| 【発明の名称】 |
らせんCT装置の像再構成方法およびこの方法を実施するためのらせんCT装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】ベルント オーネゾルゲ
【氏名】トーマス フロール
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| 【要約】 |
【課題】らせんCT装置用の像再構成方法を層敏感性プロフィルに関して改善する。
【解決手段】システム軸線上の特定位置を有する像平面に対する像再構成の基礎となるデータの取得が、各々の個々の考慮に入れるべき投影角度に対して種々の行の検出器要素により撮像される投影がこの投影角度に対して撮像される投影を除いて見掛け上ただ1つの行の検出器要素を有する検出器により取得されるデータとして統合されることにより行われ、その際に測定値の重み付けがシステム軸線の方向に像平面からの相応の行の検出器要素の間隔を考慮に入れて、行の検出器要素の個々の検出器要素のチャネル角度を考慮に入れないで行われる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 システム軸線の周りに測定フィールドの周りを運動可能でありファン状の放射束を送り出す放射源と、多くの行の検出器要素を有しファン状の放射束を受け入れる検出器とを備え、検査対象物と放射源および検出器とがシステム軸線の方向に互いに相対的に変位可能であるらせんCT装置の像再構成方法において、a)多数の投影角度およびシステム軸線に沿う位置に対してそれぞれ多くの行の検出器要素により多数の投影を撮像する過程を含んでおり、その際にすべての投影を撮像するために等しい行の検出器要素が使用され、b)各々の個々の考慮に入れるべき投影角度に対して種々の行の検出器要素により撮像される投影がこの投影角度に対して撮像される投影を除いて見掛け上ただ1つの行の検出器要素を有する検出器により取得されるデータとして統合されることにより、システム軸線上の特定位置を有する像平面に対する像再構成の基礎となるデータを取得する過程を含んでおり、その際に測定値の重み付けがシステム軸線の方向に像平面からの相応の行の検出器要素の間隔を考慮に入れて、行の検出器要素の個々の検出器要素のチャネル角度を考慮に入れないで行われ、c)行の検出器要素を有する検出器に対するのアルゴリズムの使用のもとに像を再構成する過程を含んでいることを特徴とするらせんCT装置の像再構成方法。 【請求項2】 像再構成が、像再構成のために最小必要な回転角度を含んでいるシステム軸線の周りの放射源の部分的な回転に相応するデータのみを使用する部分回転像再構成の形式で行われることを特徴とする請求項1記載の方法。 【請求項3】 像再構成が、像再構成のために最小必要な回転角度を含んでいるシステム軸線の周りの放射源の部分的な回転に相応するデータよりも多いデータを使用するオーバースキャン再構成の形式で行われることを特徴とする請求項1記載の方法。 【請求項4】 考慮に入れるべき投影角度に対してデータの統合が順次に行われることを特徴とする請求項1ないし3の1つに記載の方法。 【請求項5】 考慮に入れるべき投影角度に対してデータの統合が、直接および相補性の測定値の統合が行われないように行われることを特徴とする請求項1ないし4の1つに記載の方法。 【請求項6】 パラレルコンピュータを含んでいることを特徴とする請求項4または5に記載の方法を実施するためのらせんCT装置。 【請求項7】 像再構成の際に考慮に入れるべき投影角度の範囲が自由に選定可能であることを特徴とする請求項1ないし5の1つに記載の方法を実施するためのらせんCT装置。 【請求項8】 検査対象物と放射源および検出器システムとの間の相対運動が可変の方向に、かつ(または)可変の速度で行われることを特徴とする請求項1ないし5の1つに記載の方法を実施するためのらせんCT装置。 【請求項9】 往復運動が存在することを特徴とする請求項8記載のらせんCT装置。 【請求項10】 像再構成の際に考慮に入れるべき投影角度の範囲が自由に選定可能であることを特徴とする請求項8または9記載のらせんCT装置。 【請求項11】 パラレルコンピュータを含んでいることを特徴とする請求項8ないし10の1つに記載のらせんCT装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、システム軸線の周りに測定フィールドの周りを運動可能でありファン状(扇形状)の放射束を送り出す放射源と、多くの行の検出器要素(検出器行)を有しファン状の放射束を受け入れる検出器とを備え、検査対象物と放射源および検出器とがシステム軸線の方向に互いに相対的に変位可能であるらせんCT(コンピュータトモグラフィ)装置の像再構成方法であって、多数の投影角度およびシステム軸線に沿う位置に対してそれぞれ多くの行の検出器要素により多数の投影を撮像する過程を含んでおりすべての投影を撮像するために等しい行の検出器要素が使用され、撮像された投影から像を再構成する過程を含んでいる像再構成方法に関する。 【0002】 【従来の技術】このような方法により動作するCT装置はたとえばドイツ特許出願公開第19647435 号明細書、米国特許第5682414号明細書、ドイツ特許出願公開第4224249 号明細書ならびに米国特許第5291402号明細書から公知である。 【0003】単一の行の検出器要素を有する検出器を有するCT装置によるらせん撮像の際には、各々の投影角度に対して所望の像平面に投影を発生するため像平面の前に位置する測定値と像平面の後に位置する測定値との間の内挿が行われる。 【0004】2つの内挿方法が現在最も広く用いられている。第1の方法では、像平面のすぐ近くに位置し、等しい投影角度αにおいて、しかし異なる回転の間に撮像された各2つの測定された投影の間の直線的内挿が行われる。この内挿形式は360LI内挿と呼ばれる。第1の方法では、像平面のすぐ近くに位置し、一方は投影角度αdにおいて、他方はそれに対して相補性の投影角度αcにおいて取得された測定値の間の内挿が行われる。検出器の中央チャネルに対してはαc=αd±πが成り立つ。この内挿は180LI内挿と呼ばれる。それは等しいピッチの際に360LI内挿よりも狭い有効な層幅(たとえば半値幅FWHMにより特徴付けられる)を供給する。そのためにX線管の等しい出力(等しいmA値)の際に像ノイズが360LI内挿に比較して高められており、またアーティファクト発生傾向がより大きい。両方の内挿形式は図1に概要を示されている。図1は投影角度αを検出器の検出器要素の行のコリメートされた幅d、すなわちコリメートされた層厚みに正規化されたピッチp=2に対するらせん走査(ヘリカルスキャン)の間のz方向の検出器位置の関数として示す【0005】多行検出器を有するCT装置では、正確および近似的な方法によりらせんデータを再構成するためのより新しい特許出願が知られている(たとえばドイツ特許第19614223 号明細書)。それらは確かに精密なジオメトリを考慮に入れるが、部分的に非常に計算費用がかかり、従ってまた商業的なCT装置に使用するのにはあまり適していない。 【0006】小さい行数M(たとえばM≦5)の際には計算費用を低減するため、システム軸線とも呼ばれるCT装置のz軸線に垂直に張られた平面に対する、検出器に当たるX線管ビームいわゆる測定ビームの“コーン角度”とも呼ばれる傾斜角度を無視し、またただ1つの行の検出器要素を有する検出器を有するCT装置において通常の180LIおよび360LI内挿を多くの検出器行に転用し得る。それは2行CTスキャナ“Elscint Twin”に応用される再構成方法である(“Dual‐slice versus single‐slice spiral scanning:2つのコンピュータトモグラフィスキャナの物理的性能の比較”、Yun LiangおよびRobert A.Kruger、Med.Phys.23(2)、1996年2月、第205〜220頁参照)。 【0007】多くの行に転用される180LIおよび360LI内挿の原理は4行の検出器要素を有する検出器を有するCT装置の随意に選ばれた例についてピッチp=3に対して図2に図1と類似の図示で示されている。ピッチpは検出器の1つの行の検出器要素のコリメートされた幅d、すなわちコリメートされた層厚み、に対して相対的な放射源の回転あたりのz方向の進みである。図2から通常の多行らせん内挿の際の基本的な問題が明らかになる。 −内挿により予め定められた投影角度に、ただ1つの検出器要素を有する検出器により得られた相応の投影に所望の像平面のなかで相応するデータを発生するためには、らせん走査の種々の回転からの多くの投影の寄与が考慮に入れられなければならない。特定の投影に対する内挿重みは他の投影のz位置に関係している。このことはコンピュータ上での実現の際に個々の投影の処理を困難にする。さらにピッチpに関係して、内挿重みの計算の際に考慮に入れられなければならず、また内挿を高い計算費用のかかるものとする多数回走査が生ずる(図2でたとえば、相い続く回転中に等しいz位置を走査する行1および行4において)。 −ピッチ値p≧M(Mは検出器の行数)の際には、いわゆる層敏感性プロフィルが受容不可能に処理されてはならないならば、180LI内挿が実行される。明確化のために4行の検出器要素を有する検出器の例に対して180LIおよび360LI内挿の際に生ずる層敏感性プロフィルの半値幅FWMHがピッチ値pの関数として図3に示されている。 【0008】1行の検出器要素を有する検出器における180LI内挿は、一般に直接の放射とそれに対して相補性の放射との間が内挿されるという意味である。多くの行の検出器要素を有する検出器では状況はより複雑である。180LI内挿はここでは、常に像平面のすぐ近くに位置する両方の測定値の間が内挿されることを意味する。ピッチ値pおよびz方向の像平面の位置に応じて特定の投影角度αに対して直接の測定値の間が、これらが像平面においてより近くに位置するならば、内挿され、もしくは直接の測定値とそれに対して相補性の測定値との間が、これらが像平面においてより近くに位置するならば、内挿される。 【0009】しかし投影角度αd において直接の測定値とて相補性の測定値との間が内挿されるときには、直接の投影角度αd および相応のファン角度βdにより特徴付けられる各々の測定値に対して相補性の測定値がβc=−βdにおいて見い出されなければならない。回転中心でのみ、すなわちβc=βd=0に対してのみ直接および相補性の投影の投影角度αdおよびαcは正確に180°だけずらされている。一般的な場合には βc=−βd αc=αd+2β+π (1) が成り立つ。すなわち投影角度αdおよびファン角度βdにより特徴付けられる各々の直接の測定値に対してβcにおける相補性の測定値はそれに応じて他のz位置においても撮像された他の投影αcに由来する。従って180LI内挿の際にはファン角度に関係する内挿重みにより動作しなければならず、また各々の直接の投影に種々の相補性の投影の寄与が考慮に入れられなければならず、このことは計算費用を莫大に高める。 【0010】−各々のピッチ値pに対してすべての内挿重みの二乗和から像のなかで測定された画素ノイズの標準偏差が生ずる。180LI内挿の際および360LI内挿の際にこれらの内挿重みはピッチに関係している。それによってX線管の固定の出力の際に各々のピッチ値pに対して生ずる画素ノイズも決定されている。この画素ノイズはピッチpとの予想外かつ極端な関係を示す。4行の検出器要素を有する検出器に対してはたとえばピッチp=1の際にすべての4つの検出器行の測定値は相い続く回転中に等しいz位置に落ちる。従ってそれらは内挿の前に簡単に平均化され得る。結果として、ただ1つの行の検出器要素を有する検出器に比較して、係数4だけの線量累積、従ってまた画素ノイズの半減が生ずる。ピッチpをごくわずかに大きくすると、たとえばp=1.1にすると、この多数回走査は行われない。180LIおよび360LI内挿の際にいまより狭い相補性敏感性プロフィルが得られるが、それは1行検出器の際と等しい画素ノイズを犠牲にして得られる。 【0011】従来通りの180LIおよび360LI内挿によって、小さいピッチ値(たとえば上記の ようにp=1.1)の際に画素ノイズを減少する目的でz方向に重なる走査(すなわち検出 器の行が次々と種々の回転中に等しいz領域を捕捉する走査)を利用することは可能でない 。特に、全体としてz位置zima(添字imaは“image”=像に対して付けられてい る)における像に対して利用可能なデータのただ1つの自由に選択可能な部分を再構成のた めに使用することも簡単に可能でない。それによって、(重なる走査により)低減された画素ノイズと再構成の改善された時間分解能との間の自由に選択可能な妥協を調節することも 可能でない。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、冒頭にあげた形式の方法であって層敏感性プロフィルに関して改善された方法ならびにこの方法を実施するためのらせんCT装置を提供することである。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、方法に関する課題は請求項1による方法により解決される。 【0014】それによれば本発明は、個々の投影に対して互いに無関係に行われた重み付けを、従来の仕方でただ1つの行の検出器要素を有する検出器に対して使用される像再構成のためのアルゴリズムと組み合わせる。本発明による方法は下記の利点を有する。 −以下にらせん重み付けと呼ばれる重み付けが検出器の個々の行の検出器要素により撮像される投影(以下では多行投影と呼ばれる投影)に対する各々の投影角度に対して別々に行われる。投影角度αにおける多行投影の個々の投影に対する重み(らせん重み)の計算の際、他の投影角度において撮像された投影のz位置は、従来通りの180LIまたは360LI内挿と異なり重要ではない。個々の投影の処理はこうして全く簡単に順次に行われ得る。 −らせん重み付けはファンデータで行われる。各々の投影αに対して検出器の各々の行iに対して内挿重みはそのz位置に、また所望の像のz位置に関係しているが、180LI内挿と異なりファン角度βには無関係である。それにもかかわらず、360LI内挿の際と異なって、ピッチ値p=2Mまで本発明による方法の層敏感性プロフィルは受容可能に狭いままである。本発明による方法のアーティファクト発生傾向は180LI内挿のそれと比較可能である。 −z方向に重なる走査を有するピッチpの小さい値の際には投影角度の像に寄与する範囲は或る限界のなかで任意に選ばれ得る。それによって像質における制限なしに、改善された線量利用各々の(重なる走査により)低減された画素ノイズと再構成の改善された時間分解能との間の各々の所望の妥協が調節され得る。 【0015】なぜこれらの利点が得られるかを以下に説明する。 【0016】ピッチ1の際の360LI内挿のそれに相応する、すなわち検出器行のコリメートされた幅の約1.3倍よりも小さい値にとどまる(FWHM≦1.3dの)層敏感性プロフィルの半値幅FWHMが達成されるべきであるという条件をおくと、ピッチ値M≦p≦2Mの際に従来の技術によれば18LI内挿が使用されなければならない。 【0017】しかしM≦p≦2Mに対してFWHM≦1.3dを達成するために、180LI内挿の際に行われているように、各々の投影に対して無条件に像平面にすぐ隣接する測定値の間を内挿することは本質的に必要でない。その代わりに、像平面の前と後との直接の測定値がもはや検出器行幅よりも互いに離れていないかぎり、たとえ相補性の測定値がこれらの直接の測定値よりも像平面の近くに位置するとしても、これらの直接の測定値の間のみを内挿すれば十分であろう。再構成のために使用される投影角度間隔の縁範囲のなかでは、ピッチの増大と共に、得よう可能な直接の測定値の間隔が検出器行の幅よりも明らかに大きくなる。なぜならば、ここではもはや個々の検出器行の等しい投影角度で測定された測定値の間が内挿され得ず、種々の回転からの360°だけずらされた直接の測定値が利用されなければならないからである。このことは、直接の測定値の間のみが内挿される(図3参照)360LI内挿の際の有効な層厚みの増大および層プロフィルの相当な悪化を説明する。従来通りの方法によればいまこれらの投影角度範囲のなかで直接の測定値と相補性の測定値との間の高い費用のかかる内挿が行われなければならないであろう。本発明による方法は、直接の放射と相補性の放射との間の内挿が必要であったこれらの臨界的な投影角度範囲のなかでこれらを直接の放射のみの使用により置き換える。内挿が行われないことによる再構成間隔の境における非一貫性は新しい方法では有効に、それに続いて十分に平滑な関数をもってオーバースキャンまたは部分回転再構成のなかで行われるそれ自体は公知の移行重み付けにより抑制され得る。この移行重み付けはこうして、アーティファクトの振る舞いを顧慮して、らせん内挿が行われなかったことを埋め合わせる。 【0018】像再構成は本発明の変形例によれば、それ自体は公知の部分回転再構成に基づいてもそれ自体は公知のオーバースキャン再構成に基づいても行われ得る。その際に部分回転再構成の場合には、たかだか2πの放射源の回転角度の間に得られたデータが利用され、他方においてオーバースキャン再構成の場合には、2πよりも大きい放射源の回転角度の間に得られたデータセットが利用される。 【0019】像再構成の形式に無関係に、本発明による方法の場合には、考慮に入れるべき投影角度に関するデータの統合を、直接および相補性の測定値の統合がこの措置と結び付けられる欠点の回避のもとに行われないように行うことが可能である。 【0020】本発明の特に有利な実施例によれば、本発明による方法をコンピュータ上で実行するためにかかる費用がわずかですむように、考慮に入れるべき投影角度に対してデータの統合が順次に行われる。 【0021】装置に関する本発明の課題は、本発明によれば、パラレルコンピュータを含んでいるらせんCT装置により解決される。好ましくは順次のデータの統合がその場合特に迅速に行われ得る。 【0022】装置に関する本発明の課題は、像再構成の際に考慮に入れるべき投影角度の範囲が自由に選択可能であるらせんCT装置により解決される。その場合、像質の制限なしに、X線線量の改善された利用および低減された画素ノイズと改善された時間的分解能との間のあらゆる所望の妥協を実現することが可能である。 【0023】さらに、装置に関する本発明の課題は、検査対象物と放射源および検出器システムとの間の相対運動が可変の方向に、かつ(または)可変の速度で行われることにより解決される。これは、各々の投影角度に関して、放射源の等しい回転に由来するデータのみが統合されるので、可能である。 【0024】 【発明の実施の形態】本発明を以下に添付図面の例により説明する。 【0025】図4に示されているらせんCT装置は、ファン状のX線放射束2を送り出すX線放射源1と、1つまたは多くの行の個別検出器たとえばそれぞれ512の個別検出器から構成されている検出器3とから成る測定ユニットを有する。X線放射束2が出発するX線放射源1の焦点は参照符号4を付されている。検査対象物5、図示されている実施例の場合には患者は寝台6の上に横たわっており、この寝台はガントリ8の測定開口7を通って延びている。 【0026】ガントリ8にはX線放射源1と検出器3とが互いに向かい合って取付けられている。ガントリ8はCT装置の参照符号zを付されているz軸線の周りに回転可能に支えられ、α方向に検査対象物5を走査するため参照符号αを付されている矢印の方向に、少なくとも1つの180°(π)とファン角度βfan(ファン状のX線放射束2の開き角度)との和に等しい大きさの角度αgだけ回転させられる。その際にX線発生器装置9により作動させられるX線放射源1から出発するX線放射束2が円形横断面の測定フィールド10を捕捉する。X線放射源1の焦点4は、z軸線に位置している回転中心の周りに円形に湾曲している半径RFを有する焦点軌道15上を運動する。 【0027】測定ユニット1、3の特定の角度位置いわゆる投影角度において測定値がいわゆる投影の形態で取得され、その際に相応の測定値が検出器3からコンピュータ11に到達し、このコンピュータが投影に相応する測定点の列から画素マトリックスの画素の減弱係数を再構成し、これらをディスプレイ装置12に像として再現する。こうしてディスプレイ装置12に検査対象物5の透視照射された層の像が現れる。 【0028】各々の投影は特定の角度位置すなわち投影角度に対応付けられており、また検出器要素の数すなわちチャネル数に相応する数の測定点を含んでおり、これらの測定点にそれぞれ相応の測定値が対応付けられており、その際にそれぞれのチャネルは、検出器要素のどれからそれぞれの測定値が発するかを示す付属のファン角度により定義されている。ファン角度β0は中央のチャネルいわゆる中央チャネルに対応付けられている。 【0029】検出器3が多くの行の検出器要素を有するので、必要の際に検査対象物5の多くの層に関する投影が同時に撮像され得る。その際に投影角度あたり能動的な検出器行の数に相応する数の投影が撮像される。 【0030】ガントリ8に付設されている駆動装置13がガントリ8の部分またはフル回転のために十分であるだけでなく、ガントリ8を永久的に回転させるのにも適しており、またさらに寝台6、従ってまた検査対象物5と測定ユニット1、3を有するガントリ8との間のz方向の相対的変位を可能にする別の駆動装置が設けられているので、いわゆるらせん走査も実行され、その際にいわゆるらせんデータが取得され得る。説明される実施例の場合には、一定の相対運動すなわち一定の方向および速度を有する相対運動が可能であるだけでなく、一定でない相対運動たとえば速度のcos状の経過を有する周期的な相対運動も可能である。運動のそれぞれ使用される形式は図4には図示されていない操作要素により設定され得る。 【0031】像再構成の過程でパラレルコンピュータとして構成されているコンピュータ11などは下記の方法ステップを実行する。 −M行の検出器要素のファンジオメトリで存在するらせんデータが、各々の投影角度αに対していわゆる1行投影すなわち単一の行の検出器要素を有する検出器により得られるような投影が生ずるように、各々の投影角度αに対して別々に投影角度α、行番号i=1,2,…,Mおよび所望の像位置zimaに関係する重みにより加算により統合される。投影角度αの際の多行投影に対する重みは、従来通りの360LIまたは180LI内挿の際と異なって、他の多行投影のz位置に関係しない。従って個々の投影は互いに完全に無関係に順次に処理される。 【0032】重みは予め計算されてコンピュータ11に記憶されている。重みはzimaにおける所望の像平面からの検出器行の間隔の減少と共にたとえば直線的に増大する。M行の各々に対して 必要な投影角度範囲αiは重なっている。像に寄与するすべての投影角度範囲Δαは最小必要な部分回転間隔 Δαmin=π+βfan+αtrans (2) (たとえばΔαmin=4π/3)とピッチに関係する最大値Δαmax(たとえばΔαmax=4π)との間で図4には図示されていない操作要素により自由に選択可能である。βfanは検出器の全ファン角度であり、αtransは開始投影と終了投影との間のデータの 非一貫性によるアーティファクトを低減するための移行関数の応用のもとに追加的に考慮に入れられる移行角度である。 【0033】−全角度範囲Δαのなかの1行投影はΔα≦2πに対しては従来通りの1行部分回転再構成に供給され、Δα>2πに対しては従来通りの1行オーバースキャン再構成に供給される。 【0034】移行角度範囲Δαtransおよび十分に平滑な移行重み付け関数の適当な選択の際に両方の 場合にデータの非一貫性によるアーティファクトが有効に抑制される。 【0035】コンピュータ11により実行される本発明による像再構成方法を、一般性の制限なしに、4行の検出器要素(M=4)を有する検出器を有する図4によるらせんCT装置を例として以下に詳細に説明する。しかしこの実施例はあらゆる他の行数M>1に対して同様に当てはまる。そのために必要な適合は当業者により容易に理解されよう。 【0036】らせん重み付け、すなわち投影角度α、行番号iおよび所望の像位置zimaに関係する重みを有する個々の検出器行i=1,2,…,Mの測定値の重み付けされた加算を、4行検出器を例として図5ないし10により最初に検査対象物と放射源および検出器との間の方向および速度に関して一定な相対運動について説明する。 【0037】z方向に一定の相対運動についてピッチpの際の4行のらせん撮像を考察する。像がz位置zimaに再構成されるべきである。らせん重み付けは、角度範囲Δα=αRTDのなかのオーバースキャン(部分回転)再構成に供給される1行データセットを生ずるべきである。その際にNRTDの多行投影が利用される。 【0038】焦点の軌道が像平面を切る4行投影をlimaとする。この投影に対して図5はピッチp=4および全角度範囲Δα=αover=420°のなかのオーバースキャン再構成方法に対して検出器行のコリメーコされた、すなわち有効な幅dに関するz位置zimaにおける像平面からの4検出器行の距離を−210°≦αl≦210°に対する投影角度αlの関数として示す。ここでαl=0はX線源の焦点の軌道が像平面を切る投影角度である。各々の検出器行に対してz間隔zmin=zima−z≦Δz≦zmax=zima+Δzのなかの測定値のみが記入されており、このことは図5中に太い線により示されている。相応の測定値は像平面からのその間隔により重み付けられる。 【0039】その際にらせんの方向(z方向の相対運動の方向)に検出器行のコリメートされた幅dに関する像平面からのM=4検出器行i=1,…,4のz‐間隔δzi(l)は【数1】
に等しい。M=4は検出器行の数である。N2 はフル回転2π中のファン投影の数である。逆向きのらせん方向に対しては相応の式が生ずる。 【0040】M検出器行の各々のに対してzimaにおける像平面からの最大距離|Δz|のなかのデータのみが像に寄与する。 −Δz≦δzi(l)≦Δz (4) そのことが、各々の行に対して必要とされる投影範囲〔lis,lie〕を確定する。 【0041】例外は、たとえδzl(lie)>Δzであっても最後の使用される投影lleが【数2】
でなければならない最初の行と、たとえδz4(lMs)<−Δzであっても再構成方法角度範囲αRTDに対する十分なデータが利用可能でなければならないので、下記の開始投影l42【数3】
が必要である最後の行M=4とである。 【0042】すべての他の場合に対してはlisがδzi(lis)=−Δzにより式(3)に従って計算される。それによって【数4】
が生ずる。 【0043】lieに対してはδzi(lie)=Δzにより相応して【数5】
が得られる。 【0044】式(7)および(8)による小さいピッチ値lisまたはllieに対して、選ばれた再構成角度範囲【数6】
を超過するときには、その代わりに【数7】
が使用されなければならない。 【0045】要約すると、ピッチpの際の4行のらせんデータセットの測定値の重み付けされた加算に対しては、それに続いて1行部分回転またはオーバースキャン再構成が角度範囲αRTD(NRTD重み付けされた1行投影)のなかで実行されるべきであれば、下記の投影範囲が必要である:−行1【数8】
−行2【数9】
−行3【数10】
−行4【数11】
【0046】M≠4への拡張は明らかである。 【0047】簡単な場合Δz=1に対しては−行1【数12】
−行2【数13】
【数14】
−行3【数15】
−行4【数16】
が得られる。 【0048】M検出器行i=1,2,…,Mの各々のファンジオメトリのなかに存在するらせんデータpi (k,l)(kは検出器チャネルの番号)は角度範囲〔lis,lie〕で像平面からのその距離に従って重み付けされる。その際に投影角度αに関係する重みwi(l)が使用される。各々の投影lに対しては【数17】
が成り立たなければならない。 【0049】通常の180LIらせん内挿と対照的に重みはチャネル番号kに関係しない。 【0050】簡単な例として(一般性の制限なしに)直線的な重み関数wi(l)を有するΔz=1の簡単な場合が考察される。これは自由に選択可能な投影範囲のなかの通常の360LI‐内挿と類似性を有するが、特に範囲M≦p≦2Mのなかの画素ノイズおよび層敏感性プロフィルに対して360LI内挿から偏差する驚くべき結果を生ずる。 【0051】4行検出器(M=4)では投影範囲〔l3s,l2e〕のなかの各々の投影lに対して2つの検出器行iおよびi+1からのデータが像に寄与する(図5を見よ)。この投影角度範囲のなかでは各々の検出器行iの測定値pi(k,l)に下記の重みが割り当てられる。 【数18】
その際に〔lis≦l≦ie〕は(19)と一致している。 【0052】〔l4s≦l≦l3e〕に対しては検出器行4のみが像に寄与し、〔l2s≦l≦l1e〕に対しては検出器行1のみが像に寄与する(同じく図5を見よ)。従って、たとえ(より大きいピッチ値の場合に)相応の検出器行がz範囲±Δzを離れるとしても、w1(l)が〔l2s≦l≦l1e〕に対してセットされ、またw4(l)が〔l4s≦l≦l3e〕に対してセットされなければならない。 【0053】要約するとM=4の検出器行のらせんデータpi(k,l)にΔz=1の簡単な場合に下記の重みwi(l)が割り当てられる。 −行1【数19】
−行2【数20】
−行3【数21】
−行4【数22】
【0054】例としてピッチp=4、Δz=1およびαRTD=420°(図5に相応)に対する重み関数wi(l)が図6に示されており、その際にαl=0は再び、X線源の焦点の軌道が像平面を切る投影角度である。 【0055】重みwi(l)により、投影範囲【数23】
を覆う1行データセットf(k,l)がファンジオメトリで計算される。 【数24】
【0056】この1行ファンデータセットは再構成角度範囲に応じて従来通りの1行オーバースキャンまたは1行部分回転再構成に供給される。平滑するオーバースキャン(部分回転)重み付けは〔l=l4s〕および〔l=l1e〕におけるデータ非一貫性による線アーティファクトを有効に減ずる。 【0057】1行‐部分回転再構成が Δαq,min=π+βfan+αtrans (26) Δαq,max=4π (27) のΔαq,minからΔαq,maxまでの再構成角度範囲に対して可能である。ここでβfanは検出器の全ファン角度、またαtransは再構成の開始投影と終了投影との間のデータ非一貫性によるアーティファクトを減ずるための選択可能な移行角度である。 【0058】1行オーバースキャン再構成は Δαq,min=2π+2αtrans (28) Δαq,max=4π (29) のΔαq,minからΔαq,maxまでの再構成角度範囲に対して可能である。 【0059】例として従来通りのオーバースキャン重み付けが説明される。 【0060】再構成するためにNRTD投影が使用され、フル回転あたりの投影の数はN2である。NRTD>N2 およびΔNRTD=NRTD−N2が成り立つ。次いで1行全回転データセットf2(k,l)を計算するため下記の重み付けが行われる。 【数25】
【0061】 【数26】
によりたとえば重み付け関数S(l)として【数27】
が使用され得る。 【0062】この“ソフトな”移行重み付けにより十分に大きいαtrans(たとえばαtrans>8°)に対して、再構成のために利用される投影角度範囲の開始および終了範囲のなかのデータ非一貫性によるアーティファクトの良好な低減だ達成される。それにより、そこで新たならせん再構成方法の際に場合によっては失敗するらせん内挿が十分に補償され得る。オーバースキャンまたは部分回転再構成は実際上あらゆる商業的ならせんCT装置において実現されている。従ってそれは追加的な費用を必要としない。 【0063】従来通りの部分回転再構成に対して重み付け方法は類似であり、ここには示されない。 【0064】個々の検出器行の測定値の重み付けをされた加算と、それに続いての発生された1行データセットの部分回転またはオーバースキャン重み付けとの組み合わせに対する例として、その結果として生ずるピッチ4およびαRTD=420°に対する検出器行の“実効”重みが図7に示されている。(31)による、詳細にはαtrans=24°を有する、重みを有するオーバースキャンが仮定される。破線はらせん重み付けおよび移行重み付けによるすべての4つの検出器行の全体重みである。もちろん移行重み付けはらせん重み付けの後に始めて行われる。 【0065】ピッチpの増大と共にMの検出器行がより速くz間隔〔zima−Δz,zima+Δz〕を通って進む。その結果として、各々の投影角度αl に4つの検出器行の少なくとも1つが範囲〔zima−Δz,zima+Δz〕のなかに位置する投影角度範囲αRTDが狭くなる。このことは、検出器の行のコリメートされた幅d、すなわちコリメートされた層厚み、に正規化されたM=4の検出器行の、ピッチp=1に対するzima=0における像平面からの距離が−360°≦αl≦360°に対する投影角度αlの関数として図8に示されている。各々のαlに対してその際に少なくとも1つの行が像平面にΔzよりも近くに位置する。従って、層敏感性プロフィルを阻害することなく、オーバースキャンが最大の投影角度範囲αRTD=720°のなかで、またもちろんそれより小さく、図8に示されている最大範囲の一部分であるあらゆる投影角度範囲のなかでも可能である。図9にはピッチ8の際の像平面からの4つの行の正規化された距離が示されている。理論的にはここでオーバースキャン再構成がαRTD=720°により実行され得る。しかしその場合、(21)および(24)により重みw4(l)=1およびw1(l)=1は大きい角度範囲に対する行4または1に割り当てられなければならないであろう(行4に対して−360°≦αl≦−120°また行1に対して120°≦αl≦360°)。それにより層敏感性プロフィルが少なからず広がり、また像質が低下するであろう。ピッチp=8に対する使用可能な選択はその代わりに角度範囲αRTD=240°のなかの部分回転再構成である。 【0066】一般に、再構成に寄与する角度セグメントαRTDはピッチpの減少と共に大きく選ばれ得る。ピッチp=1の際には例えば先に示されたように、層敏感性プロフィルを阻害することなしに、Δαq,min≒240°≦αRTD≦Δαq,max=720°を有するあらゆる再構成角度が可能である。αRTDの増大の際には像に多くの測定放射が寄与し、従って多くのX線量子が寄与し、X線管の所与の出力の際には画素ノイズが小さくなる。しかしαRTDの増大は測定されるデータが発せられる時間間隔の延長、従って再構成の時間分解能の悪化と同等である。逆にαRTDの減少により線量利用が悪化するが、時間分解能は改善し、このことはたとえば動かされる対象物(肺、心臓)の特別な撮像に有意義であり得る。線量利用と時間分解能との間の自由に選択可能な妥協の可能性は通常の180LIまたは360LI内挿の際には存在せず、上記の妥協の可能性は本発明による方法の主要な利点である。 【0067】図10には例として4行検出器(M=4)に対する本発明による方法に対するz軸の範囲内の画素に対する層敏感性プロフィルの半値幅(FWHM)が範囲1≦p≦8のなかのピッチ値pの関数として示されている。1≦p≦2に対しては420°オーバースキャン再構成が、また2≦p≦8に対しては240°部分回転再構成が選ばれた。両方の場合にαtrans=8°である。通常の180LIまたは360LI内挿の際に生ずる半値幅も一緒に記入されている(図3参照)。本発明による方法の場合には範囲4≦p≦8のなかで相補性の内挿の計算費用は避けられているが、層敏感性プロフィルは通常の360LI内挿の際よりも明らかに狭い。 【0068】本発明による方法はz方向に非一定の相対運動の際たとえば周期的なcos状の往復運動の際にもらせんデータセットからの像の再構成を許す。 【0069】Mの検出器行の投影のらせん重み付けは、像がz位置zimaに再構成されるべき場合に、下記のように進行する。 【0070】らせん重み付けにより1行データセットが発生され、それが自由に選択可能な角度範囲Δα=αRTD内の通常のオーバースキャンまたは部分回転再構成に供給される。NRTD多行投影がその際に利用される。各々の投影lのなかでz位置zi(l)はMの検出器行i=1,2,…,Mに対して与えられている。 【0071】limaを、焦点の軌道が像平面を切るM行投影とする。 【0072】すべての投影角度範囲【数28】
のなかでいま各々の投影lに対して、像平面からの間隔に対して |δzi(l)|=|zi (l)−zima|≦Δz (32) が成り立つ検出器行iが決定される。 【0073】これらの行の測定値は次いで像平面からのその間隔に従って重み付けおよび加算をされる。 【0074】簡単な場合Δz=1に対しては各々の投影角度α似対してたかだか2つの行iおよびi+1が像に寄与する。直線的な重み付けを有する2つの行では wi(l)=1−|δzi(l)| wi+1(l)=1−|δzi+1(l)|=1−wi(l) (33) が成り立つ。 【0075】非一定のテーブル送りに対する例として図11には4行検出器の個々の行の中央チャネルのz位置が投影角度αの関数として示されている(図5も参照)。図5に対するようにオーバースキャン再構成を全角度範囲Δα=αover=420°内で実行したいならば、Δz=1および直線的な重み付けにより、図12に記入されている重み付け関数がM=4の検出器行に対して生ずる(図6も参照)。 【0076】本発明による方法は以上に第3世代のコンピュータトモグラフの例について説明された。しかしそれは第4世代のコンピュータトモグラフにも応用され得る。 【0077】実施例の場合に設けられている検出器の行数は単に例示として理解すべきである。 【0078】本発明による方法は実施例の場合のように医学分野に応用され得るだけでなく、非医学分野での応用も本発明の範囲内で行われ得る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390039413 【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 【氏名又は名称原語表記】SIEMENS AKTIENGESELLSCHAFT
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| 【出願日】 |
平成11年11月24日(1999.11.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075166 【弁理士】 【氏名又は名称】山口 巖
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| 【公開番号】 |
特開2000−157531(P2000−157531A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月13日(2000.6.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−333036 |
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