| 【発明の名称】 |
X線CT装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 力
【氏名】高野 博司
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| 【要約】 |
【課題】X線CT装置のスキャナを高速に回転してスキャン時間の短縮を図る。
【解決手段】被検者に対しX線を照射するX線照射手段と被検者を寝載する天板を挟み該X線照射手段と対向配置されるX線検出器とを回転リングで一体に保持し、この回転リングを回転自在にフレームで支持し、前記回転リングとフレームに磁力発生手段を備え、前記回転リングを回転自在に支持して、前記被検者を透過したX線を検出し、これを電気信号に変換し画像処理して所望の断層像を得る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検者に対しX線を照射するX線照射手段と、被検者を寝載する天板を挟み該X線照射手段と対向配置されるX線検出器と、前記X線照射手段とX線検出器を一体に保持しこれらを回転させる回転リングと、該回転リングを回転自在に支持するフレームと、前記天板を支持する天板支持手段を具備し、前記被検者を透過したX線を検出し、これを電気信号に変換し画像処理して所望の断層像を得るX線CT装置において、前記回転リングとフレームに磁力発生手段を備え、前記回転リングを回転自在に支持することを特徴とするX線CT装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はX線CT装置に係わり、特にX線管及びX線検出器等を搭載したスキャナを高速に回転してスキャン時間の短縮を図ることができるX線CT装置に関する。 【0002】 【従来の技術】図5に従来のX線CT装置の一例を示す。(a)は正面図,(b)は側面図である。 【0003】図5において、X線CT装置は、X線照射手段であるX線管12と、このX線管12から放射されたX線をファンビーム状にコリメートするコリメータ14を備えている。コリメータ14を通過するX線はファンビーム化され、寝台の天板24(脚部28で支持)に載置された被検者26に照射される。X線管12に対向した位置に配置された多チャンネルX線検出器16で、被検者を透過したX線を検出する。このX線検出器16の出力は前置増幅器で増幅されアナログ/ディジタル変換されて図示を省略した画像処理装置に入力する。X線管12とコリメータ14とX線検出器16等は回転リング10により一体に保持され、軸受け8を介してフレーム6に回転自在に支持される。このフレーム6にはプーリ20を有したモータ18が備えられ、ベルト22を介して図示を省略した制御装置により回転リング10を回転させる。この回転の間、X線管12がX線を連続的又は間欠的に放射し、所定のピッチ角度毎に、被検者の透過X線を検出する。前記X線管12とX線検出器16の対向位置関係のもとでの1回転又は半回転(180°+α)の回転(走査、またはスキャンと呼ぶ)により得られたX線検出器16の出力を、画像処理装置で各種の前処理や再構成処理を行い、再構成画像を得て、これをモニタ(図示略)に表示し、診断に供する。なお、フレーム6はスタンド2,4により床面に立設され、スタンド2,4に設けられた図示を省略したアクチュエータと制御装置により、床面に対して傾倒し、被検者の斜断面像を得る。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】X線CT装置において、画像を得るのに要する時間の短縮は、臨床上、また検査効率の点からも重要な課題である。この時間短縮を達成するためにはX線管12とX線検出器16の回転速度を上げることが必要である。しかし、上記X線管12とコリメータ14とX線検出器16等を一体的に保持する回転リング10は、球状もしくは円筒状の転動体を用いたベアリングにより回転自在に支持するが、回転速度を上げると、ベアリング内の摩擦部分が発熱し、最終的には異常磨耗による転動体の破損,焼き付きを起こす。この現象は、ベアリングの径が大きくなる程に顕著になる。現状が0.7〜1秒/スキャンであり、より一層のスキャン時間短縮が求められているが、上記ベアリングの機械的な問題からせいぜい0.6秒/スキャンが限界であり、これ以上のスキャン時間の短縮は、図5の従来の方法では機械的構造の面から不可能である。 【0005】本発明の目的は、X線管12とX線検出器16の回転速度を上げ、画像取得時間を短縮できるX線CT装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的は、被検者に対しX線を照射するX線照射手段と、被検者を寝載する天板を挟み該X線照射手段と対向配置されるX線検出器と、前記X線照射手段とX線検出器を一体に保持しこれらを回転させる回転リングと、該回転リングを回転自在に支持するフレームと、前記天板を支持する天板支持手段を具備し、前記被検者を透過したX線を検出し、これを電気信号に変換し画像処理して所望の断層像を得るX線CT装置において、前記回転リングとフレームに磁力発生手段を備え、前記回転リングを回転自在に支持することにより達成される。また、本発明は、前記回転リングの回転に伴う回転中心のずれを検出するセンサを備え、前記回転リングの回転中心がずれない時の値に制御するための目標値と、前記回転リングの回転中心のずれ量が前記目標値となるように前記電磁石の電磁力を制御する制御手段とを具備し、前記回転リングの回転中心のずれ量が前記目標値と一致するように制御する。 【0007】また、前記電磁石の磁化方向を切り換える手段を備え、前記回転リングに回転動力を発生させ、前記回転リングの回転を補助支持する軸受けを有したものである。このように構成することによって、X線管とX線検出器を一体に保持する回転リングはフレームに備えられた磁力発生手段により、浮上回転支持される。これにより、回転リングは機械的な接触が無い状態で回転自在に支持することができるので、従来よりも高速で回転させることができ、スキャン時間の短縮が可能になる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図1及至図4を用いて詳細に説明する。図1は本発明の実施例を示すX線CT装置の概略図で、(a)は側面図,(b)は断面図((a)のS−S断面)である。回転リング30はX線管32,コリメータ34,X線検出器36を保持している。 【0009】スタンド2,4により床面から支持されるフレーム40は、回転リング30を磁力で浮上させ回転自在に支持する電磁石42a,42b,42c,42d,42e,42f,42g,42h,42j,42k,42m,42nを固定している。また、このフレーム40には回転リング30を回転させる電磁石44a,44b,44c,44d,44e,44f,44g,44hを固定している。回転リング30を回転させるこれら電磁石44a,44b,44c,44d,44e,44f,44g,44hの対向、すなわち回転リング30には永久磁石38a,38b,38c,38dを固定している。フレーム40には、回転リング30との距離を測定する非接触距離センサ46a,46bを取付け、さらに回転リング30をX方向に支持するベアリング54a,54b,54c,54d,ベアリング56a,56b,56c,56dを取付けた部材52a,52b,52c,52dを固定している。ベアリング48a,48bを保持する部材50a,50bは上記フレーム40に取付け、回転リング30の回転を補助するようにしている。なお、ベアリング48a,48bは通常装置が可動している場合には回転リング30と接触しないようになっている。非通電時等に回転リング30を支持する役目を負う。 【0010】図2は本発明の制御装置の構成図である。上位コントローラ76には、入出力インターフェイスI/O74を介してD/A(ディジタル/アナログ)変換器64a,64b,…,68a,68b,…,A/D(アナログ/ディジタル)変換器70,72を接続し、上記D/A(ディジタル/アナログ)変換器には増幅器62a,62b,…,66a,66b,…を接続している。 【0011】さらに、各増幅器には電磁石42a,42b,…,44a,44b,…,非接触距離センサ46a,46bを接続している。これにより、非接触距離センサ46a,46bが検出したアナログの距離信号は、A/D(アナログ/ディジタル)変換器70,72によりディジタル量に変換され、I/O74を介して上位コントローラ76に入力される。この上位コントローラ76では、上記ディジタル量に変換された距離信号を元に演算処理(演算内容は後述)を行い、その演算結果をI/O74を介してD/A(ディジタル/アナログ)変換器64a,64b,…,68a,68b,…に出力し、アナログ量に変換して増幅器62a,62b,…,66a,66b,…に送る。これにより電磁石42a,42b,…,44a,44b,…に所要の電流を供給し、回転リング30を回転支持する。 【0012】次に、図2における上位コントローラ76の演算処理について説明する。なお、本実施例のX線CT装置は、回転リング30を磁力による回転支持と回転動作の2つの機能を持たせていることから、個別に説明する。図3は本発明の制御ブロック図であり、回転リング30の回転支持の動作を説明するものである。なお、このブロック図の処理は図1におけるX方向とZ方向の2つの方向に関して個別に行う。まず、Z方向の演算処理について説明する。このブロック図において鎖線にて示す部分は電磁石と負荷(回転リング30,X線管32等)を示し、それ以外の箇所は上位コントローラ76のハードウエア回路、もしくはマイクロコンピュータによるソフトウエアで演算を行うようになっている。このブロック図は、回転リングの中心が回転中心となる位置目標値(どのようにして与えるか)に対し、非接触距離センサ46a(x方向)により検出された負荷の実際の位置信号(この位置信号はどのようにして求めるのか)とから位置偏差量を求める演算器80と、この演算器80の出力を増幅する増幅器82と、この増幅器82の出力と後述する負荷の移動速度信号との速度偏差を求める演算器84と、この演算器84の出力により駆動される電磁石86と、この電磁石86の動作により移動される負荷88と、この負荷88の移動量を積分する積分器90と、上記負荷88の移動の速度情報を検出して上記演算器84へ負帰還することで構成される。負荷88の位置信号は、非接触距離センサ46aの出力信号により検出でき、負荷の速度信号は非接触距離センサ46aからの信号を微分して求める。このようにして、負荷が移動する位置が位置目標値に合致するように制御される。非接触距離センサ46bからの信号も上記と同様の処理を行いX方向の演算処理を行う。以上により、回転リング30の中心は、回転中心と一致し、フレーム40から回転自在に支持される。 【0013】次に回転リング30の回転動作について説明する。図4は本発明のフレームと回転リングの磁化変化を示す概念図である。円92内の記号は、回転リング30に固定された永久磁石38a,38b,38c,38dの磁極を示し、円92外の記号は、電磁石44a,44b,44c,44d,44e,44f,44g,44hの磁極を示している。なお、説明を簡略するため、円92外に示した磁極は4ヶのみとしている。前記図2における上位コントローラ76は、電磁石44a,44b,44c,44d,44e,44f,44g,44hに図4の(a)から(d)に示す方向に磁極が回転するように電流を流す(図示省略)。この回転速度は、所望のスキャン速度である。 【0014】これにより、回転リング30に固定された永久磁石は回転する磁極に吸引され、この回転速度に同期して回転する。以上により、回転リングは、回転動作ができるようになる。なお、本実施例から派生する固有の効果として、回転リング30の位置目標値を、X線管12とX線検出器16のスキャン毎に空間分解能の所定分の1だけの距離とすることで、空間分解能を向上できるという効果を有することもできる。 【0015】以上の説明において、回転支持はフィードバック制御を用いたものとしたが、特にこれに限定する必要はなく、オープンループによる制御でも良い。また逆に、オープンループによる制御として説明した回転動作は、回転リングの回転速度、もしくは回転角度を検出するセンサを設け(例えば、フレーム40に設けた光透過型センサと、回転リング30に所定感覚で設けた遮蔽版58)、目標となる回転速度、もしくは回転角度となるようにフィードバック制御を実施しても良い。また、回転リングは電磁石の磁化と同期して回転するようにしているが、これに限定する必要はない。永久磁石をフレームに固定し、電磁石を回転リングに取付けて構成しても良い。また、永久磁石ではないコイル状のものを用いて、誘導電流を生じさせ回転動力を発生しても良い。さらに、回転支持と回転動作を、1組みの電磁石と、永久磁石もしくはコイル状のもので成し遂げることを実施しても良い。さらに、回転動作は、図5に示す従来例のようにフレーム40にモータを取付け、ベルトにより回転運動を伝達し、なさせるようにしても良い。 【0016】 【発明の効果】本発明によれば、X線管とX線検出器を一体に保持する回転リングはフレームに備えられた磁力発生手段により、浮上回転支持される。これにより、回転リングは機械的な接触が無い状態で回転自在に支持することができるので、従来よりも高速で回転させることができ、スキャン時間の短縮が可能になる。これにより、高い臨床効果を上げることが可能になる。また、ベアリングの保守や点検も全く必要が無いので、装置の寿命が伸び、また保守に対する費用も激減させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000153498 【氏名又は名称】株式会社日立メディコ
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| 【出願日】 |
平成10年9月29日(1998.9.29) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−102531(P2000−102531A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月11日(2000.4.11) |
| 【出願番号】 |
特願平10−290129 |
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