| 【発明の名称】 |
聴覚検査用ヘッドバンド |
| 【発明者】 |
【氏名】黒沢 高弘
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| 【要約】 |
【課題】受話器を所望な状態に保持する手段の耐磨耗性を向上させる。
【解決手段】ヘッドバンド1の両端に取り付けた連結部4と、この連結部4に挿通して聴覚検査用の気導受話器7を支持する摺動ロッド5と、連結部4に収納して摺動ロッド5に摩擦力を与える摩擦部材6により気導受話器7を所定状態に保持する聴覚検査用ヘッドバンドにおいて、摩擦部材6が弾性を有する高分子材料で形成した弾性摩擦部材である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ヘッドバンドの両端に取り付けた連結部と、この連結部に挿通して聴覚検査用の受話器を支持する摺動ロッドと、前記連結部に収納して前記摺動ロッドに摩擦力を与える摩擦部材により前記受話器を所定状態に保持する聴覚検査用ヘッドバンドにおいて、前記摩擦部材が弾性を有する高分子材料で形成した弾性摩擦部材であることを特徴とする聴覚検査用ヘッドバンド。 【請求項2】 前記弾性摩擦部材に貫通孔を形成し、この貫通孔に前記摺動ロッドを挿通し、前記貫通孔の開口縁部と前記摺動ロッドの外周面部とで生じる摩擦力により前記受話器を所望な状態で保持する請求項1記載の聴覚検査用ヘッドバンド。 【請求項3】 前記摺動ロッドを前記連結部に対し摺動自在にすると共に、回動自在にした請求項1又は請求項2記載の聴覚検査用ヘッドバンド。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、聴覚検査用の受話器を所望な状態に保持する聴覚検査用ヘッドバンドに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、特開平7−299051号公報に記載のように、段付コイルばねを利用し、先端に受話器等を取り付けた摺動ロッドと段付コイルばねとの摩擦力で受話器等を所望な位置に保持する聴覚検査用ヘッドバンドが知られている。この聴覚検査用ヘッドバンドは、図6及び図7に示すように、段付コイルばね100の最小内径は、断面が略半円形状の摺動ロッド101の外径より小さいので、段付コイルばね100に摺動ロッド101が挿入された状態では、段付コイルばね100は、摺動ロッド101により内周面を押し広げられたことによって生じたばね力で摺動ロッド101の外周面を挟み付けている。なお、102はベース部材102aと蓋部材102bからなる連結部である。 【0003】聴覚検査用ヘッドバンドを被検者の頭部に装着するために受話器等の位置調整を行う場合、図7に示すように、摺動ロッド101の外周面は、段付コイルばね100の内周面によって挟み付けながら摺動することになり、位置調整後の摺動ロッド101の外周面と段付コイルばね100の内周面との間に生じる静止摩擦力により、受話器等を所望な状態で装着することができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属製の段付コイルばね100と摺動ロッド101が押し付け合いながら摺動するため、繰り返しの使用で、次のような問題が生じる。 ■摺動ロッドが摩耗して細くなるため、段付コイルばねと摺動ロッドとの摩擦力が小さくなり、被検者へのヘッドバンドの装着が不安定になり易い。 ■摺動ロッドの摺動面に肉眼では確認できない程度の小さなバリが発生し、摺動ロッドが挿通している連結部に設けられた孔を徐々に削り、寿命を短くしてしまう可能性がある。このバリが、ヘッドバンドを操作する者に不快感を与える場合がある。 ■摺動ロッドのメッキが剥げ、古びた印象を与える可能性がある。 ■摺動ロッドの表面が摩耗し、削り取られた金属の粉が各部に付着した場合には、拭き取るといったメンテナンスが必要となる。更に、金属同士の摺動のため、摺動時に不快な音や振動を発生することがある。 【0005】本発明は、従来の技術が有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、受話器を所望な状態に保持する手段の耐磨耗性を向上させた聴覚検査用ヘッドバンドを提供しようとするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく請求項1に係る発明は、ヘッドバンドの両端に取り付けた連結部と、この連結部に挿通して聴覚検査用の受話器を支持する摺動ロッドと、前記連結部に収納して前記摺動ロッドに摩擦力を与える摩擦部材により前記受話器を所定状態に保持する聴覚検査用ヘッドバンドにおいて、前記摩擦部材が弾性を有する高分子材料で形成した弾性摩擦部材である。 【0007】請求項2に係る発明は、請求項1記載の聴覚検査用ヘッドバンドにおいて、前記弾性摩擦部材に貫通孔を形成し、この貫通孔に前記摺動ロッドを挿通し、前記貫通孔の開口縁部と前記摺動ロッドの外周面部とで生じる摩擦力により前記受話器を所望な状態で保持するものである。 【0008】請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2記載の聴覚検査用ヘッドバンドにおいて、前記摺動ロッドを前記連結部に対し摺動自在にすると共に、回動自在にしたものである。 【0009】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る聴覚検査用ヘッドバンドに気導受話器を取り付けた場合の正面図、図2は同じく側面図、図3は連結部と弾性摩擦部材と摺動ロッドの関係を示す説明図、図4は摺動ロッドが回動自在な場合の連結部と弾性摩擦部材と摺動ロッドの関係を示す説明図、図5は弾性摩擦部材の各種形状及びその装着状態を示す説明図である。 【0010】聴覚検査用ヘッドバンドは、図1及び図2に示すように、所定の装着力を被検者に与えるヘッドバンド1と、ヘッドバンド1の両端に取り付けたベース部材2と蓋部材3からなる連結部4と、連結部4を貫通する摺動ロッド5と、摺動ロッド5が挿通する貫通孔を形成した弾性摩擦部材6と、摺動ロッド5に連結し気導受話器7を取り付ける気導受話器保持部材8などを備えている。 【0011】また、図1においては、気導受話器7を両側に取り付けた状態を示しているが、片側に骨導受話器を取り付ける場合もある。この場合、骨導受話器側の摺動ロッドには骨導受話器保持部材を連結することになる。なお、5aは摺動ロッド5が連結部4から抜けるのを防止するストッパであり、気導受話器7に検査信号を入力するコードの記載は省略している。 【0012】連結部4は、その上部に略半円形状の開口部を形成し、その下部に長孔形状の開口部を形成している。そして、それらの開口部に摺動ロッド5が貫通している。 【0013】摺動ロッド5は、断面が略半円形状に形成され、連結部4に弾性摩擦部材6との摩擦により適度な抵抗感をもって矢印A方向に摺動自在に取り付けられている。また、気導受話器7は、気導受話器保持部材8に矢印B方向に回動自在に取り付けられている。 【0014】弾性摩擦部材6は、弾性を有する高分子材料で形成され、図3に示すように、連結部4内の上部に設けた上部ガイド部材9と下部に設けた固定ガイド部材10との間で挟持されると共に、2つの貫通孔6a,6aに摺動ロッド5を挿通した状態で連結部4内に配設されている。そして、貫通孔6a,6aの開口縁部と摺動ロッド5の外周面部が接触した状態にある。なお、図3は摺動ロッド5が連結部4に対し、図2に示す矢印C方向に回動しない場合の構成を、蓋部材3を除いた状態で表わしている。 【0015】上部ガイド部材9は、連結部4を構成するベース部材2と蓋部材3により連結部4内の上部に保持され、摺動ロッド5の断面よりもやや大きめの略半円形状の貫通孔を形成し、摺動ロッド5を摺動方向について案内する役割を果たしている。 【0016】また、固定ガイド部材10は、連結部4を構成するベース部材2と蓋部材3により連結部4内の下部に保持され、摺動ロッド5の断面よりもやや大きめの略半円形状の貫通孔を形成し、摺動ロッド5を摺動方向について案内する役割を果たしている。なお、2aは固定ガイド部材10を保持するためのベース部材2に形成された係止部である。 【0017】摺動ロッド5を回動させない場合において、摺動ロッド5は、連結部4の上部開口部、上部ガイド部材9の貫通孔、弾性摩擦部材6の2つの貫通孔6a,6a、固定ガイド部材10の貫通孔、そして連結部4の下部開口部を貫通することになる。 【0018】次に、摺動ロッド5が連結部4に対し、図2に示す矢印C方向に回動自在な場合の構成を図4に示す。図4において、図3と相違する点は、固定ガイド部材10の代りに回動ガイド部材11を使用している点である。なお、図4は図3と同様に、蓋部材3を除いた状態で表わしている。 【0019】回動ガイド部材11は、連結部4を構成するベース部材2と蓋部材3により連結部4内の下部に保持され、固定ガイド部材10と同様に、摺動ロッド5の断面よりもやや大きめの略半円形状の貫通孔を形成し、摺動ロッド5を摺動方向について案内する役割を果たしている。 【0020】また、回動ガイド部材11は、摺動ロッド5の回動方向(図2に示す矢印C方向)の寸法について、固定ガイド部材10や連結部4の下部に形成した長孔形状の開口部よりも小さく形成されている。そして、回動ガイド部材11は、上部ガイド部材9の貫通孔近傍を支点として回動する摺動ロッド5と共に係止部2aに当接するまで回動し、摺動ロッド5を回動方向について案内する役割をも果たしている。 【0021】摺動ロッド5を回動自在にする場合において、摺動ロッド5は、連結部4の上部開口部、上部ガイド部材9の貫通孔、弾性摩擦部材6の2つの貫通孔6a,6a、回動ガイド部材11の貫通孔、そして連結部4の下部に形成した長孔形状の開口部を貫通することになる。 【0022】従って、摺動ロッド5を図2に示す矢印C方向に回動させるか又はさせないかは、回動ガイド部材11を用いるか又は固定ガイド部材10を用いるかにより決定されるので、容易に何れかを選択できる。 【0023】以上のように構成した聴覚検査用ヘッドバンドの作用について説明する。左右に気導受話器7を取り付けたヘッドバンド1を被検者の頭部に装着する場合、装着者は、それぞれの気導受話器7を左右の手で持ち、気導受話器7の間隔を被検者の両耳の幅よりも広げる。次に、気導受話器7を被検者のそれぞれの耳に当て、この状態でヘッドバンド1の頂上部内側が被検者の頭頂部に接触するように、摺動ロッド5の高さを調節する。 【0024】摺動ロッド5と弾性摩擦部材6は、図3に示すように、弾性摩擦部材6の2つの貫通孔6a,6aの開口縁部と摺動ロッド5の外周面部が接触する関係にある。そこで、位置調整のため摺動ロッド5を図1に示す矢印A方向上向きに摺動させる場合、弾性摩擦部材6の上部の貫通孔6aの開口縁部は摺動ロッド5との運動摩擦力によって上方への力を受けるが、弾性摩擦部材6の上端部が上部ガイド部材9に当接しているためその位置を保つ。 【0025】この時、弾性摩擦部材6の下部の貫通孔6aの開口縁部は、摺動ロッド5との運動摩擦力によって上方への力を受けるが、弾性摩擦部材6の曲げこわさを摩擦力以上の強さにしておくことにより、弾性摩擦部材6は屈曲させられることがなくその形状を保つ。摺動ロッド5を図1に示す矢印A方向下向きに摺動させる場合も、上記と逆向きになるが、同様の作用で弾性摩擦部材6はその位置と形状を保つことになる。 【0026】位置調整終了後、弾性摩擦部材6の貫通孔6a,6aの開口縁部と摺動ロッド5の接触による静止摩擦力によって摺動ロッド5と弾性摩擦部材6とが相互に固定され、被検者の頭部に気導受話器7を取り付けたヘッドバンド1を安定に装着することができる。 【0027】また、図4に示すように、摺動ロッド5を連結部4に対して回動させる場合、弾性摩擦部材6に形成した貫通孔6a,6aに摺動ロッド5を挿通しているので、弾性摩擦部材6は摺動ロッド5と共に回動することになる。ここで、連結部4の内側面と回動ガイド部材11に対する弾性摩擦部材6の接触の仕方が摺動のみの場合に比べて変化することになるが、接触の仕方の変化に対応してその形状が変化するような弾性を有するように弾性摩擦部材6の形状や材質を設定している。従って、回動させた場合においても弾性摩擦部材6が摺動ロッド5に与える作用は、回動させない摺動のみの場合と変わることがない。 【0028】摺動ロッド5と連結部4に対する弾性摩擦部材の装着方法は、図5に示すように、要求される摺動ロッド5との摩擦力を満足させるため、弾性摩擦部材に開けた貫通孔の形状及び寸法と摺動ロッド5の形状及び寸法の関係、弾性摩擦部材の貫通孔の数、弾性摩擦部材の形状及び厚さ、弾性摩擦部材の弾性係数及び硬さ等を組み合わせることにより種々考えられる。 【0029】図5(a)は2箇所に貫通孔6a,6aを形成した弾性摩擦部材6を示し、上記で説明した場合である。図5(b)は1箇所に貫通孔16aを形成した弾性摩擦部材16を示し、固定ガイド部材10に当接する側に貫通孔16aを設けたものである。図5(c)は3箇所に貫通孔26a,26a,26aを形成した弾性摩擦部材26を示し、摺動ロッド5との摩擦力を大きめにしたい場合などに有効である。 【0030】弾性摩擦部材の貫通孔が複数の場合には、図5(c)に示すように、摺動ロッド5と弾性摩擦部材は裁縫時の針と布の関係のように弾性摩擦部材を繰り返し交互に曲げ、その貫通孔に摺動ロッド5を通すようにすればよい。 【0031】なお、図5は固定ガイド部材10を用いて摺動ロッド5が連結部4に対して回動しない場合について示しているが、固定ガイド部材10の代りに回動ガイド部材11を用いて摺動ロッド5が連結部4に対して回動自在な場合についても、これらの弾性摩擦部材16,26を適用できる。 【0032】 【発明の効果】以上説明したように請求項1に係る発明によれば、摩耗する部分がほとんどないため、長期間に渡り、安定した摩擦力を維持することができるので、ヘッドバンドとしての安定性も同様に長期間維持できるまた、摺動ロッドの表面が磨耗しないので、摺動ロッドの表面状態は、ヘッドバンドの使用期間のすべてにおいて初期の状態を維持でき、見た感じや触った感触が変化せず品質が安定する。また、摺動ロッドの表面が磨耗しないので、金属の粉が生じるようなことがなく、メンテナンスが容易である。更に、摺動ロッドの摺動時に不快音や振動がほとんど発生しないため、操作がスムースに行える。 【0033】請求項2に係る発明によれば、弾性摩擦部材に貫通孔を形成し、この貫通孔に摺動ロッドを挿通するので、組み立てが容易である。また、弾性摩擦部材の貫通孔に摺動ロッドを挿通するので、摺動ロッドを連結部材に対し摺動自在にすると共に、回動自在にすることが容易である。 【0034】請求項3に係る発明によれば、摺動ロッドを連結部材に対し摺動自在にすると共に、回動自在にしたので、聴覚検査用の受話器の位置調整が的確に行える。特に、骨導聴力の検査において有効である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000115636 【氏名又は名称】リオン株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年9月21日(1998.9.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085257 【弁理士】 【氏名又は名称】小山 有 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−93412(P2000−93412A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月4日(2000.4.4) |
| 【出願番号】 |
特願平10−265594 |
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