが得られる。 【0109】(第3実施形態)第3実施形態は、合計3枚のマルチスライスCT透視における関心画像の拡大表示に関する。すなわち、本実施形態のマルチスライスCT透視システムは、再構成ユニットによって再構成された複数断面の画像のうち、少なくとも一枚の画像を他の画像よりも拡大して表示する。ここで、本実施形態のシステムは、断面位置がほぼ中央の画像を拡大表示するが、被検体に挿入された挿入物の位置を検出し、その検出位置に対応する画像を拡大表示する。 【0110】上述した第1及び第2実施形態と同様に、本実施形態のマルチスライスCT透視システムは、スライス位置に対応した画像の表示枚数、及び画像のスライス厚を任意に設定可能となっている。ここでは、例えば検出器列の1列目と2列目からのデータを束ねて1枚の画像を得るようにし、同様に3列目と4列目からのデータを束ねて1枚の画像を得るようにし、さらに5列目と6列目からのデータを束ねて1枚の画像を得ることで、合計3枚の画像の透視モードを実施する。 【0111】[入力器]図17は、本実施形態の入力器を示す図である。この入力器は、使用する検出器例と画像束ね、及び拡大表示画像を指定するための手段であって、入力器6内に設けられる。尚、入力器6は、ガントリ1、寝台2、又は図1に示したように制御キャビネット3上のいずれかの箇所に設けられる。 【0112】図17において、40は検出器列の番号、架台側と寝台側、及び画像の番号を示すアイコン(絵図)であり、41は内部にLEDを備え、検出器列の番号と画像の番号とを対応付けるための複数のボタンであり、42は41と同様に内部にLEDを備え、拡大表示する画像をその画像番号によって指定するための複数のボタンである。 【0113】操作者がいずれかのボタン41を押下すると、そのボタン内部のLEDが点灯するようになっており、この操作を行うことで、各画像に対し必要な検出器列を割り当てることができる。 【0114】複数の検出器列が一つの画像に対して選択された場合には、それらの検出器列からの収集データは束ねられて一つの画像となる(画像束ね)。 【0115】また、操作者がいずれかのボタン42を押下すると、そのボタン内部のLEDが点灯するようになっており、この操作を行うことで、拡大表示する画像を指定できる。 【0116】この入力器6による指定の一例を図18に示す。 【0117】点灯しているボタン(ハッチングによって示す)は、そのボタンが操作者により押下されたことを意味する。尚、ここではボタンによって上述した条件を指定する場合であるが、これがディスプレイとタッチパネルにより実現されてもいいし、マウスカーソルをディスプレイ画面において所定の場所に移動させてクリックすることでタッチパネルの代用としても良い。 【0118】以上、入力器6によるボタンの押下情報を表す信号がメインコントローラ30に送られる。メインコントローラ30は、この押下情報に基づいて画像の表示を制御する。 【0119】図19は、メインコントローラにより行われる制御の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、入力器6からの信号を受けて、メインコントローラ30が行う判断過程等を示したものである。 【0120】先ずステップS1において、入力器6より使用する検出器列と画像束ね、及び拡大する画像の指定する。次に、ステップS2において、使用する検出器列に応じてプリコリメータ制御信号を架台コントローラ33に出力する。次に、ステップS3において、補正ユニット34に対し束ねる収集データを指示する。次に、ステップS4において、再構成ユニット36に対し画像枚数分の再構成を行うように指示する。そして、表示プロセッサ37に対し拡大する画像を指示する。 【0121】[ディスプレイへの表示]図20は、本実施形態のマルチスライスCT透視システムによる画像表示例を示す図である。同図(a)は、入力器6により画像1が操作者により指定され、この画像が画像2及び画像3よりも拡大して表示された場合を示し、同図(b)は同様に画像2が指定され、この画像が画像1及び画像3よりも拡大して表示された場合を示し、同図(c)は同様に画像3が指定され、この画像が画像1及び画像2よりも拡大して表示された場合を示している。 【0122】以上説明した第3実施形態によれば、操作者により指定された画像が他の画像よりも拡大して表示されるので、再構成画像を単に並列に表示した場合において、個々の画像が小さくなり、観察しにくくなるという問題が回避される。 【0123】肝心の画像を大きく表示しつつ、他の画像も観察できるので、穿刺やバイオプシ(生検)等の作業を行う場合に本発明は特に有用である。すなわち、ターゲット部位の近傍において詳細な観察を容易に行うことができるようになり、術者がターゲット部位への穿刺針の到達の認識を間違うことが無くなる。また、バイオプシにおいては、ターゲット部位を確実に認識して対象組織を取り出すことができるようになる。このように本発明によれば、マルチスライスCT透視における診断能や操作性を向上できる。 【0124】ここで、第3実施形態の変形例について述べる。 【0125】[画像の配列方法]画像の配列方法は、図20(a)(b)(c)に示したもののみに限定されない。例えば、同図(d)(e)(f)に示すように、拡大画像を画面のほぼ中央上半分に表示し、他の画像を画面の下半分にスライス方向に沿って並べて表示させても良い。 【0126】[挿入物の自動検出]上記第3実施形態は、拡大表示する画像を操作者が入力器を用いて指定するものであったが、拡大画像を自動的に選択する、次のような構成としても良い。 【0127】拡大して表示する画像は、被検体への挿入物(ここでは穿刺針)の先端を表す画像である場合が多い。そこで、穿刺針の先端を含む画像を所定の画像処理により特定し、その画像を自動的に拡大表示するように構成しても良い。画像上における挿入物の抽出に関する画像処理は公知(しきい値法や輪郭抽出法など)であるので詳細な説明は省略する。 【0128】この構成によれば、被検体への例えば穿刺針の挿入に追従して適切な画像が拡大表示されることになるので、拡大する画像をいちいち指定する手間が不要となり、術者は表示操作に煩わされることなく穿刺作業に集中できるようになる。これにより術者の負担は軽減され、診断能が向上する。 【0129】[第1及び第2実施形態との組み合わせ]第3実施形態は、上述した第1又は第2実施形態と組み合わせて実施可能である。例えば、関心画像を指定して拡大表示させ、他の画像は上述した差分処理又は閾値処理して小さく表示するようにしても良い。例えば、図21(b)において、関心画像を画像2として拡大表示し、画像1及び画像3は差分処理又は閾値処理を行って小さく同図のように小さく表示しても良い。 【0130】また、ターゲット及びこのターゲットへ向けて挿入している穿刺針を画像2が表示している場合、この穿刺針がターゲットに向けて確実に挿入されていることを術者が明確に認識できるようになる。このため、穿刺針が対象外の臓器等に誤って挿入されるという危険を防止できる。また、仮にそのような危険が生じそうな場合でも、画像1及び画像3を確認して速やかに穿刺針の挿入方向を修正可能となり、穿刺作業に要する時間を短縮できる。また、穿刺針のターゲットへの到達を拡大表示された画像2に基づいて容易に確認できる。 【0131】次に、上述した第1乃至第3実施形態の全般に係る種々の変形例を述べる。 【0132】[画像の表示枚数]画像の表示枚数及びそのスライス厚は任意である。例えば中央2列(検出器列3、4)を束ねて1画像とし、前後2列づつ(検出器列1と2と5と6)を加え、合計5枚の透視モードとした場合であっても本発明は実施可能である。この場合の例を図22に示す。 【0133】また、例えば前後3列づつ(検出器例1〜3、4〜6)を束ねて1画像づつとし、合計2枚の透視モードとした場合も同様である。この場合の例を図23に示す。 【0134】[表示方法]上述した実施形態では、全ての画像を一つのディスプレイに表示することとして説明したが、画像の表示方法はこれに限定されない。例えば複数の画像を1枚づつ別のディスプレイに表示するようにしてもよい。これにより個々の画像を大きく表示できるというメリットが得られる。 【0135】あるいはプロジェクタータイプの大型のディスプレイを用いても良い。これにより画像を大きく表示させることができ、表示を見やすくできるというメリットがある。 【0136】また、ヘッドマウントディスプレイに表示させてよい。どちらの方向を向いても常に視界の範囲に画像が表示されるので、穿刺作業等を行う場合にはいちいちディスプレイを見るために振り向く必要がなくなるため作業性が向上するというメリットがある。 【0137】[CTの種類]上述した実施形態では、第3世代CT(X線発生源と検出器が同期して被検体の周囲を回転する)として示したが、この限りではない。本発明は第4世代CT(検出器が円筒状に配列されており、X線発生源が回転する)にも適用可能であるし、第5世代CT(電子ビームをリング又は円筒状に配列した固定されたターゲットに当てX線を発生させ、固定された検出器でそれを受ける)に対しても適用可能である。 【0138】[検出器の種類(50列、面検出器)]上述した実施形態では、6列の検出器例を有するCTとしたが、検出器の列数はこれに限定されない。例えば50列のマルチスライス検出器を有する場合においても適用可能であるし、イメージインテンシファイアを代表とするような面検出器であっても構わない。 【0139】[再構成条件]一部の画像の再構成条件のみ優れた又は異なる再構成条件としてもいい。例えば、図20又は図21における関心画像のように、拡大表示される画像のみ再構成マトリックスを512×512とし、他の画像の再構成マトリクスを256×256とすることで画像間で再構成条件を変えるようにしても良い。また、画像の更新間隔を関心画像以外は遅くして、敢えて時間分解能を下げても良い。これにより、指定された以外の画像は再構成条件が緩和され、再構成ユニット36の計算パワーを小さく抑えることができる。したがって、再構成装置のコストを抑えることができる。 【0140】[再構成方法]本発明は特定の画像再構成方法に依存しない。例えば、回転軸方向へのビームの角度(コーン角度)を考慮しない通常のフィルターバックプロジェクションを行う再構成方法を適用しても良いし、Feldkampらの提案したように、回転軸方向へのビームの角度を考慮して、収集したデータをその収集経路に応じてバックプロジェクションして再構成されるような再構成方法を適用しても良い。このFeldkamp再構成を行う場合には、上述した補正ユニットによって各列の収集データが束ねられるのではなく、再構成時に指定されたスライス厚の画像を再構成することになる。この再構成法によれば、検出器列がより多い場合における再構成画像の画質を向上させることができる。 【0141】[束ねる場所]上述した実施形態では、データを束ねるユニットは補正ユニット34であるとして説明を行ったが、データを束ねるユニットはこの補正ユニット34のみに限定されない。例えば、データ収集装置(DAS)24が行ってもいいし、再構成ユニット36が画像を再構成をする以前に行ってもいいし、再構成ユニット36が個々の画像を再構成した後に画像束ねが行なわれても良い。これらの変形を行ったとしても、装置としては同様の効果が得られる。 【0142】なお、本発明は上述した実施形態に限定されず種々変形して実施可能である。 【0143】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば再構成画像の差分表示又は閾値表示に基づいて穿刺における穿刺針のような挿入物の位置を明確に把握して作業を行えるようになる。これにより穿刺針等が被検体の臓器等に誤って刺さされるという危険を容易に回避することができるようになり、高精度の穿刺作業を迅速に行えるようになる。したがって、被検体に与える被爆を最小限に抑えることができる。 【0144】また、操作者が指定した画像が他の画像よりも拡大して表示されるので、再構成画像を単に並列に表示した場合において、個々の画像が小さくなり、観察しにくくなるという問題が回避される。肝心の画像を大きく表示しつつ、他の画像も観察できるので、穿刺やバイオプシ(生検)等の作業を行う場合に本発明は特に有用である。すなわち、ターゲット部位の近傍において詳細な観察を容易に行うことができるようになり、術者がターゲット部位への穿刺針の到達の認識を間違うことが無くなる。また、バイオプシにおいては、ターゲット部位を確実に認識して対象組織を取り出すことができるようになる。このように本発明によれば、マルチスライスCT透視における診断能や操作性を向上できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成11年1月13日(1999.1.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−201921(P2000−201921A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月25日(2000.7.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−6457 |
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