トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 色覚異常補正用レンズ検索装置
【発明者】 【氏名】林 ▲将▼志

【要約】 【課題】個々の色覚異常者に適合し得る最適な補正用レンズを簡単に検索,選定することを可能にする。

【解決手段】色盲,色弱等の色覚異常の検査画像が記憶された検査画像記憶部1と、多種の色覚補正レンズに相当するフィルタの特性が記憶されたフィルタ特性記憶部2と、前記検査画像記憶部より読み出された検査画像を表示するカラー画像表示手段3と、そのカラー画像表示手段に表示された検査画像に前記フィルタ特性記憶部より読み込まれたフィルタをオーバーレイさせるフィルタ選択手段5と、判読可否入力キーに被検者の判読の可否が入力されるに従いオーバーレイされているフィルタを所定の順番で切り換えるとともにその判読可否の入力結果から被検者に適合する色覚補正レンズを判別する適合判別手段7とからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 色盲,色弱等の色覚異常の検査画像が記憶された検査画像記憶部と、多種の色覚補正レンズに相当するフィルタの特性が記憶されたフィルタ特性記憶部と、前記検査画像記憶部より読み出された検査画像を表示するカラー画像表示手段と、そのカラー画像表示手段に表示された検査画像に前記フィルタ特性記憶部より読み込まれたフィルタをオーバーレイさせるフィルタ選択手段と、判読可否入力キーに被検者の判読の可否が入力されるに従いオーバーレイされているフィルタを所定の順番で切り換えるとともにその判読可否の入力結果から被検者に適合する色覚補正レンズを判別する適合判別手段とからなることを特徴とした色覚異常補正用レンズ検索装置。
【請求項2】 カラー画像表示手段に検査画像とその検査画像にフィルタをオーバーレイした画像とが並んで表示されるようにした請求項1に記載の色覚異常補正用レンズ検索装置。
【請求項3】 フィルタの三原色の光の透過率をその逆数に比例する割合として検査画像にオーバーレイ表示するフィルタ効果反転手段を備えた請求項1に記載の色覚異常補正用レンズ検索装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色盲,色弱等の色覚異常を補正する最適な眼鏡,コンタクト等のレンズを簡単に検索,選定することのできる色覚異常補正用レンズ検索装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生理学的研究によると、色盲,色弱は可視光線の違うスペクトルの範囲に対する感受性が異常であることによって生じるものである。即ち、多数の臨床経験によって明らかにされているように、色盲,色弱と診断された大多数の対象者は、赤,緑,青の三原色を識別することができるが、特定の波長範囲の色の感受能力が劣っているにすぎない。そのような観点から、特開平6−18819に開示された発明では、多数の色盲,色弱の対象者に対して検査を行い、その結果、A類〜D類の四つのタイプの色盲,色弱補正スペクトル曲線が得られ、ほとんど全ての症例について色盲,色弱を補正可能な四種類32等級の色盲,色弱用メガネレンズを開発するに至っている。
【0003】ちなみに表1は、A類の代表的な色盲,色弱レンズA1〜A8、およびB類の代表的な色盲,色弱レンズB1〜B8について、その三原色の光の透過率(%)と、そのレンズをメガネとするのに適する色覚異常者の色覚値(透過率の逆数であって、緑色を100とする)を示すものである。また表2は同じくC類の代表的な色盲,色弱レンズC1〜C8、およびD類の代表的な色盲,色弱レンズD1〜D8について、光の透過率と色覚値(D類については青色を100とする)を示すものである。
【0004】
【表1】

【表2】

【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、色盲,色弱対象者の各光の波長に対する感受性の度合いは、その対象者ごとに個々に異なるので、上記のように多種のレンズから個々の対象者に最適なレンズを検索,選定する作業は容易でなかった。即ち、従来では周知のようにブック状に編集された色盲表に専ら頼って色覚異常の検査が行われていたが、この検査では専門知識と経験が要求されるので決して容易でなかった。
【0006】また、色盲,色弱の度合いは本人しか自覚できず、他人にはそうした色覚異常を体験することはできなかったので、個々の対象者にとって真に適したレンズを選定あるいは製作するのは一層困難であった。
【0007】そこで本発明の色覚異常補正用レンズ検索装置は、個々の色覚異常者に適合し得る最適な補正用レンズを簡単に検索,選定することを可能にするとともに、他人にも色覚異常を擬似体験でき、色盲,色弱用レンズ等の開発,製作等にも利便ならしめようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのために本発明の装置は、色盲,色弱等の色覚異常の検査画像が記憶された検査画像記憶部と、多種の色覚補正レンズに相当するフィルタの特性が記憶されたフィルタ特性記憶部と、前記検査画像記憶部より読み出された検査画像を表示するカラー画像表示手段と、そのカラー画像表示手段に表示された検査画像に前記フィルタ特性記憶部より読み込まれたフィルタをオーバーレイさせるフィルタ選択手段と、判読可否入力キーに被検者の判読の可否が入力されるに従いオーバーレイされているフィルタを所定の順番で切り換えるとともにその判読可否の入力結果から被検者に適合する色覚補正レンズを判別する適合判別手段とからなることを特徴とする。また本発明は上記色覚異常補正用レンズ検索装置において、カラー画像表示手段に検査画像とその検査画像にフィルタをオーバーレイした画像とが並んで表示されるようにしたことを特徴とする。また本発明は上記色覚異常補正用レンズ検索装置において、フィルタの三原色の光の透過率をその逆数に比例する割合として検査画像にオーバーレイ表示するフィルタ効果反転手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
【実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に従い説明する。この検索装置はウインドウズ搭載パソコンにソフトウェアをインスツールすることにより構成されるもので、図1にそのブロック図を示す。同図中、1は色盲,色弱等の色覚異常の検査画像が10種類程記憶された検査画像記憶部、2は三原色の光の透過率が表1,表2に夫々示された四種類32等級の色覚補正レンズに相当するフィルタの特性を記憶したフィルタ特性記憶部、3はCRTディスプレイ,TFT方式カラー液晶ディスプレイ等のカラー画像表示手段である。4は本体で、該本体4には前記検査画像記憶部1,フィルタ特性記憶部2,カラー画像表示手段3が接続されているほか、キーボード,マウス等のキー入力手段5が接続されている。該本体4は前記検査画像記憶部1より検査画像を読み出してカラー画像表示手段3に表示させる。また該本体中にはカラー画像表示手段3に表示された検査画像に前記フィルタ特性記憶部2より読み込まれたフィルタをオーバーレイさせるフィルタ選択手段6、および、適合判別手段7,フィルタ効果反転手段8が設けられている。
【0010】図3はこの検索装置においてカラー画像表示手段3に表示されるメイン画面である。図中、11は該メイン画面の左側の画像表示部に表示された検査画像、12は該メイン画面の右側に設けられたレポート表示部である。また13は操作ガイド表示部である。14は操作メニューで、該操作メニューには、終了ボタン15,画面切替ボタン16,スタートボタン17,YESボタン18とNOボタン19とからなる判読可否キー20,ストップボタン21,フィルタ表示ボックス22,フィルタ切替用ボタン23等が表示される。また24は基本設定用コマンドボタン、25はカラー設定用コマンドボタン、26は疑似体験用コマンドボタン、27は画像選択用コマンドボタン、28選択画像表示部、29はフィルタ選択ボタン、30はフィルタ透過率細設定用ボタン、31は設定透過率表示部、32はマウスポインタである。
【0011】次に図2のフローチャートに従いこの装置の作動を説明する。図3に示す操作ガイド表示部13の表示に従いマウスポインタ32をスタートボタン17に移動させ該マウスの左ボタンをクリックすると、カラー画像表示手段3に検査画像11が表示される。この検査画像11は、正常な被検者が見れば文字「3」と表示されていることが判読できる画像で、色盲,色弱等の色覚異常のある被検者にはこれが判読できない。そこで、この検査画像が判読可能であればマウスポインタ32をYESボタン18に移動させてクリックすることでこの検査画像を使っての検査は終了する。また判読できない被検者はNOボタン19をマウス操作によりクリックすることで、その被検者に適合する補正用レンズの自動的検索がスタートし、フィルタ特性記憶部2より先ずフィルタC8の光の透過率データが読み込まれ、検査画像11に該フィルタがオーバーレイされ表示される。即ち、フィルタC8を通して見た検査画像11が表示される。そこで被検者はこの画像を見て「3」の文字が判読できるかどうかにより、YESボタン18またはNOボタン19をマウス操作によりクリックして入力する。
【0012】そしてYESボタン18がクリックされた場合は、次にフィルタ特性記憶部2からフィルタC7の光の透過率データが読み込まれ、検査画像11に該フィルタC7がオーバーレイされて表示され、同様に被検者はその文字を判読できるかどうかによってYESボタン18またはNOボタン19をクリックする。ここでさらにYESボタン18がクリックされると、フィルタ特性記憶部2からフィルタC6の光の透過率データが読み込まれ、検査画像11に該フィルタC6がオーバーレイ表示され、被検者はその文字を判読できるかどうかによってYESボタン18またはNOボタン19をクリックすることとなる。以下も同様にフィルタC5→C1がその順番に検査画像11にオーバーレイ表示され、被検者はその検査画像11の判読の可否によりYESボタン18またはNOボタン19をクリックする。この判読の可否の状況はレポート表示部12に逐次表示される。そして例えばフィルタC4がオーバーレイ表示されたときに、被検者がNOボタン19をクリックした場合は、その被検者にはフィルタC5の透過率特性を備えた色覚補正レンズが適合することが判別され、図4に示したようにレポート表示部12にその結果が表示されてこの検索が終了する。
【0013】また、検査画像11にフィルタC8がオーバーレイ表示されたときに、NOボタン19がクリックされた場合は、フィルタ特性記憶部2からフィルタD8の光の透過率データが読み込まれ、検査画像11に該フィルタD8がオーバーレイ表示され、被検者はその文字を判読できるかどうかによってYESボタン18またはNOボタン19をクリックする。そしてここでYESボタン18がクリックされると、以下フィルタD7→D1が順に検査画像11にオーバーレイ表示され、その判読の可否が問われ、NOボタン19がクリックされたら同様にその直前のフィルタが適合することが判別され、レポート表示部12にその結果が表示され検索が終了する。またフィルタD8がオーバーレイ表示されたときに、NOボタン19がクリックされた場合は、フィルタ特性記憶部2からフィルタA8の透過率データが読み込まれ、検査画像11に該フィルタA8がオーバーレイ表示され、同様にその判読可否の入力に従い検査画像11にフィルタA7またはフィルタB8がオーバーレイ表示され、被検者の判読の可否の入力結果から被検者に適合する色覚補正レンズが四種類32等級の色覚補正レンズから検索,選定される。なお、画像選択用コマンドボタン27を操作することによって約10種類の中から表示される検査画像を選択でき、動物の図形等の任意の検査画像を使うことが出来る。
【0014】また、画面切替ボタン16をクリックすることで、図5に示したように検査画像11と検査画像10とを両側に並べて表示することができる。そして、フィルタ切替用ボタン23,カラー設定用コマンドボタン25等を操作し該両画像に透過率が適宜調節されたフィルタをオーバレイ表示することにより、両画像を見比べることができ、これによってその被検者により適したフィルタを選択することができる。
【0015】また、疑似体験用コマンドボタン26をクリックすると、フィルタ効果反転手段8が作動しフィルタの三原色の光の透過率をその逆数に比例する割合として検査画像にオーバーレイ表示する。このため、このコマンドボタン26をクリックすれば、色覚異常でない人に色覚異常の人にとってその検査画像がいかに見えるかということを擬似体験することができる。このためこの機能を使うことにより、色盲,色弱用レンズの開発,製作等に一層利便性が向上する。
【0016】この装置によれば、判読可否入力キーに被検者の判読の可否を入力するだけでオーバーレイされるフィルタが所定の順番で切り換えられ、その判読可否の入力結果から被検者に適合する色覚補正レンズが自動的に判別されるので、色覚異常者が自分でマウスを操作し自分に真に適したメガネを選定あるいは製作することが容易になる。なお、こうして検索されたフィルタ特性は、コンタクトレンズや天眼鏡等の選定にも有効であることは言うまでもない。
【0017】
【発明の効果】このように、本発明の色覚異常補正用レンズ検索装置によれば、個々の色覚異常者に適合し得る最適な補正用レンズを簡単に検索,選定することを可能にする。また、色覚異常を容易に擬似体験できることでより優れた色盲,色弱用レンズを研究,開発,製作するにも有効であるなど種々の利点がある。
【出願人】 【識別番号】598146919
【氏名又は名称】林 ▲将▼志
【出願日】 平成10年10月9日(1998.10.9)
【代理人】 【識別番号】100112531
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩二 (外1名)
【公開番号】 特開2000−116601(P2000−116601A)
【公開日】 平成12年4月25日(2000.4.25)
【出願番号】 特願平10−303342