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【発明の名称】 脊柱保持装置
【発明者】 【氏名】マーティン・エイチ・クラグ

【要約】 【課題】脊柱の各部分を所望の空間的関係に保持するための装置を提供する。

【解決手段】脊柱に沿って位置決めするためのロッドと、脊柱の一部分の中にネジ係合するための第1の部分およびナットを受容するための第2の部分を有するファスナーと、ロッドを受容するための通路を備えるリテナーブロックと、固定ネジを受容するためのネジ付き通路と、横方向通路と、上記リテナーブロックとファスナーとの間に延在するアンギュラ部材を備える脊柱保持装置である。アンギュラ部材はリテナーブロックの中に受容される内側端部と、ファスナーに固定される外側端部と、これらの両端部の間に延在する接続部分を有しており、当該接続部分は外側端部を内側端部の軸からずらすための屈曲部を形成している。而して、固定ネジが、リテナーブロックに対して押圧されるアンギュラ部材に対してロッドを押圧して、これらの構成部品の相対的な移動を阻止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脊柱(10)の各部分を互いに所望の空間的な関係に保持するために患者に移植するための脊柱保持装置(12)において、ロッド(22)と、脊柱(10)の一部分にネジ係合するための第1のネジ付き部分(20)を有するファスナー(18)と、第1の通路(50)および第2の通路(52)を備えるブロック(48)とから成り、当該第1の通路(50)はロッド(22)および第2の通路(52)を同第1の通路(50)を介して連通状態に受容しており、さらに、アンギュラ部材(36)から成り、当該アンギュラ部材(36)は第2の通路(52)の中に延在して中心軸(58)を有する第1の端部(38)、ファスナー(18)に接続するための第2の端部(42)および第1の端部(38)と第2の端部(42)との間に延在するアンギュラ屈曲部(47)を備えており、当該アンギュラ屈曲部(47)は第2の端部(52)をブロック(48)および中心軸(58)から離間しており、ロッド(22)はブロック(48)に固定されてアンギュラ部材(36)に係合して、当該アンギュラ部材(36)のブロック(48)に対する移動を阻止することを特徴とする脊柱保持装置(12)。
【請求項2】 脊柱(10)の各部分を互いに所望の空間的な関係に保持するために患者に移植するための脊柱保持装置(12)において、ロッド(22)と、脊柱(10)の一部分にネジ係合するための第1のネジ付き部分(20)および第2の部分(92)を有するファスナー(18)と、第1の通路(50)および第2の通路(52)を備えるブロック(48)とから成り、当該第1の通路(50)はロッド(22)および第2の通路(52)を同第1の通路(50)を介して連通状態に受容しており、さらに、アンギュラ部材(36)から成り、当該アンギュラ部材(36)は第2の通路(52)の中に延在して中心軸(58)を有する第1の端部(38)およびファスナー(18)に第2の接続部分(92)を接続するための第2の端部(42)を備えており、当該ファスナー(18)は第2の端部(42)に固定されており、さらに、アンギュラ部材(36)は中心軸(58)に沿ってブロック(48)から離間するように第1の端部(38)から延在する第1の部分(45)、中心軸(58)から離間する屈曲部を形成するように第1の部分(45)から延出する第2の部分(47)および中心軸(58)に対して一定の角度で第2の部分(47)と第2の端部(42)との間に延在する第3の部分(49)を有する接続部分(44)を備えており、ロッド(22)はブロック(48)に固定されてアンギュラ部材(36)に係合して、当該アンギュラ部材(36)のブロック(48)に対する移動を阻止することを特徴とする脊柱保持装置(12)。
【請求項3】 脊柱(10)の各部分を互いに所望の空間的な関係に保持するために患者に移植するための脊柱保持装置(12)において、ロッド(22)と、脊柱(10)の一部分にネジ係合するための第1のネジ付き部分(20)および第2の部分(92)を有するファスナー(18)と、ロッド(22)を受容するための第1の通路(50)、第2の通路(60)および第3の通路(52)を備えるブロック(48)とから成り、当該第2の通路(60)および第3の通路(52)は第1の通路(50)に連通しており、さらに、アンギュラ部材(36)から成り、当該アンギュラ部材(36)は第2の通路(52)の中に延在して中心軸(58)を有する第1の端部(38)およびファスナー(18)に第2の接続部分(92)を接続するための開口部(86)を有する第2の端部(42)を備えており、当該ファスナー(18)は第2の端部(42)に固定されており、さらに、アンギュラ部材(36)は中心軸(58)に沿ってブロック(48)から離間するように第1の端部(38)から延在する第1の部分(45)、中心軸(58)から離間する屈曲部を形成するように第1の部分(45)から延出する第2の部分(47)および中心軸(58)に対して一定の角度で第2の部分(47)と第2の端部(42)との間に延在する第3の部分(49)を有する接続部分(44)を備えており、さらに、第2の通路(60)の中に延在してロッド(22)に係合するための係合部材(46)から成り、これによって、ロッド(22)のブロック(48)に対する移動が阻止され、ロッド(22)がアンギュラ部材(36)に係合してアンギュラ部材(36)のブロック(48)に対する移動が阻止できることを特徴とする脊柱保持装置(12)。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は椎骨のような脊柱における各部分を所望の空間的関係に保持するための装置に関する。特に、本発明は1998年4月21日に発行された米国特許第5,741,255号および同特許に引用される先行技術の参考文献において開示される種類の保持装置(retainers)に関する。なお、これらの文献は全て本明細書に参考文献として含まれる。
【0002】
【課題を解決するための手段】本発明は脊柱の各部分を所望の空間的関係に保持するための装置を提供する。一般に、この装置は、脊柱の一定の部分に係合するネジ付きのファスナーと、当該ファスナーからずれた位置に脊柱に沿って配置される長手方向に沿う部材またはロッドを備えている。これらのファスナーとロッドとの間にアンギュラ(angular)部材が接続しており、このアンギュラ部材はロッドから離れる第1の方向に第1の距離だけ、また、当該第1の方向に対して一定の角度を成す方向に第2の距離だけ延在している。
【0003】さらに、リテナー(retainer)組立体がロッドおよびアンギュラ部材に接続して、当該リテナー組立体に対してロッドおよびアンギュラ部材が移動しないように保持する。このリテナー組立体はリテナーブロックを備えており、このリテナーブロックの中にロッドおよびアンギュラ部材が延在している。このリテナー組立体はロッドおよびアンギュラ部材を保持するのに有効であり、これらの部材が当該部材の間に伝達される力によってリテナーブロックに対して移動しないように作用する。本発明の一実施形態において、上記の力は、例えば、固定ネジのような係合手段により上記のロッドおよびアンギュラ部材を相互に押圧することによってこれらの部材の間に伝達される。
【0004】上記アンギュラ部材は上記リテナーブロックにおける面との係合により固定保持される保持面を備えることができる。これらの保持面および係合面は協働してリテナーブロックにより保持されるアンギュラ部材の端部を貫通する中心軸の回りにおける当該アンギュラ部材の回動を阻止するように作用する。このアンギュラ部材はリテナーブロックとファスナーとの間で直角に曲がるように形成することができる。本発明の一実施形態においては、上記保持面と係合面の係合時に、アンギュラ部材の一部分がロッドに平行な第1の方向に延在している。また、別の実施形態においては、保持面と係合面との係合時に、アンギュラ部材の一部分が上記第1の方向と反対の方向に延在している。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明および本発明の上記およびその他の特徴は図面に基づく以下の詳細な説明によってさらに明瞭となる。本発明による脊柱の保持装置(retainer)12を接続した人間の脊柱の部分を図1に示す。すなわち、脊柱リテナー12は椎骨14および椎骨16を相対的に所望の空間的関係に位置決めしている。
【0006】この脊柱リテナー12はステンレススチールのような生体許容可能(biocompatible)な材料により形成されたファスナー18を備えている。以下にさらに詳しく述べるように、ファスナー18は椎骨14および椎骨16にそれぞれ係合して当該ファスナーを各椎骨に固定する第1のネジ付き部分20(図2参照)を含む。なお、多数個の脊柱リテナー12を使用して、多数個のファスナー18を各椎骨14および椎骨16に固定することができる。また、図1においては、脊柱リテナー12が2個の椎骨14および椎骨16を相対的に離間するように構成されているが、ロッド22の長さを脊柱10に沿って単純に長くしてロッド20と付加的な椎骨との間に付加的なコネクタ組立体30を取り付けることによってより多くの数の椎骨を相互に所望の空間的関係で保持することができる。
【0007】ロッド22はステンレススチールのような生体許容可能な材料により形成されている。上述したように、ロッド22の長さは少なくとも2個の椎骨14,16を離間することが可能であるのに十分な長さを有している。さらに、ロッド22の必要な長さは治療する状態および相互に所望の空間的関係で保持する椎骨の数によって決まる。ロッド22は所望に曲げることが可能であり、一般的に、3種類の解剖構造学的平面の全てまたは任意の平面内において、脊柱10の所望の曲率を設定できる。
【0008】図1はロッド22およびファスナー18を内部接続するための2種類のコネクタ組立体(30および30’)を示している図である。下方のコネクタ組立体30’は米国特許第5,741,255号に記載されて図示されている種類のものである。この米国特許第5,741,255号に完全に説明されているように、コネクタ組立体30’は横方向部材32を備えており、この部材32はファスナー18とロッド22との間に当該ロッド22の長手軸33と直角に延在している。一方、本発明のコネクタ組立体30(図1に示す上方のコネクタ組立体)は、一般に、ロッド22に取り付けられたリテナー組立体34と、当該リテナー組立体34およびファスナー18の間に延在するアンギュラ部材36により構成されている。リテナー組立体34はアンギュラ部材36の概ね円筒形の内側端部38のリテナー組立体34に対する位置を固定する。また、クランプ組立体40がアンギュラ部材36の外側端部42をファスナー18に固定している。本発明の一実施形態において、アンギュラ部材36の接続部分44は当該アンギュラ部分36の内側端部38と外側端部42との間の直角の曲がり部分を形成している。
【0009】図2において、リテナー組立体34は固定ネジ46と概ね長方形のリテナーブロック48を備えており、このブロック48の中にアンギュラ部材36およびロッド22が延在する。ブロック48はロッド22を受容するロッド通路50を有している。ロッド22は概ね円形の断面を有して示されているが、ロッド通路50の変形に対応して、6角形や卵形の断面のような種々の別の断面形状を有するロッド材が使用できる。また、このブロック48は横方向の通路52を備えており、この通路52はアンギュラ部材36の内側端部38を受容してロッド通路50に連通している。図6に最良に示すように、横方向の通路52は複数の係合面54を備えており、これらの係合面54はアンギュラ部材36の内側端部38から半径方向に沿って外方に突出する当該係合面54と同様の形状に形成された保持面または歯部56に係合する。ブロック48における係合面54と内側端部38における歯部56との間の歯合によって、内側端部38の長手方向の中心軸58の回りのアンギュラ部材36の回動が阻止される。なお、横方向の通路52に種々の形状の係合面を形成してブロック48に形成された同様の形状の保持面を受容することができる。例えば、図6に示した3角形の歯部を方形状の隆起部およびこれらに対応する係合溝、または、湾曲状の突出部とこれに対応する凹部に置き換えることができる。
【0010】図7に最良に示すように、力がロッド22およびアンギュラ部材36の間に固定ネジ46により伝達されて、これらのロッド22およびアンギュラ部材36のブロックに対する移動が保持される。固定ネジ46はネジ付きの固定ネジ通路60の中に固定され、このネジ通路60はブロック48の中に形成されてロッド通路50と連通している。固定ネジ46は下方に移動してロッド22に係合し、これによって、ロッド22を下方にアンギュラ部材36の内側端部に対して押圧する。特に、ロッド22はサドル形状の溝62の中に下方に押し付けられて、この溝62は内側端部38の周面の周りに部分的に延在している。この溝62はロッド22の湾曲した外側面84を受容するように形成されている。さらに、ロッド22により伝達される力は内側端部38の歯部56を押圧して横方向の通路52の下方部分における係合面54に係合させる(図6参照)。従って、ロッド22の外側面84と内側端部38の溝62との間の係合によって、中心軸58の回りのブロック48に対する内側端部38の移動、および、長手軸33に沿うブロック48に対するロッド22の移動が保持される。
【0011】アンギュラ部材36の内側端部38はさらに環状リップ部64、および、例えば、型押(swaging)処理により形成した外周溝66を備えている。環状リップ部64はその外径が横方向の通路52の内径よりも大きくなるように形成されている(図6参照)。従って、アンギュラ部材36は、ロッド22がロッド通路50から外れている、あるいは、当該通路50の中で上方に持ち上げられている時にも、リテナー組立体34の中に保持されている。加えて、横方向の通路52の一端部はベベル状端部68を備えており(図7参照)、当該端部68は横方向通路52の中で環状リップ部64の部分的な凹部を構成している。
【0012】図2乃至図4において、ブロック48は一対の平行で平坦な側面70,72を有している。ロッド通路50はこれらの側面70,72の間でこれらに対して垂直に延在している。さらに、ブロック48は一対の側面76,78を備えており、これらは側面70,72と垂直に延在している(図3参照)。横方向の通路52は直線状の長手方向の中心軸を有しており、側面76,78の間でこれらに対して垂直に延在している。
【0013】ロッド通路50はブロック48の軸80(図2,図4および図7参照)に沿って軸ずれしている中心を有する一対の円形の開口部81,83により形成されている。結果として、ロッド通路50は概ね卵形の断面形状を有している。本発明の一実施形態において、軸80は側面70,72の間の中心に概ね位置しているが、ブロック48の側面78よりも側面76に近接している。ロッド通路50を形成している円形の開口部81,83は、固定ネジ46が固定ネジ通路60から後退して抜け出ている時に、ロッド通路50の上方および下方部分の間でロッド22が移動できる程度の大きさに設けられている。従って、ブロック48はロッド22の長さに沿って位置決めできる。図7に最良に示すように、上方の円形開口部83はロッド22の直径よりも大きくて、ロッド22はこの開口部83の中で自由に移動できる。また、ロッド通路50における下方の円形開口部81はロッド22の直径よりも小さい直径を有している。それゆえ、ロッド22が固定ネジ46によって下方の円形開口部81の中に押し入れられている時には、ロッド22およびロッド通路50は締り嵌めの状態になる。
【0014】図6に最良に示すように、横方向通路52は、ロッド通路50と同様に、概ね卵形の断面を有しており、この断面はブロック48の軸80の方向に細長くなっている。この横方向通路52の卵形形状によって、固定ネジ46が固定ネジ通路60から抜け出ている時に、アンギュラ部材36の内側端部38が中心軸80に沿って上下に移動可能である。
【0015】ブロック48に対するアンギュラ部材36の方向は横方向通路52の中で上方に端部38を移動して歯部56を係合面54から離間することによって調節でき、これによって、内側端部38がブロック48およびロッド22に対して所望の位置に軸58の回りに横方向通路52の中で回動できる(図6における点線によりその位置の一例を示している)。アンギュラ部材36が軸58の回りの所望の方向に回動した後に、内側端部38が(固定ネジ46およびロッド22によって)下方に移動して、歯部56がブロック48の係合面と係合してアンギュラ部材36のさらなる回動を阻止する。
【0016】横方向通路52およびロッド通路50はブロック48の中心部の中で交叉部分82(図7参照)を形成している。従って、横方向通路52の一部分がロッド通路50の中に延在している。本発明の一実施形態において、ロッド通路50は横方向通路52の中心軸に垂直な中心軸を有している。このような実施形態においては、脊柱リテナー10の組立時において、内側端部38の軸58はロッド22(図3参照)の長手軸33に垂直である。しかしながら、横方向通路52およびロッド通路50は互いに鋭角に形成できる。このような構成においては、アンギュラ部材36の内側端部38はブロック48からロッド22の軸33に対して鋭角に延出している。
【0017】ブロック48がロッド22上に位置決めされると、当該ロッド22はロッド通路50と横方向通路52との間の交叉部分82(図7参照)内に延在する。従って、ロッド22の外側面84(図4および図7参照)は固定ネジ46によって内側端部38の湾曲溝62に対して押圧可能になる。この結果、内側端部38はロッド22によりブロック48の下方部分に対して押圧される(図6に最良に示す)。なお、外側面84と内側端部38との間に介在的な力伝達部材を配置することができる。ブロック48の係合面54(図6参照)は交叉部分82と反対側の横方向通路52の側面に配置されている。さらに、係合面54は内側端部38の中心軸58に平行にブロック48の側壁部76および側壁部78の間に延在している。この係合面54は横方向通路52の円弧に沿って形成されており、ブロック48の軸80の両側に約30°を成して延在している。
【0018】同様に、内側端部38上の各歯部56は当該内側端部38の中心軸58に平行な長手軸を有している。歯部56は内側端部38の下方の外側面に約120°の円弧状に延在している。もちろん、この歯部56は内側端部38の外側面の120°よりも大きいまたは小さい角度で延在するように形成してもよい。この内側端部38上の歯部56の円弧状の延在部分はブロック48の係合面54の円弧状の延在部分よりも大きいので、歯部56は、上述したように、ブロック48に対して軸58の回りの複数の回転方向のいずれか1個にアンギュラ部材36が向いている時に、係合面54と歯合する。
【0019】本発明の一実施形態において、アンギュラ部材36は「右(right)」向きの構成または「左(left)」向きの構成にすることができる。なお、図示のアンギュラ部材36は「右」向きの構成である。図1に示すように、アンギュラ部材36はブロック48の右側に延在して(ブロック48の側面76から離間して)、ブロック48の側面72から離間して上方に伸出している。上記の説明により明らかなように、全体のコネクタ組立体30はロッド22から取り外して、180°回転してから、再びロッド22に取り付けることも可能(図3参照)であり、これによって、アンギュラ部材36がブロック48の左側に延在して(側面76から離間して)、側面72から離間して下方に伸長する。アンギュラ部材36のブロック48に対する方向は軸58に対してある程度回転可能に調節できるが、図3に示すアンギュラ部材36は、ブロック48の左側に延在して上方に伸出する「左」向き構成のアンギュラ部材(点線で示す)となるように、軸58の回りに180°回転することはできない。図6および図7に示すように、このような「右」向き構成のアンギュラ部材36の調節は不可能である。これは、図6および図7に示す位置から180°に軸58の回りに回動すると、アンギュラ部材36の歯部56はロッド22の側に上方に向いて、溝62がブロック48の係合面54の側に下方に向く。従って、ロッド22および溝62はブロック48に対する軸58に沿うアンギュラ部材36の位置を協働して固定できなくなり、歯部56および係合面54はブロック48に対する軸58の回りのアンギュラ部材36の方向を協働して固定できなくなる。それゆえ、本発明による「左」向きの構成のアンギュラ部材36は図示のものと同一の内側端部38を備えているが、ブロック48を図3に示す方向にロッド22に固定した時に、当該ブロック48の側面76から離間して延出して、上方に、側面70から離間するように伸出する。
【0020】ユニバーサルアンギュラ部材36は、例えば、内側端部38の全周に溝62を形成して、歯部56を溝62に占有されない内側端部38の表面の残部に形成することによって、容易に作成できる。歯部56および係合面54の間の歯合領域が減少するが、このようなリテナー部材36は軸58の回りの調節部の360°の範囲内の複数の方向の任意の1個に調節できる。あるいは、歯部56の円弧状の延在部を360°から減少して、係合表面54の円弧状の延在部を増やすことによって、十分な数の歯部56が軸58の回りの調節部の360°の範囲内の複数の方向のいずれか1個において十分な数の係合面54と係合するようにできる。
【0021】本発明の一実施形態において、アンギュラ部材36の外側端部42は概ね円筒形の形状でボア86を備えている。ボア86は中心軸88を有しており、この軸88は内側端部38の中心軸58に対して垂直である(図2参照)。アンギュラ部材36が後述するようにファスナー18に固定されている時に、ボア86の中心軸88はファスナー18の中心軸に一致することができる。それゆえ、ファスナー18は内側端部38の中心軸58に対して垂直方向に延在できる。しかしながら、図3に最良に示すように、ボア86の中心軸88は中心軸58から一定距離だけずれており、さらに、ロッド22の軸33から一定距離だけずれている。
【0022】図2において、クランプ組立体40は、ファスナー18のネジ付き外側端部92、内部ネジ付きナット94、ファスナー18に形成した6角形ショルダー96、および6角形の外側端部98により形成されている。レンチにより6角形外側端部98およびナット94を同時に係合することによって、ナット94はファスナー18のネジ付き部分20に力を伝達することなくファスナー18のネジ付き部分に締め付けることができる。ナット94を締め付ける時、当該ナット94は外側部分42の上端面100に係合し、ショルダー96は外側端部42の下端面102に係合する。この結果、外側端部42はクランプ組立体40によってファスナー18に保持されて固定される。
【0023】図5はアンギュラ部材36の外側端部42の別の実施形態(42’)を示している図である。この外側端部42’はボア86の代わりにスロット86’を備えている。この実施形態において、スロット86’は内側端部38の中心軸58に対して概ね垂直方向に細長い形状になっていて、軸58に対してほぼ垂直の中心軸88を有している。その他の点では、外側端部42’は上述の態様でファスナー18と協働する。以上から明らかなように、スロット86’の細長い構成はファスナー18および軸58の間の距離を調節することができる。
【0024】アンギュラ部材36の接続部分44は内側端部38および外側端部42の間に延在している。この接続部分44は、内側端部38から延出する第1の部分45と、第1の部分45から伸長する第2の部分47と、第2の部分47と外側端部42との間に延在する第3の部分49を含む。一実施形態において、接続部分44は管状または棒状で、第1の部分45、第2の部分47および第3の部分49は概ね平面状である。第1の部分45はブロック48から延出して軸58上にその中心を有している(図3参照)。第2の部分47は軸58から外れた屈曲状または肘状の部分を形成している。図示の実施形態において、この第2の部分47の屈曲部は90°になっている。あるいは、この屈曲部は45°の角度のような軸58に対する異なる角度にすることができる。第3の部分49は第2の部分47により定められる軸58に対する角度で軸51に沿って延出して、外側端部42に接続している。なお、外側端部42は接続部分44に対して平面状である必要はなく、接続部分44の第1の部分45、第2の部分47および第3の部分49が交叉する平面に対して一定の角度で延在できる。
【0025】第2の部分47の屈曲部の方向はアンギュラ部材36が「右」向き、または、「左」向きの構成のアンギュラ部材のいずれかを決定する。図1に示すように、この接続部分44により定められる屈曲部はコネクタ組立体30の部分16を有する椎骨への取り付けを可能にし、この部分16はまたコネクタ組立体30(下方コネクタ組立体)の横方向に延在する横方向部材32に干渉する。加えて、多数個の脊柱リテナー12を単一の脊柱10に使用する場合は、隣接するコネクタ組立体30の間の干渉が接続部分44の屈曲部により与えられるファスナー18の位置ずれによって回避できる。
【0026】以上、本発明を例示的な実施形態として説明したが、本出願はその基本的原理を用いる全ての変形、用法または適応法に及ぶことを目的とする。さらに、本出願は本発明の開示によって本発明が関係する技術分野における既知または慣用的実施が可能になるものに及ぶことを目的とする。本発明の趣旨および範囲は特許請求の範囲の各請求項ならびに以下に記載する各実施態様における用語によってのみ限定されるものである。
【0027】本発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(1)屈曲部(47)が90°に曲がっている請求項1に記載の脊柱保持装置(12)。
(2)さらに、第1の端部(38)および屈曲部(47)の間に延在する第1の部分(45)と、屈曲部(47)および第2の端部(42)の間に延在する第3の部分(49)から成る請求項1に記載の脊柱保持装置(12)。
(3)第3の部分(49)が中心軸(51)を有しており、当該中心軸(51)がロッド(22)の長手軸(33)に対して概ね平行である実施態様(2)に記載の脊柱保持装置(12)。
(4)第2の通路(52)が第1の通路(50)に対して直角にブロック(48)を貫通している請求項1に記載の脊柱保持装置(12)。
(5)アンギュラ部材(36)の第1の端部(38)がロッド(22)を受容するための溝(62)を備えており、第1の通路(50)がブロック(48)の第1の側面(70)および第2の側面(72)を貫通しており、第2の通路(52)がブロック(48)の第3の側面(76)および第4の側面(78)を貫通している請求項1に記載の脊柱保持装置(12)。
【0028】(6)アンギュラ部材(36)の第1の端部(38)が概ね円筒形であって、中心軸(58)に対して外側に半径方向に突出している複数の保持面(56)を有しており、これらの複数の保持面(56)が溝(62)の概ね反対側の第1の端部(38)の外側面上に配置されており、ブロック(48)の第2の通路(52)が、ロッド(22)がアンギュラ部材(36)に係合している時に、複数の保持面(56)を受容するための複数の係合面(54)を備えており、これによって、アンギュラ部材(36)の中心軸(58)の回りの回動が阻止される実施態様(5)に記載の脊柱保持装置(12)。
(7)さらに、第1の端部(38)および屈曲部(47)の間に延在する第1の部分(45)と、屈曲部(47)および第2の端部(42)の間に延在する第3の部分(49)から成る実施態様(6)に記載の脊柱保持装置(12)。
(8)複数の係合面(54)が複数の保持面(56)を受容している時に、第1の部分(45)がブロック(48)の第3の側面(76)から離間するように第1の端部(38)から延出しており、第3の部分(49)がブロック(48)の第1の側面(70)から離間するように第2の部分(47)から延出している実施態様(7)に記載の脊柱保持装置(12)。
(9)複数の係合面(54)が複数の保持面(56)を受容している時に、第1の部分(45)がブロック(48)の第3の側面(76)から離間するように第1の端部(38)から延出しており、第3の部分(49)がブロック(48)の第2の側面(72)から離間するように第2の部分(47)から延出している実施態様(7)に記載の脊柱保持装置(12)。
(10)アンギュラ部材(36)の第1の端部(38)が複数の外側に突出する保持面(56)を有しており、ブロック(48)の第2の通路(52)が、ロッド(22)がアンギュラ部材(36)に係合している時に、複数の保持面(56)を受容するための複数の係合面(54)を備えており、これによって、アンギュラ部材(36)の中心軸(58)の回りの回動が阻止される請求項1に記載の脊柱保持装置(12)。
【0029】(11)アンギュラ部材(36)の第1の端部(38)がほぼ円筒形であって、アンギュラ屈曲部(47)と反対側の端部においてアンギュラ部材(36)をブロック(48)の中に保持するための環状リップ部(64)を備えており、当該環状リップ部(64)が第2通路(52)の内径よりも大きい外径を有している請求項1に記載の脊柱保持装置(12)。
(12)第2の通路(52)がベベル状の端部(68)を備えており、環状リップ部(64)が当該ベベル状端部(68)によって第2の通路(52)の中に少なくとも部分的に凹部を形成している実施態様(11)に記載の脊柱保持装置(12)。
(13)第2の部分(42)がファスナー(18)の一部分(92)を受容するための開口部(86)を備えている請求項1に記載の脊柱保持装置(12)。
(14)前記開口部(86)がボアである実施態様(13)に記載の脊柱保持装置(12)。
(15)前記開口部(86)がスロットである実施態様(13)に記載の脊柱保持装置(12)。
【0030】(16)さらに、ブロック(48)の中に延在して第1の通路(50)に連通する第3の通路(60)と、当該第3の通路(60)により受容されてロッド(22)と係合して当該ロッド(22)をアンギュラ部材(36)に係合するための係合部材(46)から成る請求項1に記載の脊柱保持装置(12)。
(17)第3の通路(60)にネジが設けられていて係合部材(46)が固定ネジである実施態様(16)に記載の脊柱保持装置(12)。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、脊柱の各部分を所望の空間的関係に保持するための装置が提供できる。
【出願人】 【識別番号】599054950
【氏名又は名称】デピュイ・アクロメッド・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Depuy Acromed, Inc.
【住所又は居所原語表記】3303 Carnegie Avenue, Cleveland, Ohio, U.S.A.
【出願日】 平成11年8月26日(1999.8.26)
【代理人】 【識別番号】100066474
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭 (外1名)
【公開番号】 特開2000−102544(P2000−102544A)
【公開日】 平成12年4月11日(2000.4.11)
【出願番号】 特願平11−240079