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【発明の名称】 内視鏡
【発明者】 【氏名】二木 泰行

【要約】 【課題】オートクレーブ滅菌や低温プラズマ滅菌を内視鏡に施した際に、接着剤の劣化を防止でき、且つ湾曲部外皮による水密耐性を確保でき、且つ湾曲部外皮の交換を容易に行うことができる内視鏡を提供する。

【解決手段】先端部13を構成する先端構成部材24外周の一部は、湾曲部12外皮である被覆チューブ25先端部分で被覆され、その上から糸26で緊縛され、その上から接着剤27が塗布されており、被覆チューブ25における水密が確保されている。接着剤27は、熱収縮チューブ28で被覆され、オートクレーブ滅菌の高温水蒸気や低温プラズマ滅菌の薬液による接着剤27の劣化が防止されている。被覆チューブ25後端側も略同様の構成となっている。また、熱収縮チューブ28を刃物で切り裂くこと等により、被覆チューブ25は容易に交換することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】体腔内等に挿入する挿入部と、この挿入部に設けられ遠隔操作により湾曲可能な湾曲部と、この湾曲部の最外層に設けられた外皮と、この外皮の端部をこの外皮外周を緊縛して固定する固定手段とを有する内視鏡において、前記固定手段に接着剤を塗布し、少なくともこの接着剤を熱収縮チューブで被覆したことを特徴とする内視鏡。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オートクレーブ滅菌や低温プラズマ滅菌を支障なく可能とするよう改良した内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、医療分野においては、体腔内等に細長な挿入部を挿入することによって体腔内の深部等を観察したり、必要に応じて処置具を用いることにより治療処置等を行なうことのできる内視鏡が広く用いられるようになっている。これら医療用内視鏡にあっては、使用した内視鏡を確実に消毒滅菌することが感染症等を防止するために必要不可欠である。
【0003】従来では、この消毒滅菌処理は、エチレンオキサイドガス等のガスや、消毒液に頼っていたが、周知のように滅菌ガス類は猛毒であり、滅菌作業の安全確保の為に滅菌作業は煩雑である。また、このガス滅菌は、滅菌後に機器に付着したガスを取り除く為のエアレーションに時間がかかる為、滅菌後すぐに内視鏡を使用できないという問題点がある。さらに、このようなガス滅菌では、ランニングコストが高いという問題点がある。一方、消毒液による滅菌の場合は、消毒液の管理が煩雑であり、消毒液の廃棄処理に多大な費用が必要となるといった問題がある。
【0004】そこで、最近では、有害なガスを使用せず、滅菌後にすぐに内視鏡を使用できる滅菌として、オートクレーブ滅菌やガスプラズマ滅菌が主流になりつつある。オートクレーブ滅菌は、高温高圧水蒸気による滅菌であり、その代表的な滅菌条件が、米国規格協会承認医療機器開発協会発行の米国規格ANSI/AAMI−ST37−1992で規格化されている。この規格によれば、プレバキュームタイプの滅菌では、132℃の水蒸気を4分間施し、またグラビティタイプの滅菌では、132℃の水蒸気を10分間施すように規定されている。また、ガスプラズマ滅菌は、密閉したチャンバ内に内視鏡を配置して脱気し、そのチャンバ内に過酸化水素の水溶液を注入して気化させて内視鏡周囲に充満させ、チャンバを減圧後、電磁波エネルギを与えて電界を生じさせて50℃程度の低温ガスプラズマを発生させ、プラズマ内で蒸気状の過酸化水素が解離して生じる活性成分により滅菌するものである。この活性成分は、微生物と反応したり、お互いに反応すると、その高エネルギが失われて、酸素や水等の無害な副生成物となる。
【0005】ところが、これら低温プラズマ滅菌やオートクレーブ滅菌では、内視鏡の外表面に接着剤が露出している場合に、これらの滅菌処理を内視鏡に施すと、その接着剤が劣化してしまうという問題があった。図5を使用して、このように外表面に接着剤が露出している従来の内視鏡の構成例を簡単に説明する。図は、従来の一般的な内視鏡の挿入部81を構成する先端部82と湾曲部83との接続部の構造を示している。湾曲部83は、複数の湾曲駒84が、リベット85により互いに回動可能なように連設されて構成されており、これにより湾曲部83は湾曲自在となっている。これら湾曲駒84及びリベット85の外周は、網状管86で覆われ、この網状管86の前後端部は、半田で固定されている。複数の湾曲駒84のうち最先端に位置する湾曲駒84前端は、先端部82を構成する先端構成部材87後端に嵌合され接着固定されている。そして、先端構成部材87と湾曲駒84と網状管86の外周には、例えばフッ素系樹脂で形成された弾性の被覆チューブ88が設けられている。この被覆チューブ88の前後端には、糸89が巻き付けられ、一般的に、この糸89には、接着剤90が塗布されている。これにより、被覆チューブ88内面が先端構成部材87外周面に押さえつけられ、内視鏡内部の水密が確保されている。なお、被覆チューブ88後端部も同様に、糸で緊縛され、接着剤が塗布されている。このように、従来の内視鏡では、湾曲部の外皮の前後端を固定する糸に塗布された接着剤が露出している場合がある。このように接着剤が内視鏡から露出している場合には、オートクレーブ滅菌による高温高圧水蒸気や低温プラズマ滅菌の活性成分により、前述したように接着剤が劣化してしまう。また、耐性を有する接着剤を用いた場合、接着強度が落ちたり、作業性が悪くなったりしてしまう。
【0006】そこで、例えば実案登録第2539432号を応用し、即ち湾曲部の被覆チューブの前後端部に糸を巻き、この糸の上に接着剤を塗布し、この接着剤の上にステンレス等の金属製の硬質リングを嵌合し、この硬質リングを接着剤で位置固定する構成とする案が挙げられる。また、例えば実公昭63−14806号を応用し、即ち湾曲部の被覆チューブの前後端部をリング状ゴムバンドで締着する構成とする案が挙げられる。いずれの案の場合も、接着剤が内視鏡の外表面に露出しない構成となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実案登録第2539432号を応用して、糸巻き部分を硬質リングで覆う構成とした場合には、湾曲部外皮を外して再度組み付けるようなメンテナンス時に、硬質リングを固定する接着剤を剥離させないと、この硬質リングをスライド移動させ、湾曲部外皮を組み付け直した後、硬質リングをスライド移動させて糸巻き部を覆う際に、硬質リングが円滑にスライドできない。また、硬質リングは金属製なので、変形すると、円滑にスライドできない。このように湾曲部外皮交換時の作業性が悪くなってしまう。また、実公昭63−14806号を応用して、湾曲部外皮端部をリング状ゴムバンドで締着する構成とした場合には、糸等で緊縛した場合に比べて、水密性の確保が不十分となってしまう。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、オートクレーブ滅菌や低温プラズマ滅菌を内視鏡に施した際に、接着剤の劣化を防止でき、且つ湾曲部外皮による水密耐性を確保でき、且つ湾曲部外皮の交換を容易に行うことができる内視鏡を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明は、体腔内等に挿入する挿入部と、この挿入部に設けられ遠隔操作により湾曲可能な湾曲部と、この湾曲部の最外層に設けられた外皮と、この外皮の端部をこの外皮外周を緊縛して固定する固定手段とを有する内視鏡において、前記固定手段に接着剤を塗布し、少なくともこの接着剤を熱収縮チューブで被覆したことを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1ないし図3は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は内視鏡の全体構成を説明する説明図、図2は湾曲部と先端部との接続構造を示す断面図で、(A)は縦断面図、(B)は(A)の要部拡大断面図、図3は湾曲部と蛇管との接続構造を示す断面図で、(A)は縦断面図、(B)は(A)の要部拡大断面図である。
【0010】図1に示すように、本実施の形態の内視鏡1は、体腔内等に挿入する細長の挿入部2と、この挿入部2基端に連設され、内視鏡1を把持し操作するための操作部3と、この操作部3側部から延出し、内視鏡1に供給する照明光を発する図示しない光源装置等の外部装置と接続するためのユニバーサルコード4と、このユニバーサルコード4の端部に設けられ、図示しない光源装置等の外部装置に着脱自在に接続するためのコネクタ5を有して構成されている。
【0011】前記挿入部2は、手元側から順に、細長で可撓性の蛇管11と、湾曲自在の湾曲部12と、先端に位置する先端部13が連設されて構成されている。
【0012】前記操作部3には、前記湾曲部12を湾曲操作するためのアングルレバー14が備えられている。
【0013】前記コネクタ5側部には、内視鏡1で得た被写体像に対応する映像信号を得るための図示しないビデオプロセッサからのケーブルを着脱自在に接続するためのビデオプロセッサ用接続部15が設けられている。そして、このビデオプロセッサ用接続部15には、ユニバーサルコード4を介して、内視鏡1の内部空間と連通した連通口16が形成されている。この連通口16に図示しないアダプターを取り付けることで、内視鏡1内部空間の水密が確保されるようになっている。
【0014】図2に示すように、湾曲部12は、複数の湾曲駒21がリベット22により互いに回動可能に連設されて構成されている。この連設された複数の湾曲駒21の外周は、網状管23で覆われている。これら複数の湾曲駒21のうち最先端に位置する湾曲駒21前端は、前記先端部13を構成する先端構成部材24後端に嵌合し、接着固定されている。これら先端構成部材24の一部と湾曲駒21と網状管23の外周は、湾曲部12の外皮である被覆チューブ25で覆われている。この被覆チューブ25の先端側端部外周には、糸26が巻き付けられ、この糸26には、接着剤27が塗布され、その上から熱収縮チューブ28が熱収縮されて被覆されている。
【0015】前記糸26は、糸に限らず、金属製のワイヤーであってもよく、例えば強度の高いタングステンワイヤーを用いることで糸巻き部の外径を抑えることができる。
【0016】前記熱収縮チューブ28は、フッ素系樹脂の表面にテトラエッチ処理等の化学処理を施したものであり、薬品耐性及び接着性が強化されている。
【0017】前記接着剤27は、例えばエポキシ系樹脂によって形成されたものである。なお、接着剤27は、オートクレーブ滅菌や低温プラズマ滅菌に対する耐性のあるシリコンゴム系の材質で形成してもよい。
【0018】以上のように、糸26及び接着剤27は、完全に熱収縮チューブ28で覆われており、外表面には露出していない。
【0019】図3に示すように、蛇管11は、金属製の螺旋管31と、この螺旋管31外周を覆う網状管32と、この網状管32外周の先端より基端側寄りの位置から基端側を覆う樹脂層33を有して構成されている。この蛇管11前端側には、湾曲部12が連設されており、蛇管11の外皮である被覆チューブ25が、前記網状管32外周の前端側を覆い、この被覆チューブ25後端部と樹脂層33前端部とが付き合わされている。
【0020】前記被覆チューブ25内面に位置する網状管32には、接着剤又は半田が充填されており、これにより、網状管32の目が埋められて、液体が透過できないようになっている。
【0021】そして、被覆チューブ25後端部には、糸34が巻き付けられており、これにより、接着剤又は半田が塗布された網状管32外面と被覆チューブ25内面が押さえつけられ、内視鏡1内部が外気と遮断され、内視鏡1の水密が保たれている。
【0022】前記糸34には、接着剤35が塗布されており、これら糸34及び接着剤35の外周には、熱収縮チューブ36が熱収縮されて組み付けられている。これら糸34や接着剤35や熱収縮チューブ36は、それぞれ前記糸26や前記接着剤27や前記熱収縮チューブ28と同様の材質で形成されている。
【0023】以上のように、糸34及び接着剤35は、完全に熱収縮チューブ36で覆われており、外表面には露出していない。
【0024】次に、本実施の形態の作用のうち、先ず、内視鏡1に滅菌処理を施す際の作用を述べる。手技に使用された内視鏡1は、洗浄された後、オートクレーブ滅菌装置内或いは低温プラズマ滅菌装置内に載置される。ここで、オートクレーブ滅菌の場合には、オートクレーブ滅菌装置のチャンバ内は、例えば132℃の高温高圧水蒸気で満たされ、この高温高圧水蒸気により内視鏡1外表面及び内部が滅菌される。また、低温プラズマ滅菌の場合には、低温プラズマ滅菌装置のチャンバ内は、電磁波でプラズマ状態となった例えば過酸化水素水溶液といった薬液で満たされ、このプラズマ状態の薬液により内視鏡1が滅菌される。
【0025】このとき、一般に、湾曲部の被覆チューブ前後端を緊縛する糸を固定する接着剤が外表面に露出していると、オートクレーブ滅菌の高温高圧水蒸気や低温プラズマ滅菌の薬液により、露出した接着剤が劣化してしまう。しかしながら、本実施の形態の被覆チューブ25前後端を緊縛する糸26、34を固定する接着剤27、35は、熱収縮チューブ28、36に覆われているので、オートクレーブ滅菌の高温高圧水蒸気や低温プラズマ滅菌の薬液から保護され、接着剤27、35の劣化が防止されている。
【0026】また、熱収縮チューブ28、36の材質をフッ素樹脂とした場合には、フッ素樹脂はオートクレーブ滅菌の高温高圧水蒸気や低温プラズマ滅菌の薬液の透過を防ぐので、更に接着剤27、35の劣化が防止される。
【0027】また、接着剤27、35の材質をシリコーンゴム系とした場合には、シリコーンゴム自体が、オートクレーブ滅菌の高温高圧水蒸気や低温プラズマ滅菌の薬液に対する耐性を有するので、接着剤27、35の劣化が防止される。
【0028】次に、湾曲部12の被覆チューブ25を交換する際の作用を述べる。被覆チューブ25を交換する際には、例えば刃物で熱収縮チューブ28、36と糸26、34と被覆チューブ25を切り裂いて取り外す。このように、熱収縮チューブ28、36は、刃物で切り裂くのみで容易に取り外すことができる。そして、新しい被覆チューブ25を被せた後、この被覆チューブ25前後端部に新しい糸26、34を巻き回し、その上から接着剤27、35を塗布し、その上から糸26、34及び接着剤27、35を十分に覆うことができる長さの新しい熱収縮チューブ28、36を被せ、加熱して収縮させる。このように、被覆チューブ25前後端を糸26、34で緊縛することで、容易に内視鏡1の水密を確保することができる。また、糸26、34の代わりに、例えば金属製のワイヤを設ける場合も、被覆チューブ25前後端をこのワイヤで緊縛することで、容易に内視鏡1の水密を確保することができる。また、熱収縮チューブ28、36は、加熱させるのみで容易に固定することができる。この後、熱収縮チューブ28、36からはみ出した接着剤27、35を拭き取り、加熱して接着剤を乾燥固定する。次に、内視鏡1を手技に使用する際の作用を述べる。内視鏡1は、挿入部2を体腔内等に挿入して使用する。このとき、湾曲部12の被覆チューブ25前後端部は、糸26、34で緊縛されているので、内視鏡1の水密が確保される。そして、この糸26、34は、接着剤27、35で固定されているので、手技により緩むことが防止されている。そして、この接着剤27、35は、熱収縮チューブ28、36で覆われているので、内視鏡1にオートクレーブ滅菌や低温プラズマ滅菌を施した後でも、接着剤27、35が劣化していないので、糸26、34が手技中に緩むことなく、内視鏡1の水密を確保できる。
【0029】また、接着剤が外表面に露出している構成と異なり、接着剤27、35外周に熱収縮チューブ28、36が設けられているので、この熱収縮チューブ28、36を熱収縮させる度合いを調節して外径を調節したり、この熱収縮チューブ28、36の外表面を滑らかにする等の加工を施すことで、挿入部2の挿入性を向上することができる。
【0030】以上説明した本実施の形態によれば、接着剤27、35を覆う熱収縮チューブ28、36を設けたので、オートクレーブ滅菌や低温プラズマ滅菌を施した際の接着剤27、35の劣化を防止できる。また、湾曲部12外皮である被覆チューブ25前後端を緊縛する糸26、34を設けたので、被覆チューブ25における水密を確保できる。また、被覆チューブ25や糸26、34とともに、熱収縮チューブ28、36を刃物等で切り裂くのみで容易に取り外すことができ、続いて、新しい被覆チューブ25を被せて、その前後端を新しい糸26、34で緊縛して、その上から接着剤27、35を塗布した後、その上から新しい熱収縮チューブ28、36を被せて加熱するのみで、被覆チューブ25を容易に交換することができる。つまり、オートクレーブ滅菌や低温プラズマ滅菌を内視鏡に施した際に、接着剤27、35の劣化を防止でき、且つ湾曲部12外皮による水密耐性を確保でき、且つ湾曲部12外皮の交換を容易に行うことができるという効果を得られる。また、熱収縮チューブ28、36を熱収縮させる度合いを調節することで、外径を調節することができる。このとき、熱収縮チューブ28、36を十分に収縮させることで、糸巻き部の外径が太径化することを防ぐことができる。また、熱収縮チューブ28、36の外表面を滑らかに加工することで、挿入性を向上することができる。
【0031】図4は第1の実施の形態の変形例に係り、湾曲部と蛇管との接続構造を示す断面図で、(A)は縦断面図、(B)は(A)の要部拡大断面図である。なお、前記第1の実施の形態と略同様に構成されている部位には、同一の符号を付して説明を省略する。図4に示すように、湾曲部12の被覆チューブ25後端と蛇管11の樹脂層33前端との接合部では、第1の実施の形態と同様に、被覆チューブ25外周は、糸34で緊縛され、この糸34には接着剤35が塗布され、これら糸34及び接着剤35は、熱収縮チューブ36で覆われている。但し、本変形例の熱収縮チューブ36は、第1の実施の形態の熱収縮チューブ36(図3参照)とは長さが異なっている。即ち、本変形例の熱収縮チューブ36は、糸34の緊縛されている長手方向の長さと同じになっている。
【0032】以上説明した本変形例によれば、前記第1の実施の形態と同様に、接着剤35が熱収縮チューブ36で覆われているので、前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、熱収縮チューブ36内周の全面が、接着剤35で糸34と接着されているので、熱収縮チューブ36が確実に接着される。即ち、熱収縮チューブ36とフッ素系樹脂で形成された被覆チューブ25とは一般的に接着性が悪いが、熱収縮チューブ36内周の全面を糸34と接着することで、熱収縮チューブ36端部が剥がれることを防止できる。
【0033】なお、本発明は、上述の実施の形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。例えば、内視鏡1は、電子内視鏡に限らず、光学内視鏡であってもよい。
【0034】ところで、内視鏡にオートクレーブ滅菌を施す際には、図6(A)に示すように、内視鏡101の挿入部102や操作部103やユニバーサルコード104等の各部の形状に対応した溝が形成されたトレイ111に内視鏡101を載置することにより、内視鏡101の変形を防ぐことができる。このとき、内視鏡101を載置するトレイが例えば網状に形成されたものであると、オートクレーブ滅菌時に、樹脂等で構成された挿入部102外皮が熱で変形し、編目がついて挿入性を損ねたり、湾曲性を損ねてしまう虞がある。そこで、挿入部102を載置するトレイ111の溝の形状を、図6(B)に示すように、挿入部の外径と略同一径の円弧状に形成することで、挿入部102の変形を防ぐことができる。なお、ユニバーサルコード104を載置する溝の形状についても同様である。
【0035】[付記]
(付記項1)体腔内等に挿入する挿入部と、この挿入部に設けられ遠隔操作により湾曲可能な湾曲部と、この湾曲部の最外層に設けられた外皮と、この外皮の端部をこの外皮外周を緊縛して固定する固定手段とを有する内視鏡において、前記固定手段に接着剤を塗布し、少なくともこの接着剤を熱収縮チューブで被覆したことを特徴とする内視鏡。
【0036】(付記項2)付記項1に記載の内視鏡であって、前記熱収縮チューブは、薬品耐性及び接着性を強化するための化学処理を表面に施したフッ素樹脂で形成した。
【0037】(付記項3)付記項2に記載の内視鏡であって、前記化学処理は、テトラエッチ処理である。
【0038】(付記項4)付記項1に記載の内視鏡であって、前記接着剤は、シリコーン系の材質からなる。
【0039】(付記項5)付記項1に記載の内視鏡であって、前記固定手段は、糸である。
【0040】(付記項6)付記項1に記載の内視鏡であって、前記固定手段は、金属等で形成されたワイヤーである。
【0041】(付記項7)付記項1に記載の内視鏡であって、オートクレーブ滅菌が可能である。
【0042】(付記項8)付記項1に記載の内視鏡であって、低温プラズマ滅菌が可能である。
【0043】(付記項9)付記項1に記載の内視鏡であって、前記固定手段の長さと、前記熱収縮チューブの長さとを略同じに形成した。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、オートクレーブ滅菌や低温プラズマ滅菌を内視鏡に施した際に、接着剤の劣化を防止でき、且つ湾曲部外皮による水密耐性を確保でき、且つ湾曲部外皮の交換を容易に行うことができるという効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成10年12月1日(1998.12.1)
【代理人】 【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
【公開番号】 特開2000−166859(P2000−166859A)
【公開日】 平成12年6月20日(2000.6.20)
【出願番号】 特願平10−342176