| 【発明の名称】 |
X線CT装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】中澤 哲夫
【氏名】宮崎 靖
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| 【要約】 |
【課題】X線CT装置を用いた検査のスライス位置決定のための事前計測に際し、不必要なX線による散乱X線を低減させ患者に対して被曝の低減を目的とする。
【解決手段】被検者に対する被曝低減対策は、X線源を固定し、患者ベッドを移動するスライス位置決定のための撮影において、例えば頭部検査のスライス位置決めに際しては、通常の開き角を持ったファンビームを照射せずに、頭部をカバーできるファンビームまでチャンネルコリメータを用いてファンビームを絞ることによって実現する。また腹部の場合も頭部検査と同様に、腹部をカバーできるファンビームに絞り被検者に照射することにより不必要な散乱線からの被曝低減を実現できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 X線源を連続して回転して被検体の投影データを複数回連続して計測すると共に、この投影データを基に被検体の断層画像を再構成して表示するX線CT装置において、被検体搭載ベッドを移動してスライス位置決定のための固定投影角のファンビームによるスキャノグラム撮影時に、そのスライス位置を含む関連領域の被検体サイズに合うようにファンビーム開き角の絞り制御を行い、この開き角の固定投影角によるファンビームを照射したまま被検体搭載ベッドを上記関連領域の体軸方向に沿って移動させてスキャノグラム撮影を行い、このスキャノグラム撮影画像からスライス位置を決定させるものとしたX線CT装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】穿刺ガイド等での検査のスライス位置決定のための事前計測に際し、散乱X線の低減をはかるX線CT装置に関する。 【0002】 【従来の技術】X線CT装置は、医療等において既に広く利用されており、また、様々な利用方法がユーザによってなされている。例えば最近では、病巣の組織検査や治療を経皮的に実施する場合において、X線CT装置を穿刺のガイドとして用いることが行われている。このように、病巣の組織検査や治療をX線CT装置によるガイドの下で実施することによって、手術時間も少なくなり、精度が上がるとして有効しされている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記の様に、様々な検査方法が提案されている中で、問題となっているのが、被曝線量の問題である。現行のX線CT装置はCT撮影を行う前にX線源を特定投影角に固定し、患者ベッドを動かして被検体のスキャノグラム像(透視像又は投影像)を得て、これを基に正確なスライス位置(例えばガイド位置)を決定している。かかる前処理において、X線は通常の開き角を持った扇状X線(以下ファンビーム状X線)を被検体に照射している。スライス位置を決定するに用いる透影像を得るのであれば、通常の開き角のファンビーム状X線を照射する必要はなく、例えば頭部検査の場合、被検体の頭部をカバーできるファンビームを照射すればよい。頭部検査において頭部をカバーするより広いファンビームを照射することは被検者にとって不必要な散乱線を多く浴びていることになるためである。 【0004】本発明の目的は、スライス位置決定のための前処理において被曝線量の減少化をはかるX線CT装置を提供するものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、X線源を連続して回転して被検体の投影データを複数回連続して計測すると共に、この投影データを基に被検体の断層画像を再構成して表示するX線CT装置において、被検体搭載ベッドを移動してスライス位置決定のための固定投影角のファンビームによるスキャノグラム撮影時に、そのスライス位置を含む関連領域の被検体サイズに合うようにファンビーム開き角の絞り制御を行い、この開き角の固定投影角によるファンビームを照射したまま被検体搭載ベッドを上記関連領域の体軸方向に沿って移動させてスキャノグラム撮影を行い、このスキャノグラム撮影画像からスライス位置を決定させるものとしたX線CT装置を開示する。 【0006】更に本発明は、開き角を自在に制御でき、スライス位置関連領域のサイズに応じて制御する制御手段を持つ。これにより、例えば頭部検査のスライス位置決めに際しては、通常の開き角を持ったファンビームを照射せずに、頭部をカバーできる開き角のファンビームまでチャンネルコリメータを用いてファンビームを絞る。また腹部の場合も頭部検査と同様に、腹部をカバーできる開き角のファンビームに絞る。かくして被検者に不必要な散乱線からの被曝低減を実現できる。 【0007】 【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明の実施の形態を詳細に説明する。尚実施の形態の説明の中で、X線源を特定の投影角に固定し、患者ベッドを移動するスライス位置決定のための投影像の撮影をスキャノグラムとして以下説明する。図1は一般的なCT検査の撮影の流れであり、スキャノグラム像(図1ステップ1)を得、この画像から精密撮影の位置や範囲が決定(ステップ2)され、精密撮影される(ステップ3〜5)。 【0008】ステップ1でのスキャノグラムとは図2(a)に示すように、X線源1を固定(投影角を固定すること)し、患者3が乗っているベッド4を動かしてその移動範囲全体を撮影することである。予め大略、仮のスライス位置、又はCTガイドを行う予定スライス位置を設定しておき、この仮のスライス位置の近傍を含む関連領域(以下、関連領域と呼ぶ)の投影像を得る(尚、開き角αの例としているが、実際には図2(b)の開きα1で撮影する。これについては後述する)。例えば予定スライス位置が図3に示すように頭部の鼻部にかけての位置Sjだとすると、関連領域として、首から上に存在する頭部全体を選択し、投影像を得る。この画像から、正式なスライス位置Sj(即ち精密CT撮影位置)を決定する(ステップ2)。次にかかる正式なスライス位置Sjまでベッド4を移動(ステップ3)して位置決めを行い、この位置SjでX線源1を回転させて、精密撮影(例えばCTガイドのためのCT撮影)を行う(ステップ4)。また仮のスライス位置Siを設定せずに、頭部の精密撮影だからということで、図3の如く頭部全体を関連領域として設定するやり方もある。 【0009】ステップ4での精密撮影とは、CT穿刺ガイドにあってはガイドすべく、繰り返しCT撮影を行うことであり、この計測データに基づいて再構成を行って繰り返しCT画像をリアルタイムで得る(ステップ5)。正式なスライス位置は、1個でも、2個以上の例もある。またこれは、頭部といった同じ領域ではなく、頭部に1個、腹部に2個といった例もあることは理解すべきである。そして、こうした複数点で正式なスライス位置がある場合には、ステップ5で1つのスライス位置での繰り返してのCT撮影が終了すると、ステップ3に戻りステップ3〜5の処理をする。 【0010】図2(a)に示したファンビームは通常のファンビームの開き角αを図示したものである。この開き角αとは、X線検出器2の全素子数幅相当角である。図示した開き角αで被検体3にX線源1からX線を照射する場合、図2(b)の斜線で示す領域A、BのX線(開き角α1よりも外側を通るX線)は不必要なX線となる。この不必要なX線は直接被検体に悪影響を与えないものの、このX線が散乱された場合は被検者にとって無効な被曝となり得る。図2(b)中不必要なX線による散乱X線Cを仮想的に図示した。本発明ではこの様な散乱X線による無効被曝を回避するために、必要な開き角α1でスキャノグラム撮影を行った。開き角α1に制御するために図4に示すようなチャンネルコリメータ4、5を使用した。 【0011】ここでチャンネルコリメータ4、5の構成を説明する。単純な構造としては、図5(a)、(b)に示すように、開き角α1として、頭部ならば頭部用の開き角α11、腹部ならば腹部用の開き角α12を持つ同一減弱体10からなるコリメータ4、5がある。6が連結部である。勿論、他のコリメータの例もありうる。この様なチャンネルコリメータ装置4、5を、被検体3とX線源1との間に挿入し配置した。 【0012】開き角α1(α11、α12)とは、図2(b)のα1であり、被検体3のみを透過するX線のチャンネル幅に相当する開き角(+εなる微少幅を含む)である。この開き角α1は、外部の余分なX線A、Bを減弱させているため、図2(b)の如き余分なX線A、Bによる散乱線はなくなり、又は大幅な減弱となり、低被曝を実現する。 【0013】図6(a)、(b)の2組のコリメータ4、5を挿入した場合のファン状X線ビームの形状の変化を図6の(a)、(b)に示した。このX線減弱体はX線吸収係数が高い物質で構成されていればよく、例えば鉛等の金属が最適である。鉛に限らず、他の金属や含鉛ゴムなどでもよい。このように、頭部検査では図5(a)のX線減弱体を、腹部検査の場合には図5(b)と、照射する範囲に応じてX線減弱体を選択することで、腹部検査、頭部検査のスキャノグラム撮影時において、無効な散乱X線をできるかぎり抑制することが可能となる。 【0014】上記の挿入配置するタイプのコリメータ装置のX線減弱体10の実際の機構としては、図7(a)に示すようにX線減弱体10を例えばリニアクモータ11等の運動によってガイドされ挿入してもよいし、図7(b)のようにステッピングモータ12とプーリー13とタイミングベルト14等により引き出せる構造でもよい。タイミングベルト14とX線減弱体10の接続は金属ピン等で接続可能である。いずれにせよ機構としては単純な機構で実施することが可能である。 【0015】コリメータ装置の絞りの制御手段としては、例えば図7(c)に示すように、頭部や腹部等の開き角α1(α11、α12)相当の目標値Dを与え、これをモータ制御回路20に入力して、モータ11を制御することで、開き角α1を実現させるやり方をとる。こうした図7(a)〜(c)を用いれば、例えば頭部検査のスキャノグラムでは、被検体の頭部をカバーできる範囲までX線を絞ることによって、図2(b)の様な不必要なX線を被検体に照射することがなくなり、不必要なX線による散乱X線の発生を抑制することで被検者の被曝低減効果を高めることができる。腹部検査などでも、上記に説明した頭部検査の場合と同様に、腹部をカバーできる範囲にX線をチャンネルコリメータで絞ることで、被検者の被曝低減効果を高めることができる。 【0016】頭部、胸部と連続したスキャノグラム撮影の場合には、複数のX線減弱体の中から、それぞれの部位対応に選択挿入制御すればよいが、この際、以下の如き注意が必要である。X線を照射する範囲がスキャノグラム撮影中に次々にリアルタイムで可変する場合には、当然のことながら、スキャノグラム撮影をしながら、投影角度毎にとかの如くX線ファンビームの絞りをリアルタイムに変化させないと、散乱X線の抑制効果を上げることはできない。従って、部位対応に減弱体を選択させるやり方をとるやり方よりは、開き角α1をリアルタイムで自在に制御できるような機構手段を採用することが好ましい。減弱体の選択の手間を省くことができ、且つ迅速な開き角制御ができる利点のためである。 【0017】この様な場合に好適なコリメータ装置の構造を以下に説明する。図8に示すように頭部スキャノグラムの撮影では図8(a)に示すファンビーム開き角α11でよく、腹部スキャノグラム検査では図8(b)に示すファンビーム開き角α12を必要とする。図8のX線源の下に簡略に示したチャンネルコリメータ装置を具体的に示すと、図9に示すようになる。図9はX線源の側から見た場合のチャンネルコリメータ装置の図である。チャンネルコリメータ装置内の2つのコリメータ4、5を別々に矢印方向に制御できるような制御手段30、31を設けた。制御手段30、31は、図7(a)、(b)に示すと同じような手段(モータ、プーリー、タイミングベルト)よりなる。尚、32、33は、制御手段30、31のモータ10(11)とコリメータ4、5とを結ぶ連結体である。モータにはエンコーダ等(エンコーダについては図示せず)の位置制御等の検出器を用いてフィードバック制御を用いてより高い位置、速度制御が可能としてある。モータの制御には一般的な2軸制御用のボードコンピュータを用い、簡単なプログラムを作成すれば制御可能である。 【0018】チャンネルコリメータ装置内のX線減弱体は通常撮影においては、X線を遮るような作用を与えては通常スキャンに支障を来す恐れがある。このため本発明のチャンネルコリメータ装置は通常、X線を遮らない位置に配置(収納)しておく必要がある。ファンビーム系路の近くとか、CT装置に付属して収納しておくとかした場合には、コンパクトな収納構造が望ましい。こうした収納構造を実現するためには、図5の如き形状固定形のものではなく、折り畳んでおける如きコンパクト化したコリメータを使用すればよい。この場合、収納時には折り畳み、使用時にはそれを引き伸ばして使うとよい。図10にその例を数例示す。 【0019】図10(a)では、コリメータ4、5それぞれをカーテン状に折り畳むことで、収納時のコンパクト化を実現した例である。この場合のX線減弱体は含鉛ゴム等弾性に富んだものを用いる。図10(b)では、X線減弱体を小片に分割してこれらにフックをつけ、1枚目の小片が引き出されれば、それに続いて2枚目の小片が引き出される、いわゆる雨戸状の構造を持ってコンパクト化を実現した。図10(c)は図10(b)を全て引き伸ばして使用した状態を示している。 【0020】図9に示す開口幅L(α1)が、スキャノグラム中に変化、つまり、頭部相当から腹部相当の開口をすれば、頭部から腹部へのスキャノグラム撮影において、散乱X線を効率的に抑制することが可能となる。この開口幅Lの設定は、単純な幾何学的演算を用いれば、求めることができる。この開口幅は頭部のスキャノグラム撮影が終了してから直ちに開口幅を腹部用に変化させてもよし、頭部のスキャノグラム撮影開始から徐々に腹部の開口幅になるように変化させてもよい。これを図で示したものが図11である。 【0021】上記のようなコンパクト化できるX減弱体を有するチャンネルコリメータ装置を用いることで、頭部から腹部へと連続したスキャノグラム撮影に対応することが可能となる。チャンネルコリメータの設置場所は、なるべくX線源に近いほうがよい。これはX線減弱体の移動量が小さく、チャンネルコリメータ装置自体が小さい構成とすることができるためである。尚、360゜周方向に全体にX線検出器を配列した如き例にも適用できる。また、CT穿刺ガイドの例としたが、他の例にも適用できる。 【0022】 【発明の効果】本発明によるコリメータを用いることでスキャノグラム時における不必要なX線を被検体に照射することがなくなり、不必要なX線による散乱X線の発生を抑制することで被検者の被曝低減効果を高めることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000153498 【氏名又は名称】株式会社日立メディコ
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| 【出願日】 |
平成10年6月17日(1998.6.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093872 【弁理士】 【氏名又は名称】高崎 芳紘
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| 【公開番号】 |
特開2000−5160(P2000−5160A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月11日(2000.1.11) |
| 【出願番号】 |
特願平10−170132 |
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