| 【発明の名称】 |
超音波手術装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】太田 敬
【氏名】木村 茂郎
|
| 【要約】 |
【課題】超音波手術装置において、手術対象に応じて刃及び周波数を選択できるようにする。
【解決手段】ハンドピース12において超音波振動が生成され、それがホーン18に伝達される。ホーン18の先端部19には2つの手術面19A,19Bが形成され、それらが互いに異なる凹凸形状を有する。クランプ20は操作部14によって回転自在に構成され、また、そのクランプ20は開閉自在に構成されている。高い振動周波数が選択された場合、目の細かい刃が選択され、低い振動周波数が選択された場合、目の粗い刃が選択される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 超音波振動子と、前記超音波振動子からの超音波振動が伝達される部材であって、先端部の少なくとも2面に凹凸をもった刃が形成された手術具と、前記先端部との間で組織を挟むための挟持片と、前記挟持片を開閉させる開閉機構と、を含むことを特徴とする超音波手術装置。 【請求項2】 請求項1記載の装置において、前記挟持片を前記先端部の周囲で相対的に回転させて、先端部の各面に前記挟持片を対向させる回転機構を含むことを特徴とする超音波手術装置。 【請求項3】 請求項1記載の装置において、互いに異なる周波数をもった複数の発振信号を生成する信号生成手段と、前記複数の発振信号の内で前記超音波振動子へ供給する信号を選択する周波数選択手段と、を含むことを特徴とする超音波手術装置。 【請求項4】 超音波振動子と、高周波発振信号及び低周波発振信号を生成する信号生成手段と、前記高周波発振信号及び前記低周波発振信号の内で前記超音波振動子へ供給する信号を選択する選択手段と、前記超音波振動子からの振動が伝達する部材であって、先端部の両面に凹凸をもった目の細かい刃及び目の粗い刃が形成された手術具と、前記先端部との間で組織を挟むための挟持片と、前記挟持片を開閉させる開閉機構と、を含み、前記目の細かい刃が利用される場合には前記超音波振動子へ前記高周波発振信号が供給され、前記目の粗い刃が利用される場合には前記超音波振動子へ前記低周波発振信号が供給されることを特徴とする超音波手術装置。 【請求項5】 超音波振動子と、前記超音波振動子からの超音波振動が伝達される部材であって、先端部に凹凸をもった刃が形成された手術具と、前記先端部との間で組織を挟むための挟持片と、前記挟持片を開閉させる開閉機構と、を含み、前記先端部と前記挟持片とで組織を挟み、組織の切開と共に止血を行うことを特徴とする超音波手術装置。 【請求項6】 超音波振動子と、前記超音波振動子からの超音波振動が先端部に伝達される手術具と、前記先端部との間で組織を挟むための挟持片と、前記挟持片を開閉させる開閉機構と、互いに異なる周波数をもった複数の発振信号を生成する信号生成手段と、前記複数の発振信号の内で前記超音波振動子へ供給する信号を選択する周波数選択手段と、を含むことを特徴とする超音波手術装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、超音波振動によって組織の切開等を行う超音波手術装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の超音波手術装置は、大別して、電源や制御部などを内蔵した本体と、それにケーブルによって接続されるハンドピースと、で構成される。ハンドピースには超音波振動子が設けられ、その超音波振動子の超音波振動がホーンに伝達される。ホーンの先端が生体組織に当接されると、その組織に超音波振動が伝達され、これによりその組織が破砕、切開、乳化される。 【0003】特表平8−505801号公報には、超音波振動するブレードとそれに対して開閉するクランプとの間で組織を挟持し、その組織を切開するとともに止血を行う装置が開示されている。電気手術器によっても、組織の切開や止血を行うことができるが、その際に煙や匂いが発生する。これに対し、超音波手術による切開及び止血によれば、煙や匂いを解消できあるいは著しく低減できる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特表平8−505801号公報に開示された装置は、超音波振動するブレードが平坦であり(クランプには刃が形成されているが)、切開効果等を高めることができない。 【0005】また、組織の種類に応じて異なる切開及び止血用の手術具を利用したい場合があるが、従来においては、その都度、手術器全体を交換するか手術具を交換する必要があり、いずれにおいても煩雑であった。 【0006】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、操作性の良好な超音波手術装置を提供することにある。 【0007】本発明の他の目的は、超音波手術の作用を高めることが可能な超音波手術装置を提供することにある。 【0008】本発明の他の目的は、組織に応じて適切な超音波手術を行える超音波手術装置を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、超音波振動子と、前記超音波振動子からの超音波振動が伝達される部材であって、先端部の少なくとも2面に凹凸をもった刃が形成された手術具と、前記先端部との間で組織を挟むための挟持片と、前記挟持片を開閉させる開閉機構と、を含むことを特徴とする。 【0010】上記構成によれば、手術具の先端部に設けられた複数の刃を選択利用して所望の超音波手術を行うことができる。ここで、望ましくは、前記挟持片を前記先端部の周囲で相対的に回転させて、先端部の各面に前記挟持片を対向させる回転機構を含む。この回転機構によれば、簡単な操作で刃の選択を行える。この場合、挟持片を回転させてもよく、先端部を回転させてもよい。 【0011】望ましくは、互いに異なる周波数をもった複数の発振信号を生成する信号生成手段と、前記複数の発振信号の内で前記超音波振動子へ供給する信号を選択する周波数選択手段と、を含む。例えば、手術部位などに応じて周波数を切り換えれば、より適切な超音波手術を行える。 【0012】上記目的を達成するために、本発明は、超音波振動子と、高周波発振信号及び低周波発振信号を生成する信号生成手段と、前記高周波発振信号及び前記低周波発振信号の内で前記超音波振動子へ供給する信号を選択する選択手段と、前記超音波振動子からの振動が伝達する部材であって、先端部の両面に凹凸をもった目の細かい刃及び目の粗い刃が形成された手術具と、前記先端部との間で組織を挟むための挟持片と、前記挟持片を開閉させる開閉機構と、を含み、前記目の細かい刃が利用される場合には前記超音波振動子へ前記高周波発振信号が供給され、前記目の粗い刃が利用される場合には前記超音波振動子へ前記低周波発振信号が供給されることを特徴とする。 【0013】上記構成によれば、例えば、比較的大きな組織や早く処置を行う場合には、粗い刃及び低周波数信号が選択され、比較的小さな組織や微細処置を行う場合には細かい刃及び高周波数信号が選択される。 【0014】また、上記目的を達成するために、本発明は、超音波振動子と、前記超音波振動子からの超音波振動が伝達される部材であって、先端部に凹凸をもった刃が形成された手術具と、前記先端部との間で組織を挟むための挟持片と、前記挟持片を開閉させる開閉機構と、を含み、前記先端部と前記挟持片とで組織を挟み、組織の切開と共に止血を行うことを特徴とする。上記構成によれば、先端部と挟持片との間に組織を挟んで超音波手術を行う場合に、先端部側に凹凸をもった刃が形成されているため、切開や止血の作用を高めることができる。 【0015】更に、上記目的を達成するために、本発明は、超音波振動子と、前記超音波振動子からの超音波振動が先端部に伝達される手術具と、前記先端部との間で組織を挟むための挟持片と、前記挟持片を開閉させる開閉機構と、互いに異なる周波数をもった複数の発振信号を生成する信号生成手段と、前記複数の発振信号の内で前記超音波振動子へ供給する信号を選択する周波数選択手段と、を含むことを特徴とする。この構成によれば、組織に応じて超音波振動の周波数を選択して適切な超音波手術を行える。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。 【0017】図1には、本発明に係る超音波手術装置の好適な実施形態が示されており、図1は手術装置における手術器の全体構成を示している。この手術器は、組織(例えば血管)の切断と同時に止血を行う機能を有している。 【0018】図1(A)において、手術器10は、大別してハンドピース12と、操作部14と、作用部15と、で構成される。ハンドピース12内には、ボルト締め型の超音波振動子が内蔵されている。すなわち、超音波振動子が一対の金属ブロックによって所定圧力で挟まれ、その状態で超音波振動子により超音波振動が発生される。 【0019】作用部15は、ホーンカバー16と、その内部に挿通されたホーン18と、クランプ20と、を有する。ホーンカバー16は例えば樹脂などで構成される中空部材である。ホーン18は断面が円形又は矩形の金属で構成され、ハンドピース12にて発生された超音波振動がその基端部に伝達され、ホーン18の先端部にて超音波手術が行われる。ホーン18の先端部19には、後に図2に示されるような複数の凹凸形状すなわち刃が形成されている。 【0020】クランプ20は、ホーン18の先端部19に対して開閉する部材であり、クランプ20は例えば金属部材で構成されるものである。操作部14を回転させると、その回転に伴ってホーン18に対してクランプ20が回転する。また、クランプ20に対して、ホーン18が回転するようにしてもよい。これにより、クランプ20が対向するホーン18の面を選択することができる。また、操作部14には、図示されていないスイッチ(あるいはレバー)が設けられており、そのスイッチを操作することによって、クランプ20が閉運動(及び開運動)する。これによって、クランプ20とホーン18との間に例えば血管などの組織を挟み込むことができ、その状態で超音波振動を行えば、組織に超音波振動を伝達してその切開や止血を行うことができる。 【0021】なお、クランプ20を開閉運動させる機構は例えば上記の特表平8−505801号公報などに開示された機構を利用可能である。もちろん、そのような機構には限られず、クランプ20をホーン18に対して開閉できる限りにおいて各種の機構を採用可能である。 【0022】図1(B)には、2つの振動周波数に対応した手術器10における振動分布が示されている。符号102は第1振動周波数による振動分布を表しており、符号104は第2振動周波数による振動分布を表している。図示されるように、2つの振動周波数は互いに所定位置において節が一致するような周波数関係をもっており、本実施形態においては、第1振動周波数102は第2振動周波数104に対して3倍の周波数を有している。ここで、第1振動周波数102は例えば50〜100kHzの周波数であり、第2振動周波数104は例えば10〜40kHzの周波数である。 【0023】図2には、図1に示したホーン18の先端部19における具体的な形態が示されている。図2に示されるように、先端部19には2つの手術面が形成されており、具体的には、第1手術面19A及び第2手術面19Bが形成されている。各手術面19A,19Bはそれぞれ凹凸をもった鋸形状に構成されており、第1手術面19Aに対して第2手術面19Bは粗い凹凸形状を有する。本実施形態において、上記の第1振動周波数102が選択される場合、第1手術面19Aに対してクランプ20が対向するように当該クランプ20が回転され、一方、第2振動周波数104が選択される場合、第2手術面19Bがクランプ20に対向するように当該クランプ20の回転位置が設定される。 【0024】いずれの手術面が選択される場合であっても、各振動周波数において先端部は振動の腹位置となるため、超音波手術作用を最大限発揮させることができる。すなわち、切開及び止血の作用を効果的に発揮させることが可能である。 【0025】ちなみに、操作部14によるクランプ20の回転角度は、本実施形態において180度であるが、もちろん360度回転可能にしてもよい。 【0026】図3には、本実施形態に係る超音波手術装置の全体構成が示されている。この手術装置は大別して上記の超音波手術器10と装置本体30とによって構成される。超音波手術器10内には上述したように超音波振動子32が設けられている。 【0027】装置本体30内には第1発振器34及び第2発振器36が設けられ、それらによって上記の第1振動周波数及び第2振動周波数が発生される。選択器32は、周波数選択を行う手段であり、第1発振器34及び第2発振器36で発生された振動周波数の選択を行う。もちろん、各発振器の動作を制御する回路であってもよい。 【0028】したがって、ユーザーにより選択された振動周波数をもった駆動信号が超音波振動子32に供給され、超音波振動子32は当該駆動信号の周波数に対応した周波数で超音波振動する。 【0029】本実施形態において、上述したように、第1振動周波数が選択される場合には、第1手術面19Aを選択するのが望ましい。この構成によれば比較的小さな組織の切開や止血を効果的に行うことができ、また微細処置を円滑に行うことができるという利点がある。また、本実施形態において、第2振動周波数104が選択される場合には、第2手術面19Bが選択されるのが望ましい。これによれば比較的大きな組織の切開や止血を効果的に行うことができ、また、速く処置を行えるという利点がある。したがって、上記の超音波手術装置によれば、従来の電気手術器のように組織を処置する際に煙の問題を効果的に回避できるとともに、処置を意図しない部位に対する熱的損傷を防ぎながら目的組織を効率的に処置することが可能となる。また、上記実施形態によれば、刃の選択及び周波数選択により、より効率的な超音波手術を実現できるという利点がある。 【0030】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、操作性の良好な超音波手術装置を実現できる。また、本発明によれば、手術対象に応じて適切な超音波手術を行うことができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】390029791 【氏名又は名称】アロカ株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年12月25日(1998.12.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075258 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2000−189439(P2000−189439A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月11日(2000.7.11) |
| 【出願番号】 |
特願平10−370620 |
|