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【発明の名称】 乳房部安定化装置およびそれを用いた画像化および外科的侵襲方法
【発明者】 【氏名】ロバータ リー

【氏名】ジェームズ ダブリュー ベター

【氏名】ナタリー エヌ ハイランド

【要約】 【課題】画像化および侵入性医療操作のための乳房部安定化装置を提供する。

【解決手段】乳房部が実質的に平坦面上に置かれたとき、乳房部の一部を囲う形状を有するシェル部を有し、シェル部が乳房部の乳頭−乳輪複合部の少なくとも一部を挿通させる第1の開口部を有する。第1および第2のフランジがシェル部から延出し、シェル部を上記平坦面に固定させる。上記シェル部は更に第3のフランジを有し、シェル部を患者の胸部面に固定させるようにした。上記の堅い外側部材は吸引ポートを含み、上記の比較的柔らかな内側部材は該吸引ポートに連通する複数の透孔を含み、該吸引ポートから流体を吸引したとき患者の乳房を該内側部材側に引き寄せるようにした。乳房を画像化、介入する方法は、開口部を介して乳房の乳輪周囲の上部に切開を形成して行われる。表面および組織内超音波を用い、患部を位置決めし、非圧迫で安定化された乳房を実時間で画像化し、その間に乳房が安定した生検または切除が行われる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 乳房部が実質的に平坦面上に置かれたとき、該乳房部の一部を囲う形状を有するシェル部であって、該シェル部が乳房部の乳頭−乳輪複合部の少なくとも一部を挿通させる第1の開口部を有するものと;該シェル部から延出する第1および第2のフランジであって、該第1および第2のフランジは該シェル部を上記平坦面に実質的に固定させる形状を有するものと;を具備してなる画像化および侵襲性医療操作のための乳房部安定化装置。
【請求項2】 上記シェル部は、更に第3のフランジを有し、該シェル部を患者の胸部面に固定させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の乳房部安定化装置。
【請求項3】 上記第1、第2のフランジおよび/または第3のフランジ上に第1の接着層を設け、該シェル部を上記平坦面および/または患者の胸部面に固定させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の乳房部安定化装置。
【請求項4】 上記シェル部は、ほぼ切頭半円錐形をなし、上記平坦面上に置かれていない乳房部の部分を囲むようにしたことを特徴とする請求項1記載の乳房部安定化装置。
【請求項5】 上記シェル部は、実質的に堅い外側部材と比較的柔らかな内側部材とを有し、該柔らかな内側部材が使用時に患者の乳房部と接触するようにしたことを特徴とする請求項1記載の乳房部安定化装置。
【請求項6】 第2の接着層を上記シェル部の比較的柔らかな内側部材上に配置させたことを特徴とする請求項5記載の乳房部安定化装置。
【請求項7】 上記の実質的に堅い外側部材は吸引ポートを含み、上記の比較的柔らかな内側部材は該吸引ポートに連通する複数の透孔を含み、該吸引ポートから流体が吸引されるとき患者の乳房を該内側部材側に引き寄せるようにしたことを特徴とする請求項5記載の乳房部安定化装置。
【請求項8】 上記第1の開口部は、ほぼ半円形をなしていることを特徴とする請求項1記載の乳房部安定化装置。
【請求項9】 上記第1の開口部は、少なくとも1つの器具を押付ける形状の第1のリップを含むことを特徴とする請求項1記載の乳房部安定化装置。
【請求項10】 上記第1のリップは、着脱自在となっていることを特徴とする請求項9記載の乳房部安定化装置。
【請求項11】 上記シェル部は、更に1またはそれ以上の第2の開口部を有し、これを介して乳房部の表面を露出させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の乳房部安定化装置。
【請求項12】 該第2の開口部を囲うように第2のリップを設け、1またはそれ以上の器具をそこに押付けるようにしたことを特徴とする請求項11記載の乳房部安定化装置。
【請求項13】 上記第2のリップは、着脱自在となっていることを特徴とする請求項10記載の乳房部安定化装置。
【請求項14】 上記シェル部は、プラスチック材料を含むことを特徴とする請求項1記載の乳房部安定化装置。
【請求項15】 乳房部の患部を画像化し、生検操作する方法を提供するものであり、該方法が、第1および第2の加圧プレートの間に乳房部を圧迫する工程と;乳房X線撮影法を用いて患部の位置決めを行う工程と;該患部の空間的座標を計算する工程と、組織内超音波トランスデューサーを含む生検装置を圧迫された乳房部に挿入し、上記空間的座標を用いて患部近傍に切除装置を位置させる工程と;上記組織内超音波トランスデューサーを働かせ、超音波の案内のもとで該生検装置の正しい位置を確認する工程と;上記第1の加圧プレートを移動させて上記圧迫から乳房部を解放させる工程と;乳房部安定化装置を乳房部上に置き、該乳房部安定化装置を少なくとも上記第2の加圧プレートに固定させる工程と;上記切除装置の組織内超音波トランスデューサーからの超音波の案内のもとで、患部の生検を行う工程と;を具備してなることを特徴とする方法。
【請求項16】 上記空間的座標は、乳房の乳輪周囲境界との関連で計算することを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】 上記乳房部安定化装置は、乳房部の乳頭−乳輪複合部の少なくとも一部を挿通させる開口部を有し、上記生検装置を圧迫され安定化された乳房の乳輪周囲境界の近傍に挿入させることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項18】 上記生検を行う工程が、乳房から患部を切除する工程を含むことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項19】 上記生検を行う工程の前に上記乳房部安定化装置内で乳房部を膨脹させる工程を含むことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項20】 上記乳房部安定化装置は、吸引ポートと、使用時に乳房部と接触するように形成された内側部材とを含み、該内側部材が上記吸引ポートと連通する複数の透孔を含み、上記の乳房部を膨脹させる工程が、上記吸引ポートから流体を引き乳房部を上記内側部材へ向けて引付ける工程を含むことを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項21】 上記第1のプレートが上方プレートであり、第2のプレートが下方プレートであるものであることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項22】 上記固定工程が、上記乳房部安定化装置を上記第2のプレートに押付ける締付け工程および上記乳房部安定化装置を上記第2のプレートに接着させる接着工程の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項23】 上記固定工程は、上記乳房部安定化装置を患者の胸面に固定させる工程を含むことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項24】 圧迫されていない乳房を画像化させる方法であって、該方法が、乳房の乳輪周囲の近傍に切開を形成する工程と;組織内超音波トランスデューサーを含む生検装置を上記切開部を介して乳房に挿入する工程と;上記組織内超音波トランスデューサーを乳房部内で働かせる工程と;上記組織内超音波トランスデューサーからのデータを用い、乳房部をディスプレー装置に画像化させる工程と;を具備してなることを特徴とする方法。
【請求項25】 上記組織内超音波トランスデューサーの周波数が、約7.5MHzないし20MHzの範囲から選択されるものであることを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】 上記生検装置の挿入工程の前に、乳房部を圧迫する工程を行うことを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項27】 上記組織内超音波トランスデューサーを働かせる工程の前に乳房部安定化装置を乳房部の少なくとも一部に置く工程を含むことを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項28】 上記乳房部安定化装置が、乳房部の少なくとも上方部を囲むようにしたことを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項29】 女性の乳房の上部の形状にほぼ合致し、吸引ポートを有する外側部材と;該外側部材に接合され、該外側部材との間に隙間を形成する内側部材であって、該外側部材よりも比較的柔らかく、上記隙間および上記吸引ポートと連通する複数の透孔を有し、少なくとも空気または他のガスなどの流体が上記吸引ポートから吸引されたとき、患者の乳房部と密着して引かれる内側部材と;を具備してなる医療用乳房部安定化装置。
【請求項30】 上記外側部材と内側部材は、乳房部の乳頭−乳輪複合部の少なくとも一部を挿通させる開口部を画成させるものであることを特徴とする請求項29記載の装置。
【請求項31】 上記乳房部安定化装置を平坦面および/または患者の胸部面へ固定させる1またはそれ以上のフランジを更に含むことを特徴とする請求項29記載の装置。
【請求項32】 上記外側部材と内側部材の双方を貫通する1またはそれ以上の窓を配置させ、この窓を介して患者の乳房の一部を露出させることを特徴とする請求項29記載の装置。
【請求項33】 接着層を上記内側部材の下側に配置させ、装置使用時に、この内側部材の下側を患者の乳房に接着させることを特徴とする請求項29記載の装置。
【請求項34】 該装置は、1回使用のものであることを特徴とする請求項29記載の装置。
【請求項35】 該装置は、多数回使用のものであることを特徴とする請求項29記載の装置。
【請求項36】 流体は、空気を含むものであることを特徴とする請求項29記載の装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、診断および治療用医療装置および処置に関する。より具体的には、本発明は女性の乳房部のための安定化、画像化および手法を容易にするためのプラットホームに関する。
【0002】
【従来の技術】40才を過ぎた女性は年一回の乳房X線写真検査を行い、乳癌をその極めて初期の段階でできるだけ発見し得るようにすることが推奨されている。はっきり言って、これらの女性は兆候を示さず、乳房部内の病変はあったとしても、ほとんどの場合、触診することはできない。したがって、小さな乳癌のほとんどは乳房X線写真検査により診断される。満足な乳房X線画像を得るためには、2つの平行なプレートの間に圧迫され、不動的に保持されなければならない。必要な乳房X線写真像を得るためにはこの圧迫が必須のものである。なぜならば乳房部が圧迫状態になければ適切な乳房X線写真を得ることはできない。従来は、コンピュータがx,y,z座標を計算し、病変部の標的を求め、生検器具をついで圧迫された乳房部内に挿入させ、患部の生検を実施するようにしている。
【0003】この必要とする圧迫のため、女性の乳房部への加圧プレートの位置が、処置を行うための皮膚侵入位置を決定する。すなわち、結果として傷跡を生じる部位となる。実際に、圧迫器具における乳房の位置が、切開が行われる位置を決めることになる。従来は、この傷跡はほとんどの場合、それが上位、後方、下位または中心部であっても、乳房部の脇に生じるようにさせる。また、この傷跡は長さが約5mm以上で、標本抜取り装置が大きい場合は目障りな3cmにまで達することがある。
【0004】そのような装置および方法の例が米国特許第5,702,405号(特許日、1997年12月30日、Heywang−Koebrunner)に開示されている。この文献に記載されているように、乳房部は断層撮影装置の三次元定位アタッチメントの2つのプレートの間に圧迫される。この2つの加圧プレートの1つに、複数の透孔がプレートの面に実質的に垂直な面に対して斜めに設けられていて、生検針が乳房部を脇からアクセスできるようになっている。同様に、米国特許第4,563,768号(Readら)には、乳房部を圧迫するための2つの平行プレートを利用する乳房X線写真装置が開示されている。この圧迫プレートの1つはX線フィルムホルダーとして機能する。マトリックス状の孔がこの圧迫プレートの1つに形成されていて生検針等が乳房部の脇部にアクセスし得るようになっている。米国特許第4,691,333号でも同様の乳房部圧迫および側方アクセス技術が使用されている。米国特許第5,499,989号(LaBash)には、別の乳房部圧迫方法が開示されている。この場合、乳房部が圧迫により安定化され、その時、プレートの1つに設けられた開口部上にガイドスプールが整合して設けられ、このガイドスプールにより筒状パンチまたは生検針が案内され、圧迫されている乳房部の脇を穿孔して患部へアクセスできるようになっている。
【0005】このような装置には共通して以下のような欠点があった。圧迫された乳房部で患部の生検を行った場合、この生検を行った後に残される孔が、乳房が圧迫から解放されたときに、拡大するということである。この拡大した孔は見苦しく美観を損ね、特に大きい標本抜取り装置が使用された場合はその傾向が大きい。従って、乳房部が圧迫されていない状態で生検を実施することができれば、有益である。しかし、小さな乳房部患部の位置決めには乳房X線画像が必要であり、逆に乳房X線画像化には乳房部が圧迫されていることが必要である。
【0006】超音波画像は現在使用されていて、特定の患部に対しては良好な結果を得ている。しかし、スクリーニング手法としては一般に使用されていない。事実、超音波は乳房X線写真で認められた疑わしい部位について、あるいは触診された部位について追加の情報を収集するのに従来、使用されている。従来は、超音波により疑わしいと認められた部位が、乳房X線写真で認められたものと正確に関連づけられると結論づけることは困難であった。更に、乳房X線写真で認められた疑わしい微石灰化でも、現在の超音波画像化技術で容易には可視化することができない。従って、従来はこの超音波は、触診できない小さな癌または疑わしい部位の生検または切開に対しては殆ど助けにはならない。
【0007】表面超音波が患部の位置決めに有効である場合では、手動により生検操作を表面超音波の案内のもとで行うことができよう。このような指示された生検操作においては、乳房部内の患部はソノグラフィー的に狙いづけることができ、細針による体液吸引、標本抜取り生検、真空補助による標本抜取り生検手法などを行うことができる。このような操作においては、乳房部は圧迫されず、表面超音波トランスデューサーを一般的に使用して乳房部およびその関心部位の画像化を行うことができる。表面超音波案内生検において、医師は手動で(すなわち、乳房に手を当てて)乳房部をできるだけ良く安定化させ、超音波プローブを掴み、患部からの組織を採取するために正確に生検を行わなければならない。従来は、この操作は、できるだけ患者の乳房の壁面に平行になるような方向に針を乳房部に挿入して行われていた。つまり、乳房部の安定性、プローブの操作、並びに実際の針による生検を全て同時に行わなければならず、その間全てにおいて、針を超音波プローブの焦点面内に維持させなけらばならない。この場合、アシスタントの助けを借りて、この操作を行うことも困難である。なぜならば、もし超音波プローブおよび/または針が所定の線上に正確にないとすると、あるいは1ミリの何分の1でもずれているとすると、針は超音波モニター上に可視化させることはできない。更に患者が少しでも動くと(例えば、咳などの動き)、生検装置および表面超音波プローブの整合が外れることがある。
【0008】圧迫されていない状態の乳房に生検操作を行うことは、乳房部を圧迫することに関連する不利な点を軽減させることになる。更に重要なことは、このような圧迫されていない状態の乳房に対するこのような操作は、刺通位置の選択の幅を広げ、切開の後の傷孔の大きさを減少させ、更に自然な状態において乳房部から組織を切り取る手段を提供することになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は女性の乳房部の安定化、画像化および処置を容易にすることができる画像化および侵入性医療操作のための乳房部安定化装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の原理による画像化および侵入性医療操作のための乳房部安定化装置は、乳房部が実質的に平坦面上に置かれたとき、該乳房部の一部を囲う形状を有するシェル部であって、該シェル部が乳房部の乳頭−乳輪複合部の少なくとも一部を挿通させる第1の開口部を有するものと;該シェル部から延出する第1および第2のフランジであって、該第1および第2のフランジは該シェル部を上記平坦面に実質的に固定させる形状を有するものと;を具備してなることを特徴とする。
【0011】上記シェル部は、更に第3のフランジを有し、該シェル部を患者の胸部面に固定させるようにしてもよい。
【0012】上記第1、第2のフランジおよび/または第3のフランジ上に第1の接着層を設け、該シェル部を上記平坦面および/または患者の胸部面に固定させるようにしてもよい。上記シェル部は、ほぼ切頭半円錐形をなし、上記平坦面上に置かれていない乳房部の部分を囲むようにしてもよい。上記シェル部は、実質的に堅い外側部材と比較的柔らかな内側部材とを有し、該柔らかな内側部材が使用時に患者の乳房部と接触するようにしてもよい。更に、第2の接着層を上記シェル部の比較的柔らかな内側部材上に配置させてもよい。上記の実質的に堅い外側部材は吸引ポートを含み、上記の比較的柔らかな内側部材は該吸引ポートに連通する複数の透孔を含み、該吸引ポートから吸気を行ったとき患者の乳房を該内側部材側に引き寄せるようにしてもよい。上記第1の開口部は、ほぼ半円形をなし、少なくとも1つの器具を押付ける形状の第1のリップを含むものであってもよい。上記シェル部は更に1またはそれ以上の第2の開口部を有し、これを介して乳房部の表面を露出させるようにしてもよい。該第2の開口部を囲うように第2のリップを設け、1またはそれ以上の器具をそこに押付けるようにしてもよい。上記シェル部は、プラスチック材料を含むものであってもよい。
【0013】本発明は、乳房部の患部を画像化し、生検操作する方法を提供するものであり、該方法が、第1および第2の加圧プレートの間に乳房部を圧迫する工程と;乳房X線撮影法を用いて患部の位置決めを行う工程と;該患部の空間的座標を計算する工程と、組織内超音波トランスデューサーを含む生検装置を圧迫された乳房部に挿入し、上記空間的座標を用いて患部近傍に切除装置を位置させる工程と;上記組織内超音波トランスデューサーを働かせ、超音波の案内のもとで該生検装置の正しい位置を確認する工程と;上記第1の加圧プレートを移動させて上記圧迫から乳房部を解放させる工程と;乳房部安定化装置を乳房部上に置き、該乳房部安定化装置を少なくとも上記第2の加圧プレートに固定させる工程と;上記切除装置の組織内超音波トランスデューサーからの超音波の案内のもとで、患部の生検を行う工程と;を具備してなることを特徴とする。
【0014】上記空間的座標は乳房の乳輪周囲境界との関連で計算されてもよい。上記乳房部安定化装置は、乳房部の乳頭−乳輪複合部の少なくとも一部を挿通させる第1の開口部を有するものであってもよく、また、上記生検装置を圧迫され安定化された乳房の乳輪周囲境界の近傍に挿入させてもよい。上記生検を行う工程が、乳房から患部を切除する工程を含むものであってもよい。上記生検を行う工程の前に上記乳房部安定化装置内で乳房部を膨脹させる工程を含むものであってもよい。上記乳房部安定化装置は、吸引ポートと、使用時に乳房部と接触するように形成された内側部材とを含み、該内側部材が上記吸引ポートと連通する複数の透孔を含むものであってもよい。上記の乳房部を膨脹させる工程が、上記吸引ポートから流体を引き乳房部を上記内側部材へ向けて引付ける工程を含むものであってもよい。上記第1のプレートが上方プレートであり、第2のプレートが下方プレートであるものであってもよい。上記固定工程が、上記乳房部安定化装置を上記第2のプレートに押付ける締付け工程および/または上記乳房部安定化装置を上記第2のプレートに接着させる接着工程を含むものであってもよい。上記固定工程は、上記乳房部安定化装置を患者の胸面に固定させる工程を含むものであってもよい。
【0015】本発明は、圧迫されていない乳房を画像化させる方法であって、該方法が、乳房の乳輪周囲の近傍に切開を形成する工程と;組織内超音波トランスデューサーを含む生検装置を上記切開部を介して乳房に挿入する工程と;上記組織内超音波トランスデューサーを乳房部内で働かせる工程と;上記組織内超音波トランスデューサーからのデータを用い、乳房部をディスプレー装置に画像化させる工程と;を具備してなることを特徴とする。
【0016】上記組織内超音波トランスデューサーの周波数は、約7.5MHzないし約20MHzの範囲から選択してもよい。上記生検装置の挿入工程の前に、乳房部を圧迫する工程を行ってもよい。上記組織内超音波トランスデューサーを働かせる工程の前に乳房部安定化装置を乳房部の少なくとも一部に置く工程を含むものであってもよい。上記乳房部安定化装置が乳房部の少なくとも上方部を囲むようにしてもよい。
【0017】本発明の他の態様によれば、医療用乳房部安定化装置として;女性の乳房の上部の形状にほぼ合致し、吸引ポートを有する外側部材と;該外側部材に接合され、該外側部材との間に隙間を形成する内側部材であって、該外側部材よりも比較的柔らかく、上記隙間および上記吸引ポートと連通する複数の透孔を有し、少なくとも空気または他のガスなどの流体が上記吸引ポートから吸引されたとき、患者の乳房部と密着して引かれる内側部材と;を具備してなるものが提供される。
【0018】上記外側部材と内側部材は、乳房部の乳頭−乳輪複合部の少なくとも一部を挿通させる開口部を画成させるものであってもよい。上記乳房部安定化装置を平坦面および/または患者の胸部面へ固定させる1またはそれ以上のフランジを含むものであってもよい。上記外側部材と内側部材の双方を貫通する1またはそれ以上の窓を配置させてもよく、この窓を介して患者の乳房の一部を露出させてもよい。接着層を上記内側部材の下側に配置させ、装置使用時に、この内側部材の下側を患者の乳房に接着させてもよい。該装置は1回使用のもの、または多数回使用のものであってもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】乳輪の境界に沿っての傷は乳房の側面に形成される同じ長さの傷に比較してそれほど注意を引かない。乳輪複合部の端は従って、乳房の脇、上部または下部と比較して、乳房の切開位置として理想的である。しかし、従来の装置は乳輪の境界でなく、乳房の脇からのみ乳房内部にアクセスするように設計されていた。本発明はこれらの問題と取組み、乳輪複合部の周りから圧迫された、または、されていない乳房の内部へアクセスするのを容易にしたものである。
【0020】図1は本発明の1実施例に係る乳房部安定化装置を示している。その機能について説明すると、図示の乳房部安定化装置100は、使用時において、平坦面195に固定される。しかし、この平坦面195は、記載の便宜的に記載されたもので、本発明を構成するものでない。例えば、この平坦面195は、乳房X線写真撮影装置(図示しない)の下方加圧プレートであってもよい。この乳房部安定化装置100は、女性の乳房105の上部および側面部に合致する形状を有している。この形状は一般的に、切頭半円錐形として特徴付けることができる。しかし、この装置の大きさ、形状は本発明に従って種々の乳房の大きさ、形状に適合させることができる。
【0021】乳房部安定化装置100は、本発明においては、平坦面195(乳房X線写真撮影装置の下方加圧プレート)に乳房105を載せたとき、乳房105の大きさ、形状にほぼ適合し得るようになっている。従って、図1の乳房105の内部の殆どは平坦面195に対し実質的に平坦に横たわる。本発明の目的において、女性が直立した状態で、乳房の上方部は乳頭を通り胸に垂直な面より上にあり、その下方部はこの面より下方にあると考えることができる。その他、乳房の上方部を、女性の姿勢に関係なく、平坦面195上に載っていない乳房の部分と考えることもできる。乳房部安定化装置100は、乳房105が平坦面195に載せられているとき、乳房105の上方部全体を実質的に覆うようになっており、また、その下方部の一部を覆っていてもよい。乳房部安定化装置100は、基端部110と先端部115を有する。この先端部115は、使用時において、乳頭−乳輪コンプレックス126に最も接近している。他方、乳房部安定化装置100の基端部110は、使用時において、患者の胸部112に最も接近している。この装置100の先端部は、切頭形状をなし、開口部130を有し、使用時において、乳頭−乳輪コンプレックス126の少なくとも1部が挿通され得るようになっている。事実、図1に示すように、乳頭122と乳輪124は、乳房部安定化装置100の開口部130から突出している。さらに、この開口部130は、乳頭−乳輪境界部125の近傍の乳房105の一部を露出させるものであってもよい。
【0022】図1に示す乳房部安定化装置100は、更に第1のフランジ135および第2のフランジ140を有する。これら第1のフランジ135および第2のフランジ140は、乳房部安定化装置100のいずれの側に配置されていてもよく、平坦面195に平行に延びていてもよい。これらフランジ135、140は、乳房部安定化装置100と平坦面195に固定させるものである。例えば、これらフランジ135、140は、平坦面195に対向する面(使用時)に接着層を有するものであってもよい。その他、これらフランジ135、140は、従来の締め具を用いて平坦面195に締着させてもよい。更に、平坦面195に対向するフランジ135、140の面に接着層を設けるとともに締め具を用いて、乳房部安定化装置100を平坦面195に固定させるものでもよい。これらフランジ135、140は、装置100の基端110から末端115に至る全長に亘って、または、その一部に亘って延出させてもよい。更に、これらフランジ135、140は、図1のように連続的であってもよいし、平坦面195に面する複数の非連続部材から構成させてもよい。
【0023】乳房部安定化装置100は、第3のフランジ145を有するものでもよい。この第3のフランジ145は、乳房部安定化装置100の基端110に、または、その近傍に配置され、この装置100を患者の胸面112に固定させるものである。好ましくは、この第3のフランジ145の患者の胸面112に対向する側に接着層を設け、この装置100を患者の胸面112に固定させてもよい。第1のフランジ135および第2のフランジ140は、比較的堅い材料(例えば、比較的硬質のプラスチック)で構成させてもよいが、第3のフランジ145は、比較的柔らかな材料(例えば、比較的軟質のプラスチック)で構成させる。このようにすることにより、装置100と患者の胸面112との間に良好な実質的に気密(例えば、空気)のシールを形成させることができる。
【0024】乳房部安定化装置100は、更に、1またはそれ以上の窓150(その1例が図1に示されている)を設け、それを介して乳房105を露出させてもよい。この窓150は、1またはそれ以上のリップ(舌片)155を有する。このリップ155は、画像化装置などの器具を取着させるプラットホームとしての役割を果たす。事実、画像化または切除操作の間に、表面超音波をこの窓150を介して施すことができる。すなわち、表面超音波装置(図示しない)は、この窓150のリップ155に固定させることができる。このリップ155は、窓150と一体に形成されていても、あるいは着脱自在に設けられていてもよい。着脱自在に設ける場合は、図3に示すようにリップ155を乳房部安定化装置100のシェルに摩擦力により圧着させてもよい。吸引ポート160を乳房部安定化装置100に配置させることもできる。注射器、その他の真空導入装置をこの吸引ポート160に締付けたり、着脱自在に固定したりしてもよい。これにより図2に示す方法で乳房部安定化装置100内に部分的真空を生じさせることができる。
【0025】図2は、底面230が見えるようにして乳房部安定化装置100を示している。この底面230は、使用時において、患者の皮膚(乳房)に接触することになる面である。図1で説明したように、接着層210を第1、2、3のフランジ135、140および145のそれぞれに設けることができる。第3のフランジ145に設けられる接着層210は第1、2のフランジ135、140に設けられる接着層と異なるものであってよい。なぜならば、第3のフランジ145に設けられる接着層210は患者の皮膚に接するものであるからである。窓150の周りは円滑なシール面220が形成される。このシール面220は乳房105(図2には示されていない)と乳房部安定化装置100との間の良好なシールを維持させるものである。同様のシール面225を開口部130の周りに施し、患者の乳房と乳房部安定化装置100との間の良好なシールを維持させてもよい。これらのシール面220、225に接着層210を配置させてもよい。
【0026】安定化装置100の底面230には、複数の透孔240を設けてもよい。この透孔240は、図1に示す吸引ポート160と連通している。図1に示すように、乳房部安定化装置100を患者の乳房105に配置させ、流体(例えば、空気)を吸引ポート160から引いたとき、乳房105は装置100の底面230に向けて引かれ、それにより乳房105が平坦面195と乳房部安定化装置100の下面230との間で膨脹する。乳房105と装置100との間の良好なシールを促進するため、接着層235を装置100の底面230に配置させてもよい。例えば、使用前に、外科医が装置100の底面230から保護プラスチックフィルム(図示しない)を剥がし、それにより接着層235を露出させて、装置100を患者の乳房105に配置させる準備を行うことができるようにする。
【0027】図3は、本発明の装置の断面を示す図、すなわち、図1のA−A′線に沿う断面図である。図3に示すように、乳房部安定化装置100は、外側部材310と内側部材320とを有する。これら外側部材310と内側部材320は、プラスチック材料から作り、接着剤または他の手段により互いに接合させることができる。外側部材310は比較的堅い材料から作り、内側部材320は比較的柔かい材料から作り、患者の乳房105に良く適合するようにする(図1)。これら外側部材310と内側部材320は、その間に隙間315が形成されるように形成され、接合される。内側部材320には、複数の透孔240(図2)が形成され、それぞれが上記隙間315および吸引ポート160と連通している。このようにして、乳房部安定化装置100を患者の乳房105に配置させた後、空気などの流体が吸引ポート160から引かれ、これにより乳房105が装置100の底面230に向けて引かれることになる。逆に、これにより乳房105が乳房部安定化装置100内で幾分膨脹することになる。上記リップ155は、少なくとも外側部材310に対し一体的になっていてもよいし、あるいは着脱自在に摩擦的に取着されていてもよい。
【0028】図4は、本発明の装置の使用時、すなわち、画像化および介入操作(例えば、生検または切除)の間の状態を示している。図4は、乳房105に配置された乳房部安定化装置100の側面を示している。乳房部安定化装置100は、平坦面195(乳房X線写真撮影装置の下方加圧プレート)に固定させることができる。図4に示す乳房部安定化装置100も、好ましくは接着性の第3のフランジ145により患者の胸面112に固定させることができる。画像化および/または介入装置415(図4では比例した倍率で描かれていない)が乳房105に挿入された状態が示されている。この装置415は、乳輪周囲境界部125に形成された切開部450を介して挿入されている。参考のため、乳房105に挿入された装置415の部分が破線で示されている。図示のように、装置415は、装置100の開口部130を介して乳房105の切開部450に挿入されており、患部410(例えば、疑わしい細胞、微石灰化、壊死または癌の群)の近傍に案内されている。この画像化および/または介入装置415には、好ましくは超音波トランスデューサー420が備えられる。この装置415がいったん患部410の近傍に正しく配置されると、超音波トランスデューサー420が駆動されて乳房の組織自体から乳房105の構造に関する情報が発生する。この超音波トランスデューサー420の周波数は、約7.5MHzないし約20MHzの範囲から選択することができる。この超音波トランスデューサー420によって発生した情報は、通信リンク440(ワイヤーまたはワイヤーレス)を介して、表示および/またはデータ処理装置440(好ましくは装置415のオペレータに視野内に配置された)へリレーされる。このように、装置415は、乳房組織へ直接挿通されてその内部の構造を画像化する組織内部超音波装置を構成するものである。例えば、適当な画像化/介入装置415が、参照のためここに組込まれた米国特許出願第09/146,743号(“Excisional BiopsyDevices And Methods”,1998年9月3日出願)(本願と共通する出願人)に記載されている。
【0029】図4に示すように、この装置415は、切開具430を備えていてもよい。この切開具430は、鋭利なエッジおよび/またはRFエネルギーを利用して乳房組織を切開および/または焼灼するものである。好ましくは、この組織内超音波トランスデューサー420は、患部410近傍の乳房内で装置415が駆使されている時、乳房105内の患部410を実時間で画像化し得るものである。この実時間画像化により、切開具430の正確な展開が得られ、厳密に必要な個所のみを切り取り必要な組織サンプルを採取し、あるいは患部をまとめて切り取るようにすることができる。この組織内超音波トランスデューサーは、切り取られた患部410の周りに健康な組織の適当なマージンが存在するようにし、これにより装置415の引抜き路に癌細胞を植付ける危険性を少なくし、患部410全体の正しい組織病理学的検査を行うことができるようにするのに利用することができる。
【0030】図5は、本発明の実施例における乳房の患部の生検および/または切除方法を示すフロー図である。この方法は、工程S0で開始される。工程S1において、乳房が、例えば、第1の平坦面と第2の平坦面との間で圧迫される。例えば、第1の平坦面は、乳房X線写真撮影装置の上方加圧プレートであり、第2の平坦面は、乳房X線写真撮影装置の下方加圧プレートであってもよい。工程S2において、圧迫された乳房の少なくとも2つの立体乳房X線写真が撮られる。工程S3は、コンピュータ処理が、この立体乳房X線写真から行われ、図4の符号410で示すような乳房内の標的患部の空間座標(例えば、x,y,zの直角座標)が求められる。工程S2およびS3は、破線で示すように任意的なもので、標準的乳房X線撮影法による位置決め技術を使用することもできる。工程S4において、工程S3で計算された空間座標が再計算され、図4に符号450で示すように、乳房の乳輪境界部の上部との関連で乳房内の患部の位置が、この座標により示されるようにする。工程S5において、領域(例えば、図1に示す乳頭−乳輪コンプレックス126)が、例えば、ベタジン(Betadine)を用いて外科的に準備される。工程S6で乳房中に局部麻酔が施され、図4の450で示すように乳輪境界部またはその近傍が切開される。
【0031】工程S8において、画像化/介入装置が、例えば図4に符号415で示すように、工程S7で形成された切開部を介して挿入され、乳房を通って前進され、圧迫された乳房内の標的患部近傍の位置に到達する。この工程S8は、工程S4で得た再計算空間座標についての三次元定位の案内のもとで行われることが好ましい。画像化/介入装置の位置は乳房X線撮影法を用いて確認することができる。工程S9において、画像化/介入装置の超音波トランスデューサーが駆動される。適当な画像化/介入装置の例が図4に符号420で示されている。少なくともそのような組織内超音波を利用することにより、患部が識別され、位置決めされ、画像化/介入装置が圧迫された乳房内の患部との関係で正確に位置決めされる。
【0032】工程S11ないしS16は、非圧迫の乳房に対し行われる。工程S11おいて、乳房が圧迫から解放される。例えば、乳房X線撮影装置の上部加圧プレートが移動ないし除去され、これにより乳房が圧迫から解放される。工程S12おいて、本発明の乳部安定化装置(例えば、図1で100で示す)が、第2の平坦面(例えば、乳房X線撮影装置の下部加圧プレート)上に置かれながら乳房に嵌合される。ついで、この安定化装置が第2の平坦面および/または患者の胸面に固定される。この工程S11の間およびそれ以降の工程においては、乳房が圧迫されていないから、患者は実質的に不動の状態に保たれていることが重要である。工程S13おいて、吸引が本発明の安定化装置に対し、例えば図1、3、4に示す吸引ポート160を介して適用される。これにより、流体(例えば、空気)が、図2に示す複数の透孔240を介し、更に図3に示す外側部材310と内側部材320との間の隙間315を介し、また、更に吸引ポート160を介して引かれる。これにより乳房105が安定化装置230の底面230と密着するように引かれ、その結果、乳房の体積が若干膨脹し、乳房105が装置100内にて安定化する。
【0033】工程S14おいて、必要に応じて追加の麻酔剤が乳房内に導入される。最後に、工程S15おいて、切開器具、例えば図4に示す切開器具が展開され患部の生検および/または切取りが、好ましくは画像化および/または介入装置超音波トランスデューサーにより発生された実時間組織内画像の案内のもとで行われる。その他、この切開器具を、図1〜図4に示した窓150から上気組織内超音波および表面超音波の双方の案内のもとで展開してもよい。この組織サンプルまたは患部サンプルは、ついで生検または切取りが行われ、画像化/介入装置から回収され、装置が戻され、切開部が閉じられる。この操作は工程S16で終了する。
【0034】上記説明は本発明の幾つかの例についてのものであり、本発明の範囲と限定することを意図したものではない。例えば、窓および吸引ポートの数、形状は上記説明のものと本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。その他の多くの変形も当業者にとって自明であろう。従って、それらの変形例も当然、本発明の範囲に包含されるものであり、本発明の範囲は請求の範囲によりのみ制限されるものである。
【0035】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の乳房部安定化装置によれば、女性の乳房の生検または切除操作において、乳房部の安定化、画像化を容易に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】599124482
【氏名又は名称】ルビコー メディカル インコーポレイテッド
【出願日】 平成11年11月24日(1999.11.24)
【代理人】 【識別番号】100064012
【弁理士】
【氏名又は名称】浜田 治雄
【公開番号】 特開2000−157554(P2000−157554A)
【公開日】 平成12年6月13日(2000.6.13)
【出願番号】 特願平11−333530