| 【発明の名称】 |
磁気共鳴により神経細胞の電気的活動を位置解析して測定するための方法および磁気共鳴トモグラフィ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】オリファー ハイト
【氏名】エドガー ミュラー
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| 【要約】 |
【課題】磁気共鳴により神経細胞の電気的活動を位置解析して測定するための方法を、神経活動を一層良く追跡できるように構成する。
【解決手段】−位置分解された磁気共鳴信号を取得するため時間的に一連の磁気共鳴撮像を実行し、−磁気共鳴信号の位相回転を決定し、−一連の磁気共鳴信号中の磁気共鳴信号の位相回転と、電気的活動を惹起する事象の時間的経過との時間的相関により事象に関係する磁気共鳴信号の位相回転を評価する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 磁気共鳴により神経細胞の電気的活動を位置解析して測定するための方法において、−位置解析された磁気共鳴信号を取得するため時間的に一連の磁気共鳴撮像を実行し、−磁気共鳴信号の位相回転を決定し、−一連の磁気共鳴信号中の磁気共鳴信号の位相回転と、電気的活動を惹起する事象の時間的経過との時間的相関により事象に関係する磁気共鳴信号の位相回転を評価することを特徴とする磁気共鳴により神経細胞の電気的活動を位置解析して測定するための方法。 【請求項2】 神経細胞の電気的活動を、刺激ファンクションf(t)による外部の刺激により誘発することを特徴とする請求項1記載の方法。 【請求項3】 多数回次々と生ずる事象と、核共鳴信号の測定された位相回転との間の相関を求めることを特徴とする請求項1記載の方法。 【請求項4】 核共鳴信号の位相回転と、神経細胞を通る電流の時間経過に関するモデルとの時間的な相関を確認することを特徴とする請求項1ないし3の1つに記載の方法。 【請求項5】 核共鳴信号の位相回転と、神経細胞の電気的活動の電流ダイポールの磁界経過に関するモデルとの位置的な相関を求めることを特徴とする請求項1ないし4の1つに記載の方法。 【請求項6】 核共鳴信号の位相回転から確認された磁界経過と、電流ダイポールの磁界経過に対するモデルとに基づいて、神経細胞の電気的活動に相応する電流ダイポールの位置を確認することを特徴とする請求項1ないし5の1つに記載の方法。 【請求項7】 神経細胞の電気的活動を位置解析して測定するための磁気共鳴トモグラフィ装置において、−位置解析された磁気共鳴信号を取得するための装置(2)と、−神経細胞の電気的活動により惹起される磁気共鳴信号の位相回転を測定するための装置(4)と、−磁気共鳴信号と、電気的活動を惹起する事象との相関を求めるための装置(6)とを含んでいることを特徴とする磁気共鳴トモグラフィ装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴(MR)により神経細胞の電気的活動を位置解析して測定するための方法およびこの方法を実施するための装置に関する。 【0002】 【従来の技術】生体の神経細胞の電気的活動を測定するためには、本質的に3つの方法が知られている:【0003】電気的脳造影法(EEG)では電位が測定される。この際には非常に良い時間的な解析が可能である。この方法により位置解析を達成することも試みられる。しかし、例えば頭皮において測定された電位から活動病巣の位置を推定することは非常に困難である。一連の計量不能なパラメータが、正確な局所限定を見込みなしに出現させる。脳の中に局所限定のために針を挿入することは、非常に限定された場合を除いて不可能であり、また著しい不快感および危険を伴う。 【0004】磁気的脳造影法(MEG)では高感度の磁界センサ(いわゆるSQUID)により、神経の機能により誘発される磁界が測定される。このような方法は、例えば米国特許第 5,392,210号、第 5,136,242号および第 5,417,211号明細書から公知である。ここでも位置決定が不十分にしか可能でなく、また特殊な非常に高価な装置を必要とする。従ってこの方法は、これまでに価値を認められていない。 【0005】神経活動を決定するために大いに期待の持てる手掛かりは、磁気共鳴の応用にある。この方法はしばしばFunctional Magnetic Resonance Imagingを略してfMRIと呼ばれる。脳活動はT2*およびT2重み付けされたシーケンスにより得られる像の局所的な信号上昇として現れる。しかしその際に信号変化は、直接に神経活動に由来せずに、活動に起因する血中酸素含有量の上昇に由来する。磁気共鳴による活動測定に今日応用されている方法は、確かに他の上記の方法にくらべて利点を有し、特に活動の比較的精密な局所限定が可能である。しかしながら欠点として、ここでは一次的効果、すなわち電流の流れまたはそれと結び付けられる磁界が検出されずに、二次的効果、すなわち神経活動に伴う血中酸素飽和が検出される。欠点は、これが誘発される事象に遅れをもってしか追随しないことにある。 【0006】SN比を改善するため、刺激ファンクションと、Single Shot EPI法により得られた磁気共鳴像との間の相互相関が実行されるfMRI法は、文献Bandettini他著“人間の脳の機能的磁気共鳴Iの中のタイムコースデータセットに対する処理ストラテジー”、Magnetic Resonance in Medicine、1993、第30巻、第161〜173頁に記載されている。 【0007】機能的な脳活動を時間および位置解析して表示するためのドイツ特許第 19529639 A1号明細書から公知の方法も、刺激ファンクションと像情報との間の時間的な相互相関をSN比の改善のために利用する。刺激ファンクションは非周期的であり、またその自己相関関数に可能な限りわずかな副極大を有する。それによって周期的な擾乱プロセス(例えば心拍、呼吸)が活動信号から分離できる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題は、神経活動を一層良く追跡できる方法または装置を提供することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】この課題は、本発明によれば、請求の範囲1および請求の範囲10の特徴により解決される。 【0010】従来通常のfMRI法と異なり、ここでは高められた血中酸素飽和に基づく信号上昇の二次的効果が検出されずに、活動に伴う磁界変化により誘導される磁気共鳴信号の位相回転が検出される。磁界変化は再び生体の神経細胞の電気的活動に由来する。神経細胞の周囲の磁界変動は1ないし100pTのオーダーである。しかしながらこのような磁界変動は、核共鳴信号の位相回転に基づく直接的な検知のためには過度に弱い。これらの磁界変動に由来する位相回転は、エコー時間に関係する。約50msのエコー時間の際には、活動に伴う核共鳴信号の位相回転は0.05ないし0.7°の範囲内にある。しかし、5ないし15°以下の位相回転は今日通常到達されるノイズレベルの中に埋もれてしまう。従って、使用可能な信号は、繰り返して起こり、電気的活動を惹起する事象の間に一連の磁気共鳴信号を取得し、また相関解析により評価することによってのみ得られる。そのために必要な事象との相関を求められる磁気共鳴信号の数は、電気的な神経活動の強さに応じて50ないし約10,000と推定される。 【0011】相関のために必要とされる多数の事象は有利な方法で、神経細胞の電気的活動が刺激ファンクションに従って外部の刺激により誘発され、またそれにより惹起される位相回転が刺激ファンクションとの時間的な相関により確認されることにより得られる。しかし代替的に多数回次々と生ずる事象と、核共鳴信号の測定される位相回転との間の相関も可能である。このような事象は、例えば癲癇の発作である。その場合には事象ゲーティングが存在する。 【0012】有利な方法で、SN比は核共鳴信号の位相回転と神経細胞を通る電流の時間経過に関するモデルとの時間的な相関により確認される。 【0013】SN比の改善は、さらに核共鳴信号の位相回転と神経細胞の電気的活動の電流ダイポールの磁界経過に関するモデルとの位置的な相関により可能である。このようなモデルに基づいて、神経細胞の電気的活動に相応する電流ダイポールの位置も確認される。 【0014】 【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし10により説明する。 【0015】図1には神経活動中心に対する特性的な電流ダイポールが示されている。正極および負極は約3mm離れて位置している。しかし磁気共鳴効果により直接に電流Iではなく、それにより誘導される磁界のみが評価される。相応の磁力線が図1中に記入されている。既に冒頭に述べたように、神経活動により惹起される磁界変化は1ないし100pTのオーダーにある。 【0016】図2には神経活動により惹起される磁界変化ΔBに対する典型的な時間経過が示されている。電流極大、従ってまた磁界変化の極大は、典型的に誘発された事象の約200ms後に位置している。 【0017】本発明による方法は原理的に従来からの磁気共鳴装置により実行可能であり、その際に以下に説明されるいくつかの追加のみが必要である。磁気共鳴装置の構成は図3に概要を示されている。患者1は、基本磁界を発生する役割をし、またさらに勾配磁界を発生するための、図面を見やすくするために図示されていない組込み物ならびに高周波パルスを送出すためおよび受入れるための高周波アンテナを有する磁石2の中に入れられる。勾配コイルおよび高周波アンテナは制御ユニット7により駆動される。そこまでの構成は従来通常の装置の構成に相当しており、その機能は知られているものと仮定して説明を進める。 【0018】神経活動を刺激するため刺激ファンクションが発生され、それによって例えば送光器3が駆動される。しかし例えば電気的刺激も行われるし、または患者は、例えば光学的信号により、刺激ファンクションに相応して運動を実行させられる。評価ユニット4により得られた磁気共鳴データおよびパルス発生器5の中で発生された刺激ファンクションは、相関計算ユニット6の中で互いに相関させられる。こうして得られたデータはモニター8の上に表示される。評価ユニット4、相関計算ユニット6およびパルス発生器5は制御ユニット7により制御される。 【0019】ここまでの磁気共鳴装置の構成は、例えば既に米国特許第 5,662,112号明細書から公知である。しかし、以下になお一層詳細に説明するように、ここに応用される方法は完全に異種の物理的効果に基づいている。 【0020】磁気共鳴生データを取得するためには、図4ないし8中に示されているように、いわゆるEPI(Echo Planar Imaging)シーケンスが特に適している。しかしこのシーケンスは実施例に過ぎず、例えばターボエコーシーケンス、FISPまたはFLASHシーケンスのような他のパルスシーケンスも考慮に値する。 【0021】EPIシーケンスの際には、先ず図4に相応して高周波パルスRF1が入射される。同時に図5のように層選択勾配SSが作用する。高周波パルスRF1の周波数スペクトルおよび層選択勾配SSの強さに関係して、検査対象物の層が励起される。層選択勾配SSの正の部分パルスに負の部分パルスが続き、それにより正の部分パルスにより惹起されたデフェージングが再び取り消される。同時に層選択勾配SSの負の部分パルスにより、図6および7のようにプリデフェージングパルスPCV、ROVが位相コーダー方向または読出し方向に入射される。続いて交互の極性を有する読出し勾配ROがスイッチオンされる。読出し勾配ROの交代する符号により核共鳴信号が常に再びリフェージングされ、その際に読出し勾配ROの各々の部分パルスのもとに信号Sが生ずる。信号Sは、位相が信号から信号へと、信号の間の小さい位相コーディングパルスPCにより進められることによって、それぞれ相異なって位相コーディングされる。信号は位相に相応して復調され、そしてラスターの中でディジタル化される。各信号毎に、得られたディジタル値が生データマトリックスの行の中に書き込まれる。EPI法の最も高速のバリエーション、いわゆる“Single‐Shot‐EPI”では、単一の励起の後に、像に対する完全な生データセットを作成するために、十分に多数の信号Sが得られる。像は公知の方法で、生データマトリックスから二次元のフーリエ変換により得られる。 【0022】ここで、本発明によれば新規な事項として、信号Sの中に含まれている位相情報が信号出所に関してだけでなく、神経活動により惹起される磁界変化に関しても評価される。しかしながら既に冒頭にあげたように、その際、神経活動に伴う位相変化をただ1回測定するのでは十分でない。すなわち、この変化はノイズの中に埋もれてしまうほどわずかである。この理由から、多数の刺激が実行され、核共鳴信号のそれぞれ得られた位相が評価され、また各々の局部画素に対して位相経過関数g(t)が決定される。続いて相互相関関数Ψcrossが位相経過関数g(t)により決定される:Ψcross =f(t)・g(t−r)dt【0023】この相互相関関数Ψの経過は図9に示されている。相関関数に基づいて、相応の数の刺激および測定の際に、さもなければノイズの中に埋もれてしまう神経活動に伴った位相回転を磁気共鳴信号から抽出し、そして例えばモニターの上に表示することが可能である。表示すべき電気的活動の高さに応じて、事象との相関を求めるために50〜10,000回の測定を実行しなければならない。 【0024】SN比は、磁気的なダイポールの磁界分布および神経磁界の時間的経過に関する特定の情報が存在することによりさらに改善される。そのために、例えばダイポール磁界を仮定的に重畳した際の磁界経過のモデルが作成され、そして次いで位相回転により測定された磁界経過がこのモデルとの相関を求められる。このようなモデルは磁界検出器を用いる磁気脳造影法の基礎にもなっている。この方法は、例えば米国特許第 5,417,211号明細書に記載されている。 【0025】図2には磁界変化の典型的な時間的経過が示されている。磁気共鳴信号の測定された位相位置と、時間経過に関するこのようなモデルとの相関により、SN比が改善される。このようなモデル法により、測定された磁界経過からダイポールの本来関心のある位置も決定される。磁界検出器によるMEG法と相違して、ここでは磁界が直接に生起位置において測定され、そしてこうして基礎となっているモデルに関する仮定および周辺条件に頼らなければならないことが少ないので、磁気ダイポールの実際の位置をより確実かつより正確に決定できる。 【0026】図10には、本発明による神経活動の決定のための流れ図を示す。核共鳴信号の励起および読出しにより生データを取得する。これらから従来通常の方法に従って、FET変換(拘束フーリエ変換)により複素データセットを位置空間で取得する。これらの複素データセットから、大きさデータセットおよび位相データセットを取得する。大きさデータセットに基づいて、像マトリックスを作成する。位相データセットに関して、これらの生データの位相位置と刺激ファンクションとの相互相関を求める。さらに神経活動により惹起される時間に対する時間モデルとの相関を求める。最後に磁気ダイポールの磁界の位置経過に関するモデルとの相関を求める。これらの相関に基づいて、生データから神経活動に関する情報を抽出し、そして位置的に解析して機能的な像の中に表示する。 【0027】指摘しておくべきこととして、本方法は、例えば癲癇の発作に基づいて生起する自発性の事象の同時記録によっても実行できる。この場合には、事象ファンクションが刺激ファンクションの代わりをする。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390039413 【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 【氏名又は名称原語表記】SIEMENS AKTIENGESELLSCHAFT
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| 【出願日】 |
平成11年12月21日(1999.12.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075166 【弁理士】 【氏名又は名称】山口 巖
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| 【公開番号】 |
特開2000−189401(P2000−189401A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月11日(2000.7.11) |
| 【出願番号】 |
特願平11−363042 |
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