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【発明の名称】 非接触式心肺機能監視装置
【発明者】 【氏名】若宮 俊成

【氏名】舟田 徹

【要約】 【課題】苦痛感がなく、生活の利便性を確保しつつ健康状態を監視できる非接触式心肺機能監視装置を提供する。

【解決手段】本発明の非接触式心肺機能監視装置は、非接触式の動きセンサを用いて監視対象の動きを監視し、信号処理によって監視対象の呼吸数、心拍数を算出し、種々の生活パターンに応じて生体動作マニュアルを構築し、その生体動作マニュアルと一定時間毎に入力される呼吸数、心拍数を比較判定するようにし、一定範囲内以上の差異が生じたときには警報レポートを作成し、光と音で警報を発すると共に予め決められている通報先に自動的に通報されるようにしたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ドップラー効果により監視対象に接触することなく監視対象の動きを検出する電波センサからなる動きセンサ部と、この動きセンサ部からの動き信号AをA/D変換し、動き信号Dに変換するA/D変換部と、前記動き信号Dを高速フーリエ変換し、この高速フーリエ変換後の動き信号Fをほぼ呼吸数の周波数帯域を通過周波数帯域とする呼吸数フィルタを通して呼吸数グラフを、またこの高速フーリエ変換後の動き信号Fをほぼ心拍数の周波数帯域を通過周波数帯域とする心拍数フィルタを通して心拍数グラフを生成し、それぞれのグラフの最大振幅の周波数をそれぞれ呼吸数、心拍数として算出し、また心拍数グラフを高速フーリエ逆変換して心臓の鼓動波形信号を生成する信号処理部とを有することを特徴とする心肺機能監視装置。
【請求項2】 前記信号処理部からの呼吸数、心拍数を前記監視対象が起床後、就寝中等の生活パターンに応じてそのときどきの生体動作マニュアルとして構築修正するパターン形成部と;一定期間における実際の呼吸数、心拍数と前記生体動作マニュアルとを比較判定し、予め決められた一定の範囲からはずれたときに警報レポートを生成する判定部とからなる中央演算処理部を有することを特徴とする請求項1記載の心肺機能監視装置。
【請求項3】 前記動き信号D、前記高速フーリエ変換後の動き信号F、前記心拍数グラフ、前記呼吸数グラフ、および前記心臓の鼓動波形信号とを表示する表示部を有することを特徴とする請求項1記載の非接触式心肺機能監視装置。
【請求項4】 前記動き信号Dを記憶する記憶装置を有することを特徴とする請求項1記載の非接触式心肺機能監視装置。
【請求項5】 前記警報レポートを受けて音および光で警報を発する警報部を有することを特徴とする請求項2記載の非接触式心肺機能監視装置。
【請求項6】 前記警報レポートを予め決められている通報先に送信するモデムを有することを特徴とする請求項2記載の非接触式心肺機能監視装置。
【請求項7】 前記判定部からの判定結果を印刷するプリンタを有することを特徴とする請求項2記載の非接触式心肺機能監視装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、監視対象の心肺機能監視装置に係り、特に監視対象に接触することなく呼吸数、心拍数の算出、監視に関するものである。
【0002】
【従来の技術】睡眠中の呼吸停止は、深刻な睡眠障害であり、乳児睡眠時無呼吸症や、高齢者睡眠時無呼吸症候群等がある。この呼吸停止により、睡眠時における突然死のおそれがある。従来、このような症例を未然に防止するために、例えば人工呼吸器や心電計等のように呼吸数および心拍数を監視する医療機器を用いているが、このような医療機器においては、呼吸数や心拍数を検出するためにそのセンサを様々な手段で患者に直接接続し、そこからその本体である医療機器まで直接ケーブル等で接続するものであり、非接触で呼吸数、心拍数をの監視を行うものではなかった。また、家庭用の安価な血圧計で脈拍(心拍数)を計測するものはあるが、これは圧力センサで動脈の血流を測るものであり個人差とセンサの感度設定により誤差があり不正確な場合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように近年、睡眠時無呼吸症のような自宅で就寝中に死亡につながる病例も報告されており、独り暮らしでなくとも呼吸数、心拍数を監視するニーズが多いにも拘わらず、安価でかつ自宅でも使用できるような監視対象に直接センサを接触させない非接触式の心肺機能監視装置がないという問題点があった。本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、病院・医院だけでなく、一般家庭でも使用できる非接触式センサの利用により、監視対象を拘束したり圧迫したりする苦痛をやわらげ生活の利便性を確保しつつ健康状態を監視できる非接触式心肺機能監視装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために次の構成手段を提供する。
【0005】本発明になる第1の非接触式心肺機能監視装置は、ドップラー効果により監視対象に接触することなく監視対象の動きを検出する電波センサからなる動きセンサ部と、この動きセンサ部からの動き信号AをA/D変換し、動き信号Dに変換するA/D変換部と、前記動き信号Dを高速フーリエ変換し、この高速フーリエ変換後の動き信号Fをほぼ呼吸数の周波数帯域を通過周波数帯域とする呼吸数フィルタを通して呼吸数グラフを、またこの高速フーリエ変換後の動き信号Fをほぼ心拍数の周波数帯域を通過周波数帯域とする心拍数フィルタを通して心拍数グラフを生成し、それぞれのグラフの最大振幅の周波数をそれぞれ呼吸数、心拍数として算出し、また心拍数グラフを高速フーリエ逆変換して心臓の鼓動波形信号を生成する信号処理部とを有することを特徴とするものである。
【0006】また、本発明になる第2の非接触式心肺機能監視装置は、前記信号処理部からの呼吸数、心拍数を前記監視対象が起床後、就寝中等の生活パターンに応じてそのときどきの生体動作マニュアルとして構築修正するパターン形成部と;一定期間における実際の呼吸数、心拍数と前記生体動作マニュアルとを比較判定し、予め決められた一定の範囲からはずれたときに警報レポートを生成する判定部とからなる中央演算処理部を有することを特徴とするものである。
【0007】また、本発明になる第3の非接触式心肺機能監視装置は、前記動き信号D、前記高速フーリエ変換後の動き信号F、前記心拍数グラフ、前記呼吸数グラフ、および前記心臓の鼓動波形信号とを表示する表示部を有することを特徴とするものである。
【0008】また、本発明になる第4の非接触式心肺機能監視装置は、前記動き信号Dを記憶する記憶装置を有することを特徴とするものである。
【0009】また、本発明になる第5の非接触式心肺機能監視装置は、前記警報レポートを受けて音および光で警報を発する警報部を有することを特徴とするものである。
【0010】また、本発明になる第6の非接触式心肺機能監視装置は、前記警報レポートを予め決められている通報先に送信するモデムを有することを特徴とするものである。
【0011】また、本発明になる第7の非接触式心肺機能監視装置は、前記判定部からの判定結果を印刷するプリンタを有することを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、図を用いて本発明につき詳細に説明する。図1は本発明の1実施形態を示す非接触式心肺機能監視装置の概略ブロック図、図2はこの非接触式心肺機能監視装置の動作を説明するための要部の波形図、図3はこの非接触式心肺機能監視装置の動作を説明するための概略フローチャートである。
【0013】図1において、1は電波センサからなるドップラー効果により非接触で監視対象の動きを検出し、動き信号Aを出力する動きセンサ部、2はこの動き信号AをA/D変換し、動き信号Dに変換するA/D変換部、3は動き信号Dを高速フーリエ変換し、この高速フーリエ変換後の動き信号Fをほぼ呼吸数の周波数帯域を通過帯域(例えば、0〜0.8Hz(1分間0〜48))とする呼吸数フィルタを通して呼吸数グラフを、また動き信号Fをほぼ心拍数の周波数帯域を通過帯域(例えば、0.8〜2.5Hz(1分間48〜150))とする心拍数フィルタを通して心拍数グラフを生成し、それぞれのグラフの最大振幅の周波数をそれぞれ呼吸数、心拍数として算出し、また心拍数グラフを高速フーリエ逆変換して心臓の鼓動波形信号を生成する信号処理部と、前記監視対象が起床後、就寝中等の生活パターンに応じてそのときどきの状態の呼吸数、心拍数を生体動作マニュアルとして構築修正するパターン形成部と、一定期間における実際の呼吸数、心拍数と前記生体動作マニュアルとを比較判定し、予め決められた一定の範囲からはずれたときに警報レポートを生成する判定部とからなる中央演算処理部、4は前記動き信号D、前記動き信号F、前記心拍数グラフ、前記呼吸数グラフ、および前記心臓の鼓動波形信号を表示する表示部、5は前記警報レポートを受けて音および光で警報を発する警報部、6は前記警報レポートを予め決められている通報先に送信するモデム、7は前記判定結果を印刷するプリンタ、8は前記動き信号Dを記憶すると共にこの装置の動作を決定するプログラムを格納する記憶装置である。
【0014】図2において、(A)はA/D変換後の監視対象の一定時間(例えば8秒間)における動きを示す動き信号D、(B)は動き信号Dを高速フーリエ変換し、呼吸数、心拍数の周波数帯域での分布図、(C)は呼吸数グラフ、(D)は心拍数グラフ、(E)は監視対象の一定時間における心臓の鼓動波形図である。
【0015】次に、この装置の動作について説明する。まず、呼吸数、心拍数の算出から説明する。動きセンサ1は監視対象に接触することなく、監視対象から数10cm〜100cm離れて設置され、常時監視対象の動きを監視している。この監視対象の動きを検出した動き信号AはA/D変換部2に取り込まれ(ステップ101)、A/D変換され(ステップ102)、動き信号Dとして、中央演算処理部3に取り込まれ、表示部4に図2(A)のように表示される(ステップ104)。なお、このとき動き信号Dは記憶部8に記憶される(ステップ103)。この動き信号Dは一定時間の間(例えば、直前8秒間)一時的に保存され(ステップ105)、この保存データを基に高速フーリエ変換され(ステップ106)、図2(B)のように周波数度数分布が求められる。
【0016】この高速フーリエ変換後の動き信号Fを呼吸数フィルタでフィルタリング(ステップ107)して図2(C)に示すような呼吸数グラフを、また動き信号Fを心拍数フィルタでフィルタリング(ステップ112)して図2(D)に示すような心拍数グラフを生成し、それぞれのグラフの最大振幅の周波数をそれぞ呼吸数、心拍数として算出する(ステップ108、113)。また、心拍数グラフを基にフーリエ逆変換をし(ステップ117)、図2(E)に示すような心臓の鼓動波形信号を算出表示する(ステップ118)。
【0017】次に、各種の生活パターン別の呼吸数、心拍数の異常判断について説明する。前述のようにして得られた心拍数・呼吸数をパターン形成部を用いて、前記監視対象の起床後、就寝中等の生活パターンに応じてそのときどきの正常状態の呼吸数、心拍数を生体動作マニュアルとして記録部8に格納する。
【0018】このように、パターン形成部においては定期的に動きセンサ1からの情報を取得し、その情報をデータとして記録部8に記録すると共に、動きセンサ1の出力によるデータから監視対象の通常の生体パターンの目安である生体動作マニュアルを構築する。即ち、動きセンサ1から取得したデータはテーブル化して蓄積し、蓄積したデータ群および新規に入力したデータから所定の判断アルゴリズムにより前記生体動作マニュアルを構築する。例えば、就寝中、起床後、日中、夕方等の呼吸数、心拍数をカウントして蓄積した過去のデータの平均値および日常的に生じる偏差値を生体動作マニュアルとするのである(ステップ109、114)。判定部においては、この平均値と当日の測定値が前記偏差値以上であれば異常と判断するといった警報判定動作が実行される(ステップ110、115)。
【0019】このような生体動作マニュアルは、監視対象の健康状態にも日常の積み重ねによって何らかの変化があることは十分考えられることであり、日々のデータの蓄積によって修正される必要がある。このような、修正を随時実行していても、現実には異常とも正常とも判断できない、いわゆるグレーゾーンが生じる時がある。このようなときは、「状況が把握できません。」等の警報のレポートを発する。このように判定部においては、前述した記録部8に構築され、必要により修正される監視対象の生体動作マニュアルと一定期間における実際の呼吸数、心拍数とを比較判定し、予め決められた一定の範囲からはずれたときに警報レポートと予め決められた一定範囲内にあるときには監視情報のみなどからなる日常レポートを作成する。
【0020】この警報レポートは一つには警報部5に送られ、音または光により、監視対象に呼吸または心拍数に異常が発生したことを報知する(ステップ111、116)。これによって監視対象の呼吸数あるいは心拍数に異常が起きたことが監視者に理解されるのである。
【0021】また、日常レポートと警報レポートはプリンタ7に印刷されると共に、モデム6を介して予め決められている通報先に自動的に通報される。日常レポートは日々決まった時間に自動的に行い、警報レポートは異常が発生したとき即座に通報するようにしておく。また、予め決められた通報先からの要求により、これらのレポートが通報先に送信されるようにしておく。
【0022】以上は、動きセンサ1からのリアルタイムのデータにより監視対象の呼吸数、心拍数を算出しているものであるが、監視対象の過去の呼吸数、心拍数の推移を確認するには、ステップ103で記憶した動きデータを読み出し(ステップ119)、前述したステップ104以降のステップを実行する。
【0023】以上のように、非接触式の動きセンサを用いて監視対象の動きを監視し、信号処理によって監視対象の呼吸数、心拍数を算出し、種々の生活パターンに応じて生体動作マニュアルを構築し、その生体動作マニュアルと一定時間毎に入力される呼吸数、心拍数を比較判定するようにし、一定範囲内以上の差異が生じたときには警報レポートを作成し、光と音で警報を発すると共に予め決められている通報先に自動的に通報されるようにしたので、非接触式の心肺機能監視装置を実現できる。
【0024】
【発明の効果】請求項1、2、3および5記載の発明になる非接触式心肺機能監視装置によれば、以上説明したように、非接触式の動きセンサを用いて監視対象の動きを監視し、信号処理によって監視対象の呼吸数、心拍数を算出し、種々の生活パターンに応じて生体動作マニュアルを構築し、その生体動作マニュアルと一定時間毎に入力される呼吸数、心拍数を比較判定するようにし、一定範囲内以上の差異が生じたときには警報レポートを作成し、光と音で警報を発するようにしたので、病院・医院だけでなく、一般家庭でも簡単に使用できる監視対象を拘束したり圧迫したりする苦痛をやわらげ生活の利便性を確保しつつ健康状態を監視できる心肺機能監視装置を提供することができる。
【0025】また、動きセンサとして電波センサを使用しているので、金属以外の衣服、布団、障子等を通して監視対象の動きを検出できるから、監視対象と同室に動きセンサを設置する必要がないので、監視対象に監視されているという煩わしさを感じさせない心肺機能監視装置を提供することができる。
【0026】請求項4記載の発明になる非接触式心肺機能監視装置によれば、動きセンサで検出した監視対象の動き信号を記憶部に記憶することにしたので、必要なときはいつでも記憶された動き信号を読み出し、監視対象の呼吸数、心拍数を算出し、その推移を確認することができる心肺機能監視装置を提供することができる。
【0027】請求項6記載の発明になる非接触式心肺機能監視装置によれば、前記警報レポートと共に、呼吸数、心拍数共一定範囲内に入っている場合の日常レポートも予め決められた通報先に自動的に通報されるようにし、また日常レポートは日々決まった時間に自動的に行い、警報レポートは異常が発生したとき即座に通報するようにし、加えて予め決められた通報先からの要求によってもこれらのレポートを通報先に送信するようにしたので、タイムリーに監視対象の呼吸数、心拍数の情報を通報先に送信できる心肺機能監視装置を提供することができる。
【0028】請求項7記載の発明になる非接触式心肺機能監視装置によれば、前記警報レポートと共に前記日常レポートも自動的にプリンタに印字されるようにしたので、監視対象の呼吸数、心拍数のログを的確に残すことのできる心肺機能監視装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000227836
【氏名又は名称】日本アビオニクス株式会社
【出願日】 平成10年9月11日(1998.9.11)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−83927(P2000−83927A)
【公開日】 平成12年3月28日(2000.3.28)
【出願番号】 特願平10−276500