| 【発明の名称】 |
末梢MRアンジオグラフィ方法及び装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】トーマス・クォックーファー・フー
【氏名】ヴィンセント・ビー・ホウ
【氏名】マシュー・アブラハム・バーンスタイン
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| 【要約】 |
【課題】かなりの長さのある動脈などの脈管を対象とする末梢MRアンジオグラフィ方式を提供する。
【解決手段】末梢MRアンジオグラフィ方式では、脈管に沿って隔設されている複数の走査ステーション46、48、50の各々へ相次いで流れるボーラス54を供給するために、造影剤が静脈注射される。所与の走査ステーションに関連するMRデータの最初の部分集合を取得した後に、ボーラスを追跡して、次に続く走査ステーションに到達したか否かを判定する。到達していれば、次の走査ステーションに関連するMRデータの少なくとも一部を取得する。しかしながら、ボーラスが次の走査ステーションに未だ到達していないことが判明したら、上述の所与の走査ステーションでの更なるデータの取得を続行する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脈管に関連する構造をイメージングする末梢MRアンジオグラフィ方法であって、脈管又は脈管領域に沿って配置されている相次ぐ走査ステーションの各々において磁気共鳴(MR)データを取得すべきである末梢MRアンジオグラフィ方法において、造影剤を静脈注射して、前記走査ステーションのうちの第1のステーションへ流れ、この後に前記走査ステーションのうちの第2のステーションへ流れるように配置されるボーラスを供給する工程と、前記第1の走査ステーションに関連する第1のMRデータ集合の最初の部分を取得する工程と、前記第2の走査ステーションを監視して、前記ボーラスが前記第2の走査ステーションに到達したか否かを判定する工程と、前記監視する工程において、前記ボーラスが前記第2の走査ステーションに到達したと判定されたとき、前記第2の走査ステーションに関連する第2のMRデータ集合の少なくとも一部のデータを取得する工程と、前記監視する工程において、前記ボーラスが前記第2の走査ステーションに未だ到達していないと判定されたとき、前記第1のMRデータ集合のデータ取得を続行する工程と、を有していることを特徴とする末梢MRアンジオグラフィ方法。 【請求項2】 前記第1のMRデータ集合の前記最初の部分は、中央k空間データを含んでいる請求項1に記載の方法。 【請求項3】 前記監視する工程は、前記造影剤に応答するMR検出器を、前記脈管に接近した関係に且つ前記第2の走査ステーションに隣接するように配置する工程と、前記第2の走査ステーションにおける前記造影剤の量が所定の閾値を上回ったときに信号を発生するように前記検出器を設定する工程と、を含んでいる請求項2に記載の方法。 【請求項4】 前記監視する工程は、前記脈管及び前記第2の走査ステーションに隣接した領域からMRデータを高速取得する工程と、前記第2の走査ステーションに位置する脈管が前記造影剤で充填されたか否かを判定するために操作者により利用される実時間画像を、前記高速取得されたMRデータから構成する工程と、を含んでいる請求項2に記載の方法。 【請求項5】 前記監視する工程は、前記造影剤に応答するMR検出器を、前記脈管に接近した関係に且つ前記第2の走査ステーションに隣接するように配置する工程と、前記第2の走査ステーションにおける前記造影剤の量が所定の閾値を上回ったときに信号を発生するように前記検出器を設定する工程と、前記脈管及び前記第2の走査ステーションに隣接した領域からMRデータを高速取得して、該データから実時間画像を構成する工程と、前記検出器により発生された信号を検出すると共に、前記高速取得された画像を目視観察して、前記第2の走査ステーションへの前記ボーラスの到達を判定する工程と、を含んでいる請求項2に記載の方法。 【請求項6】 前記脈管はイメージング対象の被検体に存在する動脈を含んでいて、MR走査装置と、前記イメージング対象の被検体を支持しているテーブルとが設けられている場合において、該テーブルが、前記走査ステーションのうち所与の1つのステーションに関連するMRデータを取得するために、前記走査装置に対して前記イメージング対象の被検体を選択的に位置決めするように作動される請求項2に記載の方法。 【請求項7】 被検体内の脈管のMR画像を取得する方法であって、前記脈管が、該脈管に沿って隔設されている相次ぐ走査ステーションの各々においてMRデータを取得しなければならないような長さを有している場合におけるMR画像取得方法において、前記脈管に造影剤を注入して、前記ステーションの各々へ相次いで流れるように配置されるボーラスを供給する工程と、前記ステーションの各々を相次いで動作可能にしてMRデータを取得するために、前記被検体とMR走査用装置との間の相対的な移動を確立する工程と、前記ステーションのうちの最後のステーション以外の所与の1つのステーションを動作可能にした直後に、該所与のステーションに関連する第1のMRデータ集合の最初の部分を取得する工程と、前記所与のステーションの次に続くステーションを監視して、前記ボーラスが該次に続くステーションに到達したか否かを判定する工程と、該監視する工程において、前記ボーラスが前記次に続くステーションに到達したと判定されたとき、前記次に続くステーションを動作可能にして、前記次に続くステーションに関連する第2のMRデータ集合の最初の部分を取得し、また、前記ボーラスが前記次に続くステーションに到達していないと判定され場合には、前記所与のステーションにおいて前記第1のデータ集合に属する更なるデータを取得する工程と、を有していることを特徴とするMR画像取得方法。 【請求項8】 前記第1及び第2のデータ集合の前記最初の部分は、中央k空間をそれぞれ含んでいる請求項7に記載の方法。 【請求項9】 前記第1のデータ集合に属する前記取得される更なるデータは、選択により、再取得される中央k空間データ、及びより高い空間周波数を有するk空間データを含んでいる請求項8に記載の方法。 【請求項10】 前記最後のステーションを動作可能にした直後に、該最後のステーションに関連するMRデータの完全な集合が取得され、この後に、前記相次ぐ走査ステーションの内の他のステーションの各々においてデータ取得が完遂される請求項9に記載の方法。 【請求項11】 前記被検体は可動式テーブルの上に支持されており、該テーブルは、前記ステーションの各々を相次いで動作可能にしてMRデータを取得するために、前記走査装置に対して前記被検体を選択的に位置決めするように作動される請求項7に記載の方法。 【請求項12】 前記監視する工程は、前記造影剤に応答するMR監視手段を、前記脈管に接近した関係に且つ前記ステーションの各々に隣接するように配置する工程と、特定のステーションにおける前記造影剤の量が所定の閾値を上回ったときに信号を発生するように前記特定のステーションに隣接した監視手段を設定する工程と、を含んでいる請求項7に記載の方法。 【請求項13】 前記監視する工程は、前記脈管及び前記次に続くステーションに隣接した領域からMRデータを高速取得する工程と、前記次に続くステーションに位置する脈管が前記造影剤で充填されたか否かを判定するために操作者により利用される実時間画像を、前記高速取得されたMRデータから構成する工程と、を含んでいる請求項7に記載の方法。 【請求項14】 前記実時間画像は、高速2次元投影画像を含んでいる請求項13に記載の方法。 【請求項15】 脈管に関連する構造をイメージングする末梢MRアンジオグラフィ装置であって、脈管又は脈管領域に沿って配置されている相次ぐ走査ステーションの各々において磁気共鳴(MR)データを取得すべきである末梢MRアンジオグラフィ装置において、造影剤を静脈注射して、前記走査ステーションのうちの第1のステーションへ流れ、この後に前記走査ステーションのうちの第2のステーションへ流れるように配置されるボーラスを供給する手段と、前記第1の走査ステーションに関連する第1のMRデータ集合の最初の部分を取得する手段と、前記第2の走査ステーションを監視して、前記ボーラスが前記第2の走査ステーションに到達したか否かを判定する監視手段と、前記監視手段において、前記ボーラスが前記第2の走査ステーションに到達したと判定されたとき、前記第2の走査ステーションに関連する第2のMRデータ集合の少なくとも一部のデータを取得する手段と、前記監視手段において、前記ボーラスが前記第2の走査ステーションに未だ到達していないと判定されたとき、前記第1のMRデータ集合のデータ取得を続行する手段と、を有していることを特徴とする末梢MRアンジオグラフィ装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、一般的には、磁気共鳴(MR)アンジオグラフィ、即ち血液又は他の体液を通す動脈などの脈管のMRイメージング方式に関する。より具体的には、本発明は、比較的長さの長い脈管に沿って隔設されたいくつかの走査位置又は走査ステーションの各々においてMRデータが取得される上述の種類のイメージング方式に関する。更により具体的には、本発明は、或る量の造影剤、即ちボーラス(bolus )が脈管又は他の導管に沿ってステーションからステーションへ移動している場合に、実質的にボーラスが特定のステーションに位置しているときのみ該特定のステーションでMRデータを確実に取得するための処置が取られるようにした上述の種類のイメージング方式に関する。 【0002】 【従来の技術】現在、MRアンジオグラフィにおいて、血管に沿って流れる血液に或る特定量の造影剤、例えばガドリニウムのキレートを注入することは周知の手法である。この特定体積又は質量の造影剤は「ボーラス」と呼ばれ、血液のT1 時間を短縮する効果を有する。このようにして、高速グラディエント・エコー法又は類似の手法によって取得された血液のMR画像が、血管構造の隣接する静止組織に対して極めて良好に表現される。 【0003】また、いくつかの臨床的評価検査では、比較的長さの長い脈管領域をイメージングすることが必要になることも周知である。従って、これらの評価にMRを利用する際には、脈管の流路に沿って間隔を空けて配置されているいくつかのステーション又は走査位置にわたってMRデータを取得することが必要になる。ある特定のステーションにおいてデータを取得するために、典型的には患者を支持しているテーブルの移動によって、患者がMRスキャナに対して選択的に位置決めされる。次いで、この特定の走査位置又はステーションを含んでいる患者の領域又は部分について取られる一連のスライスからデータが取得される。この後、他の走査位置又はステーションを含んでいる患者の他の部分からデータを取得できるように、患者はスキャナに対して移動される。造影剤のボーラスの注入と組み合わせて以上の手順を採用しているMRアンジオグラフィは、ボーラス追跡式末梢MRアンジオグラフィ(bolus chasing peripheral MR angiography )と呼ばれることもある。 【0004】現在、末梢MRアンジオグラフィ検査に関連して造影剤を用いるとき、第1のステーションは、関心のある脈管に沿って、ボーラスが最初に到達する患者の部分になるように選択される。第1のステーションでの走査が完了すると、通常、データの取得は次の走査ステーションへ移動する。しかしながら、次のステーションに移動する最も適当な時刻は、正確にはわからない。例えば、血流が遅い場合に、次の走査ステーションの位置にある末端の脈管構造は、造影剤で充たされる適切な時間がないことがある。他方、流速が予測よりも速い場合には、造影剤がデータ取得の開始前に次の走査ステーションに隣接した静止組織に移動している傾向を有する。いずれの場合にも、移動する液体と静止組織との間のコントラストは、次の走査ステーションでは大幅に低下するおそれがある。更に、流速が過度に遅い場合でも又は過度に速い場合でも、これに起因して、イメージングが後続の走査ステーションに進むにつれて、また走査ステーションの総数が増大するにつれて、望ましくない影響が次第に大きくなる傾向を生じる。 【0005】 【発明の概要】本発明は、一般的には、患者の体内の比較的長い動脈などの脈管に関連する構造をイメージングするための末梢MRアンジオグラフィ方式であって、脈管に沿って配置されている複数の走査ステーションの各々においてMRデータを取得すべきである方式を対象とする。この方式では、静脈注射を介して血液に造影剤を注入して、第1及び第2のステーションへ相次いで流れるボーラスを供給することを含む。この方式は更に、第1のステーションに関連した第1のMRデータ集合(data set)の最初の部分を取得し、第2のステーションを監視してボーラスが到達したか否かを決定することを含む。この監視により、ボーラスが第2のステーションに実際に到達したことが判定された場合、第2のステーションに関連した第2のデータ集合のMRデータの少なくとも一部が取得される。しかしながら、ボーラスが第2のステーションに未だ到達していないと判定された場合は、第1のステーションで更にデータの取得が続行される。 【0006】本発明の好ましい態様では、第1の走査位置で最初に取得されたMRデータの部分は中央k空間データを含んでおり、脈管はイメージング対象の被検体に存在する動脈を含んでいる。更に、このMR方式には、MR走査装置と、イメージング対象の被検体を支持するテーブルとが関連しており、第1及び第2の走査ステーションにそれぞれ関連するMRデータ集合を取得するために、テーブルは走査装置に対して被検体を選択的に位置決めするように作動される。 【0007】本発明の有用な態様では、上記の第2のステーションの監視のために、造影剤に応答するNMRモニタ手段を、脈管に接近した関係で且つ第2のステーションに隣接するように配置し、そして該監視手段を、第2のステーションでの造影剤の量が所定の閾値を上回ったときに信号を発生するように設定する。本発明のもう1つの有用な態様では、上記の第2のステーションの監視のために、脈管に隣接し且つ第2の走査ステーションに隣接した領域からMRデータを高速取得し、次いで、この高速取得したデータから画像を高速再構成する。次いで、操作者によって、高速取得された画像を単純に目視検査することにより、第2の走査ステーションでの造影剤の量を容易に判定することができる。 【0008】 【発明の目的】本発明の目的は、かなりの長さのある動脈などの脈管を対象とする末梢MRアンジオグラフィのより最適化された方式を提供することにある。もう1つの目的は、脈管に沿って隔設されている一連の走査ステーションの各々の走査ステーションにおけるデータ取得が、造影剤のボーラスの走査ステーションへの到達と時間的に実質的に同期しているような上述の種類の方式を提供することにある。 【0009】もう1つの目的は、脈管流路に沿った相次ぐ走査ステーションにおいてボーラスの到達を追跡する上述の種類の方式を提供することにある。もう1つの目的は、ボーラスがカレントの走査ステーションから次の走査ステーションへ移動したか否かに関する評価を行い、この評価に従って、データ取得を次のステーションに移動するか又は現在のステーションで続行するかのいずれかにするような上述の種類の方式を提供することにある。 【0010】本発明のこれらの及びその他の目的及び利点は、図面を参照した以下の記載からより容易に明らかとなろう。 【0011】 【発明の実施の形態】図1には、本発明に従ってMRデータを取得するように動作することのできるMRシステム又はスキャナ10の基本的な構成要素が示されている。システム10は、RF送信コイル12と、ボア(中孔)内に主磁場又は静磁場B0 を形成する円筒形マグネット14とを含んでいる。RFコイル12は、MR信号を発生させるために、マグネットのボア内に位置する患者又は他のイメージング対象の被検体16に対してRF励起信号を送信するように動作する。システム10は更に、直交するX基準軸、Y基準軸及びZ基準軸に対してそれぞれGx 磁場勾配、Gy 磁場勾配及びGz 磁場勾配を発生させる勾配コイル18、20及び22を含んでいる。図1は、勾配コイル18、20及び22の各々が勾配増幅器24、26及び28によってそれぞれ駆動され、RFコイル12が送信増幅器30によって駆動されていることを示している。図1は更に、受信増幅器38と関連して動作し、被検体16からMR信号を取得するRFコイル40を示している。構成によっては、コイル40及びコイル12は、イメージング・シーケンス中に交互のモードで動作する同一のRFコイルであってよい。システム10には更にパルス・シーケンス制御器32が設けられており、パルス・シーケンス制御器32は、RF増幅器及び勾配増幅器を制御することにより、MR信号の集合(set) を発生させて取得するためのパルス・シーケンスを作成するように動作する。システム10はまた、システム制御及びデータ処理装置34を含んでおり、この装置34は、本発明に従ってシステム10のそれぞれの構成要素を動作させてMRデータを取得すると共に、このMRデータの画像を構成する。MRシステム10の各構成要素の構造、作用及び相互関係は周知であり、1997年9月30日発行の米国特許第5,672,969号等の従来技術に記載されている。 【0012】図1には更に、被検体16が、MRシステム10のZ軸に沿って摺動する又は並進することが可能なテーブル36又は類似物に支持されることが示されている。このようにして、被検体16を、主マグネット14のボアの内部に選択的に位置決めすることができる。テーブルの移動は、コンピュータの制御下にあり、マグネットのボアのZ軸に沿ってテーブルの位置を精密に制御することができ、また再現することができる。 【0013】次に、図2には、マグネット14内でテーブル36に支持されている被検体16の更に詳細な図が示されている。更に詳しく述べると、図2は、かなりの長さのある血管又は脈管領域44を有している患者又は被検体16を示している。この場合には、末梢の動脈の臨床的な評価検査には、被検体の腹部から下肢にかけて広がる広範囲の視野のイメージングが必要となる。この評価は、腹部の大動脈、腸骨付近の動脈、大腿動脈、膝窩動脈、脛腓骨動脈及び足の動脈の各部を含んでいる。広範囲の脈管領域44の全体としてのMR画像データを取得することが望ましい。しかしながら、脈管領域44にはかなりの長さがあるので、被検体16とMRシステム10の各構成要素との間に複数の走査位置又は走査ステーションを設定することによりデータを取得することが必要である。 【0014】これにより、図2に、被検体16の一部分又は領域をそれぞれ含んでいる走査ステーション46、48及び50を示す。更に詳しく述べると、走査ステーション46は、被検体16の上体の胴区域(腹部)を含んでおり、走査ステーション48は、被検体16の下半身の胴区域(骨盤及び大腿)を含んでおり、走査ステーション50は、被検体16の下方の肢部(ふくらはぎ及び足)を含んでいる。特定の走査ステーションに関連するMRデータを取得するために、テーブル36を移動させて、特定の走査ステーションを主マグネット14と特定の関係になるように配置する。例えば、図2は、走査ステーション46の中央点がマグネット14のアイソセンタ(isocenter) 42に配置されているのを示している。 【0015】従来の構成では、脈管44のうちの走査ステーション46内に位置している部分に関連するMRデータ集合の全体が、この走査ステーションが図2に示す位置にある間に取得されていた。次いで、テーブル36は、被検体16を図2で見て左へ並進させて、走査ステーション48の中央点をイソセンタ42に位置決めする。脈管44のうちの走査ステーション48の内部にある部分に関連するデータ集合の全体を走査した後に、被検体を更に並進させて、走査ステーション50の中央点をイソセンタ42に位置決めする。次いで、走査ステーション50に関連するデータ集合が走査されて、データ取得手順が完了していた。図2から、隣接した走査ステーションの間には、一定の量の重なりが生じ得ることがわかる。 【0016】前述したように、MRアンジオグラフィにおいて、脈管44内を流れる血液52に、造影剤、例えば20ccのガドリニウムのキレートを静脈注射することは常用の手法となっている。これにより、脈管44内にボーラス54が供給される。脈管44により血液が被検体16の上体から下方の肢部へ流れている場合、流動の方向は、図2で見て左から右となる。心循環及び肺循環を通過した後に、ボーラス54は、先ず走査ステーション46に到達し、次いで走査ステーション48に到達し、最後に走査ステーション50に到達する。 【0017】ゼネラル・エレクトリック・カンパニィによる「SMARTPREP」として商業的に公知の従来の手法(Radiology 誌、1997年、第203号、第275頁〜第280頁のFoo TKF 、Saranathan M、 Prince MR及びChenevert TLの「ガドリニウム強化型高速3次元MRアンジオグラフィにおける自動化されたボーラス到達の検出及びデータ取得の開始(Automated detection of bolus arrival and initiation of data acquisition in fast, three dimensional, gadolinium-enhanced MR angiography)」に記載されている)によれば、走査ステーション46を構成する視野に関して動脈血流の上流に脈管44に隣接してモニタ56が配置されており、この実例が図2に示されている。モニタ56は、このモニタ56に接近した関係にある脈管44の小さな空間又は領域(図2には示されていない)内で励起されたMR信号を周期的に検出する。検出されたMR信号は、造影剤が走査ステーション46内に位置している脈管44の部分又はセグメントに流入したときに、所定の閾値水準に達する。この後直ちに、ステーション46の走査が開始する。このような走査が完了したとき、MRシステムは、走査ステーション48からデータを取得し、次いで走査ステーション50から取得するように逐次的に進行する。 【0018】前述したように、ボーラス54が1つの走査ステーションから次のステーションへ移動するのに必要な時間は、正確にはわからず、患者によっても異なる。ボーラスの移動の変動によって、MR画像データはかなりの影響を蒙る可能性がある。目標の動脈にボーラスが到達する前にMRデータを取得すると、動脈の視覚化が不良になる(又はできなくなる)。同様に、ボーラスの通過の後にデータを取得すると、目標の動脈の最適な視覚化が得られない可能性がある。従って、ボーラスのタイミング(即ち、ボーラスをMRデータ取得と協働させる能力)が不正確であると、上述したような従来の走査手法における造影剤の利用の長所(及び効力)が大幅に低下し、又はガドリニウムのキレートの造影剤の量若しくは投与を増大させることが必要になる可能性がある。従って、これらの欠点を克服するためには、本発明の一実施例によれば、モニタ58及び60を脈管44に接近した関係に、従って図2にそれぞれ示す位置に配置する。更に詳しく述べると、モニタ58は、図2で見て、走査ステーション48の左端の直ぐ右に配置され、モニタ60は、走査ステーション50の左端の直ぐ右に配置される。このようにして、モニタ58及び60は、ボーラス54の到達をそれぞれ走査ステーション48及び50において検出する。モニタ58及び60は、動作及び構造についてはモニタ56と同様のものでよい。また、アンジオグラフィ検査用の画像データの取得の前に、各々のモニタ毎にベースライン・データを取得する。ベースライン・データは、造影剤が存在しないときにそれぞれのモニタによって検出されるMR信号のレベルを指示するものである。これらのデータから、各々のモニタについての閾値水準を予め設定しておいて、対応する走査位置におけるボーラスの到達を指示するようにすることができる。 【0019】ステーション46又は48からデータを取得している間にそれぞれ位置58及び60での信号を監視するために、位置58又は60をより良好に視覚化するようにテーブルを移動させてもよいことに留意されたい。更に、テーブルを移動させると、位置58又は60を大きな画像FOV(視野)の端に置くことによる形状の歪みが最小限になる。 【0020】後で詳述するように、脈管44に沿ったボーラス54の進行を追跡することにより、本発明の方法では、走査ステーションへのボーラスの到達を検出したときに、このステーションにおける最も関連のある画像データを直ちに取得することができる。更に、この方法では、ボーラスが次に続くステーションに移行している間に走査ステーションにおけるデータ取得を続行することも可能にする。このようにして、本発明の方法は、末梢MRアンジオグラフィにおける造影剤の利用を最適化する。 【0021】図3について説明すると、図3には、本発明の一実施例の方法でのモニタ56〜60の使用法を示す流れ図が示されている。処理ブロック62及び64によれば、それぞれのモニタの閾値レベルを最初に予め設定してから、モニタ56を動作させて、第1の走査ステーション、即ち走査ステーション46へのボーラス54の到達を検出する。この後直ちに、n個の走査ステーションの各々の内部に位置している脈管44のセグメントに関して画像データの収集を開始するためのトリガ信号が発生する。図2は3つの走査ステーションしか示していないが、他の実施例では、走査ステーションの数nが実質的に更に大きくてもよいことは容易に明らかであろう。更に、図3の処理ブロック66によって強調されているように、最初の第1のステーションを含めて各々の走査ステーションにおける最初のデータ取得は、中央k空間データに限定されている、即ち低めの空間周波数のk空間に限定されている。このようなデータは、画像再構成において最も重要であり、約5秒〜10秒の時間で、十分利用できるものとして取得される。 【0022】n番目の走査ステーションについての中央k空間データの取得の後に、判定ブロック68によって、このn番目の走査ステーションがイメージング・シーケンスで最後のステーションであるか否かに関する判定を行う。最後のステーションでなければ、図3では処理ブロック70及び判定ブロック72によってまとめて示すように、走査ステーションn+1についてのモニタ信号が検出され、ボーラス54がこのステーションに到達したか否かを判定する。ボーラス54が走査ステーションn+1に到達していれば、前述したように、テーブル36が動作して被検体16を移動させ、走査ステーションn+1でのデータ取得を開始することができるようにする。このような動作は、処理ブロック74によって示されており、次いで、処理ブロック76によって、関連するカウンタ(図示されていない)をnからn+1に設定し直す。この後直ちに、処理ブロック66によって、更新後の走査ステーションにおいて中央k空間データを取得する。 【0023】ブロック72においてボーラスが走査ステーションn+1に未だ到達していないものと判定されたら、判定ブロック78による判定、即ち、n番目の走査ステーションについてのデータ取得が完了したか否かを判定しなければならない。完了していなければ、処理ブロック80によって示すように、走査ステーションnに要求される次のループのk空間データを取得する。しかしながら、データ取得が完了していたら、処理ブロック82の動作が実行され、即ち、信号対雑音比を向上させるために、n番目の走査ステーションについての中央k空間データを再び取得する。代替的には、空間分解能を高めるために、より高い空間周波数でデータを取得する。処理ブロック80又は処理ブロック82のいずれの動作が完了した場合にも、システムは処理ブロック70に戻って、走査ステーションn+1でのボーラスの到達について再度試験する。 【0024】更に図3を参照すると、処理ブロック84は、最後の走査ステーションが判定ブロック68によって識別された後に、この走査ステーションについてデータ取得が完了することを要求する。次いで、処理ブロック86によって、未だ取得されていなかった残りのk空間データのすべてがそれぞれの走査ステーションについて取得される。処理ブロック86の動作は一般的には、被検体16を選択的に配置するテーブル36の制御された移動を必要とする。残りのデータの取得が完了したら、図3の走査手順は終了する。ここに記載すると共に図3に示す実施例のそれぞれの工程及び手順は、これらの工程及び手順に従ってシステム10の動作を指令する制御装置34の電子回路を構成することにより容易に実現可能であることは直ちに明らかとなろう。 【0025】上述の本発明の実施例では、関心のある脈管の内部の小さな空間の上にモニタを配置する際に問題が生ずる可能性がある。図2に示すように、モニタ及びこれに関連する空間は、走査ステーションの端の付近に位置しており、従って、イメージング視野の端に位置している。その結果、モニタ空間がマグネットのアイソセンタから遠く離隔して配置されている可能性があるので、勾配の非線形性による影響を受ける。 【0026】図4には、関心のある脈管44を切断するように取られていて、画像を構成するためのMR信号データを得ようとする理想的なスライス選択スラブ88が示されている。スラブ88は、モニタの1つに隣接している血流の経路に沿った小さな領域を含んでいる空間90を包含している。図4は更に、MR信号データが実際に取得されるスライス選択スラブ88aを示している。アイソセンタ42から遠く離隔していると勾配磁場の非線形性が存在するため、スラブ88aの端部が彎曲して、意図した位置から離れてしまう。これに応じて、監視空間の実際の位置90aが、意図した空間位置90から変位する。その結果、監視スラブに対応する周波数オフセットが不正確になり得る。これは、磁場の歪みを予め算出する「GRADWARP」として当業界で公知の手法の勾配パラメータを用いることにより補償することができる。すると、本発明の方法では、スライス選択周波数のオフセット及びスライス選択勾配の振幅を、上述の公知の手法に従って変更することができる。これにより、所定の監視空間を、所期の位置によりよく一致させることができる。GRADWARP法は、1987年10月6日発行の米国特許第4,698,591号等の従来技術に記載されている。 【0027】監視空間を精密に局在化させるためのもう1つの方法は、スライス選択RFパルス(スピン・エコー直交スライス選択勾配又は2次元(2D)円筒形RFパルスのいずれか)の飽和効果を利用するものである。飽和領域は、監視空間の位置を指示する。正確な位置は、実時間取得シーケンスよりも前に追跡用又は監視空間選択用のパルス・シーケンスを先行させることにより迅速に識別され得る。このようにして、ユーザは、所望のステーションの付近又は周囲を動いて、これに応じて監視空間の周波数オフセットを調節することができる。 【0028】次に、図5について説明すると、図5には、それぞれの走査ステーションへのボーラスの到達を検出するために代替的な手段を用いる本発明の別の実施例を説明する流れ図が示されている。これにより、モニタ56〜60等のモニタの必要性及びこれに関連する欠点が実質的に解消される。これは、Radiology 誌、1997年、第205号、第137頁〜第146頁のWilman AH 及びRiederer SJ 等の「楕円中心ビュー順でのフルオロスコピー式トリガ型造影剤強化型3次元MRアンジオグラフィ:腎動脈への応用(Fluoroscopically triggered contrast-enhanced three-dimensional MR angiography with elliptical centric view order: application to the renal arteries )」に記載されている方法と類似したものである。 【0029】処理ブロック92によって示すように、図5の方法は、第1の走査ステーション、即ち走査ステーション46の短時間2次元投影画像を周期的に取得することにより開始する。MRシステム10の操作者は、このような走査ステーションにおいて造影剤で充填された脈管が見えるまで、それぞれの画像を物理的に目視する。この後直ちに、操作者は、処理ブロック66によって、第1の走査ステーションにおける中央k空間データの取得をトリガする。処理ブロック66は、図3に関して前述した処理ブロック66と同一である。次の判定ブロック68も同様に、図3の判定ブロック68と同一である。このように、最後のステーション以外の任意の走査ステーションについて中央k空間データを取得した後に、ブロック94によって示すボーラス追跡作用が開始される。このような作用は、処理ブロック96及び98、並びに判定ブロック100を含んでいる。 【0030】この作用によれば、n番目のステーションについての中央k空間データの取得に続いて、各々のkz エンコーディング・ループの終わりに(3次元高速GRE取得において)、短時間2次元投影画像(好ましくは、100ミリ秒〜200ミリ秒の取得時間のエコー・トレイン又は類似のパルス・シーケンスを用いて)が走査ステーションn+1において取得される(処理ブロック96)。次いで、ky エンコーディング値が更新され、次のkz ループのデータが取得される。このように、各々のky エンコーディング値毎に、次の走査ステーションにおける高速取得が実行される。高速2次元投影画像は、処理ブロック98に従って、(Tacq +nz TR)の間隔で実時間で再構成され表示される。Tacq は、高速2次元画像の取得時間であり、nz はスライス・エンコーディング値の数である。判定ブロック100に従って、操作者は表示された2次元画像を観察し、走査ステーションn+1にある脈管が造影物質で充填されたか否かを判定する。充填されていれば、データ取得は、走査ステーションn+1に移動する。充填されていなければ、データ取得は、図3に関して前述した判定ブロック78、並びに処理ブロック80及び82に従って走査ステーションnにおいて続行する。図5に示す残りのブロックも同様に、図3に関して前述した対応するブロックと同一である。 【0031】このようにして、図5の方法でわかるように、走査ステーションn+1での脈管の目視による監視は、走査ステーションnについてのk空間データの中央の核が取得された後に始めて開始する。これにより、カレントの走査ステーションでのデータが、脈管と静止組織との間での十分なコントラストを確実に有するようになる。走査ステーションn+1での高速2次元投影画像の取得は、次の2つの方法のうち1つで達成され得る。第1の方法は、被検体16を走査ステーションn+1に配置するように、テーブル36を完全に移動させるものである。第2の方法は、テーブルをこのような走査ステーションに向かって中途まで移動させるものである。手順の選択は一般的には、テーブルの移動速度に依存する。 【0032】Radiology 誌、1998年、第206号、第283頁〜第289頁のKim J 、Farb G及びWright Gによる「監視走査:ガドリウム強化型ダイナミックMRアンジオグラフィでの頚動脈における試験ボーラス検査(Sentinel scan: Test bolus examination in the carotid artery at dynamic gadolinium enhanced MR angiography )」に記載されているように、以上に述べた2つのアプローチ又は実施例を組み合わせて、造影剤のボーラスの到達の検出のための視覚的且つ自動化された方法を提供し得ることにも留意されたい。 【0033】明らかに、以上の教示に照らして、本発明のその他の多くの改変及び変形が可能である。従って、開示された概念の範囲内で本発明を具体的に記載された以外の方法で実施してもよいことを理解されたい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390041542 【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
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| 【出願日】 |
平成11年7月16日(1999.7.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076303 【弁理士】 【氏名又は名称】生沼 徳二
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| 【公開番号】 |
特開2000−79107(P2000−79107A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月21日(2000.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願平11−202419 |
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