トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 ディジタル放射線撮影画像作成方法
【発明者】 【氏名】ジョン・ムーア・ブードリー

【氏名】ローランド・フレデリック・サウンダース

【氏名】バリー・フレデリック・ビレンジャー

【要約】 【課題】X線曝射の開始前のアクセス時間を短縮する同時に、短いアクセス時間の場合にありがちな画像アーチファクトを減少することができる放射線撮影方法を提供する。

【解決手段】本方法は、(1)期間te の間放射線撮影用検出器を曝射し、(2)検出器を読み取って曝射読み取り値を得、(3)検出器を読み取って、teを超える期間tw 経過後に収集するオフセット読み取り値を得、(4)オフセット読み取り値を曝射読み取り値から差し引くこと含む。期間tw の間に持続時間tr の読み取りを行う。期間tw の間の最終のtr 読み取りが終了した後、teに等しい期間後にオフセット読み取りを行うことが好ましい。この結果、曝射読み取りの前後にほぼ同じ検出器サンプリング手法が使用されて、オフセット読み取り値がより正確になり、さらに画像アーチファクトも減少する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 放射線撮影用検出器を時間間隔te の間曝射するステップと、前記放射線撮影用検出器を時間間隔tR の間読み取って、曝射読み取り値を得るステップと、te を超える時間間隔tw の経過後に前記放射線撮影用検出器を読み取って、オフセット読み取り値を得るステップと、前記曝射読み取り値から前記オフセット読み取り値を差し引くステップと、を含む放射線撮影方法。
【請求項2】 tw ≧0.5秒を満足する請求項1に記載の方法。
【請求項3】 0.5秒≦tw ≦2秒を満足する請求項1に記載の方法。
【請求項4】 tw の期間内に少なくとも一度、検出器を読み取る請求項1に記載の方法。
【請求項5】 前記オフセット読み取り値を得るのに先立ち、tr 期間の少なくとも一回の間、前記放射線撮影用検出器を読み取るステップをさらに含み、tw ≧tr +te である請求項1に記載の方法。
【請求項6】 tR がtr と等しくない請求項5に記載の方法。
【請求項7】 tR ≧tr を満足する請求項5に記載の方法。
【請求項8】 tw の期間内に少なくとも一度、前記放射線撮影用検出器を期間tr の間読み取るステップをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項9】 tw の期間内の最終の読み取りの後、少なくとも期間te 経過後にオフセット読み取りを行う請求項8に記載の方法。
【請求項10】 前記曝射読み取り値を得るのに先立ち、相次ぐ何回かの期間tr の間に、前記放射線撮影用検出器を読み取るステップをさらに含み、前記相次ぐ各tr 読み取りに対し互いに期間ts の間隔をとり、かつNを1に等しいか1を超える整数としてtw ≧N(ts +tr )+te を満足する請求項1に記載の方法。
【請求項11】 tw =N(ts +tr )+te を満足する請求項10に記載の方法。
【請求項12】 tw の期間内に少なくとも一度、前記放射線撮影用検出器を期間tr の間読み取るステップをさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】 tw の期間内の最終の読み取りの後、少なくとも期間te経過後にオフセット読み取りを行う請求項12に記載の方法。
【請求項14】 放射線撮影用検出器を時間間隔tr の間読み取るステップであって、前記読み取りの各々の前に時間間隔ts をおく読み取りステップと、前記放射線撮影用検出器を時間間隔te の間曝射するステップと、前記放射線撮影用検出器を時間間隔tR の間読み取って、曝射読み取り値を得るステップと、NをN≧1として、tw ≧N(ts +tr )+te を満足する時間間隔tw の経過後に前記放射線撮影用検出器を読み取って、オフセット読み取り値を得るステップと、前記曝射読み取り値から前記オフセット読み取り値を差し引くステップと、を含む放射線撮影方法。
【請求項15】 tR がtr と等しくない請求項14に記載の方法。
【請求項16】 tR ≧tr を満足する請求項14に記載の方法。
【請求項17】 時間間隔tw の期間内に、前記放射線撮影用検出器をN回読み取る請求項14に記載の方法。
【請求項18】 放射線撮影用検出器を、時間間隔tr の少なくとも一回の間読み取るステップと、前記放射線撮影用検出器を時間間隔te の間曝射するステップと、前記放射線撮影用検出器を時間間隔tR の間読み取って、曝射読み取り値を得るステップと、各読み取り持続時間をtr とし、Nを1に等しいか1を超える整数として、前記放射線撮影用検出器をN回の相次ぐ読み取り持続時間の間読み取るステップと、tw >te を満足する時間間隔tw の経過後に、前記放射線撮影用検出器を期間tR の間読み取って、オフセット読み取り値を得るステップと、前記曝射読み取り値から前記オフセット読み取り値を差し引くステップと、を含む放射線撮影方法。
【請求項19】 tw ≧Ntr +te を満足する請求項18に記載の方法。
【請求項20】 N回の相次ぐtr 読み取りが、互いに時間間隔ts だけ隔てられており、かつtw ≧N(ts +tr )+te を満足する請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的にはディジタル放射線撮影法に関し、より具体的には、ディジタル放射線撮影像の画像品質を向上させるための方法に関する。
【0002】
【発明の背景】従来の放射線写真すなわちX線画像は、X線放射装置と、写真フィルムからなるX線検出体との間に被検体を配置することによって得られる。放射されたX線は被検体を透過して、フィルムを露光する。このとき、フィルム上のさまざまな位置での露光の度合いは、各X線の経路内の被検体の密度によって概ね定まる。
【0003】現在では、検出体として、フィルムに代わり半導体式ディジタルX線検出器(すなわち、スイッチング素子およびフォトダイオードなどの感光性素子のアレイ)を利用するのが一般的である。X線が検出器のさまざまな位置で発生させた電荷は読み取られ処理されて、被検体のディジタル画像を、写真フィルム上のアナログ画像としてではなく電子形式で作成する。ディジタル画像作成では、画像を後で他の箇所に電子的に転送できること、撮影された画像の特徴を決定するために前記画像に対し診断用アルゴリズムを作用させることができること、などの点で有利である。
【0004】ディジタル画像処理の間に、検出器読み取り値から画像を直接作成するというのは一般的でない。むしろ、検出器読み取り値を処理して、よりきれいな画像を作成するというのが一般的である。詳細には、画像に対し「オフセット」を除去する処理を行うのが通常である。このオフセットは、曝射がなされた時間より前の検出器の帯電状態によって生じるものである。オフセットの質は、検出器の電流漏洩、温度、バックグラウンド放射線量、その他のさまざまなファクターにより決定される。画像品質を向上させるためには、検出器の読みとり値からオフセットを除去することが望ましい。
【0005】オフセットを除去する一般的な方法を図1に示し、図1は放射線撮影プロセスを時系列的に示している。検出器が定期的に時間間隔tr で読み取られて、画像が定期的に更新される。時間間隔tr は互いに、X線技師が設定した所望の曝射時間を表す時間間隔te だけ時間があけられる。技師が時刻Ta で曝射要求を出した場合、このX線装置は、次の間隔te 全体が見いだされるや否や放射装置を作動する。続いて、検出器は次の間隔tr で読み取られて、曝射読み取り値が得られる。この曝射読み取り値は検出器に元から存在していたオフセットを含んだものである。検出器は続く間隔te の間は休止状態となり、続いて、検出器は次の間隔tr で読み取られてオフセットの概略計測値が得られる。図1では、曝射読み取りとオフセット読み取りの間の間隔te は、2つの読み取りの間の待機時間tw としても表される。次に、前の曝射読み取り値からオフセット読み取り値を差し引くことによって、またほとんどの場合、この画像に対してその他の画像処理アルゴリズムを作用させることによって、画像が作成される。別法のプロセスを図2に示す。図2では、曝射要求が出される前に読み取った値を格納しておき、オフセット読み取り値として使用することができる。曝射要求が時刻Ta に出された場合、曝射間隔te (待機間隔tw )の前の時間間隔tr の間に読み取られた値をオフセット読み取り値として用い、次の読み取り間隔tr を用いて曝射読み取り値を得る。次に、オフセット読み取り値を、引き続き得た曝射読み取り値から差し引く。
【0006】図1および図2の撮影手法により十分な画像品質が得られるが、これらの手法は無視できない欠点を有する。すなわち、曝射要求が出されても、実際に曝射がなされるまでアクセス時間ta がかかること、またこの期間ta が最大で概ねte +tr になる可能性があることである。図1および図2では、例として、ある間隔te が始まった直後に技師の曝射要求が出されたとして曝射要求時刻Ta を設定し図示してある。したがって、X線装置は放射装置を作動するまでに、次の時間間隔te 全体の間待機しなければならない。曝射開始に先立つアクセス時間ta は、かなりの長さとなる可能性がある。これは特に、te が2秒以上になる可能性があるからである。このアクセス時間の長さが特に不都合となるのは、特に時間間隔が明確に規定された曝射を希望する場合である。発明者の意見としては、一般に高品質のX線装置では曝射要求を受信した後に概ね0.7秒以内に曝射が可能(すなわちta ≦0.7秒)であるべきであり、また曝射要求後5秒以内に処理済みの最終画像が提供されるべきであると考える。
【0007】次に、この遅延(すなわちアクセス時間ta )を減らすように開発された撮影手法の別法を図3に示す。検出器は、各々が互いに短い時間間隔ts だけ隔てられた時間間隔tr で読み取られる。曝射要求が時刻Ta に出された場合、その時点のts +tr のサイクルの終了時点で、間隔te の間曝射が行われる(例えば、曝射要求がtr 内に出された場合はその期間tr の終了時点に、また曝射要求がts 内に出された場合はその次の期間tr の終了時点に曝射が行われる)。このように、アクセス時間ta がts +tr を超えることがないため(ここで、ts は短く、通常te より短い)、曝射に先立つ遅延を有意に減少させることができる。曝射期間te の後、間隔tr の間に曝射読み取りが行われる。次に検出器を、別の間隔te (待機間隔tw )の間休止状態にし、概ね曝射前の状態に戻す。ここで次の間隔tr においてオフセット読み取りを行う。ここで曝射読み取り値からオフセット読み取り値を差し引くことによって、またほとんどの場合、この画像に対してその他の画像処理アルゴリズムを作用させることによって、画像を作成できる。
【0008】図3の撮影手法では、望ましくない長いアクセス時間を回避することができるが、結果として画像アーチファクトが増加するという欠点がある。この原因は、曝射後に行われたオフセット読み取りが、実際の曝射前オフセットを正しく反映していないことによると推察される。図2の撮影手法と異なり、この手法では通常、時刻Ta で曝射要求が出される前に、自動露出制御により決められる曝射時間te をあらかじめ知ることができないため、曝射前にオフセット読み取りをすることによって補正をすることができない。
【0009】このように、従来のディジタル放射線撮影装置では、次のいずれかを受け入れることを迫られる。すなわち(1)X線が曝射される時点までのアクセス時間が受容しがたいほど長い可能性があること、または(2)オフセット読み取り値が適正でないため画像アーチファクトが増大する、すなわち画像品質が劣化すること、のいずれかである。
【0010】
【本発明の概要】本発明は、特許請求の範囲によって規定されるが、ユーザの要求した曝射が始まるまでのアクセス時間を大幅に短縮すると共に、画像アーチファクトを相当程度削減する放射線撮影方法を目的としたものである。本発明の好ましい実施態様では、本方法は、放射線撮影用検出器を時間間隔te の間曝射するステップと、放射線撮影用検出器を読み取って曝射読み取り値を得るステップと、放射線撮影用検出器を読み取って、te を超える時間間隔tw 経過後の時点にオフセット読み取り値を得るステップと、曝射読み取り値からこのオフセット値を差し引くステップとを含む。この方法は、上記に説明し図1から図3に示したtw =te である方法と対照をなす。
【0011】好ましくは、期間tw の間に検出器に少なくとも一度読み取りを行う。しかし、この読み取り値はオフセット読み取り値としては用いない。曝射読み取りを行う前に、検出器を期間tr の持続時間の読み取りがある場合、tw の期間中においてもtr の長さの時間読み取りを継続し、曝射読み取りの前後におけるサンプリング手法が双方で同じになるようにするのが最も好ましい。tw の期間中での最後のtr 読み取りがなされた後、さらにte に等しい時間経過後にオフセット読み取りを行うことが好ましい。したがって、tw ≧tr +te となる。この式は、より具体的には、曝射読み取りの前後の各tr 読み取りが互いに間隔ts だけ隔てられている場合、tw =N(ts +tr )+te で表せる。ここで、Nは1であるか1を超える整数であり、曝射読み出しおよびオフセット読み出しの間に検出器に対して行われる読み取りの回数に相当する。
【0012】本発明に関する実施のさまざまな形態においては、曝射読み取りとオフセット読み取りの双方を、必ずしもtr と等しい必要がない持続時間tR にわたって行うことが可能である。最も好ましくは、tR ≧tr である。
【0013】さらに、本発明の利点、様態および目的は、添付の図面と関連させながら以下の本発明の詳細な説明を読むことによって明らかになるであろう。
【0014】
【本発明の好ましい実施態様の説明】上記の問題に取り組み、結果としてアクセス時間を短くし、かつ画像アーチファクトを減少させた、新規の撮影手法が開発された。図4に図示した手法では、時間間隔tr の間に検出器の読み取りを行う。この間隔tr は時間間隔ts だけ互いに隔てられており、時間間隔ts は短く、通常は、起こりうる後続の曝射時間を超えない。曝射要求が出されると、その時のts +tr のサイクルの終了時点に(例えば、曝射要求がtr 内に出された場合はその期間tr の終了時点に、また曝射要求がts 内に出された場合はその次の期間tr の終了時点に)、X線放射装置が曝射時間te の間作動される。次に、好ましくはtr と等しいかこれより長い期間tR の間、検出器を読み取り、曝射読み取り値を得る。ここでタイミングは、検出器読み取りを行う各間隔tr の前に間隔ts を伴うという曝射前の状態に戻る。ts +tr のサイクルは、N回(Nは整数)繰り返される。このN回のサイクルの後に、間隔te の間の遅延が続く。続いて検出器の別の読み取りが間隔tR の間続く。この検出器読み取りは、オフセット読み取り値として用いられ、この値を曝射読み取り値から差し引くことにより画像が向上される。次にタイミングは、次の曝射要求があるまで、ts +tr のサイクルからなる曝射前のパターンに戻る。
【0015】この撮影手法では、アクセス時間がts +tr を超えることがないため、図3の手法に匹敵するアクセス時間が可能となることが分かっている。この手法はまた、少なくとも図1および2の手法によるアーチファクト除去に匹敵するアーチファクト除去効果がある。アーチファクト除去効果の向上が生じると考える理由は、検出器が擬似的に曝射前の状態に回復した後にオフセットの読み取りを行うからである。曝射前および曝射後の双方で、検出器はts +tr からなるサイクルの間に何回かの読み取りを受け、さらに間隔te 経過後に間隔tR の間の読み取りがなされる。検出器の読み取りを行うという操作自体が、まさにこれらの読み取り値に影響を与える可能性があるので、曝射読み取りおよびオフセット読み取りをする前に、検出器に対し同一持続時間かつ同一回数の読み取りを行うことによって、より適正なオフセット読み取り値が得られ、これによりこのオフセット値を曝射読み取り値から差し引いたときにアーチファクトが減少するものと考えられる。
【0016】この撮影手法では、Nの値を、0.5秒≦N(ts +tr )≦2秒の式を満たす値となるよう選択したとき、特に高品質の画像が得られることが判明した。ただし、画像品質は検出器の種類および品質によって異なる。一般に、Nが概ね2あるいは3を超える場合に精度が増加すると期待できる。Nの値がさらに大きい場合には、さらに適正なオフセット値が得られること(したがってアーチファクト除去効果が向上すること)が期待できる。Nが大きいほどアーチファクト除去は向上するが、その結果、最終の処理画像を得るまでの待ち時間も増大し、このため、あまり大きなNの値では逆効果となる。
【0017】本発明を、上記した好ましい実施態様に限定しようとする意図はなく、むしろ、特許請求の範囲に記載した各請求項によって本発明は限定されるべきであると考える。したがって、本発明は、字義上および意味上からして記載した特許請求の範囲に入るような代替の実施態様のすべてを包含するものである。
【出願人】 【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【出願日】 平成11年11月30日(1999.11.30)
【代理人】 【識別番号】100093908
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 研一
【公開番号】 特開2000−189411(P2000−189411A)
【公開日】 平成12年7月11日(2000.7.11)
【出願番号】 特願平11−338985