| 【発明の名称】 |
ハムノイズモニタ装置及び生体信号計測装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡辺 晶
|
| 【要約】 |
【課題】設置が容易であるとともに、生体信号の測定中でも生体信号波形のハムノイズ量が容易に測定することができるハムノイズモニタ装置及び生体信号計測装置を提供する。
【解決手段】ハムノイズが重畳された生体信号からハムノイズの周波数成分の信号のみを通過させるバンドパスフィルタ11と、バンドパスフィルタ11を通過した信号を表示する表示素子13とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハムノイズが重畳された生体信号から前記ハムノイズの周波数成分の信号のみを通過させるバンドパスフィルタと、前記バンドパスフィルタを通過した信号を表示する表示手段とを具備することを特徴とするハムノイズモニタ装置。 【請求項2】 前記バンドパスフィルタの通過周波数帯域は可変であることを特徴とする請求項1記載のハムノイズモニタ装置。 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のハムノイズモニタ装置と、前記ハムノイズが重畳された生体信号から高周波成分及び低周波成分を除去するフィルタと、前記フィルタを通過した信号をディジタル信号に変換して処理する処理手段とを具備することを特徴とする生体信号計測装置。 【請求項4】 前記フィルタの高周波成分及び低周波成分に関する遮断周波数は可変であることを特徴とする請求項3記載の生体信号計測装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハムノイズモニタ装置に係り、特に心電・筋電・脳波等の波形を測定する際に混入するノイズを計測するハムノイズモニタ装置及び生体信号計測装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、生体(人間又は動物)の電気生理学的特性を利用して、適当な刺激を生体に与えた時に、発生乃至は変動する微弱電位を計測し、それを検査研究等に利用することが広く行われている。近年は、医学が進歩し、脳から発生される微弱な電位を測定し脳内の活動を、体系的に測定するという研究も行われている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、生体信号計測、例えば心電・筋電・脳波などの波形測定において、その測定中にノイズが混入しないようにすることは、データの信頼性をあげる上で非常に重要なことである。そのノイズの中で主要なものは、商用電源によるハムノイズによるものの影響が最も大きく頻繁に混入する。 【0004】ノイズ除去は、ある周波数成分のみを除去するフィルタを用いることが一般的であるが、生体信号計測を行う場合には、測定したい波形自体にもハムノイズの主成分である50Hz又は60Hzの成分が含まれているため、フィルタ用いて単純に除去することはできない。 【0005】その為、ノイズの量を低減するためには、生体信号計測装置が実際に設置されている箇所において、周辺環境の確認や、各種機械・コード類の位置を測定波形を見ながら直す必要があった。測定用にフィルタを通した波形を見て、ハムノイズの混入具合を判断するのは万人に分かるというものではなく、検者の経験に依存するものである。従って、ハムノイズを低減させるためには、以前の経験に基づいて波形からハムノイズの有無を判断しコード等の配置を変えるという、時間を要する作業が必要であるという問題があった。 【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、設置が容易であるとともに、生体信号の測定中でも生体信号波形のハムノイズ量が容易に測定することができるハムノイズモニタ装置及び生体信号計測装置を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は、ハムノイズが重畳された生体信号から前記ハムノイズの周波数成分の信号のみを通過させるバンドパスフィルタと、前記バンドパスフィルタを通過した信号を表示する表示手段とを具備することを特徴とする。また、本発明は、前記バンドパスフィルタの通過周波数帯域が可変であることを特徴とする。また、本発明は、上記のハムノイズモニタ装置と、前記ハムノイズが重畳された生体信号から高周波成分及び低周波成分を除去するフィルタと、前記フィルタを通過した信号をディジタル信号に変換して処理する処理手段とを具備することを特徴とする。また、本発明は、前記フィルタの高周波成分及び低周波成分に関する遮断周波数は可変であることを特徴とする。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態によるハムノイズモニタ装置及び生体信号計測装置について詳細に説明する。 〔第1実施形態〕図1は、本発明の第1実施形態によるハムノイズモニタ装置及び生体信号計測装置の構成を示す図である。 【0009】図1において、1a,1bは、被測定対象である生体に貼付され、生体信号を検出する生体電極である。2は、生体電極1a,1bによって検出された生体信号を増幅する初段アンプである。3は、初段アンプ2で増幅された生体信号から不要なノイズ成分を除去するフィルタである。このフィルタ3は、ハイカットフィルタ及びローカットフィルタから構成され、測定する波形の種類(心電、筋電、脳波)によってカットオフ周波数が後述のコンピュータ回路6によって変化される。 【0010】4は、フィルタ3の出力を増幅するための次段アンプである。本実施形態で、初段アンプ2と次段アンプ4とにより2段構成で増幅しているのは、ノイズを効率的に除去するためである。5は、次段アンプ4の出力をディジタル信号に変換するADコンバータである。ADコンバータ5から出力される信号はコンピュータ回路6に入力される。コンピュータ回路6は、CPU(中央処理装置)、メモリ、ハードディスク等の外部記憶装置等を備える。コンピュータ回路6は、ADコンバータ5から出力されるディジタル信号を外部憶装置に記憶するとともに、記憶したディジタル信号に対して加工、処理を行って生体信号の波形表示処理等を行う。 【0011】また、10は、本発明の第1実施形態によるハムノイズモニタ装置であり、バンドパスフィルタ11、表示アンプ12、及び表示素子13からなる。バンドパスフィルタ11は、前述の初段アンプ2から出力された生体信号が入力されるとともに、コンピュータ回路6から出力される制御信号が入力される。バンドパスフィルタ11は、ハムノイズの周波数成分のみを通過させるものであり、そのカットオフ周波数が可変である。コンピュータ回路6からの制御信号が入力されるのは、前述のフィルタ3と同様にバンドパスフィルタ11のカットオフ周波数を変えるためである。バンドパスフィルタ11の通過周波数成分は、例えば50Hzや60Hzに設定される。 【0012】表示アンプ12は、バンドパスフィルタ11から出力された生体信号を、表示素子13で表示することができる程度に増幅する。表示素子13は、例えばCRT(Cathod Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)、又はスピーカ等であり、入力される信号を音、色、数値等に変換するものである。 【0013】次に、上記構成における本発明の第1実施形態のハムノイズモニタ装置及び生体信号計測装置の動作について説明する。図2は、本発明の第1実施形態によるハムノイズモニタ装置及び生体信号計測装置の各部の波形を示す図であり、(a)は初段アンプ2の出力波形であり、(b)は次段アンプ4の出力波形であり、(c)は表示アンプ12の出力波形である。尚、図2(a)〜(c)の縦軸は、信号の強さを示し、横軸は時間である。図2(a)〜(c)の縦軸各々のスケールは任意単位である。 【0014】被測定対象である生体に生体電極1a,1bを取り付け、装置の電源を投入すると、コンピュータ回路6はフィルタ3及びバンドパスフィルタ11のカットオフ周波数が予め設定された値となるよう制御信号を出力する。例えばフィルタ3の低周波側のカットオフ周波数は10〜100Hz程度の範囲の値に設定され、高周波側のカットオフ周波数は数百〜数千Hzの範囲の値に設定される。この設定が終了すると、生体信号の測定が行われる。つまり、生体電極1a,1bで検出された生体信号が初段アンプ2で増幅される。生体電極1a,1bによって検出された生体信号はその値が極めて小さく、初段アンプ2によって5〜20倍程度増幅される。 【0015】初段アンプ2の出力信号は、測定したい信号以外に多くの外来信号(ノイズ)も含まれている。特に大きいのが商用電源線によるハムノイズである。その為この時点での生体信号波形は図2(a)に示すようにノイズが多く含まれていることが多い。 【0016】初段アンプ2から出力された信号は、フィルタ3に入力する。フィルタ3は前述したように、測定したい波形の種類によってカットオフ周波数が設定されているため、入力された信号は所定のフィルタリング処理が行われて出力される。フィルタ3の出力は次段アンプ4へ入力し、所定の増幅率で増幅される。 【0017】図2(b)は次段アンプ4の出力波形である。生体信号がフィルタ3を通過することで、図2(a)中の波形の山部a1、a2、a4に対応する箇所が、図2(b)中の山部b1、b2、b4に示されるようにフィルタリングされている。次段アンプ4の出力信号は、ADコンバータ5によってディジタル信号に変換され、コンピュータ回路6に取り込まれる。 【0018】一方、本発明の第1実施形態によるハムノイズモニタ装置10に入力された初段アンプ2の出力信号は、まずバンドパスフィルタ11に入力され、ハムノイズの主な成分だけが通過する。いま、バンドパスフィルタ11の通過周波数帯域は、例えば50Hzや60Hzに設定されている。従って、この周波成分のみがバンドパスフィルタ11を通過して出力される。バンドパスフィルタ11から出力された信号は表示アンプ12に入力され、所定の増幅率で増幅される。図2(c)は、表示アンプ23から出力される信号の波形である。この図からバンドパスフィルタ11は、所定の周波数成分のみを通過させるので、正弦波状の波形となる。 【0019】図2(c)に示したような波形が表示素子13へ出力されて表示素子に表示される。また、バンドパスフィルタ11を通過させる周波数はコンピュータ回路6によって変化させることができるため、50Hzや60Hzなどに変えられる。その後増幅された信号は表示素子13により、その信号の大きさに比例して光、音、数値などに変換される。 【0020】以上説明したように、本実施形態によれば、フィルタ3、初段アンプ4、ADコンバータ5、及びコンピュータ回路6以外にハムノイズを検出するためのハムノイズモニタ装置を設けたので、生体信号の測定を行っている場合でもハムノイズを確実にモニタすることができる。また、人間が波形を見てハムノイズの有無を判断するという作業を無くすことができる。 【0021】〔第2実施形態〕図3は、本発明の第2実施形態によるハムノイズモニタ装置及び生体信号計測装置の構成を示すブロック図である。図3に示した、本発明の第2実施形態によるハムノイズモニタ装置及び生体信号計測装置は、図1に示した本発明の第1実施形態によるハムノイズモニタ装置及び生体信号計測装置をソフトウェアで実現したものである。図1に示した部材と同一の部材については、図3中において同一の符号を付し、その説明を省略する。 【0022】図3において、20はADコンバータであり、初段アンプ2の出力をディジタル信号に変換する。30は、コンピュータ回路であり、ADコンバータ20の出力を処理する。コンピュータ回路30は、フィルタ処理手段31、生体信号処理手段32、バンドパスフィルタ処理手段33、及びハムノイズ量表示処理手段34からなる。コンピュータ回路30は、例えば通常のコンピュータ、つまり、CPU、RAM、外部記憶装置等を備えたコンピュータによって実現される。 【0023】フィルタ処理手段31は、図1中のフィルタ3と同様の機能を有し、生体信号処理手段32は、図1中のコンピュータ回路5と同様の機能を有する。また、バンドパスフィルタ処理手段33は、図1中のバンドパスフィルタ11と同様の機能を有し、ハムノイズ量表示処理手段34は、図1中の表示素子13と同様の機能を有する。 【0024】上記構成において、初段アンプ2の出力はそのままADコンバータ20によってディジタル信号に変換され、コンピュータ回路30に取り込まれる。コンピュータ回路30に取り込まれた信号は、フィルタ処理手段31によってフィルタ処理が行われ、その後生体信号処理手段32によって、波形表示、データ保存等の処理が行われる。 【0025】一方、コンピュータ回路30に取り込まれた生体信号データは、ソフトウェアによって実現されたバンドパスフィルタ処理手段33によってフィルタリングが行われる。バンドパスフィルタ処理手段33の通過周波数帯域はハムノイズの周波数に設定されている。このバンドパスフィルタ処理手段33の通過周波数帯域も可変である。バンドパスフィルタ処理手段33で処理された後、ハムノイズ量表示処理手段34によって表示処理が行われる。 【0026】以上説明したように、本実施形態は、図1に示された構成の大部分をソフトウェアによって実現し、コンピュータ回路30の処理能力としてはより高いものが必要であるが、回路規模の低減を図ることができる。またソフトウェアで実現した場合には、ソフトウェアのみを容易に変更できるため、フィルタのカットオフ周波数を変更することにより色々な状況に対応できる。 【0027】 【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれば、バンドパスフィルタを設け、ハムノイズの周波数、例えば50Hz又は60Hzを正確に通過させており、測定したい生体信号と見誤る事がないため、ハムノイズの識別が簡単に解るという効果がある。また、ハムノイズ成分だけの大きさで表示素子を駆動し、生体信号の影響を受けていないため、ハムノイズの混入量が簡単に解るという効果がある。更に、生体信号測定用をするための回路とは別にハムノイズモニタ回路を備えているため、生体信号測定中でも現在のハムノイズの混入量が解るという効果がある。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000165033 【氏名又は名称】群馬日本電気株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年11月25日(1998.11.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100108578 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 詔男 (外3名)
|
| 【公開番号】 |
特開2000−157504(P2000−157504A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月13日(2000.6.13) |
| 【出願番号】 |
特願平10−334706 |
|