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【発明の名称】 円錐状放射線ビ―ム及び螺旋状走査軌道を用いるコンピュ―タ断層撮影装置
【発明者】 【氏名】ローラント プロクザ

【氏名】ヤン ティマー

【要約】 【課題】検査ゾーンの中に存在する対象が円錐状放射線ビームによって覆われる検査ゾーンの部分よりも長い場合でも、検査ゾーン中の吸収分布の正確な再構成を可能とするようコンピュータ断層撮影を改善することを目的とする。

【解決手段】本発明は走査軌道が螺旋の形状とされ円錐状放射線ビームが検査ゾーンを横切るコンピュータ断層撮影装置に関する。本発明によれば、検出器窓(又は再構成に使用される検出器窓の一部)は螺旋の隣接するターンの間の距離よりも3,5,7...倍大きい。この幾何学形状を使用し、検査ゾーン中の各ボクセルは円錐状ビームを横切るとき角度範囲3π,5π,7π,...から正確に照射される。かかるデータ捕捉は改善された画像品質を生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 円錐状放射線ビームを発する放射線源と、該円錐状放射線ビームが検査ゾーン又はその中に存在する対象を通過した後に該円錐状放射線ビームを検出するために該放射線源に接続される検出器ユニットとを含む走査ユニットと、走査ユニットと検査ゾーン又は対象との間に、回転軸回りの回転及び回転軸に平行な方向の前進からなる螺旋の形状で相対運動を生成する駆動装置と、上記螺旋によって画成される検出器窓の中の検出器ユニットによって捕捉される測定データから検査ゾーンの中の吸収の空間的分布を再構成するための再構成ユニットとを含むコンピュータ断層撮影装置であって、nを1以上の整数とし、pを螺旋の2つの隣接するターンの間の軸方向のずれであるとすると、放射線源から回転軸の方向に相互にずれた検出器窓の2つの縁への接続線は、回転軸の方向に(2n+1)pの距離だけずれている螺旋の2つの部分と交差することを特徴とする、コンピュータ断層撮影装置。
【請求項2】 n=1であることを特徴とする、請求項1記載のコンピュータ断層撮影装置。
【請求項3】 上記検出器ユニットは行及び列として配置される検出器要素を含み、行の中央は放射線源及び回転軸を含む平面に対して検出器要素の幅の1/4だけずれていることを特徴とする請求項1記載のコンピュータ断層撮影装置。
【請求項4】 上記検出器ユニットは行及び列として配置される検出器要素を含み、放射線源を含み回転軸に垂直に延びる平面に対して検出器要素の幅の半分だけずれていることを特徴とする請求項1記載のコンピュータ断層撮影装置。
【請求項5】 駆動装置は2つの動作モードを有し、回転速度の移送速度に対する比率は一方の動作モードでは他方の動作モードと比較して2n+1倍小さく、それにより一方の動作モードでは検査ゾーン中の各点は放射線源によって角度範囲πから照射され、他方の動作モードでは検査ゾーン中の各点は放射線源によって角度範囲(2n+1)πから照射されることを特徴とする請求項1記載のコンピュータ断層撮影装置。
【請求項6】 (a)夫々が回転軸に平行に延びる複数の平面を含みその中に夫々の扇形ビームが存在する多数の組を形成するよう測定データをリビニングする手段と、(b)上記リビニングによって形成された各組のデータを回転軸に垂直の方向にフィルタリングする手段と、(c)複数の組のフィルタリングされたデータの逆投影によって吸収の空間的な分布を再構成することを含むことを特徴とする請求項1記載のコンピュータ断層撮影装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円錐状放射線ビームを発する放射線源と、上記円錐状放射線ビームが検査ゾーン又はその中に存在する対象を通過した後に上記円錐状放射線ビームを検出するために上記放射線源に接続される検出器ユニットとを含む走査ユニットと、走査ユニットと検査ゾーン又は対象との間に、回転軸回りの回転及び回転軸に平行な方向の前進からなる螺旋の形状で相対運動を生成する駆動装置と、上記螺旋によって画成される検出器窓の中の検出器ユニットによって捕捉される測定データから検査ゾーンの中の吸収の空間的分布を再構成するための再構成ユニットとを含むコンピュータ断層撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種類のコンピュータ断層撮影装置(以下CT装置とも称される)は1998年1月14日付のPCT出願SE98/00029号より既知である。吸収分配の再構成のために、既知のコンピュータ断層撮影装置は、螺旋の2つの連続するターンの投影によってz軸方向に画成される検出器窓の中に存在する測定データのみを考慮する(本願では以下、検出器窓は再構成のために必要とされるデータのみを捕捉する検出器ユニットの測定面の一部を意味すると理解されるべきである)。検出器窓がこのように構成される場合、放射線源は、放射線ビームへ入るとき及び出発するときに検査ゾーン中の各ボクセルを(夫々のボクセルに対して)正確に180°ずれた位置から検出器窓上に投影することが示されうる。このようにして捕捉された測定データは、検査ゾーンの中に存在する対象が円錐状放射線ビームによって覆われる検査ゾーンの部分よりも長い場合でも、検査ゾーン中の吸収分布の正確な再構成を可能とする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の種類のコンピュータ断層撮影を改善することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、本発明によって、nを1以上の整数とし、pを螺旋の2つの隣接するターンの間の軸方向のずれであるとすると、放射線源から回転軸の方向に相互にずれた検出器窓の2つの縁への接続線は、回転軸の方向に距離(2n+1)pだけずれている螺旋の2つの部分と交差することを特徴とする、コンピュータ断層撮影装置によって達成される。
【0005】これに対して既知のコンピュータ断層撮影装置では、検出器窓の2つの縁は互いに検出器ユニットの2つの隣接する検出器ターンの投影に対応する距離だけ離れて配置され、本発明によればこの距離はその奇数倍となる。結果として、検査ゾーン中の点の投影が窓の一方の縁から他方の縁へ移動したとき、放射線源はこの点の回りに正確に(2n+1)πの角度に亘って回転している。この場合、余分な測定データもまた獲得されない。検出器窓の中で捕捉される全ての測定データは再構成のために使用されうる。
【0006】放射線源は検査ゾーンの個々の点の回りを奇数倍に亘って回転するため、(走査中に検査されるべき対象の動きから生ずる)データ不一致に対する方法の敏感さは、既知の方法よりも低い。これは(放射線源の前進速度及び強度が両方の場合に同じであるとすると)検査ゾーン全体に亘って平均された信号対雑音比が原理的には既知のコンピュータ断層撮影装置による測定データの捕捉中よりも悪くなくても当てはまる。
【0007】しかしながら、点が検出器窓上に投射される時間期間の位置依存揺動はあまりひどくないため、既知のコンピュータ断層撮影装置と比較すると、個々の点における信号対雑音比は検査ゾーン中により均一に分布されている。既知のコンピュータ断層撮影装置では、対象が円錐状放射線ビームによって完全に覆われうる対象円柱の半径が回転軸の回りの放射線源の軌道の半径の半分である場合、投影持続時間の2:1の変動が生ずる。本発明による装置における同じジオメトリについて、この変動はわずかに(n=1のとき)1.25:1又は(n=2のとき)1.14でありうる。この変動に伴うアーティファクトは本発明によってかなり減少される。
【0008】本発明による検出器窓は、検出器ユニット及び/又はコリメータによって形成される円錐状放射線ビームを適宜成形することによって実現されうる。検出器ユニットが回転軸の周りに円弧を描くとき検出器窓の展開は平行四辺形の形状を有するべきであり、検出器ユニットが(回転軸に垂直な面上に)放射線源の回りに円弧を画成しようとするとき歪んだ平行四辺形が必要とされる。かかる形状の展開を有する検出器ユニットを実現することは複雑である。
【0009】しかしながら、検出器窓の展開を含むほど回転軸の方向にかなり大きい矩形として構成されれば、矩形の展開を有する検出器ユニットを使用することができる。従ってかかる矩形検出器は、所望の検出器窓よりも大きくなくてはならない。本発明によれば実際の検出器表面に対する所望の検出器表面の比率は、既知のCT装置の検出器窓のものよりも都合がよい。
【0010】望ましい実施例は請求項2に開示される。その場合、検出器窓の縁の間の距離は螺旋の2つのターンの間の距離の3倍となる。請求項3は望ましい実施例を記載する。これにより達成される利点は従来のコンピュータ断層撮影装置、即ち、単一の検出器行のみが含まれ検出器要素の中心及び回転軸と交差する線上の点が相互に検出器幅の4分の1だけずれている装置で生ずるものと同様であり、走査ユニットの半分の回転の後、検出器ユニットは線方向に検出器幅の半分だけ変位されている。従って、同じデータは2回測定されないが中間の位置で測定され、測定データは従ってより良く分布され画像品質は高められる。かかるずれは既知のコンピュータ断層撮影装置では可能ではない。
【0011】同様の効果は、請求項4に記載される実施例において回転軸の方向に得られる。請求項5に定義される本発明の実施例は、放射線源が放射線円錐を通過するときに各検査点の回りに角度πに亘って回転する(第1の)動作モードと、この回転が(2n+1)πである(第2の)動作モードとの間の選択を可能とする。両方の動作モードに対して同じ回転速度が使用される場合、同じ検出器寸法の場合、第1の動作モードでの走査速度は、第2の動作モードよりも2n+1倍だけ高いが、第2の動作モードでは信号対雑音比又は画像品質はより良い。ユーザはこのように当該の検査の最も適した動作モードを選択しうる。
【0012】請求項6は、検出器窓の中で捕捉された測定データから検査ゾーンの中の吸収分布を再構成する望ましい実施例である。吸収分布はまた異なる方法で測定データから再構成されうるが、記載される手段は特に簡単な再構成段階、及び特に高い品質の再構成又は特に高い画像品質を可能とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明を詳述する。図1に示されるコンピュータ断層撮影装置は、z方向に平行に延びる回転軸14の回りに回転可能なガントリー1を含む。このため、ガントリーはモータ2によって望ましくは一定の、しかし調整可能な角速度で駆動される。放射線源S、例えばX線管は、ガントリー上に取り付けられる。X線源は、放射線源Sによって生成される放射線から円錐状放射線ビーム4、即ちz方向及びそれに垂直な方向(図1に示される座標系ではx−y平面上)にゼロ以外の有限の寸法を有する放射線ビーム、を形成するコリメータ装置3を設けられている。
【0014】放射線ビーム4は検査ゾーン13の中に存在する対象(図示せず)を横切る。検査ゾーン13は円柱の形状とされ、以下対象円柱と称される。X線ビーム4は対象円柱13を横切った後にガントリー1上に取り付けられた2次元検出器ユニット16上に入射し、この検出器ユニット16は各検出器の行が複数の検出器要素を含む多数の検出器の行を含む。各検出器要素は、各放射線源位置において放射線ビーム4からの光線を検出する。検出器ユニット16は回転軸14の回りの円の円周上に配置されうるが、他の検出器ジオメトリーもまた可能であり、例えば検出器ユニットは放射線源S回りの円弧の上に配置されうる。
【0015】このとき放射線ビーム4の開口角αmax (開口角は、ビーム4のx−y平面上の縁に配置される光線が放射線源Sと回転軸14とによって画成される平面に対して成す角度として定義される)は、対象円柱13の直径を決定し、測定値の捕捉中、検査されるべき対象はその対象円柱の中に存在せねばならない。検査ゾーン13、又はその中に存在する対象、例えば患者台上の患者は、モータ5によって回転軸14、即ちz軸、の方向に平行に変位されうる。かかるz方向の変位の速度は一定であり、望ましくは調整可能である。
【0016】検出器ユニット16によって捕捉される測定データは、放射線円錐4によって照射される検査ゾーン13の一部の中の吸収分布を測定データから再構成し、これを例えばモニタ11上に表示するための画像処理コンピュータ10へ印加される。モータ2及び5、画像処理コンピュータ10、放射線源S、及び検出器ユニット16から画像処理コンピュータ10への測定データの転送は、適当な制御ユニット7によって制御される。
【0017】モータ5が静止しており、モータ2がガントリーを回転させるとき、放射線源S及び検出器ユニットの円形の走査運動が生ずる。しかしながら制御ユニット7はまた、検査ゾーン13の前進速度vのガントリーの角速度ωに対する比率が一定であるよう、モータ2及び5を制御しうる。この場合、放射線源S及び検査ゾーンは螺旋軌道に沿って相互に相対的に移動する。以下、この螺旋状の走査運動のみが考慮される。螺旋状走査運動の場合、原理的には走査ユニットS、16又は検査ゾーン13が回転運動を行うか前進運動を行うかは重要でなく、相対運動のみが重要である。
【0018】従って、図2中、放射線源S(及びガントリーを通じてそれに接続され、図2中に図示されていない検出器ユニット16)は螺旋状軌跡17に沿って移動し、一方検査ゾーン13(その中に配置される対象と同様に図2中に図示せず)は静止していることが仮定される。放射線源Sによって放出される円錐状の放射線ビーム4は、検査ゾーンの他の側に配置されており、放射線源Sによって放出され回転軸14に対して垂直に交差する中央光線と一致する中心を有する検出器ユニット16上に入射する。放射線源4から発せられる放射線ビームは、回転軸14に平行に延び放射線源Sの中で交差する平面上に配置される複数の扇状ビームによって構成されると考えられ得る。この放射線ビームが他の面上に扇状にまとめられた光線もまた含むとしても、扇状ビーム400のように回転軸14に平行な面上に配置された光線の組合せのみを扇状ビームと称するものとする。個々の扇状ビームのそれぞれの測定データは、回転軸14に平行に延びる検出器ユニットの検出器要素の列によって捕捉されうる。
【0019】(放射線源Sを含み回転軸14に対して垂直に延びる面上の)放射線ビーム4の開口角αmax は、その外側扇状ビームが正確に対象円柱13の正接であるよう比例される。αmax =30°であれば、対象円柱の半径は、螺旋状軌跡17の半径Rの正確に半分となる。コリメータ装置3の開口は、放射線源に対向し相互に距離3pだけずれている螺旋17の2つのターンが(pは放射線源Sの1つの完全な回転中のz方向の前進に対応する)、放射線ビーム4の(図2の描写では)上縁及び下縁における光線と一致するよう形成される。
【0020】本発明による検出器窓の上縁及び下縁は検出器の螺旋のターン(又は放射線源に対応するセグメント)の投影と一致し、即ち放射線源から上記縁への接続線は上記ターンと交差する。これはまた、検出器窓が回転軸の回りに、螺旋によって画成される縁の円弧上ではなく、例えば、特に有利であるように、放射線源Sの回りの円弧上に配置される場合でも成り立つ。その場合、検出器窓はもはや図3に示される正平行四辺形の形状を有さず、上辺及び下辺が湾曲した歪んだ平行四辺形を構成する。
【0021】図3は、螺旋17によって画成される円柱から図の平面への検出器窓160の展開を示す図である。展開は、z方向に平行に伸びる辺161,162を有する平行四辺形の形状を有する(放射線ビームの開口角αmax が大きいほど辺の間の距離は大きくなる)。これらの辺の長さ、即ち検出器窓の高さhについては、h=3pが成り立つ。検出器窓の上縁163と下縁164とは、回転軸14に対する垂線に対して角度εをなし、Rを放射線源と回転軸との間の距離とすると、この角度は式、tanε=p/2πRに従って計算されうる。これに関して、前進速度及び回転速度は一定であると仮定される。図3はまた検出器窓の中心165を示し、破線166及び167は、上縁163及び下縁164と一致する螺旋のターンの間に配置される2つのターンの投影を表わす。
【0022】検査ゾーン中の各点は、円錐状の放射線ビーム4に入るときに下縁164に、放射線ビームを離れるときに上縁163上に投影される。放射線源は当該の点の回りに正確に3πの回転を行ない、一方、その投影は検出器窓の下縁164から上縁163へ前進することが示されうる。しかしながら回転軸に関して、放射線源によって行われる回転運動は3πよりも大きいか、又は小さいものでありうる。
【0023】これは、z軸即ち回転軸14に平行に見たときの幾何学的な比率を示す図4に示されている。すると螺旋17は円形となり、回転軸14は円の中心である点となり、放射線源は矢印sの方向に軌道17に沿って移動し、図は、放射線円錐に入る瞬間において点P1 を照射する光線411を示す。放射線源がその位置Sβから完全な回転を完了し、更に角度π+2αに亘って(従って全体として角度3π+α)回転された後、これは上点P1 の投影が検出器窓の上縁163を丁度通過し、点P1 に関して正確に(放射線源の初期位置に対して)3πに亘って回転された位置Sβに配置される。
【0024】また、放射線ビームの中へ入るときに放射線原がやはり位置Sβに配置されるが、その出発時には位置Sβ”を占める点P2 が示されている。放射線源はやはり点P2 の回りに正確に3πに亘って回転しているが、回転軸の回りには角度3π−2αに亘ってのみ回転している。従って、回転角度(3π+2α)に比例して(回転角度3π−2αを有する)点P2 がその中に存在する時間期間よりも長い期間に亘って円錐状の放射線ビームの中に存在する。当該の点に対する信号対雑音比に相関するこれらの放射線期間の比率は、最悪の場合で(α=αmax =30°について)1.25:1である。しかしながら、(上述の既知のコンピュータ断層撮影装置のように)放射線源が点P1 及びP2 の回りを角度πに亘ってのみ回転されたとき、この比率は2:1となり、信号対雑音比の実質的により大きな位置依存性を意味する。
【0025】図3に示される検出器窓160の展開は、従来の矩形から逸脱するという所与の欠点を有する。この逸脱は、検出器ユニットが放射線源Sを通って延びる円柱軸を有する円柱上に配置されたときに更に大きくなり、平坦な検出器ユニットが使用されたときは更に大きくなる。従って図5は、矩形に対応する展開を有し、x方向の寸法が少なくとも検出器窓160を囲むよう選択される検出器ユニットを示す。その場合、図5中の斜線によって示される領域168,169は、上方検出器縁及び下方検出器縁に残り、これらの領域は左及び右へ向かって傾斜される。
【0026】測定データ(即ち各測定点が正確に3πの角度で放射線減を「見る」測定データのみ)の所望の捕捉を達成するには、検出器窓160の理想形状から逸脱する検出器ユニットの形状にかかわらず、以下の2つの可能性がある。これらの可能性は組み合わせられ得る。
(a)コリメータ3(図3)は、X線が検出器窓160にのみ入射し、縁領域168,169上に入射しないよう構成される。
(b)再構成は、検出器窓160の中に配置される検出器要素からの測定値に基づいてのみ実行される。領域168及び169の中に配置される全ての検出器要素からの測定値は無視される。検出器ユニット16に対する検出器窓160の位置は検査中に変化しないため、このために必要とされるソフトウエアの量は最小である。
【0027】図5に示される矩形は、検出器窓160を収容するのに必要とされるよりも大きく、即ちその検出器要素の一部は使用されない。この不使用領域は、検出器ユニットを、その対称軸が回転軸14に平行に延びる(円形走査運動のための)第1の位置から、その対称軸が回転軸14に対して鋭角をなす(螺旋走査運動のための)第2の位置へ傾斜することによって減少されうる。上縁及び下縁168,169は、すると螺旋のターンと同様に回転軸に対して傾斜される。
【0028】図6は比較のため、図5に示されるような同じ矩形の検出器ユニット16を使用する上述された既知のCT装置で使用される検出器窓160’(又は検出器ユニット16)を示す図である。結果としての検出器窓160’の上縁及び下縁の勾配は、図5及び図3中よりも約3倍大きいことがわかる。また、矩形のために必要とされ、その測定値が再構成のためには必要とされない検出器要素を含む領域168’及び169’は、図5中の領域168,169よりも広いことがわかる。従って、本発明は検出器表面領域をより有効に利用する。
【0029】それでもなお、所与のCT検査では、かかる検出器窓を使用することが有用でありうる。このため回転運動のためのモータ2(図1)の回転速度を3倍減少することが必要である。上述の実施例では、回転方向に相互にずれた検出器窓の縁は、z方向に距離3pだけずれた螺旋の2つのセグメントのターンによって画成されることが仮定される。このずれは、しかしながら5p、7p、9p(一般的にはn≧1のとき(2n+1)p)であってもよい。信号対雑音比はすると更に位置には依存せず、活性検出器表面の矩形の展開を有する検出器の場合、その更に大きな部分が使用される。しかしながら、そのとき回転速度は、5/3,7/3,9/3又は(2n+1)/3だけ大きくなくてはならない。
【0030】図7は検出器ユニット16の有利な実施例を示す図である。図は、検出器要素の2つの行D01...D31及びD02...D32を示す。検出器要素D01は中央の行及び中央の列に配置される。しかしながらその中心165’は、放射線源Sから発せられ回転軸14に垂直に交差する線上の点によって決められる検出器窓の中心165とは一致しない。これらの2つの点の間には、dを検出器要素の幅又は長さに対応するとすると列方向(又は回転軸14の方向)及び行方向にd/4となるずれがある。
【0031】この行方向のd/4のずれの結果として、走査ユニットS、16の半分の回転後、測定は同じ放射線路に沿ってではなく、検出器要素の幅の半分だけずれた放射線路に沿って行われることが達成される。これは改善された画像品質を提供する。z方向のd/4の検出器のずれにより、半分の回転の後、列もまたz方向に検出器要素の幅の半分だけ移動されねばならない。これもまた改善された画像品質に寄与する。
【0032】以下図8に示されるフローチャートに基づいて検出器窓160の中で捕捉される測定データの処理について詳述する。検出器ユニットの測定面は図5又は図6に従う矩形を有し、ユーザは、放射線源が放射線円錐を通過する間に検査ゾーン中の各点が3π(5π,7π...)の各範囲から放射線源を「見る」という本発明によるデータ捕捉を使用するか、又は冒頭に記載される既知のデータ捕捉を使用するかを選択しうることが仮定される。
【0033】初期化(ブロック100)の後、ブロック101において測定データが捕捉される。ユーザは、検出器窓の高さhに対応するz方向への前進中に放射線源が角度3π(5π,7π...)に亘って、又は角度πに亘って回転すべきかを特定しうる。上述のように、この選択はデータ捕捉及び再構成の品質に対して顕著な影響を有するが、実際の再構成方法はわずかに変更されるだけでよい。従って、PCT出願SE98/00029号に記載される再構成方法の記載が参照される。
【0034】このように、最初に第1のステップ102において、平行な平面に配置される1組の扇状ビームが形成されるリビニング(rebinning)動作が行われる。図2を参照して上述されたように、円錐状の放射線ビームは、回転軸14に平行な平面上に配置される図2中の扇状ビーム400といった扇状ビームからなると考えられ得る。図4の平面図では、これらの平面又は扇状ビームは直線となる。相互に平行な(且つ回転軸14に平行な)平面上に配置され、異なる放射線源位置から検出された扇状ビームのみが組を形成するよう組み合わされる(これは単一の放射線源位置に生ずる扇状ビームは相互に平行でないためである)。
【0035】図9はかかる扇状ビームの単一の組を示す図であり、図の平面は図4と同様回転軸14と垂直に交差する。図9中、放射線源の連続的な位置は参照番号Sβ−2...Sβ0...Sβ2によって示される。扇状ビーム420...440...460はこれらの放射線源位置の夫々から発せられ、このビームは検査ゾーン13を横切り、中央検出器位置Sβ0及び回転軸14によって画成される平面に平行に伸びる平面上に配置される。同じ組に属する扇状ビームでは、(関連する放射線源位置及び回転軸14によって決められる平面に対して扇状ビームによってなされる角度である)扇状角度αと回転軸14に対して放射線源によってなされる角度との合計は一定であることが成り立つ。1つの放射線源位置においてどの扇状ビームもこの条件を満たさなければ、この平面上に配置される扇状ビームは所望の向きで平面の両側に配置される扇状ビームからの補間によって決定され当該の放射線源位置で発生される。
【0036】また放射線円錐の縁(従って検査ゾーンに対する正接である)に毎回配置される例えば421,441及び442,462といった幾つかの扇状ビームが図示される。しかしながらこれらの扇状ビームは図9に示される組に属せず、従って組に属する扇状ビームのように実線で示されるのではなく、破線によって示されている。
【0037】図9は、更に、図示される組に関連し、扇状ビームの平面に垂直に且つ回転軸14を通って延びる仮想検出器窓Dを示す。仮想検出器窓Dは矩形を有し、その高さはh/2又は1.5pであり、仮想検出器窓の中心は中央放射線源位置Sβ0から回転軸までの法線によって決められる。放射線源位置Sβ−2及びSβ2がz方向に中央放射線源Sβ0に対してずれていても、扇状ビーム420及び460の上縁及び下縁の光線は仮想検出器窓Dの上縁及び下縁と正確に一致することが示されうる。これは、中央放射線源位置Sβの両側に配置される扇状ビーム460及び420は、夫々中央の右側及び左側に配置され、夫々Sβ0から発せられる扇状ビームを検出する列よりも高く又は低く配置される実検出器窓160の列によって検出されることに基づく。従って、各扇状ビームは実検出器窓Dの1つの列を覆う。
【0038】(回転軸に平行な平面上に存在する)扇状ビームはステップ102において様々な組の夫々に割り当てられる。螺旋状走査軌道17の開始及び終端における放射線源位置を無視すると、組は各放射線源に対して形成される。各組には、当該の組に属する扇状ビームが配置される平面に対して垂直に延在する平坦な矩形の面を有する仮想検出器Dが関連づけられる。
【0039】このようにして少なくとも1つの組について全ての関連する扇状ビームが検出された後、ステップ103において、リビニング動作の第2の部分、即ち再補間及び再サンプリングが行われる。図9に示されるように、組に属する扇状ビームが配置される平行な平面の間の距離は中央から周囲に向かうにつれ減少する。従って、仮想検出器窓D上の規則的なデカルト格子について、ステップ103において、ステップ102において個々の組に割り当てられた測定データから関連する測定データが決定され、かかる決定は望ましくは補間によって行われる。これは規則的に分配された格子点を有する矩形の面上での平行な扇状ビームジオメトリのリビニングを完了し、それにより続く処理はかなり容易とされる。
【0040】続いて、ステップ104において1次元フィルタリング動作が行われる。ステップ102及び103においてリビニングが行われた後、このために単一の一次元の位置独立フィルタのみが必要とされる。このフィルタは行方向、即ち回転軸14に垂直な方向に仮想検出器窓Dの中の測定データをフィルタする。このフィルタは周波数の関数として線形に減少する減衰を有する。フィルタリング動作は原理的に、リビニング動作によって生成された測定データに対して適当な一次元フィルタカーネルによる畳込み積分行なうことによって実行される。
【0041】しかしながら、ステップ104におけるフィルタリング動作がまずフーリエ変換を含み、その後このように空間周波領域へ転置されたデータが行方向に傾斜されるフィルタ動作を受け、その後逆フーリエ変換によって再び空間領域へ変換されれば、必要とされる作業は少なくなる。ステップ105において、各仮想検出器窓の各組のフィルタリングされたデータは検査ゾーンへ再び逆投影され、即ちフィルタリングされた測定データはデータが捕捉されたのと同じ(又はステップ103によってわずかに変更された)放射線路に沿って組ごとに検査ゾーンへ逆投影される。検査ゾーンの個々のボクセルに対する吸収値は、当該のボクセルが検出器窓160上に投射される捕捉中に全ての(フィルタリングされた)測定データの重ね合わせから生ずる。すると個々の再構成されたボクセルの寄与は、既知の方法のように角度範囲πではなく、3π又は(2n+1)πの角度範囲から扇状ビーム又は組から受けられる。
【0042】検査ゾーン中の吸収分布の再構成は、このように測定データの捕捉中に既に開始されうる。すると捕捉及び再構成は、(ランダムに選択されうる瞬間において)捕捉が中断され、このようにして捕捉された測定データによって再構成が完了するまで、時間に関して並行に実行されうる。そして方法は終了する(ブロック106)。
【0043】検査ゾーン中の吸収分布はまた、本発明による検出器によって捕捉される測定データとは異なった方法で再構成されうる。適当な他の再構成方法は、Phys. Med. Biol. 43 (1998), pp.1015-1024より既知である。その中で、いわゆるGrangeat方法によれば、表面積分の一次導関数は、対象と交差する各面に対するセグメントから計算され、部分的な結果は合計の中に累積される。このデータは、既知の方法によって対象空間中で逆にされうるラドン空間の一次放射方向導関数を構成する。再構成されるべき平面と検査ゾーンが走査される螺旋との間の交点の数に依存して、本発明による検出器によって捕捉される測定データの処理について以下のように分類されうる。
(a)交点がない場合。
【0044】この場合、再構成されるべき平面は対象と交差しないため情報がない。
(b)1つの交点がある場合。
この場合、本発明と同様既知の方法によって同じ測定データが捕捉される。(c)奇数個の交点がある場合。
この場合、再構成は既知の方法で行われ、(検出器寸法hが検出器ターンの距離の3倍に対応する場合)結果は3で割り算される。
【出願人】 【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【出願日】 平成11年8月3日(1999.8.3)
【代理人】 【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦 (外1名)
【公開番号】 特開2000−51198(P2000−51198A)
【公開日】 平成12年2月22日(2000.2.22)
【出願番号】 特願平11−220209