| 【発明の名称】 |
超音波撮像方法および装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】片岡 宏章
【氏名】鈴木 陽一
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| 【要約】 |
【課題】エコー源の移動速度の拍動強度を表す画像を撮像する超音波撮像方法および装置を実現する。
【解決手段】超音波エコーのドップラシフトに基づきエコー源の移動速度Vを検出し、拍動検出手段132で移動速度Vの現時相の値Vnと過去時相の値Voを用いた演算により移動速度Vの拍動強度Pを検出する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 撮像範囲を超音波で繰り返し走査してエコーを受信し、前記受信したエコーのドップラシフトに基づきエコー源の移動速度を検出し、前記移動速度の現在の時相における値および過去の時相における値を用いた演算により前記移動速度の拍動の強度を検出し、前記検出した拍動の強度を表す画像を生成する、ことを特徴とする超音波撮像方法。 【請求項2】 撮像範囲を超音波で繰り返し走査してエコーを受信し、前記受信したエコーのドップラシフトに基づきエコー源の移動速度を検出し、前記移動速度の現在の時相における値および過去の時相から現在の時相までの平均値を用いた演算により前記移動速度の拍動の強度を検出し、前記検出した拍動の強度を表す画像を生成する、ことを特徴とする超音波撮像方法。 【請求項3】 撮像範囲を超音波で繰り返し走査してエコーを受信する超音波送受信手段と、前記受信したエコーのドップラシフトに基づきエコー源の移動速度を検出する速度検出手段と、前記移動速度の現在の時相における値および過去の時相における値を用いた演算により前記移動速度の拍動の強度を検出する拍動検出手段と、前記検出した拍動の強度を表す画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする超音波撮像装置。 【請求項4】 前記拍動検出手段は、前記移動速度の現在の時相における値と過去の時相における値との差分値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする請求項3に記載の超音波撮像装置。 【請求項5】 前記拍動検出手段は、前記移動速度の現在の時相における値と過去の時相における値との平均値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の超音波撮像装置。 【請求項6】 撮像範囲を超音波で繰り返し走査してエコーを受信する超音波送受信手段と、前記受信したエコーのドップラシフトに基づきエコー源の移動速度を検出する速度検出手段と、前記移動速度の現在の時相における値および過去の時相から現在の時相までの平均値を用いた演算により前記移動速度の拍動の強度を検出する拍動検出手段と、前記検出した拍動の強度を表す画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする超音波撮像装置。 【請求項7】 前記移動速度の分散を検出する分散検出手段を備えるとともに、前記拍動検出手段は、前記分散検出手段が検出した分散値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする請求項3ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置。 【請求項8】 前記拍動検出手段は、心臓の拍動周期中の特定の時期における前記演算の結果を出力する、ことを特徴とする請求項3ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置。 【請求項9】 撮像対象の心電信号を検出する心電信号検出手段を備えるとともに、前記拍動検出手段は、前記心電信号に基づいて前記特定の時期を定める、ことを特徴とする請求項8に記載の超音波撮像装置。 【請求項10】 撮像範囲を超音波で繰り返し走査してエコーを受信する超音波送受信手段と、前記受信したエコーのドップラシフトに基づきエコー源の移動速度を検出する速度検出手段と、前記移動速度につき心臓の拍動周期を通した速度平均値を求める速度平均手段と、前記移動速度の現在の時相における値と過去の時相における値との差分値を求める差分手段と、前記速度平均値および前記差分値を用いた演算により前記移動速度の拍動の強度を検出する拍動検出手段と、前記検出した拍動の強度を表す画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする超音波撮像装置。 【請求項11】 撮像範囲を超音波で繰り返し走査してエコーを受信する超音波送受信手段と、前記受信したエコーのドップラシフトに基づきエコー源の移動速度を検出する速度検出手段と、前記移動速度につき心臓の拍動周期を通した速度平均値を求める速度平均手段と、前記移動速度の現在の時相における値と過去の時相における値との差分値を求める差分手段と、前記差分値につき心臓の拍動周期を通した差分平均値を求める差分平均手段と、前記速度平均値および前記差分平均値を用いた演算により前記移動速度の拍動の強度を検出する拍動検出手段と、前記検出した拍動の強度を表す画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする超音波撮像装置。 【請求項12】 前記移動速度の分散を検出する分散検出手段と、前記分散につき心臓の拍動周期を通した分散平均値を求める分散平均手段と、を備えるとともに、前記拍動検出手段は、前記分散平均値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の超音波撮像装置。 【請求項13】 前記拍動検出手段は、前記移動速度の現在の時相における値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする請求項10ないし請求項12のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置。 【請求項14】 前記拍動検出手段は、前記差分値の現在の時相における値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする請求項11ないし請求項13のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置。 【請求項15】 前記拍動検出手段は、前記分散値の現在の時相における値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする請求項12ないし請求項14のうちのうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置。 【請求項16】 撮像範囲を超音波で繰り返し走査してエコーを受信する超音波送受信手段と、前記受信したエコーのドップラシフトに基づきエコー源の移動速度を検出する速度検出手段と、前記移動速度につき心臓の拍動周期を通した速度最大値を求める最大速度検出手段と、前記移動速度の現在の時相における値と過去の時相における値との差分値を求める差分手段と、前記速度最大値および前記差分値を用いた演算により前記移動速度の拍動の強度を検出する拍動検出手段と、前記検出した拍動の強度を表す画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする超音波撮像装置。 【請求項17】 撮像範囲を超音波で繰り返し走査してエコーを受信する超音波送受信手段と、前記受信したエコーのドップラシフトに基づきエコー源の移動速度を検出する速度検出手段と、前記移動速度につき心臓の拍動周期を通した速度最大値を求める最大速度検出手段と、前記移動速度の現在の時相における値と過去の時相における値との差分値を求める差分手段と、前記差分値につき心臓の拍動周期を通した差分最大値を求める最大差分検出手段と、前記速度最大値および前記差分最大値を用いた演算により前記移動速度の拍動の強度を検出する拍動検出手段と、前記検出した拍動の強度を表す画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする超音波撮像装置。 【請求項18】 前記移動速度の分散を検出する分散検出手段および前記分散につき心臓の拍動周期を通した分散最大値を求める最大分散検出手段を備えるとともに、前記拍動検出手段は、前記分散最大値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする請求項16または請求項17に記載の超音波撮像装置。 【請求項19】 前記拍動検出手段は、前記移動速度の現在の時相における値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする請求項16ないし請求項18のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置。 【請求項20】 前記拍動検出手段は、前記差分値の現在の時相における値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする請求項17ないし請求項19のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置。 【請求項21】 前記拍動検出手段は、前記分散値の現在の時相における値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする請求項18ないし請求項20のうちのうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置。 【請求項22】 撮像対象の心電信号を検出する心電信号検出手段を備えるとともに、前記拍動検出手段は、前記心電信号に基づいて前記拍動周期を求める、ことを特徴とする請求項10ないし請求項21のうちのうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置。 【請求項23】 前記拍動検出手段は、前記ドップラシフトの周期的変化に基づいて前記拍動周期を求める、ことを特徴とする請求項10ないし請求項21のうちのうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置。 【請求項24】 前記拍動検出手段は、自らが検出した拍動の強度の周期的変化に基づいて前記拍動周期を求める、ことを特徴とする請求項10ないし請求項21のうちのうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置。 【請求項25】 前記拍動検出手段は、自らが出力した過去の時相における出力信号を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする請求項3ないし請求項24のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置。 【請求項26】 前記画像生成手段は、前記拍動の強度の瞬時値に基づいて画像を生成する、ことを特徴とする請求項3ないし請求項25のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置。 【請求項27】 前記画像生成手段は、前記拍動の強度の時間的平均値に基づいて画像を生成する、ことを特徴とする請求項3ないし請求項26のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置。 【請求項28】 前記画像生成手段は、前記拍動の強度のピークホールド値に基づいて画像を生成する、ことを特徴とする請求項3ないし請求項25のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置。 【請求項29】 前記拍動の強度を示す画像を3次元像として表示する表示手段、を具備することを特徴とする請求項3ないし請求項28のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置。 【請求項30】 前記受信したエコーに基づいてBモード画像を生成するBモード画像生成手段と、前記Bモード画像と前記拍動の強度を示す画像とを重ね合わせて表示する表示手段と、を具備することを特徴とする請求項3ないし請求項28のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置。 【請求項31】 前記移動速度を表す画像を生成する速度画像生成手段と、前記速度画像と前記拍動の強度を示す画像とを重ね合わせて表示する表示手段と、を具備することを特徴とする請求項3ないし請求項28のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置。 【請求項32】 前記ドップラシフト信号のパワーを表すパワードップラ画像を生成するパワードップラ画像生成手段と、前記パワードップラ画像と前記拍動の強度を示す画像とを重ね合わせて表示する表示手段と、を具備することを特徴とする請求項3ないし請求項28のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置。 【請求項33】 前記表示手段は前記画像を3次元像として表示する、ことを特徴とする請求項30ないし請求項32のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、超音波撮像方法および装置に関し、特に、超音波エコー(echo)のドップラシフト(Doppler shift)を利用して、被検体内におけるエコー源の移動速度の拍動強度を表す画像を撮像する超音波撮像方法および装置に関する。 【0002】 【従来の技術】超音波撮像では、超音波エコーのドップラシフトを利用して血流像を撮像することが行われる。血流像は血流速度の2次元分布を示すCFM(color flow mapping)画像または血流の所在を示すパワードップラ(power Doppler)画像として表示される。関心領域(ROI:region of interest)における血流像に基づいて、例えば腫瘍診断等が行われる。血流像に基づいて腫瘍診断等を行う場合は、その部分の血流が動脈性であるか静脈性であるかが診断上の重要な手がかりとなる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記のようなCFM像やパワードップラ像では血流の拍動性を検出できないので、動脈性か静脈性かを判断するのは困難であるという問題があった。このため、拍動性を調べるには、例えばポイントドップラ(point Doppler)法等により、あらためて注目点のドップラ信号を採取し、そのスペクトラム(spectrum)を観察するかあるいはドップラ音を聴くようにしなければならないという問題があった。 【0004】本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、エコー源の移動速度の拍動強度を表す画像を撮像する超音波撮像方法および装置を実現することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】(1)上記の課題を解決する第1の発明は、撮像範囲を超音波で繰り返し走査してエコーを受信し、前記受信したエコーのドップラシフトに基づきエコー源の移動速度を検出し、前記移動速度の現在の時相における値および過去の時相における値を用いた演算により前記移動速度の拍動の強度を検出し、前記検出した拍動の強度を表す画像を生成する、ことを特徴とする超音波撮像方法である。 【0006】第1の発明において、前記移動速度の現在の時相における値と過去の時相における値との差分値を用いて前記演算を行うことが、拍動強度を適切に検出する点で好ましい。 【0007】また、第1の発明において、前記移動速度の現在の時相における値と過去の時相における値との平均値を用いて前記演算を行うことが、拍動強度を適切に検出する点で好ましい。 【0008】(2)上記の課題を解決する第2の発明は、撮像範囲を超音波で繰り返し走査してエコーを受信し、前記受信したエコーのドップラシフトに基づきエコー源の移動速度を検出し、前記移動速度の現在の時相における値および過去の時相から現在の時相までの平均値を用いた演算により前記移動速度の拍動の強度を検出し、前記検出した拍動の強度を表す画像を生成する、ことを特徴とする超音波撮像方法である。 【0009】第1の発明または第2の発明において、前記移動速度の分散を検出し、前記検出した分散値を用いて前記演算を行うことが拍動強度を適切に検出する点で好ましい。 【0010】また、第1の発明または第2の発明において、心臓の拍動周期中の特定の時期における前記演算の結果を出力することが、拍動強度を適切に検出する点で好ましい。 【0011】また、第1の発明または第2の発明において、撮像対象の心電信号を検出し、前記心電信号に基づいて前記特定の時期を定めることが、拍動強度を適切に検出する点で好ましい。 【0012】また、第1の発明または第2の発明において、前記移動速度につき心臓の拍動周期を通した速度平均値を求め、前記移動速度の現在の時相における値と過去の時相における値との差分値を求め、前記速度平均値および前記差分値を用いた演算により前記移動速度の拍動の強度を検出することが、拍動強度を適切に検出する点で好ましい。 【0013】また、第1の発明または第2の発明において、前記移動速度につき心臓の拍動周期を通した速度平均値を求め、前記移動速度の現在の時相における値と過去の時相における値との差分値を求め、前記差分値につき心臓の拍動周期を通した差分平均値を求め、前記速度平均値および前記差分平均値を用いた演算により前記移動速度の拍動の強度を検出することが、拍動強度を適切に検出する点で好ましい。 【0014】また、第1の発明または第2の発明において、前記移動速度の分散を検出し、前記検出した分散につき心臓の拍動周期を通した分散平均値を求め、前記分散平均値を用いて前記演算を行うことが、拍動強度を適切に検出する点で好ましい。 【0015】また、第1の発明または第2の発明において、前記移動速度につき心臓の拍動周期を通した速度最大値を求め、前記移動速度の現在の時相における値と過去の時相における値との差分値を求め、前記速度最大値および前記差分値を用いた演算により前記移動速度の拍動の強度を検出することが、拍動強度を適切に検出する点で好ましい。 【0016】また、第1の発明または第2の発明において、前記移動速度につき心臓の拍動周期を通した速度最大値を求め、前記移動速度の現在の時相における値と過去の時相における値との差分値を求め、前記差分値につき心臓の拍動周期を通した差分最大値を求め、前記速度最大値および前記差分最大値を用いた演算により前記移動速度の拍動の強度を検出することが、拍動強度を適切に検出する点で好ましい。 【0017】また、第1の発明または第2の発明において、前記移動速度の分散を検出し、前記分散につき心臓の拍動周期を通した分散最大値を求め、前記分散最大値を用いて前記演算を行うことが、拍動強度を適切に検出する点で好ましい。 【0018】また、第1の発明または第2の発明において、撮像対象の心電信号を検出し、前記心電信号に基づいて前記拍動周期を求めることが、拍動強度を適切に検出する点で好ましい。 【0019】また、第1の発明または第2の発明において、前記ドップラシフトの周期的変化に基づいて前記拍動周期を求めることが、拍動強度を適切に検出する点で好ましい。 【0020】また、第1の発明または第2の発明において、拍動の強度の周期的変化に基づいて前記拍動周期を求めることが、拍動強度を適切に検出する点で好ましい。また、第1の発明または第2の発明において、過去の時相における出力信号を用いて前記演算を行うことが、拍動強度を適切に検出する点で好ましい。 【0021】また、第1の発明または第2の発明において、前記拍動の強度の瞬時値に基づいて画像を生成することが、拍動強度を適切に表示する点で好ましい。また、第1の発明または第2の発明において、前記拍動の強度の時間的平均値に基づいて画像を生成することが、拍動強度を適切に表示する点で好ましい。 【0022】また、第1の発明または第2の発明において、前記拍動の強度のピークホールド値に基づいて画像を生成することが、拍動強度を適切に表示する点で好ましい。 【0023】また、第1の発明または第2の発明において、前記受信したエコーに基づいてBモード画像を生成し、前記Bモード画像と前記拍動の強度を示す画像とを重ね合わせて表示することが、拍動強度を適切に表示する点で好ましい。 【0024】また、第1の発明または第2の発明において、前記移動速度を表す画像を生成し、前記速度画像と前記拍動の強度を示す画像とを重ね合わせて表示することが、拍動強度を適切に表示する点で好ましい。 【0025】また、第1の発明または第2の発明において、前記ドップラシフト信号のパワーを表すパワードップラ画像を生成し、前記パワードップラ画像と前記拍動の強度を示す画像とを重ね合わせて表示することが、拍動強度を適切に表示する点で好ましい。 【0026】また、第1の発明または第2の発明において、前記画像を3次元像として表示することが、拍動強度を適切に表示する点で好ましい。 (3)上記の課題を解決する第3の発明は、撮像範囲を超音波で繰り返し走査してエコーを受信する超音波送受信手段と、前記受信したエコーのドップラシフトに基づきエコー源の移動速度を検出する速度検出手段と、前記移動速度の現在の時相における値および過去の時相における値を用いた演算により前記移動速度の拍動の強度を検出する拍動検出手段と、前記検出した拍動の強度を表す画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする超音波撮像装置である。 【0027】(4)上記の課題を解決する第4の発明は、前記拍動検出手段は、前記移動速度の現在の時相における値と過去の時相における値との差分値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする(3)に記載の超音波撮像装置である。 【0028】(5)上記の課題を解決する第5の発明は、前記拍動検出手段は、前記移動速度の現在の時相における値と過去の時相における値との平均値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする(3)または(4)に記載の超音波撮像装置である。 【0029】(6)上記の課題を解決する第6の発明は、撮像範囲を超音波で繰り返し走査してエコーを受信する超音波送受信手段と、前記受信したエコーのドップラシフトに基づきエコー源の移動速度を検出する速度検出手段と、前記移動速度の現在の時相における値および過去の時相から現在の時相までの平均値を用いた演算により前記移動速度の拍動の強度を検出する拍動検出手段と、前記検出した拍動の強度を表す画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする超音波撮像装置である。 【0030】(7)上記の課題を解決する第7の発明は、前記移動速度の分散を検出する分散検出手段を備えるとともに、前記拍動検出手段は、前記分散検出手段が検出した分散値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする(3)ないし(6)のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置である。 【0031】(8)上記の課題を解決する第8の発明は、前記拍動検出手段は、心臓の拍動周期中の特定の時期における前記演算の結果を出力する、ことを特徴とする(3)ないし(7)のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置である。 【0032】(9)上記の課題を解決する第9の発明は、撮像対象の心電信号を検出する心電信号検出手段を備えるとともに、前記拍動検出手段は、前記心電信号に基づいて前記特定の時期を定める、ことを特徴とする(8)に記載の超音波撮像装置である。 【0033】(10)上記の課題を解決する第10の発明は、撮像範囲を超音波で繰り返し走査してエコーを受信する超音波送受信手段と、前記受信したエコーのドップラシフトに基づきエコー源の移動速度を検出する速度検出手段と、前記移動速度につき心臓の拍動周期を通した速度平均値を求める速度平均手段と、前記移動速度の現在の時相における値と過去の時相における値との差分値を求める差分手段と、前記速度平均値および前記差分値を用いた演算により前記移動速度の拍動の強度を検出する拍動検出手段と、前記検出した拍動の強度を表す画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする超音波撮像装置である。 【0034】(11)上記の課題を解決する第11の発明は、撮像範囲を超音波で繰り返し走査してエコーを受信する超音波送受信手段と、前記受信したエコーのドップラシフトに基づきエコー源の移動速度を検出する速度検出手段と、前記移動速度につき心臓の拍動周期を通した速度平均値を求める速度平均手段と、前記移動速度の現在の時相における値と過去の時相における値との差分値を求める差分手段と、前記差分値につき心臓の拍動周期を通した差分平均値を求める差分平均手段と、前記速度平均値および前記差分平均値を用いた演算により前記移動速度の拍動の強度を検出する拍動検出手段と、前記検出した拍動の強度を表す画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする超音波撮像装置である。 【0035】(12)上記の課題を解決する第12の発明は、前記移動速度の分散を検出する分散検出手段と、前記分散につき心臓の拍動周期を通した分散平均値を求める分散平均手段と、を備えるとともに、前記拍動検出手段は、前記分散平均値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする(10)または(11)に記載の超音波撮像装置である。 【0036】(13)上記の課題を解決する第13の発明は、前記拍動検出手段は、前記移動速度の現在の時相における値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする(10)ないし(12)のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置である。 【0037】(14)上記の課題を解決する第14の発明は、前記拍動検出手段は、前記差分値の現在の時相における値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする(11)ないし(13)のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置である。 【0038】(15)上記の課題を解決する第15の発明は、前記拍動検出手段は、前記分散値の現在の時相における値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする(12)ないし(14)のうちのうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置である。 【0039】(16)上記の課題を解決する第16の発明は、撮像範囲を超音波で繰り返し走査してエコーを受信する超音波送受信手段と、前記受信したエコーのドップラシフトに基づきエコー源の移動速度を検出する速度検出手段と、前記移動速度につき心臓の拍動周期を通した速度最大値を求める最大速度検出手段と、前記移動速度の現在の時相における値と過去の時相における値との差分値を求める差分手段と、前記速度最大値および前記差分値を用いた演算により前記移動速度の拍動の強度を検出する拍動検出手段と、前記検出した拍動の強度を表す画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする超音波撮像装置である。 【0040】(17)上記の課題を解決する第17の発明は、撮像範囲を超音波で繰り返し走査してエコーを受信する超音波送受信手段と、前記受信したエコーのドップラシフトに基づきエコー源の移動速度を検出する速度検出手段と、前記移動速度につき心臓の拍動周期を通した速度最大値を求める最大速度検出手段と、前記移動速度の現在の時相における値と過去の時相における値との差分値を求める差分手段と、前記差分値につき心臓の拍動周期を通した差分最大値を求める最大差分検出手段と、前記速度最大値および前記差分最大値を用いた演算により前記移動速度の拍動の強度を検出する拍動検出手段と、前記検出した拍動の強度を表す画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする超音波撮像装置である。 【0041】(18)上記の課題を解決する第18の発明は、前記移動速度の分散を検出する分散検出手段および前記分散につき心臓の拍動周期を通した分散最大値を求める最大分散検出手段を備えるとともに、前記拍動検出手段は、前記分散最大値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする(16)または(17)に記載の超音波撮像装置である。 【0042】(19)上記の課題を解決する第19の発明は、前記拍動検出手段は、前記移動速度の現在の時相における値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする(16)ないし(18)のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置である。 【0043】(20)上記の課題を解決する第20の発明は、前記拍動検出手段は、前記差分値の現在の時相における値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする(17)ないし(19)のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置である。 【0044】(21)上記の課題を解決する第21の発明は、前記拍動検出手段は、前記分散値の現在の時相における値を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする(18)ないし(20)のうちのうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置である。 【0045】(22)上記の課題を解決する第22の発明は、撮像対象の心電信号を検出する心電信号検出手段を備えるとともに、前記拍動検出手段は、前記心電信号に基づいて前記拍動周期を求める、ことを特徴とする(10)ないし(21)のうちのうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置である。 【0046】(23)上記の課題を解決する第23の発明は、前記拍動検出手段は、前記ドップラシフトの周期的変化に基づいて前記拍動周期を求める、ことを特徴とする(10)ないし(21)のうちのうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置である。 【0047】(24)上記の課題を解決する第24の発明は、前記拍動検出手段は、自らが検出した拍動の強度の周期的変化に基づいて前記拍動周期を求める、ことを特徴とする(10)ないし(21)のうちのうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置である。 【0048】(25)上記の課題を解決する第25の発明は、前記拍動検出手段は、自らが出力した過去の時相における出力信号を用いて前記演算を行う、ことを特徴とする(3)ないし(24)のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置である。 【0049】(26)上記の課題を解決する第26の発明は、前記画像生成手段は、前記拍動の強度の瞬時値に基づいて画像を生成する、ことを特徴とする(3)ないし(25)のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置である。 【0050】(27)上記の課題を解決する第27の発明は、前記画像生成手段は、前記拍動の強度の時間的平均値に基づいて画像を生成する、ことを特徴とする(3)ないし(25)のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置である。 【0051】(28)上記の課題を解決する第28の発明は、前記画像生成手段は、前記拍動の強度のピークホールド値に基づいて画像を生成する、ことを特徴とする(3)ないし(25)のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置である。 【0052】(29)上記の課題を解決する第29の発明は、前記拍動の強度を示す画像を3次元像として表示する表示手段、を具備することを特徴とする(3)ないし(28)のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置である。 【0053】(30)上記の課題を解決する第30の発明は、前記受信したエコーに基づいてBモード画像を生成するBモード画像生成手段と、前記Bモード画像と前記拍動の強度を示す画像とを重ね合わせて表示する表示手段と、を具備することを特徴とする(3)ないし(28)のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置である。 【0054】(31)上記の課題を解決する第31の発明は、前記移動速度を表す画像を生成する速度画像生成手段と、前記速度画像と前記拍動の強度を示す画像とを重ね合わせて表示する表示手段と、を具備することを特徴とする(3)ないし(28)のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置である。 【0055】(32)上記の課題を解決する第32の発明は、前記ドップラシフト信号のパワーを表すパワードップラ画像を生成するパワードップラ画像生成手段と、前記パワードップラ画像と前記拍動の強度を示す画像とを重ね合わせて表示する表示手段と、を具備することを特徴とする(3)ないし(28)のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置である。 【0056】(33)上記の課題を解決する第30の発明は、前記表示手段は前記画像を3次元像として表示する、ことを特徴とする(30)ないし(32)のうちのいずれか1つに記載の超音波撮像装置である。 【0057】(作用)本発明では、超音波エコーのドップラシフトから求めたエコー源の移動速度の現在の時相における値および過去の時相における値を用いた演算により移動速度の拍動の強度を検出し、拍動の強度を表す画像を生成する。 【0058】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。図1に超音波撮像装置のブロック(block)図を示す。本装置は本発明の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。本装置の動作によって、本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。 【0059】図1に示すように、本装置は、超音波プローブ2(probe)を有する。超音波プローブ2は、図示しない複数の超音波トランスデューサ(transducer)のアレイ(array)を有する。個々の超音波トランスデューサは例えばPZT(チタン(Ti)酸ジルコン(Zr)酸鉛)セラミックス(ceramics)等の圧電材料によって構成される。超音波プローブ2は、操作者により被検体4に当接して使用される。 【0060】超音波プローブ2は送受信部6に接続されている。送受信部6は、超音波プローブ2に駆動信号を与えて超音波を送波させる。送受信部6は、また、超音波プローブ2が受波したエコー信号を受信する。超音波プローブ2および送受信部6は、本発明における超音波送受信手段の実施の形態の一例である。 【0061】送受信部6のブロック図を図2に示す。同図に示すように、送受信部6は送波タイミング(timing)発生ユニット(unit)602を有する。送波タイミング発生ユニット602は、送波タイミング信号を周期的に発生して送波ビームフォーマ(beamformer)604に入力する。 【0062】送波ビームフォーマ604は、送波のビームフォーミング(beamforming)を行うもので、送波タイミング信号に基づき、所定の方位の超音波ビームを形成するためのビームフォーミング信号を生じる。ビームフォーミング信号は、方位に対応した時間差が付与された複数の駆動信号からなる。送波ビームフォーマ604は、送波ビームフォーミング信号を送受切換ユニット606に入力する。 【0063】送受切換ユニット606は、ビームフォーミング信号を超音波トランスデューサアレイに入力する。超音波トランスデューサアレイにおいて、送波アパーチャ(aperture)を構成する複数の超音波トランスデューサは、駆動信号の時間差に対応した位相差を持つ超音波をそれぞれ発生する。それら超音波の波面合成により、所定方位の音線に沿った超音波ビームが形成される。 【0064】送受切換ユニット606には受波ビームフォーマ610が接続されている。送受切換ユニット606は、超音波トランスデューサアレイ中の受波アパーチャが受波した複数のエコー信号を受波ビームフォーマ610に入力する。受波ビームフォーマ610は、送波の音線に対応した受波のビームフォーミングを行うもので、複数の受波エコーに時間差を付与して位相を調整し、次いでそれら加算して所定方位の音線に沿ったエコー受信信号を形成する。 【0065】超音波ビームの送波は、送波タイミング発生ユニット602が発生する送波タイミング信号により、所定の時間間隔で繰り返し行われる。それに合わせて、送波ビームフォーマ604および受波ビームフォーマ610により、音線の方位が所定量ずつ変更される。それによって、被検体4の内部が、音線によって順次に走査される。このような構成の送受信部6は、例えば図3に示すような走査を行う。すなわち、放射点200からz方向に延びる音線202で扇状の2次元領域206をθ方向に走査し、いわゆるセクタスキャン(sector scan)を行う。 【0066】送波および受波のアパーチャを超音波トランスデューサアレイの一部を用いて形成するときは、このアパーチャをアレイに沿って順次移動させることにより、例えば図4に示すような走査を行うことができる。すなわち、放射点200からz方向に発する音線202を直線状の軌跡204に沿って平行移動させることにより、矩形状の2次元領域206をx方向に走査し、いわゆるリニアスキャン(linear scan)を行う。 【0067】なお、超音波トランスデューサアレイが、超音波送波方向に張り出した円弧に沿って形成されたいわゆるコンベックスアレイ(convex array)である場合は、リニアスキャンと同様な音線走査により、例えば図5に示すように、音線202の放射点200を円弧状の軌跡204に沿って移動させ、扇面状の2次元領域206をθ方向に走査して、いわゆるコンベックススキャンが行えるのはいうまでもない。 【0068】送受信部6はBモード(mode)処理部10およびドップラ処理部12に接続されている。送受信部6から出力される音線ごとのエコー受信信号は、Bモード処理部10およびドップラ処理部12に入力される。ドップラ処理部12には心電信号検出部8が接続され、被検体4の心電信号が入力される。心電信号検出部8は、本発明における心電信号検出手段の実施の形態の一例である。 【0069】Bモード処理部10はBモード画像データを形成するものである。Bモード処理部10は、図6に示すように、対数増幅ユニット102と包絡線検波ユニット104を備えている。Bモード処理部10は、対数増幅ユニット102でエコー受信信号を対数増幅し、包絡線検波ユニット104で包絡線検波して音線上の個々の反射点でのエコーの強度を表す信号、すなわちAスコープ(scope)信号を得て、このAスコープ信号の各瞬時の振幅をそれぞれ輝度値として、Bモード画像データを形成する。 【0070】ドップラ処理部12はドップラ画像データを形成するものである。ドップラ画像データには、後述する速度データ、分散データ、パワーデータおよび拍動強度データが含まれる。ドップラ処理部12は、図7に示すように直交検波ユニット120、MTIフィルタ(moving target indicationfilter)122、自己相関演算ユニット124、平均流速演算ユニット126、分散演算ユニット128およびパワー(power)演算ユニット130を備えている。 【0071】直交検波ユニット120、MTIフィルタ122、自己相関演算ユニット124および平均流速演算ユニット126からなる部分は、本発明における速度検出手段の実施の形態の一例である。直交検波ユニット120、MTIフィルタ122、自己相関演算ユニット124および分散演算ユニット128からなる部分は、本発明における分散検出手段の実施の形態の一例である。 【0072】ドップラ処理部12は、直交検波ユニット120でエコー受信信号を直交検波し、MTIフィルタ122でMTI処理してエコー信号のドップラシフトを求める。また、自己相関演算ユニット124でMTIフィルタ122の出力信号について自己相関演算を行い、平均流速演算ユニット126で自己相関演算結果から平均流速Vを求め、分散演算ユニット128で自己相関演算結果から流速の分散Tを求め、パワー演算ユニット130で自己相関演算結果からドップラ信号のパワーPWを求める。 【0073】これによって、被検体4内で移動するエコー源、例えば血液等の平均流速Vとその分散Tおよびドップラ信号のパワーPWを表すそれぞれのデータが音線ごとに得られる。これら画像データは、音線上の各点(ピクセル:pixel)の平均流速、分散およびパワーを示す。以下、平均流速を単に速度という。なお、速度は音線方向の成分として得られる。また、超音波プローブ2に近づく方向と遠ざかる方向とが区別される。なお、エコー源は血液に限るものではなく、例えば血管等に注入されたマイクロバルーン(micro balloon)造影剤等であって良い。以下、血液の例で説明するがマイクロバルーン造影剤の場合も同様である。 【0074】ドップラ処理部12は、また、図8に示すように、拍動検出ユニット132およびメモリ134を有する。拍動検出ユニット132は、例えばDSP(digital signal processor)やMPU(micro processing unit)等で構成される。拍動検出ユニット132は、本発明における拍動検出手段の実施の形態の一例である。 【0075】拍動検出ユニット132およびメモリ134には、平均流速演算ユニット126の出力データすなわち速度Vがピクセルごとに入力される。また、拍動検出ユニット132には、分散演算ユニット128から分散Tがピクセルごとに入力され、心電信号検出部8から心電信号のR波タイミング信号Rが入力される。 【0076】メモリ134は音線走査の1フレーム(frame)分の入力速度データVを記憶する。記憶された速度データは、入力速度データVのピクセルと同一ピクセルに関する1フレーム前のデータが読み出され、拍動検出ユニット132に入力される。これにより、速度データVがメモリ134を介して1フレーム遅れで拍動検出ユニット132に入力される。 【0077】なお、メモリ134は1フレームに限らず数フレーム分の速度データを記憶し、数フレーム遅れで読み出すようにしても良い。以下、1フレーム遅れの例で説明するが数フレーム遅れの場合も同様である。また、メモリ134は必ずしも記憶装置である必要なく、1フレーム時間ないし数フレーム時間に相当する遅延時間を持つ遅延ユニットであって良い。以下、メモリの例で説明するが遅延ユニットの場合も同様である。1フレーム時間は例えば1/30秒である。 【0078】拍動検出ユニット132は、平均流速演算ユニット126から入力された速度データVn、メモリ134から読み出された速度データVoおよび分散Tを用いた演算に基づいて血流速度の拍動の強度を検出する。速度データVnは、本発明における移動速度の現在の時相における値の実施の形態の一例である。速度データVoは、本発明における移動速度の過去の時相における値の実施の形態の一例である。拍動検出ユニット132は、検出した拍動強度データPを出力する。拍動強度データPは音線上のピクセルごとの拍動強度を表す。拍動強度の検出は次のようにして行う。 【0079】図9に、心臓の拍動に伴う血流の速度変化すなわち血流速度の拍動を模式的に示す。同図の(a)は心電信号を示し、(b)は動脈性流速、(c)は静脈性流速を示す。(b)に示すように、動脈性流速は心電信号のR波の発生から少し遅れた時刻t1からt2にかけて急激に増加し、ピーク(peak)を過ぎた後は時刻t4からt5にかけて速やかに減少し、その後、残り期間中に緩やかに減少するという変化を繰り返す。静脈性流速は(c)に示すように、時刻t2より遅い時刻t3から速度の増加が始まるが、速度の増加は小幅にとどまる。 【0080】このような流速の変化に応じて、速度データVnも(b)または(c)のように変化する。また、メモリ134から読み出された速度データVoは、1フレーム時間の遅れを持って同様に変化する。以下、速度データVnを現速度Vn、速度データVoを過去速度Voと呼ぶ。 【0081】拍動検出ユニット132は、これら入力データを用いて次式により拍動の強度Pを検出する。 【0082】 【数1】
【0083】ここで、k:定数すなわち、図10に模式的に示すように、現速度Vnと過去速度Voの差に基づいて拍動の強度を検出する。そして、差分値ΔVが大きいほど拍動強度が大きいとする。 【0084】あるいは、差分値ΔVを現速度Vnで除算し、次式によって拍動強度Pを検出するようにしても良い。 【0085】 【数2】
【0086】ここで、m:定数(2)式を用いれば、拍動性強度Pを正規化して表現できるので便利である。定数mを例えば図11に示すように、現速度Vnに応じて変化する可変定数とし、現速度Vnに応じた重み付けを行うようにしても良い。すなわち、所定値Vthを下回る速度については定数mの値を小さくして重み付けを減らす。これによって、一般的に速度が遅い静脈性血流に対する拍動検出の感度を下げることができ、動脈性血流の拍動検出を確実に行うことができる。なお、可変定数mの特性曲線は図示のものに限らず適宜に設定して良い。 【0087】拍動検出ユニット132は、上式による演算に加えて、分散値Tを参照して拍動強度の検出を行う。動脈性流速は静脈性流速に比べて速度の分散が大きいので、分散値Tを参照することにより確実性の高い拍動強度検出を行うことができる。すなわち、例えば、(1)式または(2)式によるPの値が大きい場合でも、分散値Tが小さい場合はそれに対応してPの値を縮小し、拍動強度検出が過度に行われるのを抑制する。 【0088】また、動脈性流速の特徴を利用することによっても、確実性の高い拍動強度検出を行うことができる。すなわち、図9の(b)に示したように、時刻t1からt2における速度の急増が動脈性血流の特徴であるから、この時期を選んで上記のような拍動検出を行う。この期間は動脈性流速の変化率がもっとも大きい部分であり、かつ静脈性流速の変化が緩やかな時期であるから、静脈性流速を動脈性流速と混同せず確実にその拍動を検出することができる。拍動検出期間は、時刻t1からt2の期間に代えて、またはそれに加えて、時刻t4からt5の期間を利用するようにしても良い。なお、時期の設定はR波タイミング信号Rを基準として行う。あるいは、拍動に伴って周期的に変化するドップラ信号に基づいて行うようにしても良く、また、自らが検出した拍動強度Pに現れる周期的変化に基づいて行うようにしても良い。 【0089】拍動強度Pの正規化には、現速度Vnの代わりに現速度Vnと過去速度Voとの平均値を用いるようにしても良い。これは拍動強度の検出値Pをノイズ(noise)等に対して安定化する点で好ましい。その場合、定数mは平均速度に応じて変化させる。なお、現速度Vnと過去速度Voとの平均値は、拍動検出ユニット132によって求められる。 【0090】また、速度の平均値は心電信号の1周期ないし数周期を通じての平均値であって良い。これは拍動強度の検出値Pをさらに安定化する点で好ましい。その場合、定数mは平均速度に応じて変化させる。なお、心電信号の1周期ないし数周期を通じての平均値は、拍動検出ユニット132によって求められる。また、心電信号の周期はR波タイミング信号Rに基づいて検出する。あるいは、ドップラシフトの周期的な変化に基づいて検出しても良く、また、自らが検出した拍動強度Pに現れる周期的変化に基づいて検出するようにしても良い。 【0091】正規化は、また、心電信号の1周期ないし数周期を通じての速度の最大値を用いて行うようにしても良い。これも検出値Pの安定化に寄与する。その場合、定数mは最大速度に応じて変化させる。なお、心電信号の1周期ないし数周期を通じての最大値は、拍動検出ユニット132によって求められる。 【0092】上記において、差分値ΔVは、各時点における値を用いる代わりに、またはそれに加えて、心電信号の1周期ないし数周期を通じての平均値または最大値を用いるようにしても良い。これも検出値Pの安定化に寄与する。心電信号の1周期ないし数周期を通じての平均値または最大値は、拍動検出ユニット132によって求められる。 【0093】また、参照する分散値Tも、各時点における値を用いる代わりに、またはそれに加えて、心電信号の1周期ないし数周期を通じての平均値または最大値を用いるようにしても良い。心電信号の1周期ないし数周期を通じての平均値または最大値は、拍動検出ユニット132によって求められる。これも検出値Pの安定化に寄与する。 【0094】拍動検出ユニット132は、例えば図12に示すように、拍動検出フラグ(flag)FLGをも出力するものとし、これをメモリ134を介して1フレーム遅れで回帰入力し、入力フラグFLGoをも参照して拍動の強度を検出するようにしても良い。拍動検出フラグFLGは、拍動を検出したか否かを示す信号であり、これを1フレーム遅れで入力することにより1フレーム前の検出結果を参照することができる。拍動検出フラグFLGは、本発明における拍動検出手段の出力信号の実施の形態の一例である。 【0095】拍動検出フラグFLGは次のように利用される。すなわち、例えば1フレーム前に拍動の存在を否定する結果が得られているとすると、現フレームで拍動を検出したとしてもノイズ(noise)等による誤りである可能性がある。そこで、そのような場合は現フレームで検出した拍動を無効化するようにする。このようにすることにより、拍動検出の安定性を保つことができる。 【0096】拍動検出ユニット132は、過去速度Voの代わりに、それまでの速度の平均値を用いて拍動の強度を検出するようにしても良い。そのように構成した例を図13に示す。同図に示すように、平均演算ユニット136を設け、現速度Vnとメモリ134から読み出された1フレーム前の平均速度データVmoとの平均値Vmを求めて拍動検出ユニット132に入力する。平均値Vmはメモリ134に記憶され、次のフレームで読み出されて平均演算ユニット136に入力される。これにより、平均演算ユニット136の出力データは音線上のピクセルごとにそれまで検出した速度の平均値となる。 【0097】拍動検出ユニット132は、速度データVn、平均値Vmおよび分散Tを用いた演算により拍動の強度を検出する。演算式は上記の(1)式または(2)式において過去速度Voを平均値Vmに置き換えたものになる。差分値を求めるベース(base)を現在まで検出した速度の平均値Vmとしたことにより、ノイズ等に影響されにくい安定な拍動強度検出を行うことができる。このような構成により、例えば図14に示すように、動脈性の血流についてはVnとVmの差が明確化され拍動の強度の検出が容易になる。また、図15に示すように拍動の強度が比較的弱い場合でも確実に拍動の強度をとらえることができる。 【0098】図13に示した例でも、図8に示した例と同様に、速度、差分値および分散値について、心電信号の1周期または数周期を通じての平均値または最大値を利用するようにしても良いのはもちろんである。さらに、図12に示した例に倣って拍動検出フラグFLGをメモリ134を介して回帰的に拍動検出ユニット132入力し、それを参照するようにして良いのはもちろんである。 【0099】Bモード処理部10およびドップラ処理部12は画像処理部14に接続されている。画像処理部14は、本発明における画像生成手段の実施の形態の一例である。画像処理部14は、Bモード処理部10およびドップラ処理部12からそれぞれ入力されるデータに基づいて、それぞれBモード画像、ドップラ画像および拍動強度画像を生成するものである。 【0100】Bモード処理部10および画像処理部14からなる部分は、本発明におけるBモード画像生成手段の実施の形態の一例である。直交検波ユニット120、MTIフィルタ122、自己相関演算ユニット124、平均流速演算ユニット126および画像処理部14からなる部分は、本発明における速度画像生成手段の実施の形態の一例である。直交検波ユニット120、MTIフィルタ122、自己相関演算ユニット124、パワー演算ユニット130および画像処理部14からなる部分は、本発明におけるパワードップラ画像生成手段の実施の形態の一例である。 【0101】画像処理部14は、図16に示すように、バス(bus)140によって接続された音線データメモリ(data memory)142、ディジタル・スキャンコンバータ(digital scan converter)144、画像メモリ146および画像処理プロセッサ(processor)148を備えている。 【0102】Bモード処理部10およびドップラ処理部12から音線ごとに入力されたBモード画像データおよびドップラ画像データは、音線データメモリ142にそれぞれ記憶される。音線データメモリ142には、それぞれ画像データによる音線データ空間が形成される。ディジタル・スキャンコンバータ144は、走査変換により音線データ空間のデータを物理空間のデータに変換するものである。これによって、音線データ空間は物理データ空間に変換される。ディジタル・スキャンコンバータ144によって変換された画像データは、画像メモリ146に記憶される。画像処理プロセッサ148は、音線データメモリ142および画像メモリ146のデータについてそれぞれ所定のデータ処理を施すものである。データ処理の詳細については後述する。 【0103】画像処理部14には表示部16が接続されている。表示部16は本発明における表示手段の実施の形態の一例である。表示部16は、画像処理部14から画像信号が与えられ、それに基づいて画像を表示するようになっている。なお、表示部16は、カラー(color)画像が表示可能なグラフィックディスプレー(graphic display)等で構成される。 【0104】以上の送受信部6、Bモード処理部10、ドップラ処理部12、画像処理部14および表示部16には制御部18が接続されている。制御部18は、それら各部に制御信号を与えてその動作を制御する。また、被制御の各部から各種の報知信号が入力される。 【0105】制御部18の制御の下で、Bモード動作およびドップラモード動作が実行される。制御部18には操作部20が接続されている。操作部20は操作者によって操作され、制御部18に適宜の指令や情報を入力するようになっている。操作部20は、例えばキーボード(keyboard)やその他の操作具を備えた操作パネル(panel)で構成される。 【0106】本装置の動作を説明する。操作者は超音波プローブ2を被検体4の所望の個所に当接し、操作部20を操作して、例えばBモードとドップラモードを併用した撮像動作を行う。これによって、制御部18による制御の下で、Bモード撮像とドップラモード撮像が時分割で行われる。これにより、例えばドップラモードのスキャンを数回行う度にBモードのスキャンを1回行う割合で、Bモードとドップラモードの混合スキャンが行われる。 【0107】Bモードにおいては、送受信部6は、超音波プローブ2を通じて音線順次で被検体4の内部を走査して逐一そのエコーを受信する。Bモード処理部10は、送受信部6から入力されるエコー受信信号を対数増幅ユニット102で対数増幅し包絡線検波ユニット104で包絡線検波してAスコープ信号を求め、それに基づいて音線ごとのBモード画像データを形成する。画像処理部14は、Bモード処理部10から入力される音線ごとのBモード画像データを音線データメモリ142に記憶する。これによって、音線データメモリ142内に、Bモード画像データについての音線データ空間が形成される。 【0108】ドップラモードにおいては、送受信部6は超音波プローブ2を通じて音線順次で被検体4の内部を走査して逐一そのエコーを受信する。その際、1音線当たり複数回の超音波の送波とエコーの受信が行われる。ドップラ処理部12は、エコー受信信号を直交検波ユニット120で直交検波し、MTIフィルタ122でMTI処理し、自己相関演算ユニット124で自己相関を求め、自己相関結果から、平均流速演算ユニット126で平均流速を求め、分散演算ユニット128で分散を求め、パワー演算ユニット130でパワーを求める。また、拍動検出ユニット132により前述のようにして拍動の強度を求める。これらの算出値は、それぞれ、例えば血流等の平均速度とその分散、ドップラ信号のパワーおよび血流等の拍動強度を音線ごとかつピクセルごとに表す画像データとなる。なお、MTIフィルタ122でのMTI処理は1音線当たりの複数回のエコー受信信号を用いて行われる。 【0109】画像処理部14は、ドップラ処理部12から入力される音線ごとかつピクセルごとの各ドップラ画像データを音線データメモリ142に記憶する。これによって、音線データメモリ142内に、各ドップラ画像データについての音線データ空間がそれぞれ形成される。画像処理プロセッサ148は、音線データメモリ142のBモード画像データとドップラ画像データをディジタル・スキャンコンバータ144でそれぞれ走査変換して画像メモリ146に書き込む。 【0110】その際、ドップラ画像データを、速度に分散を加味したCFM画像データ、パワードップラ画像データおよび拍動強度画像データとしてそれぞれ書き込む。あるいは、速度に拍動強度を加味したCFM類似画像データとして書き込むようにしても良い。また、パワードップラ画像データに拍動強度を加味したパワードップラ類似画像データとして書き込むようにしても良い。 【0111】画像処理プロセッサ148は、Bモード画像データ、CFM画像データ、パワードップラ画像データ、拍動強度画像データ、CFM類似画像データおよびパワードップラ類似画像データを別々な領域に書き込む。Bモード画像は、音線走査面における体内組織の断層像を示すものとなる。CFM画像は、音線走査面における血流速度等の2次元分布を示す画像となる。この画像では血流の方向に応じて表示色を異ならせる。また、速度に応じて表示色の輝度を異ならせる。また、分散に応じて所定の色の混色率を高め表示色の純度を変える。 【0112】パワードップラ画像は、音線走査面における血流等の存在を示す画像となる。パワードップラ画像では、血流の方向を区別しないので表示色は一色とする。表示色はCFM画像に用いる色とは異ならせる。信号強度に応じて表示色の輝度を変える。この画像は実質的に血管等を示すものとなる。 【0113】拍動強度画像は、音線走査面における血流等の拍動強度の2次元分布を示す画像となる。拍動強度画像は一色で表される。表示色はCFM画像およびパワードップラ画像に用いる色とは異ならせる。拍動の強度に応じて表示色の輝度を変える。拍動強度画像を拍動強度の瞬時値に基づいて構成することにより、拍動強度の変化をリアルタイム(real time)で示す画像を得ることができる。拍動強度画像を拍動強度の時間平均値に基づいて構成することにより、拍動強度の変化を平滑化して示す画像を得ることができる。拍動強度画像を拍動強度のピークホールド(peak−hold)値に基づいて構成することにより、拍動強度をちらつきの少ない見易い画像として表示することができる。ピークホールド値は時間とともに減衰するものであって良い。 【0114】拍動強度画像をCFM類似画像またはパワードップラ類似画像として生成するときは、拍動の強度に応じて速度またはパワーの表示色の純度を変える。ただし、分散との区別が明確になるように、混入する色の種類を変える。 【0115】これらの画像を表示部16に表示させる場合には、例えばBモード画像とCFM画像を重ね合わせて表示する。これにより、体内組織との位置関係が明確な血流速度分布像を観察することができる。また、Bモード画像とパワードップラ画像を重ね合わせて表示する。この場合は、体内組織との位置関係が明確な血管走行状態を観察することができる。 【0116】また、Bモード画像と拍動強度画像を重ね合わせて表示する。この場合は、体内組織との位置関係が明確な動脈走行状態を観察することができる。これによって、ROIにおける血管が動脈性か否かを一目で確認することができる。特に、CFM類似画像またはパワードップラ類似画像で表示した場合は、速度分布とその拍動強度、または、流動するエコー源の分布と速度の拍動強度を一挙に視認することができる。 【0117】超音波プローブ2を例えば音線走査面と垂直な方向に移動させることにより、被検体4の内部を3次元走査することができる。その場合、3次元走査によって得られた3次元空間の上記の各画像データについて、例えば最大値投影(MIP:maximum intensity projection)等を行うことにより、それぞれ3次元画像を得ることができる。そして、それら画像を表示部16に表示させることにより、拍動強度像等を3次元表示することができる。 【0118】以上、拍動強度に基づいて動脈性血流を表示する例について説明したが、拍動強度の小さい流速に着目することにより静脈性血流を表示することができるのはいうまでもない。従って、動脈性血流に代えて、あるいは、それに加えて静脈性血流を表示することができるのはもちろんである。 【0119】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によれば、エコー源の移動速度の拍動強度を表す画像を撮像する超音波撮像方法および装置を実現することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000121936 【氏名又は名称】ジーイー横河メディカルシステム株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年11月18日(1998.11.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085187 【弁理士】 【氏名又は名称】井島 藤治 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−152935(P2000−152935A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月6日(2000.6.6) |
| 【出願番号】 |
特願平10−328150 |
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